野良猫 食情報研究所

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2024-12-04

[EFSA]評価

農薬

Setting of import tolerances for hexythiazox in blackberries and raspberries

EFSA and FSAI Serious Cross‐Border Threats to Health Crisis Preparedness Training

酵素

Safety evaluation of the food enzyme protein‐glutamine γ‐glutamyltransferase from the non‐genetically modified Streptomyces mobaraensis strain AE‐BTG

 

[EU]欧州委員会は煙のない環境についてより強力な対策を求める欧州理事会の助言を歓迎

Council Recommendation on smoke-free environments

Dec 3, 2024

タバコとニコチンの摂取は最大の避けられる健康リスクである。

助言は子供と若い人をよりよく守ることに特に焦点をあて、禁煙政策に電子タバコや加熱タバコのような若い人向けの新興製品も含めるように要請している。

WHOは受動喫煙に安全な量はないと明確に述べていて、電子タバコや加熱タバコのような新興製品由来のエアロゾルへの受動暴露は呼吸器や心血管系問題をもたらす可能性があると説明している。

欧州委員会は加盟国が助言を履行するための支援を行う

[RIVM]総ばく露―リスク評価における割り当て係数の使用を探る

Aggregate exposure – exploring the use of an allocation factor in risk assessment | RIVM

03-12-2024

日常生活で人々はいろいろな形で化学物質にばく露されている。例えば食品、水、化粧品、その他消費者製品。安全に使われるために一つの製品中の物質の安全量が設定されているが、他の暴露源は考慮されていない。例えばビタミンAは化粧品、食品、サプリメントに含まれる。各種製品からの暴露を考慮するため、割り当て係数を使うことを検討した。WHOガイドラインでは飲料水の割り当て係数が20%となっている。RIVMはそれを化粧品(パーソナルケア製品、メーキャップ用品、日焼け止め、練り歯磨き、消臭剤等含む)にあてはめる検討をした。

 

[DHSC]子どもの肥満を減らすため、ジャンクフード広告の禁止規制がすすむ

Junk food ad ban legislation progresses to curb childhood obesity - GOV.UK

3 December 2024

2025年10月からジャンクフード広告が禁止される、詳細を本日発表

どの食品が対象かの詳細は以下

Restricting advertising of less healthy food or drink on TV and online: products in scope - GOV.UK

(栄養プロファイリングモデルでスコアリングする)

 

[BfR]ハウチワマメ、昆虫、培養肉:代用たんぱく源の健康リスク評価の現状は?

Lupins, insects or lab-grown meat: what is the current state of health risk assessment for alternative protein sources? - BfR

02.12.2024

FAQ

 

[UKHSA]最新のデータが子供の鉛暴露事例の増加を示す

Latest data shows rise in lead exposure cases in children - GOV.UK

3 December 2024

学習や発達に困難がある子供たちが鉛暴露リスクが最も高い

イングランドでは鉛濃度が高いと判断される血中鉛濃度を2021年以降0.48µmol/Lから 0.24 µmol/Lに半減している。2023年は2022年に比較して報告症例数が増えた。

多くが貧困地域の古い家に住み、学習や発達に困難がある子供たちでリスクが高い;介入症例の82%で異食行動があり、69%が学習に困難を経験していた

 

[MHRA]化学物質安全性試験のGLP

Good laboratory practice (GLP) for safety tests on chemicals - GOV.UK

Last updated 3 December 2024

 

[FDA]FDAは有毒なキバナキョウチクトウに代えられているある種のサプリメントに警告(2024年1月)

FDA Issues Warning About Certain Supplements Substituted with Toxic Yellow Oleander (January 2024) | FDA

December 3, 2024

さらに2製品を追加し、合計18製品

(リコール状況の欄をみると会社がリコールしない、FDAが連絡できないといったところが多く、まともでない会社が売っていることを示す。でもアマゾンで買える。)

 

[FAO]2024年農産物市場報告

The State of Agricultural Commodity Markets 2024

2024

(ここでもUPFが肥満と関連という項目がある。

SPS協定での「公衆衛生保護」が肥満予防のために脂肪の多い肉製品に高い関税を課すことを正当化する事例などが好意的に紹介されている

特に南太平洋の島の人たちは食品が輸入されなければ太らなかったと思われているようだ)

 

[ASA]ASA裁定

-ACME Vape Ltd - ASA | CAP

04 December 2024

電子タバコ製品が「喫煙より95%害が少ない」という宣伝が誤解を招くもので基準違反、またニコチン含有製品の広告基準にも違反

 

