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[HK]食品安全紀要
Food Safety Bulletin 99th Issue (12/2024)
9 Dec 2024
特集 食卓の守護者:食品サーベイランス計画の重要な役割
グラヤノトキシン中毒に注意
安全で栄養のある缶詰食品の選び方
外食のナトリウム
超加工食品を理解する
(香港はNOVA分類の曖昧さからむしろ栄養成分表示をちゃんと読め、のほうを重視)
生ガキ、野生のタロイモ
など
[TGA]リコール
-Caruso’sナチュラルヘルスのWEE LESS、BLOAT EZEおよびASHWAGANDHA 7500
10 December 2024
異物混入疑い
製品の内容物と異なる見た目の未知のカプセルが入っている。
未知のカプセルの組成はまだ不明。予備的調査からはプロバイオティクスとココアパウダーが含まれる可能性がある
-Gold Max Blue capsules | Therapeutic Goods Administration (TGA)
4 December 2024
表示されていないタダラフィルが含まれる
-Dynamint X tablets | Therapeutic Goods Administration (TGA)
4 December 2024
表示されていないタダラフィルが含まれる
-MAXMAN tablets | Therapeutic Goods Administration (TGA)
4 December 2024
表示されていないシルデナフィルが含まれる
[COT]ターメリックとクルクミンサプリメントのヒト健康リスクの可能性についての声明
Turmeric and Curcumin Supplements - Introduction | Committee on Toxicity
09 December 2024
要約
1.ターメリックは、熱帯および亜熱帯地域で栽培されている多年生ハーブであるCurcuma longa L(Linnaeus)の根茎(地下茎)の一般名である。ターメリックは食事に安全に使用されてきた長い歴史があるが、ヨーロッパの最近の報告が、ターメリックおよびターメリック由来サプリメントの摂取が肝炎(肝臓の炎症)と関連している。 イタリアとフランスの規制当局は、ターメリックの安全性評価を発表し、ターメリック由来サプリメントの摂取と肝毒性の関連を排除できないと結論した(ANSES、2022;Daniells, 2022)。
2.FSAも、生および粉末のターメリックおよびターメリック由来サプリメントの摂取に関連する肝炎事例を監視している。これらインシデント、生および粉末のターメリックおよびターメリック由来サプリメントの組成の不確実性、および汚染の可能性に関する懸念を考慮し、COTは、ターメリックの摂取によるヒト健康リスクを評価するよう求められた。COT声明には、このトピックに関するCOTの議論の結果と、市場で入手可能なさまざまなターメリックおよびターメリック由来製品のFSA資金提供による分析の結果のレビューが含まれる(Fera、2022年)。
3.評価において、COTは、ターメリックの主要な活性化学成分であるクルクミノイド(すなわち、クルクミン、ビスデメトキシクルクミン(BDMC)、デメトキシクルクミン(DMC))に特に注意を払った。クルクミノイドは、ターメリックおよびターメリック由来サプリメントに含まれている。
4.COTは、ターメリックに含まれる2つの主要なクルクミノイドは、経口摂取では体内に吸収されにくいと指摘した。しかし、サプリメントには合成型のクルクミンや、その吸収を高めることを目的とした製剤があり、その結果、毒性が変わる可能性がある。
5.COTは、入手可能なデータは限られているものの、ターメリックの摂取と肝毒性との関連について合理的な証拠があると結論した。これは、ターメリックの摂取/チャレンジで発生した悪影響が、摂取を止めると回復するからである。COTは、濃度が非常に低いため、最近の肝毒性インシデントが汚染物質(重金属など)の存在によって引き起こされた可能性は低いと結論した。
6.英国のターメリックの普通の食事として(つまり、食品添加物またはスパイスとして)の摂取は、一般に、ADIの0〜3 mg / kg体重の範囲内の曝露である(FAO / WHO、2004;EFSA、2010)。ADIは、健康に有意なリスクを及ぼすことなく生涯にわたって毎日摂取できる物質の量であり、COTは合意している。サプリメントの摂取がCOT声明でレビューされた製品の表示に基づいている場合、食事ADIをわずかに超過するかもしれまないが、健康に有意なリスクをもたらすことはないだろう。しかし、ターメリック/クルクミノイドが健康上のベネフィット目的で、またはサプリメントとして大量に摂取される場合、ADIを時折超過する可能性があり、その結果、健康リスクの可能性がある。
7.ADI未満の場合も含むターメリックサプリメントを使用した人々で肝臓の損傷/損傷(すなわち、 肝毒性)がまれに報告されている。これらの肝障害症例は、普通でなくおよび/または個人に特有の反応によるもので、個人の遺伝的要因に関連する。これらは「特異体質」反応と呼ばれ、まれで、予測不可能で、動物では再現できない。これらの反応の発生は、ターメリック/クルクミンサプリメントの用量と摂取期間によって、個人によりで著しく異なる可能性がある。その個人は、サプリメントを摂取する前に自分が影響を受けやすいことを知らない可能性がある。サプリメントの使用による予期しない特異な反応の可能性は排除できない。
8.COTは、ADIの大幅な超過はヒト健康リスクの可能性があることに同意する、特に他の医薬品が同時に服用されている場合はクルクミノイドと薬物の相互作用により、および肝臓、胆嚢および/または胆管の機能変化のある個人では。
[EPA]Biden-Harris政権は国の化学物質安全性法のもとで人々を発がん物質トリクロロエチレンとパークロロエチレンから守る最新の対応を発表
December 9, 2024
最終規則ではTCEの全ての使用とPCEの全ての消費者使用と多くの商業用使用を禁止し、残った使用では労働者保護を要求する
(消費者にとって一番身近だったのはドライクリーニングかな)
[ANSES]道路の交通汚染に暴露される労働者はリスクが高い
03/12/2024
大気汚染は2012年に発がん性と分類されていて呼吸器や心血管系にも影響があることが証明されている。ドライバーや配達員、ごみ収集作業者、清掃員、道路整備作業員など、多くの時間を道路とその周辺で過ごす労働者は車内外で道路の交通汚染に暴露される。ANSESは公的機関と産業保健専門家に対して、労働環境汚染を考慮して暴露とリスクを減らすよう呼びかける
(労働者に個人防護具装着を義務付けるか労働時間を短縮するかしかないような?)
[EU]動画 健康を増進する運動:何故「運動錠剤」が健康課題にとって必須になったのか
(6 December 2024)
身体的活動の重要性をプレゼンするウェビナー
論文
-砂糖入り飲料は心血管系疾患リスクを有意に上げるが、時々の甘いお菓子は上げない、科学者が発見
Sugary drinks significantly raise cardiovascu | EurekAlert!
9-Dec-2024
Frontiers in Public Healthに発表されたスウェーデンの大規模研究が示唆
Swedish Mammography Cohortと Cohort of Swedish Menの二つの大規模コホートからデータを得て、砂糖の摂取をハチミツのようなトッピング、ペストリーのようなお菓子、炭酸飲料のような甘い飲料、の3つのクラスの砂糖摂取と7種の心血管系疾患とを調べた。2019年までに参加者69705人のうち25739人が心血管系疾患と診断された。健康にとっては甘い飲料からの砂糖摂取が最悪だった。
お菓子は最も少ない摂取群で最も高い健康リスクで、時々お菓子を食べることは全く食べないことより結果は良かった。
スウェーデンではコーヒーとお菓子で休憩する社会的習慣が深く根付いていて、他の文化の集団には当てはまらないかもしれない。
(お菓子食べない人は非社交的あるいは何らかの病気がある人の可能性、とのこと)
-The Lancet Global Health:ほとんどの国は2030年までの重要な世界栄養目標に達しないと予想
The Lancet Global Health: Most nations set to | EurekAlert!
9-Dec-2024
子どもの健康に進歩は見られるが、低出生体重と貧血は世界中で重要な障害のまま
その他
-ワクチンは自閉症の原因ではないが、RFK Jr.の反ワクチンレトリックはまだ生きていて金儲けになる
Vaccines STILL don't cause autism, but RFK Jr's anti-vaccine rhetoric is alive and profitable.
