[FSA]新しい科学コンテンツサイト
FSA Research and Evidence (food.gov.uk)
FSAの研究プロジェクトの報告書等が学術論文形式で扱える
-英国フードシステムに与える気候変動の影響
Impact of Climate Change on the UK Food System | Published in FSA Research and Evidence
September 19, 2024
Hasnain, S. (2024). Impact of climate change on the UK food system. FSA Research and Evidence. https://doi.org/10.46756/001c.123418
気候変動の影響は食料生産が最も影響が大きい。極端な気温イベント、洪水、干ばつ、土壌の浸食に関連する影響が懸念される。フードシステム転換を目指す各種政策は短期的にはネガティブな影響の可能性がある
-リスクプロファイル 輸入ハチミツ
Risk Profile - Imported Honey (food.gov.uk)
18 July 2024
ハチミツは可能性のある汚染物質のリストが非常に長くそのうえ偽装リスクも高い
[EFSA]意見等
農薬
[IARC]IARCモノグラフ会合第140巻発表
IARC Monographs Meetings – Volume 140 is announced – IARC (who.int)
2025年10月28日から11月4日
アトラジン、アラクロール、ビンクロゾリン
[Medsafe]亜酸化窒素助言
Nitrous Oxide Advisory – August 2024 (medsafe.govt.nz)
22 September 2024
娯楽用に亜酸化窒素を販売、提供、所持することは違法である。
亜酸化窒素の娯楽用使用は深刻な健康影響をもたらす可能性がある
小型キャニスターで売られているという報告がある。吸入用ではないと注記しても違法である
[Codex]活発でオープンな意見交換と合意形成
CCNFSDU / Building active, open exchange and achieving consensus | CODEXALIMENTARIUS (fao.org)
24/09/2024
第44回CCNFSDU(栄養・特殊用途食品部会)が10月2-6日ドイツで開催されるのに先立って共同議長を務めるMartine Püster と Carolin Bendadaniにインタビュー
[ASA]ASA裁定
25 September 2024
Huel社のインスタグラムで自社製品のほうが野菜より栄養があって安いと主張
広範な野菜一般との比較栄養クレームに認可されたものはなく、「安価」も適切ではない
-Not Guilty Food Co Ltd - ASA | CAP
25 September 2024
フェイスブックに投稿された広告。スターバックスのコーヒーは一回分380カロリーなのにSkinny Food Coは11カロリーと宣伝。比較されているのはホイップクリームにカラメルソースをかけたフラペチーノでSkinny Foodの商品と同じとは言えない。「低カロリー」の栄養強調表示には使用条件がありそれを満たしていない
25 September 2024
アルコールブランドEstrella Dammのインスタグラムアカウントで、飲酒が安全でない水泳との関連の投稿は無責任で基準違反
(ASAはSNSの広告もしっかり取り締まっていてえらい)
[USDA]USDAの科学が農業における薬剤耐性に対応する
USDA Science Addresses Antimicrobial Resistance in Agriculture | USDA
Sep 24, 2024
Posted by USDA Chief Scientist and Under Secretary for Research, Education, and Economics Dr. Chavonda Jacobs-Young
今週、国連総会で薬剤耐性が中心課題になる。USDAはワンヘルスアプローチのもとで食料農業システム全体の薬剤耐性問題に取り組んでいる
[USDA]APHISは規制状態レビュー対応を発表:Covercress, GCMBNA, Moolec, および MSU
9/24/24
以下の遺伝子組換え植物に病害虫リスク増加はない
・Covercress社のグルコシノレート類、エルカ酸、繊維、種子の破裂の少ないグンバイナズナ3種
・GCMBNA Ruby Genetics社の赤い果肉のクレメンタイン(小さいミカン)
・Moolec Science社の種子に肉たんぱく質を含む豆
・ミシガン州立大学の干ばつ耐性ジャガイモ
(注目の、豚肉たんぱくを発現する豆)
[NIH]ODSは2024-2025セミナーシリーズを開始
Special Supplement: ODS Kicks Off 2024-2025 Seminar Series (govdelivery.com)
09/24/2024
研究者向けだが誰でも参加できる
・2024年10月 プロテインとアミノ酸サプリメントと加齢におけるサルコペニア
・11月 軍のサプリメント使用、理由と使用と有害事象:公衆衛生サーベイランス
・2025年1月 バイオマーカーとダイエタリーサプリメントの影響を同時に調べる臨床試験のデザインと解析
・2月 NCCIH全人健康イニシアチブ
・4月 植物製品の臨床試験:基礎と課題
[WHO]出版物
-東南アジア地域でのWHO FCTC履行20年
Two decades of WHO FCTC implementation in South-East Asia Region
22 September 2024
過去20年のタバコ規制枠組み条約の履行状況レビュー
-東南アジア地域健康的加齢地域会合報告書、2024年6月11-13ニューデリー
22 September 2024
論文
-熱帯と亜熱帯の産業的漁業が海から魚によってもたらされるメチル水銀の約70%を占める
Tropical and subtropical industrial fisheries | EurekAlert!