-Bodystreet Franchise (UK) Ltd - ASA | CAP

04 December 2024

EMS(電気刺激装置)の20分が3時間のジムでのトレーニングに相当する、という宣伝に根拠が十分でない

(EMS関連研究所のそれっぽいデータは出しているが却下されている)

 

-Vita Studio Pte Ltd - ASA | CAP

04 December 2024

モバイルゲームアプリVita Mahjongが記憶障害や睡眠障害に役立つと宣伝。病気の治療広告で基準違反。

 

[CFIA]すぐ食べられる食事、植物油脂中フタル酸(2020 から 2021)

Phthalates in ready-to-eat meals, vegetable fats and oils – April 1, 2020, to March 31, 2021 - inspection.canada.ca

Chem TS - 2020-21 - Phthalates in Selected Foods - Report - EN - PDF-2.pdf

2024-11-25

合計500検体の6種のフタル酸を検査した。93%の464検体からは検出されなかった。検出された量は0.2 ppmから4.2 ppmであった。全体として、前回調査より検出率、検出量ともに少なかった。食品中フタル酸についてカナダの規制はないが、検出された全ての量は安全と評価された。

 

Nature

-100まで生きる秘訣は?100才長寿幹細胞が候補かも

What’s the secret to living to 100? Centenarian stem cells could offer clues

29 November 2024  By Smriti Mallapaty

100歳以上の人由来の細胞バンクが科学者に長寿の新しい研究資源を与える

 

-加齢とは?この分野の研究者ですら合意できない

What is ageing? Even the field’s researchers can’t agree

03 December 2024  By Smriti Mallapaty

加齢を研究している科学者に調査したところ基本的なところで合意がないことがわかった

この分野の100人にきいたところ、加齢とは何か、それは病気か、いつ始まるのか、などを含めすべてのことに合意がなかった

(加齢が何かはわからなくても、アンチエイジングクリニックはサプリメントから点滴まで、何でも売っているよ)

 

-EUがグリーンディールをリセットしなければならない理由―あるいは後れを取るか

Why the EU must reset its Green Deal – or be left behind

03 December 2024  Rabah Arezki et al.,

欧州の野心的気候対策がデザインされた時から世界は変わった。合意は進化しなければならない

写真:ブリュッセルで3月にEUの農業政策に抗議する農家のトラックの列

(ついにNatureが欧州グリーンディールの失敗を認める記事を掲載。)

 

-プラスチック条約は緊急に必要、しかし正しい条約には時間がかかるだろう

A plastics treaty is urgently needed, but getting it right will take time

03 December 2024

最近の会議で合意できなかったが、話し合いは続けることを約束した、そしてそれは小さなことではない

会議が合意できなかったのは驚きではない。国際合意には時間がかかるものだ。特に複雑な問題の場合には。

科学者が重要な役割を果たす分野でも話し合いに参加するのは困難だった、理由の一部はロジスティックで、約3300人もの参加者が部屋に入ることができなかった。もう一つは一部の決定が閉鎖された特定の国だけで行われた。

 

その他

-SMC UK

牛の飼料添加物Bovaerについてのソーシャルメディア投稿への専門家の反応

expert reaction to social media posts about cattle feed additive Bovaer | Science Media Centre

December 3, 2024

牛の飼料添加物Bovaerについてのソーシャルメディア投稿に科学者がコメントする

Leeds大学環境毒性学名誉教授Alastair Hay教授

‘Bovaer 10’という名前の添加物は反芻動物にメタン排出削減目的で与えられ、FSAが2023年3月29日に認可した用量で使えば安全である。

この製品は英国では18か月ほど使用認可されている。

有効用量では牛のメタン量を21-33%減らす。この添加物、化学名は3-ニトロキシプロパノール(3-NOP)、は動物に害はない。乳量に影響はない。

3-NOPは反芻動物の消化管でメタンが発生する最終段階であるメチル補酵素M還元酵素(MCR)を阻害する。3-NOPは牛で速やかに3-ニトロキシプロピオン酸(3-NOPA)に代謝され血中から約3時間で速やかに消失する。3-NOPを与えられた動物の乳から代謝物は検出されない

(以下FSAの評価へのリンク等あり)

(消費者は環境に良いものを買う、とアンケートには回答するけれど実際の購入には環境はあまり優先されない。ネットではビルゲイツの陰謀だ論まで含めてデマが氾濫している模様。環境のため、という訴求が逆に胡散臭いものになっている部分もありそう。)

 

-国連プラスチック条約は企業のロビー活動のために決裂したのか?

