野良猫 食情報研究所

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2024-08-13

[IAEA]ALPS処理水の8回目のバッチのトリチウム濃度は日本の運用基準よりはるかに低いことをIAEAが確認

Tritium Level in Eighth Batch of ALPS Treated Water Far Below Japan's Operational Limit, IAEA Confirms | IAEA

07 Aug 2024

東京電力が本日放出を開始したALPS希釈水の第8バッチのトリチウム濃度は、日本の運用基準をはるかに下回っていることが、国際原子力機関(IAEA)の専門家によって確認された。

福島第一原子力発電所(FDNPS)敷地内のIAEA事務所に常駐するIAEAの専門家が処理水をサンプリングし、独立した現地分析を実施した。IAEAは、希釈水中のトリチウム濃度が1リットルあたり1500ベクレルの運用基準をはるかに下回っており、国際的な安全基準に沿っていることを確認した。

IAEAは2023年7月4日に発表した総合報告書で、日本の処理水の取り扱い計画が国際的な安全基準に合致しており、計画通りの放出によるヒトや環境への放射線影響は無視できるとしている。

先月、放水計画の安全性を見直すために設立されたIAEAタスクフォースは、新たな報告書で、放出は引き続き国際的な安全基準に準拠していると述べた。

 

[EU]SCCS 予備的意見にパブリックコメント募集

SCCS - Opinions - European Commission (europa.eu)

以下二つ締め切り2024年9月27日

・化粧品中のビフェニル-2-オールとナトリウム 2-ビフェニルオラート(オルトフェニルフェノール)

・HCイエロー No. 16 (Colipa No. B123) -提出 II

 

[FAO]出版物

-トルコにおける地震後の温室トマト、漁業、乳製品のバリューチェーン分析

Post-earthquake value chain analysis of greenhouse tomatoes, fisheries and milk products in Türkiye (fao.org)

2024

2023年2月6日、2つの壊滅的な地震がトルコ南部を襲った。

地震前後のバリューチェーン機能を比較し、必要な介入を特定し、持続可能性とレジリエンスのための戦略を提案

 

-アフリカの忘れられた食品の概要

Compendium of forgotten foods in Africa (fao.org)

2024

よりよい栄養のために、アフリカの忘れられた食品を組み入れる

 

[FDA]FDAインド事務所がハーブとアーユルベーダ製品に対応する

FDA India Office Addresses Herbal and Ayurvedic Products | FDA

August 6, 2024 By Gregory Smith and Pankaja Panda

世界的視点から

2008年以来ニューデリーFDAインド事務所は、インドの法的および規制の枠組みへのFDAの理解を深め、FDAの科学的根拠に基づく規制および要件に関する情報を共有するために、インドの国および州規制当局との強力なパートナーシップの構築に取り組んできた。焦点の1つは、インドの文化と市場に深く根ざしたハーブとアーユルベーダ製品である。最近、FDAインド事務所は、このブログでGregory Smith氏と上級技術アドバイザーのPankaja Panda博士が議論しているように、両国のこれらの製品に対する規制上の認識を高めることに重点を置いている。

インドには伝統的な医療システムであるアーユルベーダがある。アーユルベーダは、サンスクリット語で「生命の科学」または「生命の知識」を意味し、慢性疾患治療用の代替医療として、また健康増進のための活力増強用に、インドの多くの人々に受容されている。ハーブベースの製剤は、アーユルベーダの多くのモダリティのうちの1つにすぎない。

インドAYUSH省によると、2023年にインドが輸出したアーユルベーダおよびハーブ製品の25%以上を米国市場が占めている。しかし、FDAは、これらの製品の一部に多様な安全上の懸念があることを発見している。

たとえばFDAは、米国で販売されているアーユルベーダ製品に含まれる重金属量に懸念がることを発見している。鉛、水銀、ヒ素などの重金属は、汚染物質として、あるいはインド市場向けに開発された何世紀にもわたるアーユルベーダ処方の成分として存在し、消費者に中毒リスクをもたらす。また、その存在はしばしば製品ラベルに開示されていない。

インドの規制当局、製造業者、輸出業者にFDAの要件について教育することは、これらの製品のインドでの使用および規制方法と米国で許可されているものとが違うため困難な場合がある。カテゴリーとしてのアーユルベーダ製品は、米国の法律では特に定義されていない。これらの製品が伝統的な医薬品として規制されているインドとは異なり、米国では、状況に応じて、医薬品、ダイエタリーサプリメント、普通の食品、化粧品、さらには機器として規制される可能性がある。