24-Sep-2024
マグロなどの大型魚の需要がヒトのメチル水銀暴露を増やしている
PNASに発表された研究
漁船の技術進歩によってマグロ漁が盛んになり世界中でマグロが販売されてヒトのメチル水銀暴露が増加している。マグロ漁業関係者はメチル水銀の暴露閾値を超えている。
(マグロ、オメガ3脂肪が少なくメチル水銀が多くイワシなどのほうがいいとけなされている。マグロ遠洋漁業の乗組員のメチル水銀暴露量は実際に高く、水俣病かどうかの閾値すら超えていることがあるが病気ではない。セレンの共存によるともいわれこの辺が話を複雑にする。メチル水銀の健康影響は決して終わった話ではない、それこそPFASなどよりよほど明確に有害影響がある。なのに注目されないと研究費が出ない。)
-ボトル入り水のヒトと地球の健康への膨大で増加する負担に緊急の再検討
Urgent rethink of bottled water’s huge and gr | EurekAlert!
24-Sep-2024
BMJ Global Healthに警告のコメント
安全な飲料水が入手できないためにボトル入り水に頼っているのは世界で約20億人だが、それ以外は便利さや企業のマーケティングによる誤解のために使っている。
(水道水のほうがいいと言いたいがためにマイクロプラスチックとBPAの健康への悪影響の可能性を誇大宣伝するのはダメ)
-Natureニュース特集
細胞タイプとは何、本当に?生命の無数の形態を分類するクエスト
What is a cell type, really? The quest to categorize life’s myriad forms (nature.com)
By Amber Dance 24 September 2024
科学者は細胞がどう異なるかについてはこれまで以上に多くの情報を持っている。それでも簡単にはグループ化できない。
RNAで分類する、一見同じようでも過去と未来が違う、など
その他
ビタミンC:壊血病救世主か免疫過剰摂取か?多ければ多いほど良いとは限らない
Andrea Love September 16, 2024
ダイエタリーサプリメント業界は現在、全世界で1,775億ドルと評価されるとても儲かる業界である。1994年の栄養補助食品健康教育法の可決後、米国市場は爆発的に拡大した。この法律は、医療の自由を装って可決されたが、自分の健康を管理したいという願望もとに、規制のない製品で収益性の高い市場を作り出すことを目的としていた。
これに伴い、奇跡の万能薬、つまり感染からあなたを守り、免疫系を強化し、がんを免れ、全体的な健康を増進する製品という根拠のない主張と奇跡の約束が生まれた。現代のダイエタリーサプリメントへの執着の典型例がビタミンCである。
すべての疑似科学同様に、ビタミンCをめぐる誇大宣伝は、必須の微量栄養素であるという真実のかけらに基づいている。
この接頭辞「マイクロ(微量)」は重要である:ビタミンCが関与する身体機能には、少量しか必要ない。多くの人が「有益なものは多ければ多いほど良い」という前提で動くが、実際には過剰になることもある。
ビタミンC、化学的には(5R)-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]-3,4-ジヒドロキシフラン-2(5H)-オン、一般名アスコルビン酸は、多くの果物や野菜に含まれる水溶性化学物質である。ベリー類、キウイ、ブロッコリー、ピーマン、芽キャベツ、柑橘類など、多くの食品に高濃度含まれる。
ビタミンCと柑橘類との関連は、この化学物質が同定される約200年前の壊血病の歴史に根ざす。壊血病は、ビタミンC欠乏の結果として発生する病気で、特に1400年代から1700年代にかけて、新鮮な農産物を手に入れることができなかった「新世界」を探検する船員の間で流行した。壊血病の症状は、疲労感、脱力感、脚の痛み、イライラから始まり、歯肉炎、貧血、創傷治癒不良、出血、関節の腫れへと進行する。治療しないと、内出血、臓器不全、そして死に至る可能性がある。
