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2024-12-09

[FDA]FDAの対策が勢いを増す中、若者のタバコ製品使用は減少し続けている

Youth Tobacco Product Use Continues to Decline as FDA Actions Build Momentum | FDA

12/04/2024 By: Dr. Brian King, Director of FDA’s Center for Tobacco Products

私たちは成人の多くが青少年の時期にタバコを吸い始めることを知っている。だからこそ最近発表された全国若者タバコ調査の結果が、若者のタバコ使用が25年前に調査が始まって以来最低だったことは記念すべきである。

Youth Tobacco Product Use at a 25-Year Low, Yet Disparities Persist  | FDA

October 17, 2024

 

[Tukes]Tukes協力交渉を最終化する

Finnish Safety and Chemicals Agency (Tukes) finalises cooperation negotiations | Finnish Safety and Chemicals Agency (Tukes)

Publication date29.11.2024

Tukesは協力交渉の結果人員を約30人削減する。8人が余剰である。当初は最大45人削減予定だった。この交渉は運営予算が削減されたためである。

Tukesは現在多様な分野で290人の専門家を雇用している

 

[ヘルスカナダ]ヘルスカナダはカナダの大麻使用の新しいデータを発表

Health Canada releases new data on cannabis use in Canada - Canada.ca

December 6, 2024

2024カナダ大麻調査

大麻使用を報告する割合は低下し続けている。最も多いのは喫煙、次いで食べる、電子タバコでの吸入

・合法なところからの入手は72%

大麻使用後に運転したと報告したのは18%

・16-19才の大麻使用率に変化はない(41%)

(25才以下の若者に吸わないように教育することには成功していないようだ)

 

論文

-BMJ特集 BMJ調査

食品企業が英国の子供の教育に侵入している:ステルスマーケティング暴露

Food industry has infiltrated UK children’s education: stealth marketing exposed | The BMJ

Emma Wilkinson (フリーランスジャーナリスト)

BMJ 2024;387:q2661

食品や飲料のブランドが、朝食クラブや栄養ガイドや健康的食生活キャンペーンで学校や保育園に広範な影響を与えていることがわかった。専門家はその戦略により厳密な監視と抵抗が必要だという

食品企業は資金提供や無料の教材提供などで子供たちに「健康的」食生活の推進を何十年もしてきたが、英国の肥満は悪化している。専門家はこれらに問題が大きく抵抗すべきだという。

38人の意思や研究者らが政府にこれらステルスマーケティングを止めさせるようにオープンレターを書いた

bigfoodschools20241127.ww1.pdf

商業影響力より個人の責任を強調する

動画あり

(無料の朝食を提供したりすることでイメージをよくするのがダメだとか、いいがかりのような主張。教育なのだから自分で選べるようにあれこれ教えるのは当然なのでは?加工食品は悪と主張しているChris van Tulleken博士とオーガニック推進のSoil Associationの主張はしっかりした根拠がなくてもいいらしい。食品企業をタバコとアルコール企業と同じだから完全に追い出せと主張して、ではその分何を食べさせるのだろう?)

 

意見

ビーフードの通りは健康政策とガバナンスの盲点

The baby food aisle is a blind spot in health policy and governance | The BMJ

Vicky Sibson

BMJ 2024;387:q2710

市販のベビーフードは今や当然のように摂取しているが、その問題の根拠は増加していてより厳しい規制が必要である

(市販のベビーフードは超加工食品だから悪いとも言っている。赤ちゃんに加工しない食品がいい、っていう主張はおかしいと思わないのだろうか。お母さんが小さく切ったり柔らかくしたり裏ごししたりするのは加工ではないのだろうか?)

 

-THE LANCET 

米国の肥満危機:何故いまだ平坦化する兆候がないのか?

The obesity crisis in the USA: why are there no signs of plateauing yet?

