[EU]FFN月報
FFN monthly - European Commission (europa.eu)
2024年5月報告
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727のIRSFF通知から281の疑い
数が多いのは野菜果物の残留農薬基準違反。二酸化チタンやエチレンオキシド、肉や魚の種が違うとかアラビカコーヒーにロブスタが入っている、等。
検出源として内部告発が9件ある
[FSAI]食品サプリメント中の「プロバイオティクス」の安全性評価についての報告書発表
MONDAY, 08 JULY 2024
FSAIは本日、食品サプリメントに含まれる「プロバイオティクス」の安全性評価に関する報告書を発表した。このレポートの目的は、特定の法的基準がない場合に、食品サプリメントに使用される生きた微生物の安全性を評価する企業を支援することである。
「プロバイオティクス」とは、FAO/WHOによって「適量を投与すると宿主に健康上の利益をもたらす生きた微生物」と定義されている。EUの法律によると、「プロバイオティクス」という用語は現在、健康強調表示として認可されていないため、食品または食品サプリメントのラベルに表示することはできない。ただしこの用語が業界や科学コミュニティで広く使用されているため、この科学レポートではそれを使った。
この報告書は、FSAI科学委員会によって作成された。委員会は、「プロバイオティクス」に関連する有害事象の報告は少なく、生理的にリスクのある人における菌血症、敗血症、心内膜炎などの感染症の個別な報告である傾向があることを発見した。
科学委員会は、(i)安全性評価の基準、および(ii)食品サプリメント生産者が製品中の微生物の安全性を実証するために使用すべき証拠に関する勧告をした。
報告書本文
各「プロバイオティック」食品サプリメントごとに、指定のフォームに従って根拠に基づいたリスク評価を行うことが推奨される。
項目は
・製品の詳細
・微生物系統の同定
・各微生物系統の特徴
・製造上の安全性の根拠
(当たり前のことが書いてあると言えばそうなのだがおそらく日本で市販されている無数の「プロバイオティクス」製品でこれを満たしていないのは結構ありそう。)
[SFA]昆虫と昆虫製品を食品として輸入する
trade-circular-on-import-of-insects.pdf (sfa.gov.sg)
8 July 2024
・SFAは規制上の懸念が低いと評価された種の昆虫と昆虫製品の輸入を認める。これらの昆虫と昆虫製品はヒト食用あるいは食用動物の飼料に使える。そのような目的で認可された昆虫のリストはAnnex A
・Annex Bには輸入要件を記載する
輸入業者の登録
シンガポール向けに輸出する昆虫加工施設の事前登録
生きた昆虫の輸入
Annex Aにはバッタやコオロギの成虫、甲虫の幼虫、蚕の幼虫と蛹、ミツバチの幼虫と成虫などが記載されている
Annex Bには生産施設の許認可状態やHACCPプランの文書、餌や飼育・加工条件などの要件が記載されている
新しい昆虫の場合に提出が必要な情報も記載されている
(当然のことながら、いわゆる生ごみや残飯みたいなものを餌にして育てたものは安全性の観点からダメ)
[DHSC]NHSは壊れている:保健福祉大臣の声明
The NHS is broken: Health and Social Care Secretary statement - GOV.UK (www.gov.uk)
5 July 2024
Wes Streeting大臣のスピーチ
(政権交代でどうするのかな)
[FDA]FDAはデマの拡散対策のために企業にさらに力を与えるためガイダンスを更新
FDA Updates Guidance to Further Empower Companies to Address the Spread of Misinformation | FDA
July 08, 2024
本日FDAは、FDAの規制する健康の維持や改善のための医療用品について、正確で最新の科学に基づいた情報を人々が得られるようにする任務を進歩させる。認可された医療用品に関連するデマに自主的に対応する企業に力を与えるため助言を更新する。
(ネットでデマをまき散らすインフルエンサーやセレブなどに対応しやすくする。医療に限らず、虚偽情報の拡散は公衆衛生を脅かすので対処すべき)
[ProMED]テトロドトキシン中毒、フグ-カンボジア:(KAMPONG CHHNANG))
Tetrodotoxin poisoning, puffer fish - Cambodia: (KG)
2024-07-09
https://promedmail.org/promed-post/?id=8717459
Date: Mon 8 Jul 2024 Source: Khmer Times [edited]
Kampong Chhnang地方の5人が市場で買ったフグを食べて中毒になり救急治療を受けた。保健省は患者は回復しつつあることを確認し、人々にはフグを食べないように助言。カンボジアの水域には9種類のフグがいてそのうち5種類が致死的
(売るな、ではなく食べるな、のほうが重要なのだろう)
論文
-太っていることへの態度を再考すべき時、学者が主張
It’s time to rethink our attitude to fatness, | EurekAlert!
