野良猫 食情報研究所

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2024-07-06

[RIVM]報告書

-PFAS(F-ガス含む)排出リスク―REACH制限提案の立証の要約

De risico's van PFAS (inclusief F-gassen) emissies - samenvatting van de onderbouwing van het REACH restrictievoorstel | RIVM

04-07-2024

2023年にオランダ含む欧州5か国がREACH規制によるPFASの製造、販売、使用の制限を提案した。リスク評価は英語でのみ入手可能だったのでRIVMはオランダ語の要約を作成した

 

-沈降が2023年の除外農場地下水の硝酸濃度が減った

Precipitation led to nitrate decrease in groundwater on derogation farms in 2023 | RIVM

04-07-2024

2021年以降、すべての土壌タイプの地下水窒素濃度は減少している。この減少には多くの要因がある

 

-ハッショウマメ種子抽出物を含むハーブ製品のリスク評価

Risk assessment of herbal preparations containing seed extracts of Mucuna pruriens | RIVM

04-07-2024

オランダでハッショウマメ種子抽出物を含むハーブ製品(食品サプリメント)が主にオンラインで販売されている。製造業者によると免疫系のサポートやエネルギーレベルの増加をができる。RIVMは公表されている科学文献からハッショウマメ種子抽出物が健康に有害かどうか検討した。結果、安全な量を決めることはできず、肝臓、腎臓、胎児の発育に負の影響の可能性があった。

予防的措置としてRIVMは妊娠中や授乳中、肝臓や腎臓に問題がある人はこのハーブを使用しないよう助言する。使う場合には注意して、副作用に気を付けてもし症状が出たら使用を中止するように。

さらにハッショウマメに含まれる成分の一つであるレボドパは医薬品の有効成分で、一部製品から摂取する量はパーキンソン病の患者が薬を使用し始めたときと同等あるいは高い。したがって医薬品を使用した場合の副作用、消化器症状、不随意運動、心理的症状などが生じる可能性もある。

 

[FSA]リスク評価

食品接触物質

RP1642 Assessment of Wax, Rice Bran, Oxidized and Saponified as a Component of Plastic Materials and Articles Intended to Come into Contact with Food | Food Standards Agency

5 July 2024

 

Safety Assessment RP1190 2-Hydroxyethyl Methacrylate Phosphate | Food Standards Agency

5 July 2024

 

[WHO]出版物

-概要:家庭の複数排出源(HOMES)モデル

Brief: Household Multiple Emission Sources (HOMES) model (who.int)

5 July 2024

家庭内の空気汚染の程度と健康が、調理器具や暖房器具、照明の使用でどう影響されるかを示すモデル。

 

-抗菌剤耐性世界行動計画履行:最初の最初の隔年四半期報告書

Implementing the global action plan on antimicrobial resistance: first quadripartite biennial report (who.int)

4 July 2024

 

[FAO]出版物

-世界的に健康的食事をモニタリングするためのガイダンス

Guidance for monitoring healthy diets globally (fao.org)

2024

人々と地球の健康改善のために各国が国民の食事をモニタリングすることが重要である。食事の健康さは世界的枠組みの中で追跡しなければならないが現状定期的に食事を評価している国は少なく世界的モニタリング枠組みの食事指標はない。健康的な食事を監視する方法のコンセンサスがないことからFAO、 UNICEF 、 WHOが健康的食事モニタリングイニシアチブ(HDMI)によって前に進むための道を描くのに協力した。このガイダンス文書は健康な人のための健康的食生活に焦点を絞っている。食事の健康さを測定する一連の目的の概要と、食事摂取データ、調査、指標のタイプや評価法の例を提供した。

 

健康的食事の性質

  1. 栄養が適切
  2. マクロ栄養素のバランス
  3. 多様性
  4. 適量

他に食品安全と栄養密度が検討されたがこの文書では優先テーマとして選択されなかった。

 

健康的食事の指標としてMDD-W 、Nova-UPF、 GDQS および GDR をとりあげている。

食品安全に関する記述:食品安全確保は重要であるが、食事の健康さとハザードの暴露を同時に評価するのは困難なので食品安全は別の指標を使って評価することが推奨されている

 

(健康にダイレクトに影響して多くの被害をだしている食品安全ハザードが「健康的食事」とは関係ない、というの、おかしくない?だから安全のための毒素除去とか有害微生物汚染防止のための包装などを「不健康」などとラベリングして平気なんだ。難しいからやらない、ではなくて目指さないといけないのだ、本当に健康のためなら。)