Sylvain Sebert

THE LANCET コメントVolume 404, Issue 10469p2241-2242December 07, 2024

GBD 2021 US肥満予測共同研究において1980-2021年のデータを用いて2022-2050の肥満と過体重の予測がされている。予測では一部の州では肥満と過体重が80%にもなる。

既存の政策は肥満と過体重の対策に失敗しているようで、より強力な、全システムの関与したガバナンスが必要である

 

National-level and state-level prevalence of overweight and obesity among children, adolescents, and adults in the USA, 1990–2021, and forecasts up to 2050 - The Lancet

オープンアクセス

 

米国の医療パラドクス:ベールをとる

The US health-care paradox: lifting the veil

Zimeng Gaoa ∙ Stefanie J Hollenbach

THE LANCET コメントVolume 404, Issue 10469p2244-2246December 07, 2024

米国は同等の国より医療に2倍以上使っているのに健康関連の指標は低下し続けている。健康の不平等も拡大し続けている

 

視点:米国の健康の低下:対応を求める

Reversing the decline of health in the USA: a call to action

Prof Ali H Mokdad, PhD ∙ Prof Christopher J L Murray, DPhil

Viewpoint Volume 404, Issue 10469p2392-2394December 07, 2024

米国の公衆衛生特集の一部である一連の論文から。

アメリカの健康や医療政策、どうみてもお手本にすべきではない。なのに他国に政策を提言できる厚顔さが不思議)

 

SMC UK

-政府のジャンクフード広告禁止規制と対象食品の詳細についての専門家の反応

expert reaction to government’s junk food ad ban legislation and detail of products in scope | Science Media Centre

December 4, 2024

King’s College London栄養科学教授Sarah Berry教授

全体としてこれはしっかりした第一段階である。HFSS食品が子供の健康に悪影響があるのは何十年にもわたる良い根拠がある。特に砂糖で甘くした飲料がリストに入っていることを歓迎する。リストにあがった多くの食品はスナックで、それも良いニュースである。子供たちはしばしば食事は健康的なのに質の悪いおやつを選ぶからである。

 

-ダークあるいはミルクチョコレート摂取と2型糖尿病の関連についての研究への専門家の反応

expert reaction to study on the association of dark or milk chocolate consumption and the risk of type 2 diabetes | Science Media Centre

December 4, 2024

BMJに発表された研究がチョコレート摂取と2型糖尿病の関連について調べた

Queen Mary University of London (QMUL)ポスドク研究者Mohammad Talaei博士

プレスリリースは一般的に可だが私はもっと慎重な方がいいと思う、例えば「ミルクチョコレートではなくダークチョコレートを多く食べる人は2型糖尿病リスクが低かった」のような。

この研究はたくさんの交絡要因を調整しているが、観察研究であるため完全に調整できているかは不明である。

また著者が注記しているように、既に一つの実験研究が行われている。ただし3.5年のココアフラバノールサプリメントはもっと長いフォローアップ期間と完全に比較はできない。

2型糖尿病予防のためにダークチョコレートはまだ推奨できない

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

この研究は参加者が多く、注意深く行われているが結果の解釈は単純ではない。たくさんの疑問が残っている。

11万人以上を解析対象にしているが新たに2型糖尿病と診断されたのは5000人弱でそのうち週に5回分以上ダークチョコレートを食べている人では僅か132人である。つまりリスク推定には大きな統計エラーマージンがある

(たくさんの記述のうちの一部)

Bristol大学臨床疫学教授George Davey Smith, FRS FMedSci

クリスマスのBMJは深刻に受け取るべきではない論文を発表する。しかしこれはまじめな論文らしく、驚きである。

ミルクチョコレートを食べる消費者とダークチョコレートを食べる消費者が違うことは驚きではなく、多くの研究がダークチョコレートの摂取は高収入の人が多いことを示してきた。チョコレートについてはRCTが何度も失敗している。