Dr. Andrea Love Dec 10, 2024
この主張は金儲けのためにAndrew Wakefieldがでっち上げたものである。RFK Jr.はこの危険な嘘を25年以上にわたって悪用してきた
Trump政権が納税者の収めたお金をこの長い間嘘が暴かれてきた反科学的主張を「検討する」ために無駄遣いすることを示唆している。
正直言って私は自分の分野での革新的で素晴らしい科学の発展について書きたい、だけど残念ながら私たちが巻き込まれているのは終わりのない陰謀論のもぐらたたきである
(以下最近のニュースとそれへの反論、RFK Jr.の「ビジネス」について)
-Nature今年の10人
Nature’s 10: the people who helped shape science in 2024
9 December 2024
(年末特集が始まった)
2025年の注目の人物の一人がDonald Trump次期米国大統領
-コンシューマーラボ
製品レビュー 押しオート麦とスチールカットオート麦のレビュー
Rolled Oats and Steel-Cut Oats Review & Top Picks - ConsumerLab.com
Updated December 09, 2024
予期せぬグルテンに注意
オート麦は天然にグルテンを含まないが、加工時の交差汚染でグルテンが含まれることがある。コンシューマーラボの検査では2製品からグルテンを検出し、そのうち一つはグルテンが700ppmであった。カドミウムは全製品から検出されたが量は安全基準以下であった。2製品から少量のカビと酵母が検出された。
-RFK Jr.が再生農業を主張する。カリフォルニアはいまだその定義中
RFK Jr.’s into regenerative ag. California’s still figuring it out. - POLITICO
12/04/2024 By Katie Rodriguez, Camille von Kaenel and Marcia Brown
再生農業が全ての政党で人気である。問題はそれが何か正確な定義がないことである。
-西洋はアフリカの肥料需要に取り組む必要がある
The West Needs to Come to Grips with… | The Breakthrough Institute
Apr 29, 2024 Vijaya Ramachandran & Alex Smith
有機農業では世界は食べられない
アフリカ大陸は作物の収量の低さで悪名高い(単位面積当たりの収量の表あり)。
理由の一つが肥料の使用量の少なさである。エジプトと南アフリカ以外では化学肥料の使用量は極端に少ない。従って飢餓の解消のために農業への投資が必要だが、多くの西洋の環境活動家たちは肥料を使わないことを指導する。貧しく生産性の低い農業経済で肥料の使用を増やすことに反対することは大きな間違いである。
アフリカで欧州式の有機農業を推進するには(たい肥源となる)畜産の大幅な拡大が必要で、そのためにはより多くの肥料が必要になる。有機農業の強制的推進はスリランカの悲劇を見ればどうなるか明らかである。
富裕国がアフリカでの合成肥料の使用拡大に反対するとき、それは気候政策の名の下にアフリカ開発にブレーキをかけている緑の植民地主義と同じである。
[FDA]FDAの対策が勢いを増す中、若者のタバコ製品使用は減少し続けている
Youth Tobacco Product Use Continues to Decline as FDA Actions Build Momentum | FDA
12/04/2024 By: Dr. Brian King, Director of FDA’s Center for Tobacco Products
私たちは成人の多くが青少年の時期にタバコを吸い始めることを知っている。だからこそ最近発表された全国若者タバコ調査の結果が、若者のタバコ使用が25年前に調査が始まって以来最低だったことは記念すべきである。
Youth Tobacco Product Use at a 25-Year Low, Yet Disparities Persist | FDA
October 17, 2024
[Tukes]Tukes協力交渉を最終化する
Publication date29.11.2024
Tukesは協力交渉の結果人員を約30人削減する。8人が余剰である。当初は最大45人削減予定だった。この交渉は運営予算が削減されたためである。
Tukesは現在多様な分野で290人の専門家を雇用している
[ヘルスカナダ]ヘルスカナダはカナダの大麻使用の新しいデータを発表
Health Canada releases new data on cannabis use in Canada - Canada.ca
December 6, 2024
2024カナダ大麻調査
・大麻使用を報告する割合は低下し続けている。最も多いのは喫煙、次いで食べる、電子タバコでの吸入
・合法なところからの入手は72%
・大麻使用後に運転したと報告したのは18%
・16-19才の大麻使用率に変化はない(41%)
(25才以下の若者に吸わないように教育することには成功していないようだ)
論文
食品企業が英国の子供の教育に侵入している:ステルスマーケティング暴露
Food industry has infiltrated UK children’s education: stealth marketing exposed | The BMJ
Emma Wilkinson (フリーランスジャーナリスト)
BMJ 2024;387:q2661
食品や飲料のブランドが、朝食クラブや栄養ガイドや健康的食生活キャンペーンで学校や保育園に広範な影響を与えていることがわかった。専門家はその戦略により厳密な監視と抵抗が必要だという
食品企業は資金提供や無料の教材提供などで子供たちに「健康的」食生活の推進を何十年もしてきたが、英国の肥満は悪化している。専門家はこれらに問題が大きく抵抗すべきだという。
38人の意思や研究者らが政府にこれらステルスマーケティングを止めさせるようにオープンレターを書いた
bigfoodschools20241127.ww1.pdf
商業影響力より個人の責任を強調する
動画あり
(無料の朝食を提供したりすることでイメージをよくするのがダメだとか、いいがかりのような主張。教育なのだから自分で選べるようにあれこれ教えるのは当然なのでは?加工食品は悪と主張しているChris van Tulleken博士とオーガニック推進のSoil Associationの主張はしっかりした根拠がなくてもいいらしい。食品企業をタバコとアルコール企業と同じだから完全に追い出せと主張して、ではその分何を食べさせるのだろう?)
意見
ベビーフードの通りは健康政策とガバナンスの盲点
The baby food aisle is a blind spot in health policy and governance | The BMJ
Vicky Sibson
BMJ 2024;387:q2710
市販のベビーフードは今や当然のように摂取しているが、その問題の根拠は増加していてより厳しい規制が必要である
(市販のベビーフードは超加工食品だから悪いとも言っている。赤ちゃんに加工しない食品がいい、っていう主張はおかしいと思わないのだろうか。お母さんが小さく切ったり柔らかくしたり裏ごししたりするのは加工ではないのだろうか?)
-THE LANCET
米国の肥満危機:何故いまだ平坦化する兆候がないのか?
The obesity crisis in the USA: why are there no signs of plateauing yet?
Sylvain Sebert
THE LANCET コメントVolume 404, Issue 10469p2241-2242December 07, 2024
GBD 2021 US肥満予測共同研究において1980-2021年のデータを用いて2022-2050の肥満と過体重の予測がされている。予測では一部の州では肥満と過体重が80%にもなる。
既存の政策は肥満と過体重の対策に失敗しているようで、より強力な、全システムの関与したガバナンスが必要である
オープンアクセス
米国の医療パラドクス:ベールをとる
The US health-care paradox: lifting the veil
Zimeng Gaoa ∙ Stefanie J Hollenbach
THE LANCET コメントVolume 404, Issue 10469p2244-2246December 07, 2024
米国は同等の国より医療に2倍以上使っているのに健康関連の指標は低下し続けている。健康の不平等も拡大し続けている
視点:米国の健康の低下:対応を求める
Reversing the decline of health in the USA: a call to action
Prof Ali H Mokdad, PhD ∙ Prof Christopher J L Murray, DPhil
Viewpoint Volume 404, Issue 10469p2392-2394December 07, 2024
米国の公衆衛生特集の一部である一連の論文から。
(アメリカの健康や医療政策、どうみてもお手本にすべきではない。なのに他国に政策を提言できる厚顔さが不思議)
SMC UK
-政府のジャンクフード広告禁止規制と対象食品の詳細についての専門家の反応
December 4, 2024
King’s College London栄養科学教授Sarah Berry教授
全体としてこれはしっかりした第一段階である。HFSS食品が子供の健康に悪影響があるのは何十年にもわたる良い根拠がある。特に砂糖で甘くした飲料がリストに入っていることを歓迎する。リストにあがった多くの食品はスナックで、それも良いニュースである。子供たちはしばしば食事は健康的なのに質の悪いおやつを選ぶからである。
-ダークあるいはミルクチョコレート摂取と2型糖尿病の関連についての研究への専門家の反応
December 4, 2024
BMJに発表された研究がチョコレート摂取と2型糖尿病の関連について調べた
Queen Mary University of London (QMUL)ポスドク研究者Mohammad Talaei博士
プレスリリースは一般的に可だが私はもっと慎重な方がいいと思う、例えば「ミルクチョコレートではなくダークチョコレートを多く食べる人は2型糖尿病リスクが低かった」のような。
この研究はたくさんの交絡要因を調整しているが、観察研究であるため完全に調整できているかは不明である。
また著者が注記しているように、既に一つの実験研究が行われている。ただし3.5年のココアフラバノールサプリメントはもっと長いフォローアップ期間と完全に比較はできない。
2型糖尿病予防のためにダークチョコレートはまだ推奨できない
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
この研究は参加者が多く、注意深く行われているが結果の解釈は単純ではない。たくさんの疑問が残っている。
11万人以上を解析対象にしているが新たに2型糖尿病と診断されたのは5000人弱でそのうち週に5回分以上ダークチョコレートを食べている人では僅か132人である。つまりリスク推定には大きな統計エラーマージンがある
(たくさんの記述のうちの一部)
Bristol大学臨床疫学教授George Davey Smith, FRS FMedSci
クリスマスのBMJは深刻に受け取るべきではない論文を発表する。しかしこれはまじめな論文らしく、驚きである。
ミルクチョコレートを食べる消費者とダークチョコレートを食べる消費者が違うことは驚きではなく、多くの研究がダークチョコレートの摂取は高収入の人が多いことを示してきた。チョコレートについてはRCTが何度も失敗している。
この論文は疫学の初級クラスの教材となるであろう―現在の集団健康研究にどれだけ多くの問題があるかの。
Aberdeen大学Rowett研究所Baukje de Roos教授
最近の大規模RCT(COSMOS study)でココアフラバノールサプリメントは2型糖尿病リスクに影響しないことが示されている
-肥満へのチルゼパチドのNICE最終ガイダンス案への専門家の反応
expert reaction to NICE final draft guidance on tirzepatide for obesity | Science Media Centre
December 5, 2024
肥満へのチルゼパチド(Mounjaro)の使用についてのNICE最終ガイダンス案に科学者がコメント
糖尿病UK政策キャンペーン部長Helen Kirrane
アクセスを拡大する新しいガイダンスを歓迎するが入手可能になるまで時間がかかるだろうことに懸念がある。
Aberdeen大学Rowett研究所ヒト栄養部長Lora Heisler教授
我々はどんな病気であれ最良で最も有効な医薬品を患者に提供しなければならない。従って最も有効な医薬品を肥満の人が受け取るのは極めて重要な一歩である。しかしチルゼパチドは魔法の弾丸ではなく副作用もあり食事と運動を伴わなければならない。
McGill OSS
-寿司の物語
The Story of Sushi | Office for Science and Society - McGill University
Melody Ko MD | 6 Dec 2024
寿司と言えば「生魚」だと思う。しかし話には続きがある。
寿司はもともとは生の魚ではなく発酵させた魚であった。
(以下寿司の蘊蓄を語っている)
-黒いプラスチックのお玉やヘラは使っても安全?
