野良猫 食情報研究所

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2024-12-06

[FSANZ]食品基準ニュース

FOOD STANDARDS NEWS

December 202

https://mailchi.mp/foodstandards.gov.au/food-standards-news-2024-dec?e=21527ddb09

CEO年末のメッセージ

ホリデーシーズンの食品安全

リコール情報

園芸部門の一次生産加工基準

 

[EFSA]イベント

ウェビナー:フードチェーンに使われる微生物のキャラクタリゼーションとリスク評価のガイダンス案

Webinar: Draft guidance on the characterisation and risk assessment of microorganisms used in the food chain

17 December 2024

 

[EFSA]評価

香料グループ評価

Flavouring group evaluation 420 (FGE.420): Hesperetin dihydrochalcone

 

[BfR]食品安全について一緒に働く新しいやり方

New ways of working together on food safety

3 December 2024

BfRは英国当局との作業計画に合意

FSAとFSSとの協力に合意した。

 

[BfR]ブドウからワインへの14の農薬の移行―スパイクしたブドウと畑で処理したブドウとの比較

Transfer of fourteen pesticides from grapes (Vitis vinifera) into wine – Comparison of spiked grapes with grapes treated in the field - BfR

05.12.2024

Journal of Food Composition and Analysisに発表した論文の紹介

結論としては両者に有意な差はなく、ワインへの農薬移行研究に野外処理検体が絶対必要というわけではない

ワイン製造中に農薬濃度は減る、加工係数は0.12から0.87(農薬のlogKOWに関連)

 

[RIVM]50才以上の人でのカドミウムと鉛の混合物のリスク評価

Risk assessment of the mixture of cadmium and lead for people over fifty | RIVM

05-12-2024

カドミウムと鉛はそれぞれ腎機能に悪影響があり、これまで別々に単独での影響を評価してきた。今回複合影響を評価する。

結論としてはこれら重金属の摂取量は多すぎるので、腎機能が低下している可能性がある。

不確実性が多く、正確な複合リスク評価はできなかった。さらなる研究が必要。

 

-成人のカドミウムと鉛のバイオモニタリング

Biomonitoring of cadmium and lead in adults | RIVM

05-12-2024

ほぼ全員の血液と尿からカドミウムと鉛が検出された。主な暴露源は食品であるが喫煙も重要な暴露源である。測定された鉛濃度は腎機能低下と関連した。

カドミウムと鉛は明確に有害なのでPFASより注目されてもいいのに。)

 

[COT]2024年12月10日のCOT会合の議題

 COT Meeting: 10th December 2024 | Committee on Toxicity

04 December 2024

ペーパーが掲載されているもの

・2024年10月21日の会合の議事録

Draft Minutes of the 21st October 2024 COT Meeting | Committee on Toxicity

・母親の食事中のエキナセア

Echinacea in the maternal diet - Introduction | Committee on Toxicity

エキナセアは風邪症状に使われる。伝統ハーブとしてEUや英国で登録されているが、それらは12歳以上向けで妊娠中や授乳中は推奨されない。にもかかわらず、調査によると妊婦の4-10%がエキナセアを使っている。さらにTHR登録されていない一連の食品や食品サプリメントエキナセアやその抽出物を含むものがある。それらの安全性については不確実性が大きい。毒性は低いもののアレルギーおよび薬物代謝酵素抑制作用の懸念がある。汚染物質については一般的に重金属は安全基準未満であるが真菌やカビ毒がリスクになる可能性がある。

・妊娠中のショウガサプリメント使用に関する第三次声明案

Third Draft Statement on the Safety of Ginger Supplement Use in Pregnancy - Introduction and Questions | Committee on Toxicity

・妊娠中のカルシジオール補充についてのディスカッションペーパー

Calcidiol supplementation during pregnancy - Introduction and Background | Committee on Toxicity

カルシジオールはビタミンD3(コレカルシフェロール)の新規摂取源でコレスタトリエノールから合成される。ビタミンD3より3-10倍強力と報告されている。合意された換算係数はない。

・COTガイダンス開発

Developing COT guidance - Introduction | Committee on Toxicity

 

[COT]緑茶カテキンの肝毒性についての声明

Statement on the Hepatotoxicity of Green Tea Catechins - Introduction | Committee on Toxicity

05 December 2024

全文及び補遺A&B掲載

ピロリジジンアルカロイドについての考察も含まれる

(お茶のピロリジジンアルカロイドは雑草由来なので栽培の時の雑草管理が重要)

(結構ボリュームのある評価書で引用文献も多いのに、日本の研究があまりない。)

 

[EPA]EPAはよりよく公衆衛生を保護し、効果的で一貫させるために新規化学物質レビュープロセスを改革する

EPA Reforms New Chemicals Review Process to Better Protect Public Health, Promote Efficiency and Consistency | US EPA