今年初め、インド北部のウッタルプラデーシュ州ラクナウでAYUSH省が共催した第3回国際AROGYA会議では、糖尿病から高血圧、胃腸症状、心臓の健康、不妊治療まで、さまざまな医療効果を主張するハーブ製品を含むアーユルベーダ医薬品が展示されていた。例(写真)

このような製品の病気の予防・治療・診断主張は、インドでは一般的に許可されているが、一般的に承認なしにそのような製品を米国で販売することはできない。したがって、インド市場で販売することを意図した伝統的なアーユルベーダ製品が、米国で合法的に販売できる可能性は低い。

そのため一部のハーブ製品は、「未承認の新薬」および「不正表示薬」であるため米国の通関を拒否される可能性がある。インドの規制当局や業界にとって、これらの製品は何千年にもわたって使用されてきたため、医学的根拠についての議論はデリケートな話題になる可能性がある。そしてFDAは製品を医薬品として承認するために必要な根拠の量と種類についての議論を始めることになる。

この複雑さを認識し、FDAインド事務所(INO)はFDAの視点についてコミュニケーションしつつ、インドのハーブ製品業界全体の状況をよりよく理解しようと努めてきた。

AROGYA 学会は60カ国、100社から1,000人以上が参加し、国際市場でのAYUSH製品を後押しすることを目的としていた。米国が有望な市場なら、展示ブースを見て回ったことで、一般的なハーブ製品とアーユルベーダ製品の両方についてFDAの規制で求められることについて、FDAが継続的に働きかける必要性を示した。

INOの職員はパネルディスカッションに参加し、会議の主催者と協力して、FDAが明確に異なる医薬品やダイエタリーサプリメントの道筋をどのように見ているか、またFDAの査察と輸入要件へのアプローチについて業界を教育するための発表を行った。

インドの企業にとってのさらなる問題として、国内でのハーブやアーユルベーダ製品の消費が増加しているため、多くの企業が地元市場と同時に世界中に輸出している。その際、多様な輸入国の多様な規制に準拠し、これらの要件に合わせて包装と表示を適合させる必要がある。

INOは業界と協力してガイダンスと情報を提供してきた。しかし、これは科学だけでなく、2つの異なる文化史の中での医学のみかたに関係するため、複雑な問題である。最終的に、INOの職員は、このトピックに関するインドの製造業者や規制当局との対話は、ハーブやアーユルベーダについてだけでなく、研究、ファーマコビジランス、リアルワールドデータなどの幅広いトピックについても話す機会であることに気がついた。

米国に輸出される製品の安全性をさらに高めるために、昨年、INOは、スパイス、ハーブ、その他の植物の生産者に特化した訓練を共催した。この研修では、植物作物の製品化に向けた適正農業規範(ヒトや動物の病原体、農薬や重金属などの化学汚染物質、アレルゲンによる農作物の汚染を防ぐための規範)と適正製造基準(安全な製品を製造するための方法、施設、管理に関する最低限の要件)に焦点を当てた。

米国の法的状況は複雑な可能性があるため、FDA規制対象製品を米国市場で販売したいインドの企業や個人、およびそのような製品を米国に輸入したい輸入業者は、米国FDAの専門家から助言を受けることを勧める。

我々は、グッドプラクティスに関する対話の機会が引き続き拡大し、学んだ知識がますます国際的に実装され、国内だけでなく世界の消費者にも利益をもたらすことを望んでいる。

 

[FDA]公聴会登録:FDAの食品中化学物質の市販後評価のための強化された系統的プロセス開発

RegistrationU.S. Food and Drug Administration (FDA) Public Meeting:The Development of an Enhanced Systematic Process for FDA’s Post-Market Assessment of Chemicals in FoodWednesday, September 25, 202412:30 – 4:30 PM ET Survey (surveymonkey.com)

2024年9月25日

 

[EFSA]意見等

飼料添加物

Assessment of the feed additive consisting of endo‐1,4‐beta‐xylanase (produced with Trichoderma reesei MUCL 49755) and endo‐1,3(4)‐beta‐glucanase (produced with T. reesei MUCL 49754) (AveMix® XG 10) for pigs for fattening, minor porcine species for…