Joe Schwarcz PhD | 6 Dec 2024
私にとって、そのリスクは捨てるほどではないが、科学はそのようなアイテムから難燃剤を排除する方法を探るべき
Chemosphereに発表された論文「家庭用品に難燃剤が混入してプラスチックのリサイクルの追加の懸念となっている」が大きく取り上げられた。基本となるメッセージは「電子機器に使用されている有害難燃剤が、おそらくリサイクルによって、おもちゃや台所用品のような黒いプラスチックの家庭用製品に検出された」である。有害な“harmful”という単語には数字が必要である。実際の暴露量は?あなたがフライ返しでオムレツをひっくり返すとき、フライ返しは燃えることはない。
Birmingham大学の研究者らはこのことを研究して黒いプラスチックアイテムの通常の取り扱いでは難燃剤の溶出は検出されなかった。ただし160℃のオリーブオイルに15分入れておくと少し溶出した。このような状況はあまり普通ではないし揚げ油を全て摂取することもない。しかしこの研究に基づいてNPOのToxin-Free-Futureの科学者が汚染器具由来のBDE-209が毎日34,700 ng人体に入る、それは参照用量7,000 ng /kg body weight /day、体重60kgの成人だと42,000 ngでそれに近いと主張した。しかし7,000の60倍は420,000であって全く近くはない。
リスクの評価にはしばしば計算が必要になる。小さな計算の間違いは大きな懸念の原因となる。
-歯のX線はおそらく過剰使用されているが、安全である
Dental X-Rays May Be Overused But They Are Safe | Office for Science and Society - McGill University
Jonathan Jarry M.Sc. | 6 Dec 2024
歯の咬翼X線撮影による過剰な放射線被ばくへの恐怖は、数字をよくみれば取るに足らない
重要メッセージ
-咬翼X線撮影は歯科医院でT字型センサーを噛んで撮影される写真である。
-一部の研究がそれに頼りすぎると初期の虫歯を見逃す可能性が報告されているが質が低すぎて結論できない
-頻繁に撮影しても線量はごくわずかである
(米国の横断飛行で35 microSv、米国人年間平均6200 microSvで半分は自然由来、歯の撮影0.3-5microSv)
その他
-シドニーの培養肉スタートアップVowが香港で「フォアグラ」を発表
Sydney lab-grown meat startup Vow launches in Hong Kong with 'Forged Gras' - Startup Daily
Simon Thomsen November 29, 2024
Vowは量販品の代用ではなくハイエンドの食通向けのプレミアム製品を目指している
[FSANZ]食品基準ニュース
FOOD STANDARDS NEWS
December 202
https://mailchi.mp/foodstandards.gov.au/food-standards-news-2024-dec?e=21527ddb09
CEO年末のメッセージ
ホリデーシーズンの食品安全
リコール情報
園芸部門の一次生産加工基準
等
[EFSA]イベント
ウェビナー:フードチェーンに使われる微生物のキャラクタリゼーションとリスク評価のガイダンス案
17 December 2024
[EFSA]評価
香料グループ評価
・Flavouring group evaluation 420 (FGE.420): Hesperetin dihydrochalcone
[BfR]食品安全について一緒に働く新しいやり方
New ways of working together on food safety
3 December 2024
BfRは英国当局との作業計画に合意
FSAとFSSとの協力に合意した。
[BfR]ブドウからワインへの14の農薬の移行―スパイクしたブドウと畑で処理したブドウとの比較
05.12.2024
Journal of Food Composition and Analysisに発表した論文の紹介
結論としては両者に有意な差はなく、ワインへの農薬移行研究に野外処理検体が絶対必要というわけではない
ワイン製造中に農薬濃度は減る、加工係数は0.12から0.87(農薬のlogKOWに関連)
[RIVM]50才以上の人でのカドミウムと鉛の混合物のリスク評価
Risk assessment of the mixture of cadmium and lead for people over fifty | RIVM
05-12-2024
カドミウムと鉛はそれぞれ腎機能に悪影響があり、これまで別々に単独での影響を評価してきた。今回複合影響を評価する。
結論としてはこれら重金属の摂取量は多すぎるので、腎機能が低下している可能性がある。
不確実性が多く、正確な複合リスク評価はできなかった。さらなる研究が必要。
-成人のカドミウムと鉛のバイオモニタリング
Biomonitoring of cadmium and lead in adults | RIVM
05-12-2024
ほぼ全員の血液と尿からカドミウムと鉛が検出された。主な暴露源は食品であるが喫煙も重要な暴露源である。測定された鉛濃度は腎機能低下と関連した。
(カドミウムと鉛は明確に有害なのでPFASより注目されてもいいのに。)
[COT]2024年12月10日のCOT会合の議題
COT Meeting: 10th December 2024 | Committee on Toxicity
04 December 2024
ペーパーが掲載されているもの
・2024年10月21日の会合の議事録
Draft Minutes of the 21st October 2024 COT Meeting | Committee on Toxicity
・母親の食事中のエキナセア
Echinacea in the maternal diet - Introduction | Committee on Toxicity
エキナセアは風邪症状に使われる。伝統ハーブとしてEUや英国で登録されているが、それらは12歳以上向けで妊娠中や授乳中は推奨されない。にもかかわらず、調査によると妊婦の4-10%がエキナセアを使っている。さらにTHR登録されていない一連の食品や食品サプリメントにエキナセアやその抽出物を含むものがある。それらの安全性については不確実性が大きい。毒性は低いもののアレルギーおよび薬物代謝酵素抑制作用の懸念がある。汚染物質については一般的に重金属は安全基準未満であるが真菌やカビ毒がリスクになる可能性がある。
・妊娠中のショウガサプリメント使用に関する第三次声明案
・妊娠中のカルシジオール補充についてのディスカッションペーパー
Calcidiol supplementation during pregnancy - Introduction and Background | Committee on Toxicity
カルシジオールはビタミンD3(コレカルシフェロール)の新規摂取源でコレスタトリエノールから合成される。ビタミンD3より3-10倍強力と報告されている。合意された換算係数はない。
・COTガイダンス開発
Developing COT guidance - Introduction | Committee on Toxicity
[COT]緑茶カテキンの肝毒性についての声明
Statement on the Hepatotoxicity of Green Tea Catechins - Introduction | Committee on Toxicity
05 December 2024
全文及び補遺A&B掲載
ピロリジジンアルカロイドについての考察も含まれる
(お茶のピロリジジンアルカロイドは雑草由来なので栽培の時の雑草管理が重要)
(結構ボリュームのある評価書で引用文献も多いのに、日本の研究があまりない。)
[EPA]EPAはよりよく公衆衛生を保護し、効果的で一貫させるために新規化学物質レビュープロセスを改革する
December 4, 2024
最終改定は新規PFASや難分解性・生物蓄積性・有害(PBT)化合物が製造前に安全性レビューされることを確実にする
TSCAの改定
PFASの生産量が少ない場合の完全レビューからの例外を取り消して全ての物質を完全レビュー対象にする
[ASA]大豆なら違うと言って(? Say it ain’t soのもじり):肉を含まない製品の広告ガイド
Soy it ain’t so: A guide to advertising meat-free products - ASA | CAP
05 Dec 2024
ビーガンやベジタリアン用の製品が近年増加している。しかし消費者が何を買っているかを理解していることが重要である。
・誇大宣伝をしない
・言葉は適切に
英国の法では乳製品でない代用品に「ミルク」という用語を使うことを禁止しているが、現在肉やバーガーやステーキのような用語には適用されない。肉関連用語については文脈から判断する。
・健康強調表示は認可が必要
動物由来でないことのみをもって健康的だとするヘルスクレームは認められていない。「より健康的」のような一般的健康強調表示は認可されたヘルスクレームと一緒の場合にのみ認められる。
(パロディだらけなので紹介しにくい)
[USDA]APHISはバイオテクノロジー規制の更新を無効にする裁判所の判断を通知
2024年12月2日午後6時18分、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は、遺伝子工学を使用して開発された生物について2020年5月に発行された米国農務省(USDA)の最終規則(7 CFR part 340)を無効とした。2024年12月2日より前にUSDAが発行した規制状態レビューの回答、確認要請の回答、および有効な許可は引き続き有効である。APHISは次のステップを決定中で、今後数日間に関係者にガイダンスを提供する
[FSSAI]E-コマース食品事業者に、食品安全コンプライアンス強化についての助言
Advisory for e-commerce FBOs on Strengthening Food Safety Compliance
Updated on:03-12-2024
https://www.fssai.gov.in/upload/advisories/2024/12/674efa161d756Adobe%20Scan%203%20Dec%202024.pdf
食品部門の電子商取引の成長を鑑みると、事業者のコンプライアンスはオンライン販売される食品の安全性、品質、真正性にとって必須である。規制を守ることで全体的な食品安全エコシステム強化に役立つ。
重要な項目の一つは配達員の訓練である。食品と食品以外のものは別々に運ばなければならない。さらにオンラインで宣伝されていたものと製品の物理的表示は一致しなければならない。消費者の信頼を維持するために、配達される食品は十分な期限がなければならない。FSSAIは配達時点で期限の最低30%あるいは期限切れまで45日残っていなければならないと定めている
[FSAI]アイルランドのフードシステムへの信頼継続を確実にするFSAIの新しい5年戦略
03 December 2024
2025-2029戦略を発表
[EU]JRC 持続可能なEUフードシステムへの移行を追跡するモニタリングダッシュボード
A monitoring dashboard to track the transition to sustainable EU food system - European Commission
29 November 2024
EUの食料生産、加工、流通、摂取の、環境、社会、経済の持続可能性を評価するのに役立つ新しいツール
何をモニタリングすべきか?
