[FDA]司法省とFDAは違法電子タバコの配布と販売を抑制するための連邦多機関タスクフォースを発表
June 10, 2024
現在米国で合法的に販売できる電子タバコは以下の23製品のみ
[EPA]EPAは地元の魚を有害タイヤ化合物から守るために州や部族が利用できる情報を発表
June 10, 2024
EPAは6PPDと6PPDキノンの短期濃度に関する水質スクリーニング値を発表した
Aquatic Life Criteria and Methods for Toxics | US EPA
[DEFRA]猫のマイクロチップ、今日から義務
Cat microchipping now mandatory - GOV.UK (www.gov.uk)
10 June 2024
6月10日に発効した新しい規則により、全ての猫のオーナーはペットにマイクロチップをいれなければならない
[ProMED]狂犬病(第50報):ベトナム(ハノイ)犬猫の肉取引に新しい指令
Rabies (50): Viet Nam (HI) new directive on dog and cat meat trade
2024-06-11
https://promedmail.org/promed-post/?id=8716978
Date: Sat 8 Jun 2024 16:20 SGT Source: The Straits Times [edited]
ハノイ当局は公衆衛生と倫理的行動推進のため、犬猫の肉の取引を根絶する方向に大きな前進となる指令を発行した。
ペットの犬猫の狂犬病予防接種率を90%以上にする、犬猫肉の違法取引を厳密に監視し厳しい罰金を科す。
[MPI]イベント Fieldays 2024
Conferences and events run by MPI | NZ Government
6月12-15日
農家のための科学、輸出のコツ、最新一時産物輸出報告書など
(メタンワクチンとか。科学なのにGMが利用できないのは厳しい)
論文
-専門家が抗肥満薬投与中の患者のための栄養助言を開発
Experts develop nutritional recommendations f | EurekAlert!
10-JUN-2024
抗肥満薬で治療中の患者は一般的に食欲が低下して食べる量が減るので、食事の質がより重要になる。肥満学会の雑誌 Obesityに掲載されたレビューでは、このための根拠に基づいた栄養助言リストを開発した。
(ほんとうに効果のある薬はどんどん普及し、波及効果も大きい。加工食品がどうこう言ってる人たちと同じ世界にいるのが信じられないくらい。食べる量が減ると体重が減る。)
-デマへの介入は信頼できる情報源への疑いも増す
Interventions against misinformation also inc | EurekAlert!
10-JUN-2024
Nature Human Behaviourに発表されたチューリッヒ大学による米国、ポーランド、香港でのオンライン調査実験
-地球に健康的な食事は早期死亡リスクの低さと環境影響の少なさに関連
Planetary Health Diet associated with lower r | EurekAlert!
10-JUN-2024
The American Journal of Clinical Nutritionに発表されたHarvard T.H. Chan School of Public Healthによる解析
USDAが食事の選択に環境影響を考慮することを拒否し、現在改定中の食事ガイドラインに環境影響が参照されないだろうことを考えるとこの研究は注目に値する、と著者らは言う
(地球に優しい、って単に牛肉減らせばそうなるだけで個別の事情(産地や育て方、無駄にした可食部など)は食事記録からわかるはずもない)
-一日一杯のビートが心疾患を遠ざける?
Does a beet a day keep heart disease away? | EurekAlert!
10-JUN-2024
Frontiers in Nutritionに発表されたペンシルベニア州立大学の運動生理学と生理学David Proctor教授らによるビートの根のジュースを閉経後の女性に飲んでもらって血管機能を調べた研究。硝酸量を変えて投与し硝酸が血流を改善すると結論している
(一酸化窒素だけでなく亜硝酸(ニトロソ化合物)もできるので硝酸は健康食品にはならないと思うけれど・・健康機能を研究する人にありがちな都合の良いところだけ見ている報告。)
-世界の子どもと青少年の過体重と肥満の有病率:系統的レビューとメタ解析
JAMA Pediatr. Published online June 10, 2024.
図や表がある
日本より肥満が少ないのは飢餓が報告されている国くらい
-有毒幻覚キノコの規制されない販売は公衆衛生を危機にさらしている
Unregulated sales of a toxic and hallucinogen | EurekAlert!
10-JUN-2024
American Journal of Preventive Medicineに発表されたAmanita muscaria(ベニテングタケ)市場が拡大しているという報告
シロシビンはSchedule 1薬物で製造や販売は禁止されているがAmanita muscariaは規制対象ではなく、ダイエタリーサプリメントとして販売されている。
(毒キノコだから食品としては販売できないけれど、サプリメントの有効成分としてなら見つかって怒られるまで売れるって?企業任せってそういうこと?)
-警鐘を鳴らすべき傾向が、国の健康における食品の将来の役割を定義する対応を求める
Alarming trends call for action to define the | EurekAlert!
