野良猫 食情報研究所

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2024-08-02

[CAFIA]販売者と消費者への通知:ブルーベリーやその他包装されていないフルーツは質量単位でのみ売る

Czech Agriculture and Food Inspection Authority | Notice to sellers and consumers: sale of blueberries and other loose fruit in mass units only (gov.cz)

31st July 2024

CAFIAは販売者と消費者に、ブルーベリーやその他包装されていないフルーツは容量(リットル)ではなく質量(キログラム)でのみ販売しなければならないと注意する。

最近多くの消費者から、一部の販売業者が商品を容量で販売していて、家に帰ると最大20%減っているという苦情を受けとった。リットルでの販売は信頼できる量の指標ではない

 

[DEFRA]政府は農家の信頼が低いため安定性を回復する

Government to restore stability for farmers as confidence amongst sector low - GOV.UK (www.gov.uk)

1 August 2024

政府は農業部門の安定のため農家への新たな対応を発表する

DEFRAの発表した数字によると、信頼は低いままで、農家の半分は農業の将来をポジティブに考えられない。変化を検討している農家のうち1/4は栽培面積を減らす計画で14%は今後3-5年で農業をやめる計画。

これはここ数年続いていて、複雑な問題である。農家は極端な気候や突然のエネルギーコストの上昇、損害となる取引協定に苦しんでいる。

(欧州の農業に希望がもてないのは観念的グリーン政策のせいでもある。日本もそれに倣いたい人たちがいるらしいけれど。尖った一部の宣伝上手な農家だけ持て囃すのではなく、基本的食料を提供している普通の農家をちゃんと支援し讃えるべき。)

 

[HK]CFSは6月の食品安全報告を発表

Press Release - CFS announces food safety report for June

Monthly Report on Results of Compliance Test (cfs.gov.hk)

July 31, 2024

約5400の食品を検査し全体の合格率は99.9%

微生物検査は1500、化学物質と放射線が3900検体

不合格だったのは5検体で、牡蠣と冷凍舌平目の金属汚染物質、冷凍エビのニトロフラン代謝物、ボトル入り豆腐のBacillus cereus、ボトル入りココナツミルクの表示違反。

 

[HK]CFSは包装済みヨーグルトとヨーグルト飲料の栄養表示についての標的を絞った調査の結果を発表

Press Release - CFS announces test results of targeted surveillance on nutrition labelling of prepackaged yoghurts and yoghurt drinks

July 26, 2024

40検体全て合格

 

[CPSC]CPSCはアマゾンでのサードパーティ販売者が連邦有害製品法違反の製品を販売したことについてアマゾンに責任があることを発見

CPSC Finds Amazon Responsible Under Federal Safety Law for Hazardous Products Sold by Third-Party Sellers on Amazon.com | CPSC.gov

July 30, 2024

欠陥のあるCO検出器や保護のないヘアドライヤー、難燃性基準違反の子供用パジャマなど40万以上の製品の販売について、アマゾンに責任がある

 

[CDC]MMWR

伝統的目の化粧品を使用していた母親と4人の子供の鉛中毒―ニューヨーク市、2012-2023

Lead Poisoning in a Mother and Her Four Children Using a Traditional Eye Cosmetic — New York City, 2012–2023 | MMWR (cdc.gov)

Hore P, et al.,

MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2024;73:667–671.

2012年にsurmaの使用に関連する血中鉛濃度の増加が1人の子供で検出された。その後11年にわたって母親と3人のきょうだいの4人がさらに影響された。

文化的習慣は警告にも関わらず続くことがあり、リスクコミュニケーションの課題を提示する。

製品の鉛濃度39万mg/kg。

 

[ProMED]アルファ-gal症候群―米国(アーカンソー

Alpha-gal syndrome - USA: (AR)

2024-08-02

https://promedmail.org/promed-post/?id=8717892

Date: Wed 31 Jul 2024 Source: KUAF [edited]

自然の多い州でアルファ-gal症候群増加傾向

ダニに刺されて赤肉アレルギーになるアルファ-gal症候群が増加している。CDCの報告によると2017年から2022年の間に41%症例が増加。多いのはアーカンソーオクラホマミズーリ。増加の一因はより診断できるようになったこともあるだろう。