新規食品

Safety of glucosyl hesperidin as a Novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283

グルコシルヘスペリジン

ヘスペリジンとデキストリン酵素反応で作ったモノグルコシルヘスペリジンが92.8%、残りは未反応ヘスペリジン。90日の毒性試験のNOAEL 1000mg/kg bw/dに安全係数200を用いた5m/kg/dに対して使用する量は成人で364mg/dであり安全性マージンは十分と考える

(林原)

農薬

MCRAにおける前向きおよび後ろ向き累積食事リスク評価の標準規制対応更新

Update of the standard regulatory actions for prospective and retrospective cumulative dietary risk assessment of pesticides in MCRA

EFSA残留農薬摂取モデルの使用と背景にある基本原則

Use and underlying principles of the EFSA Pesticide Residue Intake Model (PRIMo), revision 4

 

[EPA]EPAは微生物と消毒副生成物のNPDWR規則改定に意見を求める

EPA Seeks Input on Microbial and Disinfection Byproducts NPDWRs Rulemaking Revisions | US EPA

August 9, 2024

8月9日EPAは、中小企業擁護レビュー(SBAR)委員会に助言を提供する小規模企業代表(SER)として小規模公共水道システムを招待する。

EPAは、SWTRの改訂により、消化器疾患(下痢、嘔吐、けいれんなど)やレジオネラ症などの疾患に関連する飲料水中のクリプトスポリジウムランブル鞭毛虫レジオネラ菌などの微生物病原体への暴露がさらに減らせると判断した。EPAはまた、微生物病原体を制御するために使用される消毒剤が水源に含まれる天然および人工物と反応し、水中で形成される可能性のある健康への悪影響に関連している消毒副生成物(DBP)への暴露をさらに制限することを目的としたD / DBPRの改訂も検討している。

規制柔軟性法は、政府機関が相当数の小規模事業体に大きな経済的影響を与える可能性のある規則について、SBAR委員会を設立することを義務付けている

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular - 299-24 | Food Standards Australia New Zealand

12 August 2024

新規申請と提案

・加工助剤としてのAgaricus bisporus由来キトサン

取り下げ

・調整カフェイン入り飲料に使用する栄養物質としてのシチコリン

 

[ProMED]中毒 ベトナム:(ホーチミン市)ポリ塩化アルミニウム

Poisoning - Viet Nam: (HC) polyaluminum chloride

2024-08-12

https://promedmail.org/promed-post/?id=8718099

Date: Sat 10 Aug 2024 11:34 ICT Source: VNExpress [in Vietnamese, machine trans., edited]

2024年8月9日の午後、ホーチミン市で、水を処理するためのポリ塩化アルミニウム粉末を運んだあと19-50才の5人が呼吸困難とけいれんで救急に運ばれた。3人が昏睡状態で人工呼吸。

 

[Codex]世界食品安全の日成功おめでとう!

Congratulations on a successful World Food Safety Day! | CODEXALIMENTARIUS (fao.org)

09/08/2024

今年のイベントをふりかえる

 

論文

-ホメオパシー(とその他効果のない医療)の販売に反対

Against the Sale of Homeopathy (and Other Ineffective Medicines) | Journal of Business Ethics (springer.com)

Moriarty, J. J Bus Ethics (2024). Published: 07 August 2024

消費者は毎年何十億ドルもホメオパシー製品にお金を費やしている。しかしホメオパシー製品には効果がないという強力な根拠がある。ホメオパシー製品は販売されるべきか?答えはノーである、その理由をここにしめす。

(間違った情報を根拠に購入していて、期待に応えていないから、ということらしい“desire-satisfaction condition”)

 

-Natureコメント

仕事が終わったのでゾンビ野生生物保護条約を解体しよう

Dismantle ‘zombie’ wildlife protection conventions once their work is done

12 August 2024  By Peter Bridgewater, et al.,

創設から約80年、国際捕鯨条約はその有用性を失った。それを終わらせることは、他の組織にとっての例となるかもしれない

捕鯨産業の最盛期には、毎年何千頭ものクジラが殺されたが、それは主に18世紀から19世紀にかけて広く使われた燃料である油のためだった。1930年代までには、捕鯨は持続不可能だと認識する人が増えた。1946年に国際捕鯨規制条約(ICRW)が調印され、この問題に対処するための意思決定機関として国際捕鯨委員会(IWC)が設立された。これは、野生生物に対する重大な脅威に対処するために設計された世界初の国際会議だった。