10-JUN-2024
新しい世論調査と専門家の解析が、予想される心血管系疾患の率とコストの危機を避けるために健康的な食品を入手しやすくする必要を反映
米国心臓協会とResearch!Americaの依頼でZogby Analyticsが行った世論調査によると、68%の人が健康的食習慣の重要性を認識しているが、53%が米国で栄養のある食品がより入手しやすくすることに十分な進歩がないという。この結果は栄養安全保障改善のための課題を概説した専門家の解析に含まれる。
AHA100周年の報告書
American Heart Association Annual Report 2023
(医療の専門家が農業のあるべき姿を語っても全然説得力ない。食品を医薬品として‘Food is medicine’個人向けに食べるべきものをITを使って処方する、ってディストピア感しかないのだが本気なのだろうか?健康的食習慣が実行できない理由の中には本当に切実な問題と単なる言い訳の両方が混在していると思う)
SMC UK
超加工植物ベースの食品と心血管系疾患リスクを調べた研究への専門家の反応
JUNE 10, 2024
Lancet Regional Health – Europeに発表された研究が植物ベースの超加工食品と心血管系疾患リスクを調べた
ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の、集団健康学部の栄養と気候変動研究者で博士候補Sarah Nájera Espinosa;栄養疫学と地球の健康准教授Pauline Scheelbeek博士、環境食品健康教授Rosie Green教授
プレスリリースは科学を正確に反映しているか?
一部の人は肉代用品のみを調べた研究の思うかもしれないが実際にはほかの多くのUPF製品を検討している
質の高い研究か?結論はしっかりしたデータの裏付けがあるか?
詳細な食事情報の膨大なサンプルサイズで結論は提示されたデータに基づいている。しかしこの知見にはいくつか保留したい(特に植物ベースのUPFに多様なカテゴリーのものが含まれる)、そして健康結果を推定するのにアルコールを植物ベースの食品にのみ含めていること。さらに用語は誤解を招く。NOVAの開発に栄養は中核ではなく、そのことが多くの専門家の議論になっている。二つ目は植物由来の肉代用品が健康に悪影響であるかのように示唆しているがこの研究の結果は肉代用品についてのものではない。
この仕事は既存の根拠に適合するか?
この研究はUPFがネガティブという既存の根拠に加わる。しかしUPFを動物由来と植物由来に分けることはミスリーディングである
著者らは交絡要因を考慮したか?重要な限界は?
塩、脂肪、砂糖のような栄養は考慮した
現実世界での意味は?過剰な推定はあるか?
現実世界にさらなる混乱をもたらすだろう。NOVA分類、UPF、UPF表示、植物ベースの肉代用品、乳製品については既に誤解や議論がある。
ロンドンメトロポリタン大学栄養と健康准教授Hilda Mulrooney博士
読むのは興味深くサイズは大きく広範な統計手法を使っている。おそらく騒動をおこすだろう。この分野は探る価値があり、植物だから自動的に健康的とはならない。しかし「植物ベースの」と言ったときに人々が真っ先にパンやシリアルのことを考えるともおもわない。この研究は全ての食品と飲料を植物か植物でないかに分類し、肉代用品は植物ベースのUPFのうちわずか0.2%で、植物ベースのUPFの多くはパン、菓子パン、ケーキ、ビスケットであり植物ベースの食事の良い指標ではない。
一部の人はこの研究のメッセージを植物ベースのUPFは全て健康に悪いと受け取るかもしれないが、実際にはこの研究は貧弱な食生活は慢性疾患のリスク増に関連することを示している
コクランエビデンス作成と方法総局方法サポートユニット部長Rachel Richardson
この種の研究で全ての交絡要因を考慮したかは確信できない。そのためほかの研究でさらに検討する必要がある
Oxford大学集団健康教授Peter Scarborough教授
この研究の著者らはこの論文は植物ベースの肉代用品が健康に悪いことを示したと示唆しているが、表によると植物ベースの肉代用品はこの論文の全ての植物ベースのUPFのうちたった0.5%である。植物ベースのUPFの主なものはパンや菓子パンやケーキなどでそれが53%である。したがってこの論文を根拠に植物ベースの肉代用品が健康に悪いと結論するのは極めて困難である。
Aston大学名誉学術フェローで栄養士で英国栄養士会広報Duane Mellor博士
(一部のみ)
この研究の分類方法をみるとさらに有用性が疑わしくなる。例えば豆腐は超加工食品に分類されているがビールとワインは未加工食品に分類されている。表面的にメッセージを受け取るとビールを飲むことは豆腐を食べるより心血管系リスクが下がることになる―それは栄養学的にナンセンスでほかの根拠と矛盾する。この分類システムは全体的に食品生産と栄養の基本原則への無理解を示唆する。
Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授
King’s College London栄養と食事名誉教授Tom Sanders教授
(いつものメンバーなので略。英国はSMCが頑張らないと科学が負けてしまう状況にあることがうかがえる。ビールとワインが加工されていない食品?)