December 4, 2024

最終改定は新規PFASや難分解性・生物蓄積性・有害(PBT)化合物が製造前に安全性レビューされることを確実にする

TSCAの改定

PFASの生産量が少ない場合の完全レビューからの例外を取り消して全ての物質を完全レビュー対象にする

 

[ASA]大豆なら違うと言って(? Say it ain’t soのもじり):肉を含まない製品の広告ガイド

Soy it ain’t so: A guide to advertising meat-free products - ASA | CAP

05 Dec 2024

ビーガンやベジタリアン用の製品が近年増加している。しかし消費者が何を買っているかを理解していることが重要である。

・誇大宣伝をしない

・言葉は適切に

英国の法では乳製品でない代用品に「ミルク」という用語を使うことを禁止しているが、現在肉やバーガーやステーキのような用語には適用されない。肉関連用語については文脈から判断する。

・健康強調表示は認可が必要

動物由来でないことのみをもって健康的だとするヘルスクレームは認められていない。「より健康的」のような一般的健康強調表示は認可されたヘルスクレームと一緒の場合にのみ認められる。

(パロディだらけなので紹介しにくい)

 

[USDA]APHISはバイオテクノロジー規制の更新を無効にする裁判所の判断を通知

APHIS acknowledges new court ruling vacating updates to biotechnology regulations  | Animal and Plant Health Inspection Service

2024年12月2日午後6時18分、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は、遺伝子工学を使用して開発された生物について2020年5月に発行された米国農務省(USDA)の最終規則(7 CFR part 340)を無効とした。2024年12月2日より前にUSDAが発行した規制状態レビューの回答、確認要請の回答、および有効な許可は引き続き有効である。APHISは次のステップを決定中で、今後数日間に関係者にガイダンスを提供する

 

[FSSAI]E-コマース食品事業者に、食品安全コンプライアンス強化についての助言

Advisory for e-commerce FBOs on Strengthening Food Safety Compliance

Updated on:03-12-2024

https://www.fssai.gov.in/upload/advisories/2024/12/674efa161d756Adobe%20Scan%203%20Dec%202024.pdf

食品部門の電子商取引の成長を鑑みると、事業者のコンプライアンスはオンライン販売される食品の安全性、品質、真正性にとって必須である。規制を守ることで全体的な食品安全エコシステム強化に役立つ。

重要な項目の一つは配達員の訓練である。食品と食品以外のものは別々に運ばなければならない。さらにオンラインで宣伝されていたものと製品の物理的表示は一致しなければならない。消費者の信頼を維持するために、配達される食品は十分な期限がなければならない。FSSAIは配達時点で期限の最低30%あるいは期限切れまで45日残っていなければならないと定めている

 

[FSAI]アイルランドのフードシステムへの信頼継続を確実にするFSAIの新しい5年戦略

FSAI's new five year strategy to ensure continued trust in Ireland's food systems | Food Safety Authority of Ireland

03 December 2024

2025-2029戦略を発表

 

[EU]JRC 持続可能なEUフードシステムへの移行を追跡するモニタリングダッシュボード

A monitoring dashboard to track the transition to sustainable EU food system - European Commission

29 November 2024

EUの食料生産、加工、流通、摂取の、環境、社会、経済の持続可能性を評価するのに役立つ新しいツール

何をモニタリングすべきか?

公共の情報源や学術文献から、指標候補300以上をスクリーニングした。

最初のダッシュボードでは44の見出し指標を含む。ダッシュボードは時間とともに進化する。

EU Food System Monitoring Dashboard

 

その他

-NZ SMC

政府が科学研究費提供から人文と社会学をカット-専門家の反応

Govt cuts humanities and social science funding - Expert Reaction - Science Media Centre

04 December 2024

ニュージーランドの「独創的」研究資金であるMarsden Fundから人文と社会科学が削除された

以下多数の反対コメント

(反対意見しかないけれどこれでは理由がわからない。少なくともNZは「先住民の智慧」とやらを科学的根拠のある治療法と同等にみなせるというくらいには人文系の主張が強かったはず)

 

-Nature

エディトリアル

政府に科学について助言するのは必須であるが難しい。だから人々にその訓練を。

Advising governments about science is essential but difficult. So train people to do it

04 December 2024

偉大なる科学者は必ずしも効果的な科学助言をしない―しかし学習と実践でギャップを埋めるのに役立つ

 

科学は世界の最大の問題のいくつかを解決できる、何故政府は使わないのか?

Science could solve some of the world’s biggest problems. Why aren’t governments using it?