IWCは、9月にリマで第69回会議を開催する。条約が80周年を迎えるにあたり、IWCはいくつかの懸案事項を他の条約や各国政府に引き渡し、閉鎖することを提案する。

IWCの功績、すなわち世界のクジラの個体数を管理し、特に1985年に商業捕鯨のモラトリアムを実施したことは称賛に値する。しかし、これらの成果は40年前のもので、それ以降、IWCの会議は、加盟国間の辛辣で実りのない対話の発生源となっている。IWCが尊厳をもって退場することは、国際的な環境コミュニティの力強い模範となろう

(クジラが増え、捕鯨をしている国はノルウェーと日本とアイスランドだけになり、一度も捕鯨をしたことのない国だけで時間とエネルギーを無駄にしている会議に意味はないと。)

 

THE LANCET 

-2024オリンピック:健康の偽善を終わりにしよう

The 2024 Olympic Games: end the health hypocrisy

THE LANCET Editorial| Volume 404, ISSUE 10452, P495, August 10, 2024

IOCはオリンピックが運動を奨励し、社会的・環境的なレガシーを残し、企業が市民として模範を示し、持続可能な開発目標(SDGs)を支援するスポーツの役割について、感動的な物語を語る。今年更新されたIOCとWHOの協力協定では、健康増進政策と行動、および非感染性疾患の予防への貢献について語っている。それは立派なりそうだが、オリンピックは本当にそうなっているか?

健康活動家や専門家はコカ・コーラやビールメーカーがオリンピックのスポンサーをすることを非難する。オリンピックを見ることが観客のライフスタイルを変えるという考えには十分な根拠がない。また大会の開催そのものが注目されている。メディア報道によるとフランス政府はオリンピックの開催式の前にパリからホームレスを追い出し、それは大会の公約である「難民や避難民への支援を強化する」とは一致しない。過去のオリンピックの分析からは持続可能性の約束はほぼ意味がなく、フランスの高温にアスリートが苦しんだところで世界中から飛行機で来る観客の影響に比べてわずかである。

これらの批判は選手の功績や世界中の観客の喜びを損なうものではない。しかし偽善は止めるべきだ。

(要約:コカ・コーラは追い出せという主張。選手村の食事ポリシーが健康活動家や専門家の主張に従うとどうなるかについてのむしろネガティブな宣伝になったのではないかというところは心配しないのだろうか。)

 

-オリンピックに対してコカ・コーラの有害なスポンサーシップをやめるよう呼びかける

Calls for the Olympics to end harmful Coca-Cola sponsorship

Paul Webster

World Report| Volume 404, ISSUE 10452, P509, August 10, 2024

健康活動家や専門家はコカ・コーラのオリンピックスポンサーは「スポーツウォッシング」の上級クラスだという

7月のパリオリンピック開始の少し前に始まったキャンペーン「スポーツからソーダ企業を追い出せKick Big Soda out of Sport」

 

-思春期の大きなシフト

The great puberty shift

World Report| Volume 404, ISSUE 10452, P511-512, August 10, 2024

Sophie Cousins

若者が、かつてなく早く思春期を経験している。専門家はそれが健康にとって何を意味するかをよりよく理解したい

1860年代のヨーロッパでは、女の子の初潮年齢は平均約16才6か月だった。1950年までに13少しすぎになり、1970年代以降、10年ごとに約3か月早くなっている。BMIが原因の一部であることは立証されているが、一部の専門家はそれだけでないと考えている。

電子機器の長時間使用、身体活動の減少、ストレス、内分泌かく乱化学物質暴露などが関与する可能性があると主張する人もいるが証明されていない。

初潮と乳房発達が早いことは乳がんリスクを20-30%増やす。

 

その他

-穀物のマイコトキシン管理:食品を守る

Mycotoxin control in cereals: safeguarding human food (safefood.net)

January 2024

アイルランドと英国の穀物(主にオート麦・大麦)部門のカビ毒(T-2とその代謝物)に関する研究プロジェクト報告書

 

-Kratom業界はFDAにOPMSブラックリキッドクラトムについての警告を取り下げるよう要求

Kratom industry demands FDA take back warning about OPMS Black Liquid Kratom | Food Safety News

