野良猫 食情報研究所

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2024-12-10

[HK]食品安全紀要

Food Safety Bulletin 99th Issue (12/2024)

9 Dec 2024

特集 食卓の守護者:食品サーベイランス計画の重要な役割

グラヤノトキシン中毒に注意

安全で栄養のある缶詰食品の選び方

外食のナトリウム

超加工食品を理解する

(香港はNOVA分類の曖昧さからむしろ栄養成分表示をちゃんと読め、のほうを重視)

生ガキ、野生のタロイモ

など

 

[TGA]リコール

-Caruso’sナチュラルヘルスのWEE LESS、BLOAT EZEおよびASHWAGANDHA 7500

Recall: Caruso’s Natural Health WEE LESS, BLOAT EZE and ASHWAGANDHA 7500 | Therapeutic Goods Administration (TGA)

10 December 2024

異物混入疑い

製品の内容物と異なる見た目の未知のカプセルが入っている。

未知のカプセルの組成はまだ不明。予備的調査からはプロバイオティクスとココアパウダーが含まれる可能性がある

 

-Gold Max Blue capsules | Therapeutic Goods Administration (TGA)

4 December 2024

表示されていないタダラフィルが含まれる

 

-Dynamint X tablets | Therapeutic Goods Administration (TGA)

4 December 2024

表示されていないタダラフィルが含まれる

 

-MAXMAN tablets | Therapeutic Goods Administration (TGA)

4 December 2024

表示されていないシルデナフィルが含まれる

 

[COT]ターメリックとクルクミンサプリメントのヒト健康リスクの可能性についての声明

Turmeric and Curcumin Supplements - Introduction | Committee on Toxicity

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2024-12/COT_2024_Turmeric%20overarching%20statement%20Acc%20V%20SO.pdf

09 December 2024

 

要約

Statement on the potential risk to human health of turmeric and curcumin supplements: Lay summary | Committee on Toxicity

https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2024-12/COT_2024_Turmeric_overarching_statement_Lay%20summary%20AcC%20V%20SO.pdf

1.ターメリックは、熱帯および亜熱帯地域で栽培されている多年生ハーブであるCurcuma longa L(Linnaeus)の根茎(地下茎)の一般名である。ターメリックは食事に安全に使用されてきた長い歴史があるが、ヨーロッパの最近の報告が、ターメリックおよびターメリック由来サプリメントの摂取が肝炎(肝臓の炎症)と関連している。 イタリアとフランスの規制当局は、ターメリックの安全性評価を発表し、ターメリック由来サプリメントの摂取と肝毒性の関連を排除できないと結論した(ANSES、2022;Daniells, 2022)。

2.FSAも、生および粉末のターメリックおよびターメリック由来サプリメントの摂取に関連する肝炎事例を監視している。これらインシデント、生および粉末のターメリックおよびターメリック由来サプリメントの組成の不確実性、および汚染の可能性に関する懸念を考慮し、COTは、ターメリックの摂取によるヒト健康リスクを評価するよう求められた。COT声明には、このトピックに関するCOTの議論の結果と、市場で入手可能なさまざまなターメリックおよびターメリック由来製品のFSA資金提供による分析の結果のレビューが含まれる(Fera、2022年)。

3.評価において、COTは、ターメリックの主要な活性化学成分であるクルクミノイド(すなわち、クルクミン、ビスデメトキシクルクミン(BDMC)、デメトキシクルクミン(DMC))に特に注意を払った。クルクミノイドは、ターメリックおよびターメリック由来サプリメントに含まれている。

4.COTは、ターメリックに含まれる2つの主要なクルクミノイドは、経口摂取では体内に吸収されにくいと指摘した。しかし、サプリメントには合成型のクルクミンや、その吸収を高めることを目的とした製剤があり、その結果、毒性が変わる可能性がある。

5.COTは、入手可能なデータは限られているものの、ターメリックの摂取と肝毒性との関連について合理的な証拠があると結論した。これは、ターメリックの摂取/チャレンジで発生した悪影響が、摂取を止めると回復するからである。COTは、濃度が非常に低いため、最近の肝毒性インシデントが汚染物質(重金属など)の存在によって引き起こされた可能性は低いと結論した。