その他
-Nature
欧州選挙で極右が勝利:気候目標にとっての意味は
Far-right gains in European elections: what they mean for climate goals (nature.com)
By Carissa Wong 10 June 2024
欧州の政治的右へのシフトで野心的グリーン政策がより困難になるだろうがネットゼロへの関与は継続すべき
暫定的結果によると欧州議会選挙で緑の党が大きく議席を失った一方で極右政党が増加した。中道右派の欧州人民党EPPが最大会派になった。
(温暖化対策が不要だという意見は大きくなく、そのやりかたがあまりにも過激だったので反発されたといった感じ。)
-ScienceInsider
欧州の右傾は科学者を警戒させていたが、選挙は「さらに悪かった可能性」
10 JUN 2024 BYTANIA RABESANDRATANA
国粋主義と極右政党が勝利し、科学資金とグリーン政策への影響を心配する研究者もいる
欧州市民は先週の選挙で欧州議会をさらに右にした。
(主流派は右でも左でも中道なので、単純に極左からみたらみんな右に見えるというだけなのでは)
-赤肉暴露:栄養疫学の脂肪を切り裂く
Red Meat Revelations: Cutting Through the Fat of Nutritional Epidemiology | ACSH
By Chuck Dinerstein, MD, MBA — Mon, 06/10/2024 -
栄養疫学は我々すべてを混乱させるセンセーショナルで矛盾する結果を出すことで悪名高い。我々はいくらでも曲解して違う結果を出せる観察研究に辟易している。この混乱を切り裂くために可能なすべての解析方法を調べるという新しい道具を使って、栄養疫学がどれだけ柔軟で信頼できないかを示してみよう
「栄養疫学はセンセーショナルで矛盾する結果を出すことで長い間批判されてきた。それはこの学問への信頼を毀損してきた。それでも栄養疫学研究は食事助言や政策を作るのに重要な役割を果たし続けているため、こうした研究から信頼できる推定を得ることが必須である」
最近の研究の考察の終わり部分である。信頼できるRCTを使った栄養研究が実施困難であり現実にもあてはまらないため、観察研究が代わりにされる。しかし一つのデータセットであっても選択や解析方法が無数にあるため多様な結果が出せる。栄養の生物学的影響のような複雑なものに関する知見が限られていて、どのような解析方法が最善なのかについてのコンセンサスがないため、どういうモデルを使うかは相当な柔軟性がある。研究者の信念や期待が影響する。
specification curve analysis(SCA)―マルチバース解析
SCAでは、選択可能な解析方法を同定することから始める。ありえないものを除外して膨大な「分析仕様書」を作ってそのすべての組み合わせをテストする。そしてその結果の分布を曲線として可視化する。
その方法を文献上矛盾した結果と食事助言を生んできた未加工赤肉の全原因による死亡への影響についてあてはめた。
全ての変数を考慮すると組み合わせの数が10兆にもなって計算できないので1440に制限した。
その結果
・36%がハザード比1以上、64%がハザード比1未満
・1440のうち48が統計学的有意で、40が赤肉が死亡を減らす、8が赤肉が死亡を増やす
・45%はハザード比0.9から1.1の間で、赤肉はよくても悪くても全原因による死亡にあまり影響ない
これは赤肉の影響についての決定的な結果ではなく、「栄養疫学の知見は解析法による偶然の結果」であることを示す
元論文
-超加工食品が肥満の原因ではない、米国政府のトップ食事アドバイザーが現在の根拠の爆弾レビューでいう:「研究にはバイアスがある」
31 May 2024
ここ数年肥満の原因として悪魔化されてきた超加工食品は実際のところ人々を肥満にしているわけではない、と報告書が言う。米国政府のトップ栄養士が1990年代からの一ダース以上の研究をレビューして、これら食品がほかのどんな食品よりも早く体重が増える原因であるという根拠は「限定的」であることを発見した。報告書は完全な形で公表されておらず、一部のみがオンラインに掲載されている。それによると加工食品に固有の肥満原因はなく、食べるカロリーの量のほうが体重増加にとって最も重要である、と示唆している。
人々は最近超加工食品の健康リスクについてばかり聞かされてきたのでこの報告書に驚くだろう。
この報告書はアメリカ人のための食事ガイドライン助言委員会(DGCA)によるものである
DGCAは超加工食品と体重増加を結びつけた研究のバイアスに「深刻な懸念」があるという。その主な理由は超加工食品の定義が正確な科学ではなく誤分類バイアスがある。さらに実験室での研究がたったひとつしかない。
この報告書に反論するコメンテーターもいる
(カロリーは関係なく加工だけがわるいという主張のほうがむしろ不思議なのだが。みんなで山寺に登って力こんにゃく(超加工食品)食べたら?それでも太るなら何かあるのかも)
-中国が、長くなるバイオテクノロジー作物リストにゲノム編集小麦を加える
China adds gene-edited wheat to growing biotech crop list | AGDAILY
By Heidi Crnkovic Published: May 09, 2024
中国は今や最大の小麦生産国かつ消費国である。中国は食料安全保障のため遺伝子組換え作物を認可する方向でゆっくり動きはじめた
Cultivated meat start-up Vital Meat seeks UK approval (foodnavigator.com)
By Augustus Bambridge-Sutton, 10-Jun-2024
Vital Meatは英国に新規食品申請を提出した。
製品はチキン細胞を培養して増殖させたバイオマスで、植物ベースの肉代用品に風味をつけるために事業者向けに販売される。