8-JUL-2024
アラバマ大学の哲学准教授Rekha Nathの新しい本「何故太っていることはOKなのかWhy It’s OK To Be Fat」の紹介
太っていることは何も悪くない、社会が悪い
(アメリカ、こういう主張が常にある)
-気候と住宅の危機に取り組む:EUはどうやってコンパクトリビングを推進できるか
Tackling the climate and housing crises: How | EurekAlert!
8-JUL-2024
Buildings and Citiesに発表されたHorizon 2020枠組み計画の出資による持続可能性研究所 - Helmholtz Centre Potsdam (RIFS)の研究。
欧州では2000年から2018年の間に一人当たりの生活空間が16%増加したが国により大きな差がある。ラトビアでは一人あたり平均29.6m2、スウェーデンでは48.7m2である。一人あたりの面積を減らすには小さいが質の高いアパートを建設し既存のストックをより有効活用する必要がある。
(広い家に住んで肉をたくさん食べている欧州人が、首都圏で電車通勤している普通の日本人より「環境に良い」わけではないので)
-子どもの食事の質
Diet Quality Among Children | Lifestyle Behaviors | JAMA Pediatrics | JAMA Network
Guodong Ding et al.,
JAMA Pediatr. Published online July 8, 2024
2005-2020年のデータと健康的食事指数Healthy Eating Index (HEI)を用いて米国の子供たち(12-23か月)の食事の質の変化を解析した。
全体として食事の質は改善していた。
(1才の子に野菜果物全粒穀物の完璧な食事とか要求するのは過剰な気がする)
その他
-SMC NZ
Wiles対オークランド大学の雇用裁判所判断発表
08 July 2024
Siouxsie Wilesの雇用主は、彼女が仕事のために受けたハラスメントに対し彼女の健康と安全を守る契約上の義務に違反した、と本日雇用裁判所が判断した
この判断に対して両者が声明を発表した。
SMCは学者とその所属組織の公共への役割に与えるこの判断の影響について専門家のコメントを求めた
(Covid-19パンデミックでコミュニケーションを頑張ったら脅迫を受けるようになった、それに対する大学の対応がよくなかったと。もちろん一番悪いのは脅迫するような人たち)
-SMC UK
子どもの自閉症スペクトラム障害に腸内微生物叢の変化が関連すると報告した研究への専門家の反応
JULY 8, 2024
Nature Microbiologyに発表された研究が腸の微生物叢マーカーと子供の自閉症を調べた
栄養と消化管の健康の独立コンサルタントElizabeth Lund博士
この興味深い論文は強力な解析技術で子供たちの大規模コホートの複雑な腸内微生物叢を調べた。この技術はASDに関連する細菌だけではなく他の微生物や関連代謝経路も同定しているが、細菌を特に強調している。糞便検体の解析が診断に役立つかもというアイディアは魅力的だが再現性の確認が必要である。研究者が指摘しているように微生物叢の違いがASDの原因なのかどうかはわからない。私の見解ではASDの人の食事の好みは多様なので、食事が原因で一貫した特徴がでることはありそうにない
King’s College London栄養科学准教授Dominic Farsi博士
この研究は質の高い統計と機械学習解析を行いASDを区別できる可能性のある腸内細菌叢と生物学的経路を同定した。これらは新しく、診断の可能性にはなるが、さらなる研究が必要である。
Reading大学自閉症センター研究部長Bhismadev Chakrabarti教授
この研究は真菌、古細菌、ウイルスを含めることで理解を拡大した。結果は広い意味でこれまでのものと同様自閉症の人で多様性が少ないことを示す。因果関係は言えない。
-アメリカの学問の自由が危機に
American academic freedom is in peril
RYAN CALO AND KATE STARBIRD
SCIENCE 4 Jul 2024 Vol 385, Issue 6704 p. 7
オンラインのデマを研究している学者が、議員を含む人たちから黙らされようとしている。デマに関する研究が右派の新たな政治的ターゲットになり、オンラインでの嫌がらせ、訴訟、党派性の高いメディアによる悪評の流布に遭っている。人々をミスリードしようとするイデオロギー的キャンペーン活動の邪魔になるからだ。
(アメリカの雑誌を見ているとデマを流すのは大体キリスト教原理主義のような右派ということになっているようだが、同じくデマを流すエコテロリストはどちらかというと左派なのでは。)