Was the UN Plastics Treaty Collapse Due to Industry Lobbying?

David Zaruk Dec 03, 2024

釜山のNGO活動家の数は企業からの参加者より数で10倍以上上回っていた

先週の国連世界プラスチック条約会議は、予想通り合意なく終了したが、環境保護活動家たちがいつものように自分たちの失敗を企業や産油国のせいにしている。

企業のロビイスト220人に対して活動家NGOロビイストは2200人以上だった。

(149ページの参加者リストあり)

関係者は1団体5人の参加が認められているがグリーンピースは少なくとも29人、WWFは少なくとも27人が参加している。どうやって?別の団体や政府の代表団に紛れて。例えばフィジー代表団は11人中4人は政府関係者ではなく大手環境NGOの出身者だった。フィリピンも同様。

新しいタイプの活動家団体:財政支援者

(以下出自の怪しい参加者の数々等)

NGOは妥協したり現実的な解決策を探ることには興味がない。彼らの目的は教義を唱え、失敗を誰かのせいにし、資金提供者にさらなる支援を求めることである。

 

-超加工食品:政府の行動のための展望

Ultra-processed food: the scope for Government action

Imperial Policy Forumなどが2024年12月2日に合同開催した会議の録画

6時間

Ultra-processed food: the scope for Government action | Imperial College Business School

(以下一部視聴した個人的メモ)

Mathilde Touvier、Kevin Hall、Francesco Branca、 Chris van Tulleken博士らの名前がある

HFSSではなくてUPFを規制したい人たちが集まっている?

食品は消費者製品ではない、企業は詐欺的手法で利益を目指す、食品は病気の原因

オーガナイザーはSACNの科学者(個人名も出して)が食品企業と関連があるからUPFを認めないのだという陰謀論を展開。HFSSではなくUPFでなければならない理由は語られず。

科学の部分はMathilde Touvier博士とKevin Hall博士が担当、当然分類はNOVA

NutrinetSanteの説明

国際比較ではUPF由来カロリーの割合が最も高いのは英国で米国はそれ以下らしいのだが肥満は圧倒的に米国の方が多い

でもUPFのせいで肥満になると主張。

疫学研究の弱点についてはタバコと同じだと強弁。タバコは明確に有害物質なのだが。

添加物が悪いと言いたいようだ。甘味料と乳化剤。乳化剤の中にはセルロースも含まれる

IARCのアスパルテーム評価に貢献したと自慢している

これらの結果からABロゴ(フランスのオーガニック認証マーク)のついたオーガニック食品を食べよう、になるのは謎

Kevin Hall博士はヒト試験

自由摂取でUPFだとカロリーを多く食べて太るという最初の実験(2019)の紹介の後

エネルギー密度とhyper palatableでUPFを区別して合計4群で試験した

参加者男11/女7人 BMI30

食事の楽しみが変わらない(美味しくないのでは)

エネルギー密度とhyper palatableを除いたUPF群の摂取カロリーは加工の少ないものと同じ程度

当然体重もそれを反映

hyper palatableの定義が塩や砂糖や油が一定以上のことらしいのであまり信用できないかも

UPFに不溶性食物繊維がないとか、想定しているものが違う感じ

WHOはヘルシーダイエットの定義の文書を紹介

NOVA分類のUPFが健康に悪影響だという説を支持

PAHO栄養プロファイリングモデル

WHOの新しい作業:定義の開発

成分ベース?特徴?エネルギー密度?

候補がcosmetic additive

Cosmetic? 色素だけではなく乳化もはいる Scientific report

オートミルク(植物ミルク)はUPFだけど免除したい(どこが客観的なんだか)

来年から始めて数年かかる

オーガナイザーに比べるとまだ慎重に見える

Dr Gyorgy Scrinis

HFSSは社会的側面を考えていない

食生活が変化したのに製品/栄養だけを問題にしている、還元主義

HFSSの規制は最終的に消費者の選択になるので消費者に責任を負わせている

UPFは社会的側面を重視するが問題はカテゴリーが広すぎる、栄養のあるUPFはどうする?代わりのものがない、ために採用されない

加工していない食品をたべさせることが目標

物理的区別としてはUPFはHFSSプラス添加物、

消費者の責任を製造業者などもっと上流に→消費者が選択できないようにする

食品企業を政策決定から追い出す、製品ではなく企業を規制する

プラスチック包装を使わせない