公共の情報源や学術文献から、指標候補300以上をスクリーニングした。
最初のダッシュボードでは44の見出し指標を含む。ダッシュボードは時間とともに進化する。
EU Food System Monitoring Dashboard
その他
-NZ SMC
政府が科学研究費提供から人文と社会学をカット-専門家の反応
Govt cuts humanities and social science funding - Expert Reaction - Science Media Centre
04 December 2024
ニュージーランドの「独創的」研究資金であるMarsden Fundから人文と社会科学が削除された
以下多数の反対コメント
(反対意見しかないけれどこれでは理由がわからない。少なくともNZは「先住民の智慧」とやらを科学的根拠のある治療法と同等にみなせるというくらいには人文系の主張が強かったはず)
-Nature
エディトリアル
政府に科学について助言するのは必須であるが難しい。だから人々にその訓練を。
Advising governments about science is essential but difficult. So train people to do it
04 December 2024
偉大なる科学者は必ずしも効果的な科学助言をしない―しかし学習と実践でギャップを埋めるのに役立つ
科学は世界の最大の問題のいくつかを解決できる、何故政府は使わないのか?
Science could solve some of the world’s biggest problems. Why aren’t governments using it?
04 December 2024 By Helen Pearson
Natureが政策決定者への科学助言について世界の約400人の専門家に調査した結果
-Science Volume 386|Issue 6726|6 Dec 2024
ニュースを一目で
News at a glance
・世界プラスチック条約会議は合意できなかった
・米国議会の委員会がCOVID-19報告を発表
・驚きの遺伝子が猫をオレンジにする
X染色体上の突然変異がArhgap36というたんぱく質の量を増やし、それが色素細胞に働いて薄赤の色素を作る。ヒトを含めほとんどの哺乳類の赤毛はMc1rというたんぱく質の変異が原因で、これまで60年以上猫のオレンジの毛皮の原因は不明だった(茶トラ)
-IQ2GM食品ディベートから10年
A decade since IQ2 GM Food Debate – Biobeef Blog
December 1, 2024 / alvane
10年前の2014年12月3日、私はニューヨーク市のKaufmannシアターで行われたIntelligence Squared (IQ2) ディベートに参加した。トピックスは遺伝子組換え食品だった。そして私とモンサントのRob Fraleyが賛成側で議論して、思いがけずニューヨーク市民の大多数が「イエス」に投票した。思いがけずと言ったのは、当時GMO食品についてはたくさんの恐怖とデマが拡散されていたからである。閉会にあたって、私は科学的に最良の公衆衛生対策を子供たちに残す責任があると述べ、その例としてワクチンとミルクの殺菌を挙げた。皮肉なことに10年たって、この二つが脅かされている。今や根拠のないデマの大波が科学的根拠に基づく説明を圧倒している。
-アルミニウムワクチンアジュバントは食物アレルギーの原因ではない
Aluminum vaccine adjuvants are not causing food allergies
Dr. Andrea Love Dec 05, 2024
RFK Jr. がまた免疫についての危険な虚偽情報を広めている。
RFK Jr. がMikhaila Fullerのポッドキャストで食物アレルギーの増加はワクチンに含まれるアルミニウムのせいだと主張している。
(以下解説。途中でAndrea Love博士が自分のタトゥーの写真で抗原提示細胞の説明をしている。ちょっとびっくり、強い。)
-私たちのフードシステムへの恐怖と戦う
Fighting Fear of Our Food System - Dirt to Dinner
By Garland West November 20, 2024
信頼できそうな情報源からの毎日の報道が私たちの食品について懸念と混乱を創り出しているために、食べ物について疑問を抱くのは無理もない。けれども私たちのフードシステムの事実はそのような主張を支持するか?よく見てみよう。
スクープ:あなたの食品は安全
アメリカのフードシステムは世界で最も安全なもののうちの一つである。実際、私たちはこのことを数年前に報告したがここに更新情報を含めて再度投稿する。
残念ながら、ニュースサイクルは相変わらずで一部は悪化すらしている。恐怖や懸念を引き起こす無限の報道から逃れることはほぼ不可能である。そして食品への恐怖から逃れたとしても、一部の人たちは食べることそのものに罪悪感を感じさせたがっている。
以下普通の食事:ミートローフ、チーズマカロニ、サザンアイランドドレッシングのサラダ、アイスクリームをのせたアップルパイ、コーヒー、を例に解説
最後は農家や食料生産者のことを過小評価しないで。
-腐敗した国連会議システム
A Corrupted UN Conference System - by David Zaruk
Dec 05, 2024
国連プラスチック条約会議の参加者からの報告を匿名で。企業からの参加者なので活動家からの攻撃を避けるため。
国連プラスチック条約会議には少なくとも4000人が出席し、参加可能な全体会議はたくさんあったものの圧倒的に多数の活動家がいたため実りある議論ができなかった。非公開のセッションでは会場の周辺にただいるしかなかった。たくさんのサイドイベントの多くが参加者を制限し、業界関係者は参加できず、UNEPのメーリングリストはまるでNGOの宣伝のようだった。
各国の代表団の中に、本来いるべきではない人物がいることを確認した。石油や化学企業が国営の場合の国の代表とNGOが入り込んでいる場合との両方で。
NGOが本当は何を望んでいるのかも明確ではなかった。ごみの埋め立て地でリサイクル可能なプラスチックを集めることで生計をたてている人はプラスチックごみが無くなることが心配だと言い、別のグループはLGBTQや女性の権利を主張した。多くの小国はお金を要求するために釜山に行ったようだった。それは会議の目的ではなかったが。
プラスチック業界は発言せず、ただ議論の進行を見ていた。より大きな問題は、WHOが業界団体を締め出す動きで、それは既にある程度達成されている。一方NGOは発言権を拡大している。
議論されたことの一つには投票をコンセンサスから多数決に変更することであった。現状、世界プラスチック条約の考えに誰もが同意できるコンセンサスは困難である。しかし一国一票の制度では小さな国が大国と同じ影響力を行使できる(そして活動家が入り込みやすい)。
[EFSA]評価
農薬
・Setting of import tolerances for hexythiazox in blackberries and raspberries
EFSA and FSAI Serious Cross‐Border Threats to Health Crisis Preparedness Training
[EU]欧州委員会は煙のない環境についてより強力な対策を求める欧州理事会の助言を歓迎
Council Recommendation on smoke-free environments
Dec 3, 2024
タバコとニコチンの摂取は最大の避けられる健康リスクである。
助言は子供と若い人をよりよく守ることに特に焦点をあて、禁煙政策に電子タバコや加熱タバコのような若い人向けの新興製品も含めるように要請している。
WHOは受動喫煙に安全な量はないと明確に述べていて、電子タバコや加熱タバコのような新興製品由来のエアロゾルへの受動暴露は呼吸器や心血管系問題をもたらす可能性があると説明している。
欧州委員会は加盟国が助言を履行するための支援を行う
[RIVM]総ばく露―リスク評価における割り当て係数の使用を探る
Aggregate exposure – exploring the use of an allocation factor in risk assessment | RIVM
03-12-2024
日常生活で人々はいろいろな形で化学物質にばく露されている。例えば食品、水、化粧品、その他消費者製品。安全に使われるために一つの製品中の物質の安全量が設定されているが、他の暴露源は考慮されていない。例えばビタミンAは化粧品、食品、サプリメントに含まれる。各種製品からの暴露を考慮するため、割り当て係数を使うことを検討した。WHOガイドラインでは飲料水の割り当て係数が20%となっている。RIVMはそれを化粧品(パーソナルケア製品、メーキャップ用品、日焼け止め、練り歯磨き、消臭剤等含む)にあてはめる検討をした。
[DHSC]子どもの肥満を減らすため、ジャンクフード広告の禁止規制がすすむ
Junk food ad ban legislation progresses to curb childhood obesity - GOV.UK
3 December 2024
2025年10月からジャンクフード広告が禁止される、詳細を本日発表
どの食品が対象かの詳細は以下
Restricting advertising of less healthy food or drink on TV and online: products in scope - GOV.UK
(栄養プロファイリングモデルでスコアリングする)
[BfR]ハウチワマメ、昆虫、培養肉:代用たんぱく源の健康リスク評価の現状は?