By Dan Flynn on August 9, 2024

先月末にFDAが再びクラトム製品に死亡を含む深刻な健康影響との関連について警告をしたが、今月アメリカクラトム協会 (AKA)がFDA長官Robert Califfに直ちに警告を取り下げるよう求めた。この製品による死亡が第三者によって決定的に証明されていないと主張。

FDAはクラトムはダイエタリーサプリメントとしてあるいは普通の食品に添加して合法的に販売することはできないと結論している。

クラトム業界はFDAが間違っていると主張し続けていて、何百万人ものアメリカ人が使っていて誰でも買える状況が続いている。

(クラトムはオピオイド様活性があるので特に顕著だけれど、ドラッグやダイエタリーサプリメントはこういう業界で、一度蔓延したら対策は困難。)

 

-除草剤訴訟のためにより多くの「専門家証人」募集

More ‘Expert Witnesses’ Sought for Herbicide Lawsuits (no-tillfarmer.com)

By Frank Lessiter posted on August 6, 2024

お金に飢えた弁護士が除草剤訴訟を起こす中、数週間前に「この有料コンサルティングの機会をお見逃しなく」というメモが私たちのメールに表示され始めた。専門家研究所からの通知によると、弁護士はパラコート裁判で専門家証人を探している。以下はメッセージの一部である

***

弁護士と協力して、除草剤の使用履歴に関するケースレビューの専門家を探している。この訴訟は、2018年6月13日とその前後にパラコートに曝露してパーキンソン病になったと主張する複数の原告(主に農民)が関係する。

質問

・パラコート曝露に関するあなたの専門的な経験と知識は何?

・パラコート曝露のリスクと製品開発のために使われた科学と試験については?

・その場合、4か月以内に500ページの記録を確認し書面によるレポートを提出できるか?

・これらのパラコート裁判に関しては、数百万ドルを稼げる可能性がある。

 

弁護士たちは、脈のある人なら誰でも「専門家証人」として登録する用意があるようだ。

(100万ドルで1億円以上なのだから本業でぱっとしない研究者が誘惑されるには十分。)

 

-安全性が心配だからタンポンを捨てる必要がほんとうにある?

Do You Really Need to Ditch Your Tampons Over Safety Concerns? | TIME

By Chantelle Lee August 2, 2024

最近TikTokでまだ使っていないタンポンをごみ箱に捨てたり生理用品をつかわないようにしようという動画が見られる。これはEnvironment Internationalの今月号に発表された、オーガニックと宣伝誰ているものも含む各種ブランドのタンポンに16の異なる金属が検出されたという報告を受けたものである。亜鉛のような金属は安全とみなされるが鉛やヒ素は危険とみなされ、不安が広がった。しかし専門家はパニックになっていない。この研究はタンポンに金属が存在することを発見したがそのうちどのくらいが放出されて人体に吸収されるのかは調べていない。この研究だけを根拠にタンポンを使うなとは言えない。

鉛やヒ素を含む多くの金属は天然物なので日常製品に含まれる。タンポンから検出された金属の量は極めて低いい―EPAは鉛に安全量はないと言っているが。

タンポンについてはこれまでPFASや二酸化チタンなどで繰り返し話題になってきた。

タンポンは医療機器としてFDAが規制している。FDAの広報Amanda Hilsはメールでこの研究をレビューしているという。FDAはタンポンの安全性や有効性に問題を同定していない。

それでタンポンは安全なのか安全でないのか?

この論文の著者のJenni Shearstonは、この研究が人々に疑問を残すことが「苛立たしい」ことであることは承知しているが、人々に冷静さを保つよう促す。

「私は、人々にパニックに陥らないように励ますことにしています、つまり、私たちは身の回りのいたるところで金属にさらされており、それが健康問題の原因であるかどうかはまだわからない」。「私たちはただ詳細がわかるまで待つ必要がある。」

産婦人科医で環境健康専門家のNathaniel DeNicolaは飛行機に乗っていて乱気流が発生したときは乗務員を見る、と例える。「彼らがパニックにならなければ、いつものことなのだと感じてなんとなく安心する。」

 

-私は腫瘍専門医である。私が自分のがんリスクを下げるためにしていること

Can you reduce risk of cancer? Here’s what the latest research says. - The Washington Post