柑橘類と壊血病予防との関連は、18世紀の大きな医学的ブレークスルーであり、主に英国の海軍外科医であるJames Lindによる。歴史は彼を、この結論につながった最初の臨床試験の1つを実施した革新者として記憶しているが、彼の壊血病論文(1753年)には、かなりの疑似科学も含まれていた。
(中略)
ビタミンCの推奨1日摂取量(RDI)は、男性で約90 mg /日、女性で約75 mg /日で、喫煙者はさらに35 mg /日である。中型のオレンジとキウイフルーツ一個には、約70ミリグラムのビタミンCが含まれている。ブロッコリーカップ一杯には約90ミリグラムのビタミンCが含まれており、赤ピーマンカップ4分の3杯には約128ミリグラムのビタミンCが含まれている。
そんなに多くは必要ないので、微量栄養素なのである。残念ながら、サプリメント会社による積極的なマーケティングによる免疫力を高めるという主張が、ビタミンCの過剰摂取を現実のものにした。
繰り返すが、免疫系を「ブースト」することはできない。免疫系は非常に複雑で、それは、臓器、組織、細胞、およびそれらの細胞が作り出す化学物質で構成されている。もし誰かが、ある製品が免疫システムを強化すると主張していたら、あなたは疑問に思わなければならない。どの程度?それは全体的な免疫機能と健康にどのように影響する?免疫強化という考えは非常に魅力的に聞こえるが、免疫系はあなたが自分の意思で曲げることができる筋肉ではない。それは適切な範囲内で機能し、あなたができることは必要なツール(栄養)を提供すること以外はあまりない。
ビタミンCは免疫機能に役割を果たすが、過剰摂取しても免疫機能が強化されることはない。実際、過剰に摂取したビタミンCは排泄される。それは、あなたの体が厳密に調整されているためで、ウェルネスインフルエンサーが「健康をハックできる」と主張するのとは違う。
ビタミンCは水溶性なので、体が吸収閾値に達すると、過剰なビタミンCは尿中に排泄される。ビタミンCの吸収は、1日あたり約200mgの摂取で飽和し、1,000mgを超えるとほぼすべてのビタミンCが排泄される。
疑似科学はどこから始まったのか
科学的な主張の誇張は、現代に限ったことではない。ビタミンCへの熱狂は、Linus Paulingのおかげで1970年代に始まった。Linus Paulingは、科学的な厳密さで知られる専門家が、しばしば自分の専門分野外では誤った情報に転じる「ノーベル症候群」の最も悪名高い例の1つである。
Paulingは、何の証拠もなく人間には毎日3グラムのビタミンCを摂取する必要がある遺伝的欠陥があると断定するIrwin Stoneの研究に出くわした。ポーリングはその後まもなく「ビタミンCと風邪」という本を書き、その中で彼は同様に、風邪や他の呼吸器疾患、さらには心臓病を予防するためにビタミンCを大量に摂取することを人々に推奨した。彼の推奨は毎日1,000mgのビタミンCから始まったが、最終的には10グラムという高用量を提唱した。おそらく、彼の残した最も有害な主張は、過剰なビタミンCを静脈内投与することでがんを治すことができるという根拠のない考えである。
結局のところ、魔法の万能薬は存在しない
根拠のない主張やマーケティングは、正当な科学的根拠を置き換え続けている。
ビタミンCが免疫力を高めるという誤った考えは、数え切れないほどの研究でさまざまな健康上のアウトカムに対してサプリメントに利点を見つけることができなかったにもかかわらず、何十年も続いている。これは疑似科学の特徴で、新しい情報が提示されても変化しないのだ。
(ところどころ抜粋)