6.英国のターメリックの普通の食事として(つまり、食品添加物またはスパイスとして)の摂取は、一般に、ADIの0〜3 mg / kg体重の範囲内の曝露である(FAO / WHO、2004;EFSA、2010)。ADIは、健康に有意なリスクを及ぼすことなく生涯にわたって毎日摂取できる物質の量であり、COTは合意している。サプリメントの摂取がCOT声明でレビューされた製品の表示に基づいている場合、食事ADIをわずかに超過するかもしれまないが、健康に有意なリスクをもたらすことはないだろう。しかし、ターメリック/クルクミノイドが健康上のベネフィット目的で、またはサプリメントとして大量に摂取される場合、ADIを時折超過する可能性があり、その結果、健康リスクの可能性がある。

7.ADI未満の場合も含むターメリックサプリメントを使用した人々で肝臓の損傷/損傷(すなわち、 肝毒性)がまれに報告されている。これらの肝障害症例は、普通でなくおよび/または個人に特有の反応によるもので、個人の遺伝的要因に関連する。これらは「特異体質」反応と呼ばれ、まれで、予測不可能で、動物では再現できない。これらの反応の発生は、ターメリック/クルクミンサプリメントの用量と摂取期間によって、個人によりで著しく異なる可能性がある。その個人は、サプリメントを摂取する前に自分が影響を受けやすいことを知らない可能性がある。サプリメントの使用による予期しない特異な反応の可能性は排除できない。

8.COTは、ADIの大幅な超過はヒト健康リスクの可能性があることに同意する、特に他の医薬品が同時に服用されている場合はクルクミノイドと薬物の相互作用により、および肝臓、胆嚢および/または胆管の機能変化のある個人では。

 

[EPA]Biden-Harris政権は国の化学物質安全性法のもとで人々を発がん物質トリクロロエチレンとパークロロエチレンから守る最新の対応を発表

Biden-Harris Administration Announces Latest Actions under Nation’s Chemical Safety Law to Protect People from Cancer-Causing Chemicals Trichloroethylene and Perchloroethylene | US EPA

December 9, 2024

最終規則ではTCEの全ての使用とPCEの全ての消費者使用と多くの商業用使用を禁止し、残った使用では労働者保護を要求する

(消費者にとって一番身近だったのはドライクリーニングかな)

 

[ANSES]道路の交通汚染に暴露される労働者はリスクが高い

Higher risks for workers exposed to road traffic pollution | Anses - Agence nationale de sécurité sanitaire de l’alimentation, de l’environnement et du travail

03/12/2024

大気汚染は2012年に発がん性と分類されていて呼吸器や心血管系にも影響があることが証明されている。ドライバーや配達員、ごみ収集作業者、清掃員、道路整備作業員など、多くの時間を道路とその周辺で過ごす労働者は車内外で道路の交通汚染に暴露される。ANSESは公的機関と産業保健専門家に対して、労働環境汚染を考慮して暴露とリスクを減らすよう呼びかける

(労働者に個人防護具装着を義務付けるか労働時間を短縮するかしかないような?)

 

[EU]動画 健康を増進する運動:何故「運動錠剤」が健康課題にとって必須になったのか

Video recording - Health-enhancing physical activity: Why "movement pills" are becoming inevitable on the health agenda (6 December 2024) - European Commission

(6 December 2024)

身体的活動の重要性をプレゼンするウェビナー

 

論文

-砂糖入り飲料は心血管系疾患リスクを有意に上げるが、時々の甘いお菓子は上げない、科学者が発見

Sugary drinks significantly raise cardiovascu | EurekAlert!