 

[HSA]電子タバコの取り締まり強化と教育について更新

Update on Stepped up Enforcement against E-vaporisers and Education Efforts (hsa.gov.sg)

1 Aug 2024

我が国の人々を電子タバコの害から守る多機関による努力強化は結果を出した。2024年4月1日から6月30日の間に、約2530人を電子タバコの所持または使用で逮捕した。

以下取り締まりの詳細

PDFには押収した製品の写真

 

[FAO]世界人口の1/3が健康的食事を入手できないまま

Healthy diets remain unaffordable for a third of the world’s population (fao.org)

01/08/2024

SOFI 2024報告書はCOVID-19パンデミックのために一部の地域ではコスト飢餓の罠に陥っていることを強調

 

[CFIA]食品安全検査報告

-ナッツ製品中表示されていないグルテン―2021年7月1日から2022年3月31日

Undeclared gluten in nut products – July 1, 2021 to March 31, 2022 - inspection.canada.ca

2024-08-01

ミックスナッツ111、単一ナッツ132合計243検体の検査の結果1検体陽性

メキシカンスタイルスパイシーローストピーナッツ:グルテン430ppm

 

-ベーカリー製品、ビーガン製品、フルーツと野菜ベースの製品中農薬と金属―2020年4月1日から2021年3月31日

2024-08-01

Pesticides and metals in bakery products, vegan products, fruit-based and vegetable-based products - April 1, 2020 to March 31, 2021 - inspection.canada.ca

合計1486検体について480以上の農薬検査

農薬が検出されたのは40%。1検体で最大23の残留農薬が検出された(乾燥唐辛子)

オーガニックと表示してある123製品からの農薬検出率は19%。

残留農薬基準違反は31で、そのうち4検体はオーガニック。

金属については19の金属を検査しそのうち健康上の懸念となるヒ素カドミウム・鉛・水銀を報告。検出率は75%。

 

 

 

 

 

[FSA]FSAは学校食品基準遵守予備計画最終報告書を発表

Food Standards Agency publishes final report on School Food Standards compliance pilot | Food Standards Agency

1 August 2024

この報告はイングランドのいくつかの地方当局と協力して行ったFSAと教育省の合同プロジェクトの一環である。目的は、食品安全担当官が学校の衛生査察を行うときに学校食品基準についても調査できるかどうかをテストすること。

結果は食品安全担当官は食品衛生査察の時に食品基準についてもチェックはできるが作業負荷が高くなる。「肉製品」の定義などに一貫性のなさ、コミュニケーションの問題等が示された。

報告書

School Food Standards Compliance Pilot: Feasibility Phase 2 Research | Food Standards Agency

(衛生以外にメニューのチェックや学校内でお菓子や認められていない飲み物が販売されているかどうか等をチェックしないといけない)

 

[WHO]世界母乳育児週間に、UNICEFとWHOは母乳支援への平等なアクセスを求める

On World Breastfeeding Week, UNICEF and WHO call for equal access to breastfeeding support

31 July 2024

(母乳支援はいいのだけれどミルク禁止は賛同できない。100%母乳であってもいざというときのためのミルク常備は必要と考える。あれだけ危機に備えるよう呼びかけているWHOがここだけは基準がおかしい)

 

[FDA]FDAは食品中化学物質の市販後評価のための強化システム開発に関する公聴会を開催する

FDA to Hold Public Meeting on the Development of an Enhanced Systematic Process for FDA’s Post-Market Assessment of Chemicals in Food | FDA

2025年9月25日

GRAS、食品添加物、食用色素、食品接触物質、汚染物質を含む。

要事前登録

 

[EFSA]評価等

酵素

Safety evaluation of an extension of use of the food enzyme pullulanase from the non‐genetically modified Pullulanibacillus naganoensis strain AE‐PL

Safety evaluation of an extension of use of the food enzyme triacylglycerol lipase from the non‐genetically modified Aspergillus luchuensis strain AE‐L

Safety evaluation of a second extension of use of the food enzyme α‐amylase from the non‐genetically modified Cellulosimicrobium funkei strain AE‐AMT