Mikkael A. Sekeres, MD August 5, 2024

最近の研究では米国成人での新たながん診断のうち40%は食事やライフスタイルのような変えることのできる要因によると推定した

私のがんの家族歴はあまりよくなく、母は肺がんで彼女の兄弟と母親が両方白血病である。父方では祖父は前立腺がんで祖母は卵巣がんである。それは私が腫瘍専門医になった理由の幾分かである。

そして医学生の時に自分のがんリスクを可能な限り減らそうと決めた。ただし全てのがんが変えることのできるリスク要因に関連するわけではないことに注意。私のやっていることは以下である。

  1. 日焼け予防
  2. 飲酒は最小限に
  3. タバコは吸わない
  4. 毎日30分運動
  5. 砂糖入り飲料とファストフードと加工肉を(可能な限り)避ける

白血病の専門医)

 

Mcgill OSS

-脳のためのコーヒー

Coffee for the Brain | Office for Science and Society - McGill University

Joe Schwarcz PhD | 7 Aug 2024

ほどほどのコーヒーは認知を改善するかもしれないという根拠が蓄積している

ほとんどの栄養研究は観察研究で、研究者はいかなる介入もせずに食品や飲料を消費した結果として特定の集団で何が起こるかを観察する。このような研究は通常、参加者による特定の食品の消費量と消費頻度に関するアンケートに依存する。これは、記憶の誤り、量の推定ができない、被験者が実際に食べたものではなく何を食べるべきだったと思うかを報告する傾向があるために問題がある。これらの問題がコーヒーには当てはまらないのは、それが習慣的であり、人々が1日に消費するカップの数について比較的良く推定できるからである。研究によると、1日1杯未満は低、1〜4杯は中程度、1日4杯以上は高消費と見なされる。

多くの研究が、適度なコーヒーの消費と健康上の利点を関連付けている。それには、脳卒中、糖尿病、心不全パーキンソン病、一部のがんのリスク低下が含まれる。体重管理の改善、肝機能の改善、運動能力の向上も、適度なコーヒー摂取と関連する。通常のコーヒー摂取で悪影響を報告することはめったにないが、カフェインに敏感な人の中には、コーヒーが落ち着きのなさ、血圧の急上昇、異常な心拍を引き起こす可能性がある。そういう人はコーヒーは避けるほうがよい。

コーヒーのフレーバーは1000以上の化合物で構成されているため、特定の成分が利益の原因ということはできないが、抗酸化活性を持つポリフェノールが候補となる可能性がある。ポリフェノールは多くの研究で報告されている認知機能への利点の原因である可能性がある(以下論文の紹介)

このコーヒーの認知機能への影響を、牧草で育てられた牛の乳から作られたバターと中鎖トリグリセリドからなるオイルを添加することでさらに改善できるだろうか?「Bulletproof Coffee」コーヒーとして知られるこの調合の発案者は栄養学を学んでいないDave Aspreyである。彼は「バイオハッカー」で、健康と長寿のために100以上のダイエタリーサプリメントを摂取し、赤外線を浴び、高圧酸素チャンバーを使用して180歳まで生きようとしている。Bulletproof Coffeeコーヒーのアイディアは彼がチベットでヤクバター茶を飲んだ後で浮かんだものだが根拠はない。オランダのマーストリヒト大学の心理学および神経科学部の学生のグループが興味をもって22人の学部生で実験したが差はなかった。

またサプリメント製造企業The Mushroom Pharmがキノコ入りのCognition Coffeeというものを販売しているが根拠はない。

私はコーヒーをお代わりするがバターやココナツオイルを入れようとは思わない。

 

-デトックスドクターは医学の全てを書き換えようとする

Doc of Detox Tries to Rewrite All of Medicine | Office for Science and Society - McGill University

Jonathan Jarry M.Sc. | 9 Aug 2024

カナダ版Joe Mercolaは、病気についての説明がころころ変わる

CBC Marketplace調査が、多発性硬化症になった元看護士が1万ドルを失ったDarrell Wolfeのことを報道していた。彼の「健康のための100」に書いてあるあらゆる嘘について

重要ポイント

・Darrell Wolfe、別名デトックスドクターは医師免許はない

・健康と病気に関する彼の一貫性のない主張には根拠がないあるいは医学のコンセンサスに基づいていない

・彼の主張する介入方法、病気の組織を表面に出すために自分を1時間たたき続ける、健康回復のために繰り返し吐く、は実際には有害である