この論文は疫学の初級クラスの教材となるであろう―現在の集団健康研究にどれだけ多くの問題があるかの。

Aberdeen大学Rowett研究所Baukje de Roos教授

最近の大規模RCT(COSMOS study)でココアフラバノールサプリメント2型糖尿病リスクに影響しないことが示されている

 

-肥満へのチルゼパチドのNICE最終ガイダンス案への専門家の反応

expert reaction to NICE final draft guidance on tirzepatide for obesity | Science Media Centre

December 5, 2024

肥満へのチルゼパチド(Mounjaro)の使用についてのNICE最終ガイダンス案に科学者がコメント

糖尿病UK政策キャンペーン部長Helen Kirrane

アクセスを拡大する新しいガイダンスを歓迎するが入手可能になるまで時間がかかるだろうことに懸念がある。

Aberdeen大学Rowett研究所ヒト栄養部長Lora Heisler教授

我々はどんな病気であれ最良で最も有効な医薬品を患者に提供しなければならない。従って最も有効な医薬品を肥満の人が受け取るのは極めて重要な一歩である。しかしチルゼパチドは魔法の弾丸ではなく副作用もあり食事と運動を伴わなければならない。

 

McGill OSS

-寿司の物語

The Story of Sushi | Office for Science and Society - McGill University

Melody Ko MD | 6 Dec 2024

寿司と言えば「生魚」だと思う。しかし話には続きがある。

寿司はもともとは生の魚ではなく発酵させた魚であった。

(以下寿司の蘊蓄を語っている)

 

-黒いプラスチックのお玉やヘラは使っても安全?

Are Black Plastic Spatulas and Serving Spoons Safe to Use? | Office for Science and Society - McGill University

Joe Schwarcz PhD | 6 Dec 2024

私にとって、そのリスクは捨てるほどではないが、科学はそのようなアイテムから難燃剤を排除する方法を探るべき

Chemosphereに発表された論文「家庭用品に難燃剤が混入してプラスチックのリサイクルの追加の懸念となっている」が大きく取り上げられた。基本となるメッセージは「電子機器に使用されている有害難燃剤が、おそらくリサイクルによって、おもちゃや台所用品のような黒いプラスチックの家庭用製品に検出された」である。有害な“harmful”という単語には数字が必要である。実際の暴露量は?あなたがフライ返しでオムレツをひっくり返すとき、フライ返しは燃えることはない。

Birmingham大学の研究者らはこのことを研究して黒いプラスチックアイテムの通常の取り扱いでは難燃剤の溶出は検出されなかった。ただし160℃のオリーブオイルに15分入れておくと少し溶出した。このような状況はあまり普通ではないし揚げ油を全て摂取することもない。しかしこの研究に基づいてNPOのToxin-Free-Futureの科学者が汚染器具由来のBDE-209が毎日34,700 ng人体に入る、それは参照用量7,000 ng /kg body weight /day、体重60kgの成人だと42,000 ngでそれに近いと主張した。しかし7,000の60倍は420,000であって全く近くはない。

リスクの評価にはしばしば計算が必要になる。小さな計算の間違いは大きな懸念の原因となる。

First-ever study finds cancer-causing chemicals in black plastic food-contact items sold in the U.S. - Toxic-Free Future

 

-歯のX線はおそらく過剰使用されているが、安全である

Dental X-Rays May Be Overused But They Are Safe | Office for Science and Society - McGill University

Jonathan Jarry M.Sc. | 6 Dec 2024

歯の咬翼X線撮影による過剰な放射線被ばくへの恐怖は、数字をよくみれば取るに足らない

重要メッセージ

-咬翼X線撮影は歯科医院でT字型センサーを噛んで撮影される写真である。

-一部の研究がそれに頼りすぎると初期の虫歯を見逃す可能性が報告されているが質が低すぎて結論できない

-頻繁に撮影しても線量はごくわずかである

(米国の横断飛行で35 microSv、米国人年間平均6200 microSvで半分は自然由来、歯の撮影0.3-5microSv)

 

その他

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Simon Thomsen November 29, 2024

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