9-Dec-2024

Frontiers in Public Healthに発表されたスウェーデンの大規模研究が示唆

Swedish Mammography Cohortと Cohort of Swedish Menの二つの大規模コホートからデータを得て、砂糖の摂取をハチミツのようなトッピング、ペストリーのようなお菓子、炭酸飲料のような甘い飲料、の3つのクラスの砂糖摂取と7種の心血管系疾患とを調べた。2019年までに参加者69705人のうち25739人が心血管系疾患と診断された。健康にとっては甘い飲料からの砂糖摂取が最悪だった。

お菓子は最も少ない摂取群で最も高い健康リスクで、時々お菓子を食べることは全く食べないことより結果は良かった。

スウェーデンではコーヒーとお菓子で休憩する社会的習慣が深く根付いていて、他の文化の集団には当てはまらないかもしれない。

(お菓子食べない人は非社交的あるいは何らかの病気がある人の可能性、とのこと)

 

-The Lancet Global Health:ほとんどの国は2030年までの重要な世界栄養目標に達しないと予想

The Lancet Global Health: Most nations set to | EurekAlert!

9-Dec-2024

子どもの健康に進歩は見られるが、低出生体重と貧血は世界中で重要な障害のまま

 

その他

-ワクチンは自閉症の原因ではないが、RFK Jr.の反ワクチンレトリックはまだ生きていて金儲けになる

Vaccines STILL don't cause autism, but RFK Jr's anti-vaccine rhetoric is alive and profitable.

Dr. Andrea Love Dec 10, 2024

この主張は金儲けのためにAndrew Wakefieldがでっち上げたものである。RFK Jr.はこの危険な嘘を25年以上にわたって悪用してきた

Trump政権が納税者の収めたお金をこの長い間嘘が暴かれてきた反科学的主張を「検討する」ために無駄遣いすることを示唆している。

正直言って私は自分の分野での革新的で素晴らしい科学の発展について書きたい、だけど残念ながら私たちが巻き込まれているのは終わりのない陰謀論のもぐらたたきである

(以下最近のニュースとそれへの反論、RFK Jr.の「ビジネス」について)

 

-Nature今年の10人

Nature’s 10: the people who helped shape science in 2024

9 December 2024

(年末特集が始まった)

2025年の注目の人物の一人がDonald Trump次期米国大統領

 

-コンシューマーラボ

製品レビュー 押しオート麦とスチールカットオート麦のレビュー

Rolled Oats and Steel-Cut Oats Review & Top Picks - ConsumerLab.com

Updated December 09, 2024

予期せぬグルテンに注意

オート麦は天然にグルテンを含まないが、加工時の交差汚染でグルテンが含まれることがある。コンシューマーラボの検査では2製品からグルテンを検出し、そのうち一つはグルテンが700ppmであった。カドミウムは全製品から検出されたが量は安全基準以下であった。2製品から少量のカビと酵母が検出された。

 

-RFK Jr.が再生農業を主張する。カリフォルニアはいまだその定義中

RFK Jr.’s into regenerative ag. California’s still figuring it out. - POLITICO

12/04/2024 By Katie Rodriguez, Camille von Kaenel and Marcia Brown

再生農業が全ての政党で人気である。問題はそれが何か正確な定義がないことである。

 

-西洋はアフリカの肥料需要に取り組む必要がある

The West Needs to Come to Grips with… | The Breakthrough Institute

Apr 29, 2024  Vijaya Ramachandran & Alex Smith

有機農業では世界は食べられない

アフリカ大陸は作物の収量の低さで悪名高い(単位面積当たりの収量の表あり)。

理由の一つが肥料の使用量の少なさである。エジプトと南アフリカ以外では化学肥料の使用量は極端に少ない。従って飢餓の解消のために農業への投資が必要だが、多くの西洋の環境活動家たちは肥料を使わないことを指導する。貧しく生産性の低い農業経済で肥料の使用を増やすことに反対することは大きな間違いである。

アフリカで欧州式の有機農業を推進するには(たい肥源となる)畜産の大幅な拡大が必要で、そのためにはより多くの肥料が必要になる。有機農業の強制的推進はスリランカの悲劇を見ればどうなるか明らかである。

富裕国がアフリカでの合成肥料の使用拡大に反対するとき、それは気候政策の名の下にアフリカ開発にブレーキをかけている緑の植民地主義と同じである。