飼料添加物

Modification of the terms of authorisation regarding the additive consisting of liquid l‐lysine base produced with Corynebacterium glutamicum NRRL B‐67439 and NRRL B‐67535 for all animal species (ADM specialty ingredients (Europe) B.V.)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of an essential oil obtained from the fruit of Carum carvi L. (caraway oil) for all animal species (FEFANA asbl)

薬剤耐性

Technical specifications for a EU‐wide baseline survey of antimicrobial resistance in bacteria from aquaculture animals

 

Science Volume 385|Issue 6708|2 Aug 2024

-ニュースを一目で

News at a glance

・欧州はアルツハイマー薬を却下

Eisaiと BiogenのLeqembi。一方FDAはしばらく前に二番目の抗アミロイド抗体donanemabを認可した。

・若いアメリカ人のがんの増加

コモドドラゴンの鉄の歯

コロラドが牛乳のトリインフルエンザウイルス検査を要求

 

-湿度は暑さをより恐ろしいものにするか?科学者は分かれている

Does humidity make heat more deadly? Scientists are divided

29 Jul 2024 By Meredith Wadman

気候チェンバーでの研究では湿度が危険性を増すことが示されているが、集団での死亡率解析ではそうではないと示唆される

国レベルの疫学では湿度と死亡率の関連がみられないから湿度関係ないという主張

(どっちがいい加減なデータかは明らかだと思うのだが。物理化学的にしっかりしたデータと信頼性の乏しいデータの区別をつけない疫学の研究者ってNutrinet Santeと一緒)

 

-あなたの科学ランクを上げるのは簡単。世界で最も多く引用されている猫Larryに会おう

How easy is it to fudge your scientific rank? Meet Larry, the world’s most cited cat

31 Jul 2024 By Christie Wilcox

馬鹿げた実験でGoogle Scholarの生産性指標の欠陥を明らかにする

Google ScholarによるとLarry Richardsonは有望な若手数学者で、4年間で130引用されている1ダースの数学論文を書いている。素晴らしい!その論文が完全なごみでLarryが猫でなければ。

Reese RichardsonとNick Wiseがフェイスブックで「引用とh指数を上げる」宣伝をみたのがきっかけ。約10ドルで1引用とあった。やりかたはナンセンスな論文を書いてPDFとしてResearchGateにアップロードするだけ。Google Scholarが自動的にデータをスクレープするのでその後でアップロードした論文を削除するとインチキがわかりにくくなる。

 

 

その他

-Natureニュース

「出版するか消滅するか」は今やカードゲーム-学者としての人生だけではない

‘Publish or Perish’ is now a card game — not just an academic’s life (nature.com)

01 August 2024  By Max Kozlov

引用を多く得ることで勝てる、たとえそれが盗用を意味することであっても

‘Publish or Perish’というカードゲーム

 

-最新のチョコレートとココアの研究は消費者や業界にとって大きな影響はないだろう

The latest chocolate and cocoa study isn't likely to be a game changer for consumers or industry | Food Safety News

By Dan Flynn on August 1, 2024

水曜日にFrontiers of Nutritionに発表された72のダークチョコレートとココアの重金属分析の結果はこれまでとあまり変わらない。チョコレートとココアには一部の重金属が含まれるが、ほどほどに食べる分には概ね安全である。

ワシントンのお菓子業界を代表する業界団体The National Confectioners Association (NCA)はこの研究への対応を準備していた。NCAはこの研究は「重要な文脈を欠き」疑問に答えていないという。チョコレートやココアはお菓子として何世紀も食べられてきて安全であるという。チョコレートの鉛やカドミウムはメディアに注目されているが、世界中の専門家はチョコレートはこれら汚染物質の摂取源としてはマイナーであることがわかっている。消費者もチョコレートやキャンディはたまに食べるおやつで主食ではないことを理解している。

 

-ワイン、オリーブオイル、肉がポルトガル当局の監視対象

Wine, olive oil, and meat products are on radar of authorities in Portugal | Food Safety News

By News Desk on August 1, 2024

ポルトガル当局がここ数か月の間の作戦でインチキ食品サプリメント、オリーブオイル、ワイン、肉製品を取り締まった

サプリメントの表示違反

・他の植物油をオリーブオイルと表示

・ワインの表示違反

二枚貝の不正取引

・コメの表示違反

・肉製品の不正取引

・認可されていない物質CBDを含む食品の販売

など

 

-NEJMへの新しいレターが植物タンパク質が動物たんぱく質に勝ることを示す

New England Journal of Medicine letter shows | EurekAlert!