02.12.2024
FAQ
[UKHSA]最新のデータが子供の鉛暴露事例の増加を示す
Latest data shows rise in lead exposure cases in children - GOV.UK
3 December 2024
学習や発達に困難がある子供たちが鉛暴露リスクが最も高い
イングランドでは鉛濃度が高いと判断される血中鉛濃度を2021年以降0.48µmol/Lから 0.24 µmol/Lに半減している。2023年は2022年に比較して報告症例数が増えた。
多くが貧困地域の古い家に住み、学習や発達に困難がある子供たちでリスクが高い;介入症例の82%で異食行動があり、69%が学習に困難を経験していた
[MHRA]化学物質安全性試験のGLP
Good laboratory practice (GLP) for safety tests on chemicals - GOV.UK
Last updated 3 December 2024
[FDA]FDAは有毒なキバナキョウチクトウに代えられているある種のサプリメントに警告(2024年1月)
December 3, 2024
さらに2製品を追加し、合計18製品
(リコール状況の欄をみると会社がリコールしない、FDAが連絡できないといったところが多く、まともでない会社が売っていることを示す。でもアマゾンで買える。)
[FAO]2024年農産物市場報告
The State of Agricultural Commodity Markets 2024
2024
(ここでもUPFが肥満と関連という項目がある。
SPS協定での「公衆衛生保護」が肥満予防のために脂肪の多い肉製品に高い関税を課すことを正当化する事例などが好意的に紹介されている
特に南太平洋の島の人たちは食品が輸入されなければ太らなかったと思われているようだ)
[ASA]ASA裁定
04 December 2024
電子タバコ製品が「喫煙より95%害が少ない」という宣伝が誤解を招くもので基準違反、またニコチン含有製品の広告基準にも違反
-Bodystreet Franchise (UK) Ltd - ASA | CAP
04 December 2024
EMS(電気刺激装置)の20分が3時間のジムでのトレーニングに相当する、という宣伝に根拠が十分でない
(EMS関連研究所のそれっぽいデータは出しているが却下されている)
-Vita Studio Pte Ltd - ASA | CAP
04 December 2024
モバイルゲームアプリVita Mahjongが記憶障害や睡眠障害に役立つと宣伝。病気の治療広告で基準違反。
[CFIA]すぐ食べられる食事、植物油脂中フタル酸(2020 から 2021)
Chem TS - 2020-21 - Phthalates in Selected Foods - Report - EN - PDF-2.pdf
2024-11-25
合計500検体の6種のフタル酸を検査した。93%の464検体からは検出されなかった。検出された量は0.2 ppmから4.2 ppmであった。全体として、前回調査より検出率、検出量ともに少なかった。食品中フタル酸についてカナダの規制はないが、検出された全ての量は安全と評価された。
Nature
-100まで生きる秘訣は?100才長寿幹細胞が候補かも
What’s the secret to living to 100? Centenarian stem cells could offer clues
29 November 2024 By Smriti Mallapaty
100歳以上の人由来の細胞バンクが科学者に長寿の新しい研究資源を与える
-加齢とは?この分野の研究者ですら合意できない
What is ageing? Even the field’s researchers can’t agree
03 December 2024 By Smriti Mallapaty
加齢を研究している科学者に調査したところ基本的なところで合意がないことがわかった
この分野の100人にきいたところ、加齢とは何か、それは病気か、いつ始まるのか、などを含めすべてのことに合意がなかった
(加齢が何かはわからなくても、アンチエイジングクリニックはサプリメントから点滴まで、何でも売っているよ)
-EUがグリーンディールをリセットしなければならない理由―あるいは後れを取るか
Why the EU must reset its Green Deal – or be left behind
03 December 2024 Rabah Arezki et al.,
欧州の野心的気候対策がデザインされた時から世界は変わった。合意は進化しなければならない
写真:ブリュッセルで3月にEUの農業政策に抗議する農家のトラックの列
(ついにNatureが欧州グリーンディールの失敗を認める記事を掲載。)
-プラスチック条約は緊急に必要、しかし正しい条約には時間がかかるだろう
A plastics treaty is urgently needed, but getting it right will take time
03 December 2024
最近の会議で合意できなかったが、話し合いは続けることを約束した、そしてそれは小さなことではない
会議が合意できなかったのは驚きではない。国際合意には時間がかかるものだ。特に複雑な問題の場合には。
科学者が重要な役割を果たす分野でも話し合いに参加するのは困難だった、理由の一部はロジスティックで、約3300人もの参加者が部屋に入ることができなかった。もう一つは一部の決定が閉鎖された特定の国だけで行われた。
その他
-SMC UK
牛の飼料添加物Bovaerについてのソーシャルメディア投稿への専門家の反応
expert reaction to social media posts about cattle feed additive Bovaer | Science Media Centre
December 3, 2024
牛の飼料添加物Bovaerについてのソーシャルメディア投稿に科学者がコメントする
Leeds大学環境毒性学名誉教授Alastair Hay教授
‘Bovaer 10’という名前の添加物は反芻動物にメタン排出削減目的で与えられ、FSAが2023年3月29日に認可した用量で使えば安全である。
この製品は英国では18か月ほど使用認可されている。
有効用量では牛のメタン量を21-33%減らす。この添加物、化学名は3-ニトロキシプロパノール(3-NOP)、は動物に害はない。乳量に影響はない。
3-NOPは反芻動物の消化管でメタンが発生する最終段階であるメチル補酵素M還元酵素(MCR)を阻害する。3-NOPは牛で速やかに3-ニトロキシプロピオン酸(3-NOPA)に代謝され血中から約3時間で速やかに消失する。3-NOPを与えられた動物の乳から代謝物は検出されない
(以下FSAの評価へのリンク等あり)
(消費者は環境に良いものを買う、とアンケートには回答するけれど実際の購入には環境はあまり優先されない。ネットではビルゲイツの陰謀だ論まで含めてデマが氾濫している模様。環境のため、という訴求が逆に胡散臭いものになっている部分もありそう。)
-国連プラスチック条約は企業のロビー活動のために決裂したのか?
Was the UN Plastics Treaty Collapse Due to Industry Lobbying?
David Zaruk Dec 03, 2024
釜山のNGO活動家の数は企業からの参加者より数で10倍以上上回っていた
先週の国連世界プラスチック条約会議は、予想通り合意なく終了したが、環境保護活動家たちがいつものように自分たちの失敗を企業や産油国のせいにしている。
企業のロビイスト220人に対して活動家NGOのロビイストは2200人以上だった。
(149ページの参加者リストあり)
関係者は1団体5人の参加が認められているがグリーンピースは少なくとも29人、WWFは少なくとも27人が参加している。どうやって?別の団体や政府の代表団に紛れて。例えばフィジー代表団は11人中4人は政府関係者ではなく大手環境NGOの出身者だった。フィリピンも同様。
新しいタイプの活動家団体:財政支援者
(以下出自の怪しい参加者の数々等)
NGOは妥協したり現実的な解決策を探ることには興味がない。彼らの目的は教義を唱え、失敗を誰かのせいにし、資金提供者にさらなる支援を求めることである。
-超加工食品:政府の行動のための展望
Ultra-processed food: the scope for Government action
Imperial Policy Forumなどが2024年12月2日に合同開催した会議の録画
6時間
Ultra-processed food: the scope for Government action | Imperial College Business School
(以下一部視聴した個人的メモ)
Mathilde Touvier、Kevin Hall、Francesco Branca、 Chris van Tulleken博士らの名前がある
HFSSではなくてUPFを規制したい人たちが集まっている?