04 December 2024 By Helen Pearson

Natureが政策決定者への科学助言について世界の約400人の専門家に調査した結果

 

-Science Volume 386|Issue 6726|6 Dec 2024

ニュースを一目で

News at a glance

・世界プラスチック条約会議は合意できなかった

・米国議会の委員会がCOVID-19報告を発表

・驚きの遺伝子が猫をオレンジにする

X染色体上の突然変異がArhgap36というたんぱく質の量を増やし、それが色素細胞に働いて薄赤の色素を作る。ヒトを含めほとんどの哺乳類の赤毛はMc1rというたんぱく質の変異が原因で、これまで60年以上猫のオレンジの毛皮の原因は不明だった(茶トラ)

 

-IQ2GM食品ディベートから10年

A decade since IQ2 GM Food Debate – Biobeef Blog

December 1, 2024 / alvane

10年前の2014年12月3日、私はニューヨーク市のKaufmannシアターで行われたIntelligence Squared (IQ2) ディベートに参加した。トピックスは遺伝子組換え食品だった。そして私とモンサントのRob Fraleyが賛成側で議論して、思いがけずニューヨーク市民の大多数が「イエス」に投票した。思いがけずと言ったのは、当時GMO食品についてはたくさんの恐怖とデマが拡散されていたからである。閉会にあたって、私は科学的に最良の公衆衛生対策を子供たちに残す責任があると述べ、その例としてワクチンとミルクの殺菌を挙げた。皮肉なことに10年たって、この二つが脅かされている。今や根拠のないデマの大波が科学的根拠に基づく説明を圧倒している。

 

-アルミニウムワクチンアジュバントは食物アレルギーの原因ではない

Aluminum vaccine adjuvants are not causing food allergies

Dr. Andrea Love Dec 05, 2024

RFK Jr. がまた免疫についての危険な虚偽情報を広めている。

RFK Jr. がMikhaila Fullerのポッドキャストで食物アレルギーの増加はワクチンに含まれるアルミニウムのせいだと主張している。

(以下解説。途中でAndrea Love博士が自分のタトゥーの写真で抗原提示細胞の説明をしている。ちょっとびっくり、強い。)

 

-私たちのフードシステムへの恐怖と戦う

Fighting Fear of Our Food System - Dirt to Dinner

By Garland West November 20, 2024

信頼できそうな情報源からの毎日の報道が私たちの食品について懸念と混乱を創り出しているために、食べ物について疑問を抱くのは無理もない。けれども私たちのフードシステムの事実はそのような主張を支持するか?よく見てみよう。

スクープ:あなたの食品は安全

アメリカのフードシステムは世界で最も安全なもののうちの一つである。実際、私たちはこのことを数年前に報告したがここに更新情報を含めて再度投稿する。

残念ながら、ニュースサイクルは相変わらずで一部は悪化すらしている。恐怖や懸念を引き起こす無限の報道から逃れることはほぼ不可能である。そして食品への恐怖から逃れたとしても、一部の人たちは食べることそのものに罪悪感を感じさせたがっている。

以下普通の食事:ミートローフ、チーズマカロニ、サザンアイランドドレッシングのサラダ、アイスクリームをのせたアップルパイ、コーヒー、を例に解説

最後は農家や食料生産者のことを過小評価しないで。

 

-腐敗した国連会議システム

A Corrupted UN Conference System - by David Zaruk

Dec 05, 2024

国連プラスチック条約会議の参加者からの報告を匿名で。企業からの参加者なので活動家からの攻撃を避けるため。

国連プラスチック条約会議には少なくとも4000人が出席し、参加可能な全体会議はたくさんあったものの圧倒的に多数の活動家がいたため実りある議論ができなかった。非公開のセッションでは会場の周辺にただいるしかなかった。たくさんのサイドイベントの多くが参加者を制限し、業界関係者は参加できず、UNEPのメーリングリストはまるでNGOの宣伝のようだった。

各国の代表団の中に、本来いるべきではない人物がいることを確認した。石油や化学企業が国営の場合の国の代表とNGOが入り込んでいる場合との両方で。

NGOが本当は何を望んでいるのかも明確ではなかった。ごみの埋め立て地でリサイクル可能なプラスチックを集めることで生計をたてている人はプラスチックごみが無くなることが心配だと言い、別のグループはLGBTQや女性の権利を主張した。多くの小国はお金を要求するために釜山に行ったようだった。それは会議の目的ではなかったが。

プラスチック業界は発言せず、ただ議論の進行を見ていた。より大きな問題は、WHOが業界団体を締め出す動きで、それは既にある程度達成されている。一方NGOは発言権を拡大している。

議論されたことの一つには投票をコンセンサスから多数決に変更することであった。現状、世界プラスチック条約の考えに誰もが同意できるコンセンサスは困難である。しかし一国一票の制度では小さな国が大国と同じ影響力を行使できる(そして活動家が入り込みやすい)。