1-Aug-2024

Neal D. Barnard医師による編集者への手紙コーナーへの投稿

(Physicians Committee for Responsible Medicine会長で菜食推進活動家。植物タンパク質は一般的に必須アミノ酸欠乏の可能性があるという記述にいちゃもんをつけた単なるレター。学術というより政治活動。)

ゲノム編集技術の(リスクに応じた)適切な規制とは?

What is (risk) appropriate regulation of gene editing technology?

Graham Brookes & Stuart Smyth April 2024

https://www.scienceforsustainableagriculture.com/brookessmyth

欧州がゲノム編集技術についてGMOのような厳しい要件を課さないように他の国々と歩調をあわせるのではないかといういう誇大な期待にも関わらず、いつもの予防原則の惰性に戻るリスクがある。Graham Brookes とStuart SmythがEUの過剰に予防的な規制は欧州農業の不利だけではなく世界の気候対策や生物多様性、食料安全保障の課題にとっても問題となることを警告する。

 

-ついに培養肉の認可申請EUに提出された

Finally, an approval application for cultivated meat submitted in the EU (foodnavigator.com)

01-Aug-2024 By Augustus Bambridge-Sutton

フランスのスタートアップGourmeyが培養フォアグラの新規食品申請を提出した

これまでEUでは申請がなかった

同社はスイス、英国、米国、シンガポールにも同時に申請した。EUの認可プロセスは世界で最も厳密で約18か月かかると予想される。

フォアグラはしばしば残酷だとみなされ、2022年には英国チャールズ国王III世がバッキンガム宮殿やその他の宮殿での提供を禁止した。

 

-何故発酵食品を食べるべきなのか

Why should we eat fermented foods? - Dirt to Dinner (dirt-to-dinner.com)

The Dirt To Dinner Team July 27, 2024

コンブチャKombucha(紅茶キノコ)が流行していて推奨されているのがどうも…。得体のしれない菌株の塊を分け合って自宅で増殖させるのだけれど)

 

-農家が有機農業を強制されたときの悲惨の歴史

History of misery when farmers are forced to go organic | AGDAILY

By Jack DeWitt Published: July 17, 2024

国や州が全ての農家に有機農業を強制すると何が起こる?二つの例がある。

2018年にインドの小さな州であるSikkimが世界初の100%オーガニックになって国連Future Gold Policy 賞を受賞した。この賞は最善の政策のオスカー賞と呼ばれる。

Sikkimはチベットブータン、ネパール、西ベンガルに接する山間の州で作物は主に階段状になった山の斜面で栽培されている。100%オーガニックへの道のりは2003年に始まった。長い教育と合成農薬の禁止および使用した場合の罰金と拘留刑をもって10年以上かけて100%オーガニックを達成した。世界の報道機関はこれを偉大なる成功と賞賛した。しかし問題があった。Sikkimは州の人口を食べさせるだけの食料を生産できず、近隣の州からより安価な有機でない農作物が流入している。中には科刑にも関わらず農薬や肥料を購入している農家もいる。

もう一つの例は壊滅的だったスリランカである。

世界はこれらの例に注目すべきである。

 

-SMC NZ

農薬と農業用化合物の規制レビュー―専門家の反応

Regulatory review into pesticides and agrichemicals - Expert Reaction - Science Media Centre

01 August 2024

政府がニュージーランドで使用される農薬や園芸用品の規制レビューを行うと確認した。遺伝子技術は対象ではない。

政府の発表

農業と園芸用製品の規制レビュー実施中

Regulatory review into agricultural and horticultural products now underway | Beehive.govt.nz

1 August 2024

プロセスが複雑すぎて遅すぎる