食品は消費者製品ではない、企業は詐欺的手法で利益を目指す、食品は病気の原因
オーガナイザーはSACNの科学者(個人名も出して)が食品企業と関連があるからUPFを認めないのだという陰謀論を展開。HFSSではなくUPFでなければならない理由は語られず。
科学の部分はMathilde Touvier博士とKevin Hall博士が担当、当然分類はNOVA
NutrinetSanteの説明
国際比較ではUPF由来カロリーの割合が最も高いのは英国で米国はそれ以下らしいのだが肥満は圧倒的に米国の方が多い
でもUPFのせいで肥満になると主張。
疫学研究の弱点についてはタバコと同じだと強弁。タバコは明確に有害物質なのだが。
添加物が悪いと言いたいようだ。甘味料と乳化剤。乳化剤の中にはセルロースも含まれる
IARCのアスパルテーム評価に貢献したと自慢している
これらの結果からABロゴ(フランスのオーガニック認証マーク)のついたオーガニック食品を食べよう、になるのは謎
Kevin Hall博士はヒト試験
自由摂取でUPFだとカロリーを多く食べて太るという最初の実験(2019)の紹介の後
エネルギー密度とhyper palatableでUPFを区別して合計4群で試験した
参加者男11/女7人 BMI30
食事の楽しみが変わらない(美味しくないのでは)
エネルギー密度とhyper palatableを除いたUPF群の摂取カロリーは加工の少ないものと同じ程度
当然体重もそれを反映
hyper palatableの定義が塩や砂糖や油が一定以上のことらしいのであまり信用できないかも
UPFに不溶性食物繊維がないとか、想定しているものが違う感じ
WHOはヘルシーダイエットの定義の文書を紹介
NOVA分類のUPFが健康に悪影響だという説を支持
PAHO栄養プロファイリングモデル
WHOの新しい作業:定義の開発
成分ベース?特徴?エネルギー密度?
候補がcosmetic additive
Cosmetic? 色素だけではなく乳化もはいる Scientific report
オートミルク(植物ミルク)はUPFだけど免除したい(どこが客観的なんだか)
来年から始めて数年かかる
オーガナイザーに比べるとまだ慎重に見える
Dr Gyorgy Scrinis
HFSSは社会的側面を考えていない
食生活が変化したのに製品/栄養だけを問題にしている、還元主義
HFSSの規制は最終的に消費者の選択になるので消費者に責任を負わせている
UPFは社会的側面を重視するが問題はカテゴリーが広すぎる、栄養のあるUPFはどうする?代わりのものがない、ために採用されない
加工していない食品をたべさせることが目標
物理的区別としてはUPFはHFSSプラス添加物、
消費者の責任を製造業者などもっと上流に→消費者が選択できないようにする
食品企業を政策決定から追い出す、製品ではなく企業を規制する
プラスチック包装を使わせない
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular - 320-24 | Food Standards Australia New Zealand
2 December 2024
加工助剤としてのシイタケ菌糸体
豆と米プロテインの発酵補助
2025年1月28日まで
[BfR]食品と飼料中化学物質のリスク評価:国際的努力
Risk assessment of chemicals in food and feed: An international endeavour
2 December 2024
BfRはILMERAC会議をオーガナイズ
2024年12月2日、ベルリンで食品と飼料中化学物質のリスク評価法に関する国際連絡調整グループ(ILMERAC)が会合を行った。世界中の約50人の代表者が将来の活動計画や科学的優先課題などについて情報交換した。
[RIVM]オランダの農業と水質:状態(2020–2023)と傾向(1992–2023) EU硝酸指令行動計画の影響モニタリングの結果
28-11-2024
本文オランダ語
地下水と地表水の窒素とリンの量は1990年代から有意に減少してきたが2012年以降減少はとまっている。2020-2023は前回(2016–2019)より増加、主な要因は夏の乾燥。
[IARC]ヒドロクロロチアジド、ボリコナゾール、タクロリムスのIARCモノグラフ評価
29 November 2024
全てグループ1
(医薬品。こんな評価になんの意味がある?免疫抑制剤は免疫を抑制するから発がん性メカニズムの強力な根拠がある、と言われても。薬はリスクベネフィット評価が必要なのでハザードのみの情報は害しかない。処方されている人はIARCを根拠に薬を止めないように。でもメディアはこれは報道しないような気がする。)
[ProMED]食中毒 フィリピン(第二報):(北マギンダナオ州)カメ肉、致死、ケロニトキシン疑い
Foodborne illness - Philippines (02): (MN) turtle meat, fatalities, chelonitoxin susp
2024-12-03
https://promedmail.org/promed-post/?id=8720406
Date: Mon 2 Dec 2024 Source: GMA Network [edited]
食中毒で3人死亡、30人入院
カメ肉が提供された集会に参加した人たちが嘔吐、腹痛、めまいを訴えて3人死亡、30人入院、と報道されている
当局によるとカメは絶滅危惧種で捕獲は禁止されている。
[EU]報告書
-EUの評価報告書は最も有害な病害虫アウトブレイクへの加盟各国の準備状況の多様性を明らかにする
EU evaluation report reveals variations in Member States' preparedness for outbreaks of the most harmful pests
Food Audits and Analysis | Food Safety
2 December 2024
-欧州委員会はEU加盟国の有害病害虫との戦いの努力の評価報告書を発表
European Commission releases evaluation report on EU Member States' efforts to combat harmful pests
Food Audits and Analysis | Food Safety
2 December 2024
(報告書はログインが必要、と言われる)
Codex
CAC47/ Commission celebrates new standards, new work and new leadership | CODEXALIMENTARIUS
30/11/2024
[EPA]EPAは殺虫剤クロルピリホスのほとんどの食品使用を取り消す規則を提案
EPA Proposes Rule to Revoke Most Food Uses of the Insecticide Chlorpyrifos | US EPA
December 2, 2024
12月2日、EPAは、食品に許可される農薬の量を定めたクロルピリホスのトレランスを取り消す規則案を発表した。この規則は、11の食品および飼料作物以外のクロルピリホスのすべてのトレランスを取り消す。EPAは、米国第8巡回区控訴裁判所の決定を受けて、この措置を取っている。
2021年8月に発表した最終規則で、EPAはクロルピリホスのすべてのトレランスを取り消し、すべての食品および動物飼料へのクロルピリホスの使用を事実上停止した。EPAは、2021年4月に米国第9巡回区控訴裁判所からの、食品や飼料作物へのクロルピリホスの使用に関する最終規則を60日以内に発行する命令を受けて、この措置を取った。
2023年11月2日、米国第8巡回区控訴裁判所は、EPAの2021年8月の規則を無効とし、クロルピリホスのトレランスを復活させた。2024年2月5日、EPAは、裁判所命令を反映して、連邦規則集を改正する連邦官報通知を発行し、現時点では、裁判所の判決の結果として、すべてのクロルピリホストレランスが復活し、現在有効である。
第8巡回区控訴裁判所が判決を下して以来、EPAはクロルピリホス登録者と協力して、食品へのクロルピリホスの使用登録を、第8巡回区控訴裁判所が参照し、2020年の暫定登録審査決定案(PID)で特定した11の用途のみに制限することにより、農薬への曝露をさらに削減してた。これらの11の食品用途は、アルファルファ、リンゴ、アスパラガス、チェリー(タルト)、柑橘類、綿花、桃、大豆、イチゴ、テンサイ、小麦(春と冬)であり、2020年のPIDで評価された特定の州に限定されている。入手可能なデータに基づくと、11種類の食品使用のみを維持すると、米国で適用されるクロルピリホスの年間平均重量が過去の使用と比較して70%減少する可能性がある。
クロルピリホスの登録レビュープロセスは現在進行中である
(政権変わったらまた変わるのだろうかと思うと・・)
[VKM]評価
-ヘスペリジンは健康リスクとはならない
Hesperidin does not pose a health risk - Vitenskapskomiteen for mat og miljø
29.11.2024
ダイエタリーサプリメントに2, 25 および 60 mgのヘスペリジンを使うことは18歳以上の成人にとって安全である。
この評価の背景は、オレンジおよびビターオレンジ抽出物由来ヘスペリジンを食品サプリメントに使う申請である。ヘスペリジンはビタミンやミネラルではない、栄養や生理的影響のある物質である「その他物質」に分類される。
VKMはかんきつ類からのヘスペリジンの摂取量を推定し、文献を独自に検索した。
食事からのヘスペリジンの摂取量はかんきつ類摂取者の平均で20mg/日、高摂取群で196mg/日であった。研究では200-1000mg/日で最大12週間で有害影響は観察されていない。申請された用量はこの範囲内であった。
妊娠や授乳中の女性での研究はなく、12週間以上の研究はない。稀な有害影響について結論するにはより大規模な試験が必要である
-生きた食用ガニの輸入はノルウェーの生物多様性に脅威となりうる
02.12.2024
[FDA]プレスリリース
-FDAは乳児用調整乳の製造とりやめあるいは中断についてFDAに通知する際のガイダンスを発行
December 2, 2024
米国市場への乳児用調整乳供給に影響する可能性のある製造中断についてFDAに通知する手続きを公表
-FDAは2024自主的国家小売り食品規制計画基準を発表
FDA Issues 2024 Voluntary National Retail Food Regulatory Program Standards | FDA
December 2, 2024
州や地域の食品規制機関が効果的に小売り食品の規制を行うためのカギとなる要素を定めたもの
Mcgill OSS
-Dr. Ozショーとその他の「奇跡」の転生
Joe Schwarcz PhD | 29 Nov 2024
Dr. Ozショーにはかつて有益で興味深いエピソードがいくつかあった。そこに何かがおこった
2004年以降のDr. Mehmet Ozの観察と次期米国のCenters for Medicare & Medicaid Service長官への指名について
動画
Dr. Oz's descent into quackery | The Right Chemistry
-Bhattacharyaが医学研究の運命を決める
Jonathan Jarry M.Sc. | 29 Nov 2024
Trump次期大統領によるJay Bhattacharya博士のNIH長官への指名によって健康研究の財布のひもがパンデミック否定論者にゆだねられることになる
コロナウイルスへの大量感染を主張することで経済学者からパンデミック有名人に転身したJay Bhattacharya博士がNIHを率いることへの懸念。狐を鶏小屋の責任者にするようなもの
-フッ素論争
The Fluoride Controversy | Office for Science and Society - McGill University
Joe Schwarcz PhD | 27 Nov 2024
水のフッ素添加のリスクとベネフィットに関する結論は難しい。重要なことは科学に従うこと。
Robert Kennedy Jr.はHHS長官に指名された。彼は水のフッ素添加廃止論者でもある。
水のフッ素添加を巡る議論のまとめ
-動画
飲料と脳卒中
Cup o'Joe-Beverages and Stroke
2024/11/29
学術論文のメディア報道について。「悪魔は細部に宿る」の例
2024年にJournal of Strokeに発表された「炭酸飲料、フルーツ飲料、水の摂取と急性脳卒中リスク:Interstroke 症例対照研究」の内容を報道するニュースと論文に実際に書かれていることの解説。地域によって全然違う結果が報告されている。メディアはその中の都合のいいものだけをとりあげている。
-CBCニュース(カナダの公共放送)
TrumpがRFK Jr.に医療を任せたい。何が間違っている?