 

[EFSA]意見等

酵素

Safety evaluation of an extension of use of the food enzyme α‐amylase from the non‐genetically modified Bacillus licheniformis strain AE‐TA

Safety evaluation of the food enzyme subtilisin from the non‐genetically modified Bacillus paralicheniformis strain AP‐01

Safety evaluation of the food enzyme β‐glucosidase from the non‐genetically modified Penicillium guanacastense strain AE‐GLY

Safety evaluation of an extension of use of the food enzyme bacillolysin from the non‐genetically modified Bacillus amyloliquefaciens strain AE‐NP

食品接触物質

Safety assessment of the process Fucine Film, based on the Reifenhäuser technology, used to recycle post‐consumer PET into food contact materials

健康強調表示

Joselito® and lowering of LDL‐cholesterol concentration, blood pressure, and reduction of coronary heart disease risk: Evaluation of a health claim pursuant to Article 14 of Regulation (EC) No 1924/2006

Joselito社のイベリコ豚のハムがコレステロール濃度と血圧を下げて冠動脈心疾患リスクを下げる::因果関係は確立されていない

(餌が特別と主張しているが普通のハムのようだ。これが通ると思う方がどうかしているレベル)

‘Citicoline’ and support of the memory function: Evaluation of a health claim pursuant to Article 13(5) of Regulation (EC) No 1924/2006

シチコリン(シチジン5-ジホスホコリン、 CDP‐コリン)と記憶機能サポート:因果関係は確立されていない(一つの研究で効果ありとされているがほかの研究で効果が見られない。一つだけ効果があると報告している論文が協和発酵によるもの)

 

トリインフルエンザ

Avian influenza overview March–June 2024

 

その他

-Natureニュース

日本の科学者が基礎科学にもっとお金を要求

Japan’s scientists demand more money for basic science (nature.com)

By Anna Ikarashi 04 July 2024

 

-「超加工」食品は本当に問題か?

Are "ultra-processed" foods really the problem? (slowboring.com)

MATTHEW YGLESIAS JUN 19, 2024

そして奴隷解放記念日(6月19日)おめでとう

今日は祝日なのだけれど先週個人的に気になったコメントがあったので書く。

Charles Ryder::肥満の流行について「超加工」食品のせいだとするのは80年代の脂肪、90年代の炭水化物のように長い原因リストに単に加わっただけか、あるいは何か意味があると思うか?

私は栄養科学の詳細について論じるつもりはないが、これは間違ったレベルの説明について議論することからくる事態の例だと思う。

私は喫煙していた時、キャメルのライトを吸っていた。私の肺を調べられたらそのダメージのかなりの部分はキャメルライトのせいだと結論するだろう。ではキャメルライトを禁止してマルボロライトに変えるとしたら?キャメルライトが悪いという主張は間違いではないが、間違ったことを説明している。

肥満については、過去30-40年にどちらかというと突然問題になり、探偵のような説明をしている。私が以前の投稿で述べたのは、アメリカ人は19世紀までさかのぼって記録が残っている限りずっと体重が増加している、ということである。史上ほとんどの場合で体重増加は主に背が高くなって栄養不良が改善したことによる。そしてどこかで生物学的身長増加の上限に達し、肥満の閾値を超えるBMIの人が増えた。

このことは肥満の犯人を捜すより、動物としてのヒトは、将来の飢餓に備えて食べ物があれば食べ過ぎるようにできているということだ。現代のアメリカ人は将来の飢餓のリスクは低い。さらにもてなしとしての食品提供の社会習慣がある。これらは肥満の説明としては明白であると考える。特に「地中海食」が誇大宣伝されているが、ギリシャやスペインはポーランドより太っている。誰もポーランド食を宣伝しない。

実際、食べすぎの人は「超加工」食品を多く食べているだろう。でも私はこれは薄っぺらな説明だと思う。世の中に「超加工」食品がなくなっても、彼らは他のものを食べすぎるだろう。生物としてのヒトとヒトの社会と市場のインセンティブが変わらないなら。

現在のGLP-1アゴニストのブームはどうみる?

(アジアの若い女性が体重減らしていることのほうが異常なら、そっちを研究すべきなのでは)