Trump wants to put RFK Jr. in charge of health care. What could go wrong?
(RFK Jr.とDr.Ozにはカナダも心配せざるを得ない。とりあえず話題になっているのは反ワクチン、ヒドロキシクロロキン推進、水道水のフッ素添加反対、有機農業推進、食品加工。カナダにとっても暗黒の日々になるだろうとのこと)
その他
-ボパールから40年:残る健康影響と終わらない
40 years after Bhopal: lingering health effects and no closure
Dinesh C Sharma
THE LANCET Volume 404, Issue 10468p2145-2146November 30,
世界最悪の工場事故から40年、その影響はいまだに感知できる
1984年12月2日、ボパールのUnion Carbideの農薬工場での事故は約2000人を殺し50万人を有毒ガスにばく露した。27トンのイソシアン酸メチルが流出し、2004年のインド医学評議会の報告書によると1993年までにさらに9667人が関連死した。2012年にMadhya Pradesh政府が発表した数字は1984年から2003年の間に15248人が死亡としている
以下現在まで続く裁判の状況など
-書評:歴史的展望でのくる病
Rickets in historical perspective
Christopher Crenner
p2150-2151
歴史家Christian Warren 著「光に飢えて:くる病とビタミンD欠乏の長い影Starved for Light: The Long Shadow of Rickets and Vitamin D Deficiency」の書評
日光が万能の治療薬とみなされたりタラ肝油の利用、貧困、児童労働、黒人奴隷の状況など、時代背景と生物学的違いがもとで病気のパターンが複雑な関係を示す例として。
-交渉担当者は世界プラスチック条約に合意できなかった-専門家の反応
NZ SMC
Negotiators fail to agree on a global plastics treaty - Expert Reaction - Science Media Centre
02 December 2024
韓国釜山での1週間の協議で合意に達することができなかった。
プラスチックの生産を減らしたい「高い野心」の国とゴミに集中したい国の間の深い溝を埋めることができなかった
専門家の反応略
(ニュースの写真は「弱い条約はないほうがいい」なので妥協は無理そう)
農業法案計画においてグリホサートがなくなる影響の詳細を報告
Report details impact of glyphosate loss on Farm Bill programs | AGDAILY
By AGDAILY Reporters Published: November 12, 2024
マーケティングコンサルタントThe Directions Groupが米国においてグリホサートが使えなくなるとどうなるかについての報告書「農業法案計画と作物保護ツールの役割Farm Bill Programs and the Role of Crop Protection Tools」を発表した。
報告によると農業の総収入が28.9億ドル減り生産コストは1エーカーあたり2-2.5倍になる。その影響は小規模農家ほど大きい。消費者も食料価格の約2.4倍上昇で影響を受ける。さらに環境影響も激しく二酸化炭素排出量が増加する
Home | Report | Aimpoint Research | Directions Group
-RFK Jr.は健康的食品を求めると主張するが、それを可能にする科学を悪魔化する
RFK Jr. claims to want healthy food, but demonizes the science that makes it possible
Dr. Andrea Love Dec 02, 2024
RFK Jr.は安全で栄養のある生鮮野菜果物への根拠のない恐怖と忌避に責任がある
RFK Jr.は食品を健康的にしたいのではなく、人々を怖がらせてお金を稼いできた。
彼の弁護士としてのキャリアは汚染物質や再生エネルギー関連で企業を感情的に訴えることで満ちている。
(以下彼がオーガニック関連でどれだけ嘘をついて稼いできたかの話)
-受動喫煙は肺がんの原因?
Does Passive Smoking Cause Lung Cancer?
Geoffrey Kabat | 10.16.2024
American Cancer Societyの最近の論文が受動喫煙のリスクが無視できるほど小さいと報告し2003年の論文を巡る騒動に新たな光をあてた
2003年に筆者とJames EnstromがBMJに受動喫煙(環境中のタバコの煙)への暴露が死亡率増加と関連がないという論文を発表したとき、猛烈な抗議があった。そして最近のCA Cancer J Clinに発表された論文では受動喫煙によるがんリスクは小さいことが示された。
受動喫煙は目やのどに刺激があり、呼吸器系の既往症を悪化させる。それは間違いない。ただ受動喫煙が死につながるかどうかは別の科学的評価が必要である。
(以下長い解説。タバコ企業によるデマ拡散活動と批判されたことなど。小さい、不確実性の高いリスクをどう考えるかということと、既に政治的になっているテーマにフラットに取り組むことの難しさ。受動喫煙は暴露の測定が難しそう)
-コンシューマーラボ
製品レビュー Farroと Bulgur
Farro and Bulgur Review & Top Picks - ConsumerLab.com
November 26, 2024
Farroは古代の小麦の品種の一つで、少し柔らかく調理が早く繊維が少ない。米国で販売されているのは主にふすまを一部除去した「精白」されたもの。Bulgurは部分的に調理(パーボイル)して乾燥して砕いた全粒小麦で、調理時間を短くできる
ここでは2ブランド3製品のみを調べている。
[HK]CFSは缶詰肉の栄養表示についての標的を絞った調査の結果を発表
November 27, 2024
40検体中2検体が脂肪酸と砂糖の含量で表示と不一致、1検体が成分表示の見出しが不適切。37検体は合格。
[RIVM]報告書
-過体重は2050年まで増え続けるだろう、特に若年成人で
Overweight will continue to increase until 2050, especially among young adults | RIVM
28-11-2024
オランダの過体重の人の割合は2022年の50%から2050年には64%に増加するだろう。増加は全年齢集団でおこるが、特に18-44才がもっと大きいだろう
新しいオランダ公衆衛生フォーサイト研究(PHF)による。公表は来週。
-健康的な未来を選ぶ。公衆衛生フォーサイト研究2024
Volksgezondheid Toekomst Verkenning 2024. Kiezen voor een gezonde toekomst | RIVM
27-11-2024
4年ごとにRIVMは公衆衛生と医療の将来を展望する。今回の公衆衛生フォーサイト研究2024では2050年に向かって5つの主要な課題を記述した。
最も重要な課題は高齢化、次いで健康の不平等、若い人たちの不健康なライフスタイル、ケアの労働力不足、最後が気候変動に備えた住環境の健康的なデザイン
-最も有害な化学物質の段階的廃止と代用を加速するための必須使用概念。EU化学物質規制の水平履行のための要件
27-11-2024
欧州委員会は消費者製品に有害物質が使われないようにしたい。そのためにこれらの物質を可能な限り早く使用禁止する法や規制を提案している。つまりこれらの物質は社会にとって必須(essential use)でなければ禁止。
この概念の有用性を検討した。
[NSW食品局]リコールの撤回 Gold Plum Chinkiangビネガー
CANCELLED | Gold Plum Chinkiang Vinegar 550ml | NSW Food Authority
28 November 2024
表示されていないアレルゲン(亜硫酸)が存在するとしてリコールされたがさらなる検査の結果亜硫酸は検出されなかった
[HSA]HSAは初のオンラインプラットホームとの合同作戦で3000以上の違法健康製品のオンライン販売を排除
27 NOVEMBER 2024
HSAは2024年9月23日から10月23日までに、国内e-コマースとソーシャルメディアプラットホームでの3336の違法ヘルス製品の掲載を削除し1471件の販売者への警告を発行した。作戦に参加したのはAmazon Singapore, Carousell, Ebay Singapore, Facebook, Lazada, Qoo10, Shopee および Tiktokの8つ。
削除された製品の多くが美容製品で、自分で注射する皮下充填剤やボツリヌス毒素、胎盤などやフェイシャルリフティング用品、美白製品、湿疹やニキビ用品など。他は避妊薬、抗生物質、コンタクトレンズ、性機能増強薬、脱毛用製品、など
図や例は添付ファイルに掲載されている
[COT]2024年12月10日の議題
COT Meeting: 10th December 2024 | Committee on Toxicity
Last updated: 28 November 2024
新規食品添加物糖脂質、新規食品カテゴリー「卵類似物」へのナイシンの使用拡大、母親の食事中のエキナセア、妊娠中のショウガサプリメント使用に関する第三次声明案、妊娠中のカルシジオール補充についてのディスカッションペーパー、COTガイダンス開発、他のFSA科学助言委員会の作業について更新、等
Codex
-Hot off the press / The Codex Electronic Working Groups Handbook | CODEXALIMENTARIUS
27/11/2024
28/11/2024
[WHO]出版物
飲料水供給網中シアノバクテリアの管理:規制担当者と水供給者向け情報、第二版
25 November 2024
[WHO]コーデックスサイドイベント
食品安全を超えて:コーデックスガイダンスの文脈でのより健康的な食品のための効果的表示
Beyond food safety: effective labelling for healthier food in the context of Codex guidance
FOPや栄養プロファイリングを含む栄養表示政策方針の説明会
[FSA]2024年12月のFSA理事会ペーパー
FSA Board meeting papers published for December 2024 | Food Standards Agency
28 November 2024
FSA Board Meeting - December 2024: Agenda and Papers | Food Standards Agency
CBDの新規食品申請が議題にある
THCの混入レベルと18歳未満がポイントになっている
[FSA ]blog ツナ缶の水銀は心配すべき?
Should we be concerned about mercury in tinned tuna? – Food Standards Agency
Natasha Smith, Deputy Director of Food Policy, 27 November 2024
最近のフランスの海洋保護団体Bloomによるツナ缶詰の水銀報告以降、まぐろが話題になっている。ではツナ缶には報道されているような、「有毒な量の」水銀が含まれるのだろうか?我々は報道を見て、いくつかのポイントを明確にしたい
魚の水銀量
全ての魚に天然の環境由来水銀が含まれるので完全に排除することはできない。水銀はマグロのような捕食性の魚に濃度が高い。水銀量はまた魚の大きさや年齢にも依存する。そのためより大きくより高齢の魚のほうが小さな若い魚より水銀濃度が高い可能性が高い。捕食性の大型魚が最も水銀濃度が高い。
そのため英国ではマグロと特定の魚の水銀の最大濃度を1.0mg/kgに設定し、他の魚にはより低い値を設定している。この報告での研究者たちは、ツナ缶の水銀濃度をマグロの最大基準ではなく他の魚の基準と比較したことに注意が必要である。報告によると148個のツナ缶全てから水銀が検出されたが、最大濃度を超過したのは比較的少数で、英国で販売されていたものについては30製品中1つのみだった。ただし個々の結果やその計算方法は確認されていない。
脆弱集団向けガイダンス
NHSのガイダンスでは妊娠可能性のある人や妊娠中の人向けにツナ缶やマグロの推奨摂取量を設定している。2018年のCOTのレビューでは、小さい子供の食事中水銀濃度について懸念は同定されなかった。
FSAの水銀暴露監視
水銀濃度は合理的に達成可能な限り低くを目指して監視している。企業は自社製品の基準値遵守の責任があり、地方自治体はサンプリングなどで法令順守を確認する。ツナ缶が危険という根拠はないのでNHSの助言に従うように。
BLOOMの報告
29 octobre 2024
フランス語
(イメージもひどい。主張は政府とマグロ業界が金のために何億人ものマグロ消費者の健康を害した、というもの。マグロの水銀基準が他の魚より高いことがその証拠、という。なので0.3 mg / kg以上は販売禁止すべきとのこと。
まあ実際PFASなんかより明確に有害だし。マグロ食べる人が減ると資源が回復するだろうという想定なのだろう)
論文
-食品添加物カラギナン(E 407)は腸のバリアをかく乱し2型糖尿病リスクを増やす可能性がある
The food additive carrageenan (E 407) could d | EurekAlert!
27-Nov-2024
ドイツのヒトでの研究
BMC Medicine volume 22, Article number: 558 (2024)
オープンアクセス
20人の平均BMI24.5の男性での、朝晩250mgカラギナン経口摂取を2週間のクロスオーバー試験。一次エンドポイントはインスリン感受性。他に全身及び肝臓インスリン感受性、MRIによる脳の炎症、腸の透過性、腸内細菌組成など。
全体のインスリン感受性に差はなかったがBMIと影響に相互作用があり、過体重の人でカラギナンの影響がみられた。
-閉経後女性は大豆を食べるべき?
Should postmenopausal women eat soy? Universi | EurekAlert!
27-Nov-2024
Advances in Nutrition に発表された3000人以上の参加者の40のRCTの解析から、大豆のエストロゲン様化合物はエストロゲン関連がんの重要なマーカーに影響しないことを発見した。
カナダ心血管学会のようないくつかの保健団体は健康的な食生活のなかに大豆食品を含めることを推奨しているが、多くの人が大豆にはエストロゲン活性のあるイソフラボンが含まれるため食べるのを躊躇している。
-世界の食料収量は過去60年間安定して増加してきた
Global food yields have grown steadily during | EurekAlert!
27-Nov-2024
しかし将来の増加する人口下での食料安全保障には持続可能性と入手可能性が要求されるだろう
PLOS ONE
Science Volume 386|Issue 6725|29 Nov 2024
-多くの研究から強い結論を抽出しようとする「系統的レビュー」が今や危機に
‘Systematic reviews’ that aim to extract broad conclusions from many studies are in peril
28 Nov 2024 ByHolly Else
ニセ論文がこのゴールドスタンダードの「井戸に毒を入れている」
-特集 地球を食べる
Eating the earth
26 Nov 2024 ByJoel K. Bourne, Jr.
世界の食料貿易が何十億人もの命綱であるが、それは脆く地球に辛い
(赤肉の輸出は病気の輸出を意味する、とかひどい言いようも)
-農家を気候スマートにするのに農業食料バリューチェーンを生かす
Harness agrifood value chains to help farmers be climate smart
Johan Swinnen et al.,
974-977
農業のやりかたを改選するためのインセンティブと構造は存在する
小規模農家が「気候スマート」になるには
-デマはオンラインで拡大するために怒りを悪用する
Misinformation exploits outrage to spread online
Killian L. McLoughlin et al.,
991-996
ハッピーや悲しいという感情より道徳的な怒りのほうが内容をよく確かめずに拡散する引き金になりやすい
その他
-SMC UK
超加工食品摂取と乾癬の関連を調べた研究への専門家の反応
November 27, 2024
JAMA Dermatologyに発表された研究がUPF摂取と乾癬の関連を調べた
King’s College London栄養科学教授Wendy Hall教授
この研究はフランスのコホートの横断研究で、乾癬になったことのない人と今乾癬の人と経験はあるが今は症状がない人の食事のUPF摂取を比較した。この種の研究は関連のみを語り因果関係は言えない。著者らは現在症状のある乾癬患者が、乾癬になったことのない人よりUPFの摂取が多いと報告しているが乾癬の活動期にある人と今は症状がない人との比較はしていない。この論文はフル論文というより短報で、情報が少なくUPFをどう分類したのかがわからない。同じ著者が以前同じNutri-Net-Santéコホートで似たような横断解析を行っていてその際に正確ではなく議論の多いNOVA分類を使っていた。UPFは全体として貧しい食生活の曖昧な近似であるため、より正確に定義された伝えやすい研究のほうが役に立つだろう。
Ultraprocessed Food Intake and Psoriasis | Dermatology | JAMA Dermatology | JAMA Network
-環境保護主義は豊かさと対極になる
Environmentalism is Antithetical to Abundance
Oct 11, 2024 By Ted Nordhaus
環境保護主義の死と豊かさ運動まで
私は昨日ワシントンで開催された第一回豊かさ会議で基調講演を行い、気候ムーブメントは新マルサス主義的であって豊かさ運動の敵であると主張した。その直後に気候活動家がステージに乱入して抗議活動を行った。あまりのタイミングの良さに、聴衆の多くが最初、私が自分でしかけたいたずらかと思ったほどだ。
私は20年前の今月「環境主義の死」というエッセイを発表し、豊かさ運動の台頭を予見した。
(以下略。技術革新を妨げ人間がいなくなることが解決方法だという過激派環境保護主義ではなく、変化する環境に適応するための技術開発が必要だという立場の人、らしい。エコテロリストがどこにでも現れて破壊活動をするので人々の支持を急速に失っている。)