野良猫 食情報研究所

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2024-11-18

[EFSA]サッカリン:安全性閾値引き上げ

Saccharin: safety threshold increased | EFSA

15 November 2024

ADIを5から9mg/kg 体重/日 に引き上げ

これまでのADIは1995年にラットの試験で観察された膀胱がんの増加をもとに設定されていたが、この腫瘍は雄ラットに特有でヒトにはあてはまらないことについて科学的合意がある。またサッカリンにはDNA傷害性はなく、ヒトのがんリスクには関連しないと結論した。さらに消費者の暴露量は新しいADIより低く、健康リスクといはならない

Re‐evaluation of saccharin and its sodium, potassium and calcium salts (E 954) as food additives

15 November 2024

新しいADIは動物実験での体重の減少をエンドポイントに

ラットの8週間試験で観察されたサッカリンナトリウムのLOAEL 4500 mg/kg/d(餌の5%、サッカリン遊離イミド3420mg/日に相当)での体重の15%の減少を参照点に、デフォルトの不確実係数100にLOAELからNOAELへの係数2、慢性毒性のための係数2を加えた。

この試験(1994年)

Lack of Induction of Epithelial Cell Proliferation by Sodium Saccharin and Sodium L-Ascorbate in the Urinary Bladder of NCI-Black-Reiter (NBR) Male Rats - ScienceDirect

今は住友(化学?)

 

[EFSA]評価等

酵素

Safety evaluation of an extension of use of the food enzyme α‐amylase from the non‐genetically modified Bacillus amyloliquefaciens strain AE‐BAA

飼料添加物

Safety and efficacy of a feed additive consisting of an essential oil derived from the flowering stems of Salvia sclarea L. (clary sage oil) for use in all animal species (FEFANA asbl)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of ponceau 4R for its use in baits for freshwater fish (GIFAP)

農薬

Modification of the existing maximum residue levels for propamocarb in radishes (roots and small leaves)

・CropLifeヨーロッパとの臨時関係者会合

Ad hoc stakeholder meeting with CropLife Europe | EFSA

8 November 2024

農薬のリスク評価にEFSAのBayesian Benchmark Dose (BMD)モデルプラットホームを採用することに関する議論

野生生物への影響に関して

GMO

Assessment of soy leghemoglobin produced from genetically modified Komagataella phaffii, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐NL‐2019‐162)

食品添加物としての大豆レグヘモグロビンは評価済み。遺伝子組換えKomagataella phaffii MXY0541系統由来のレグヘモグロビンは提案される使用方法に従えば安全。遺伝子組換えが安全性の問題をひきおこすことはない。

 

[EU]欧州抗生物質啓発デーを前にコミッショナーからの声明

Statement ahead of European Antibiotic Awareness Day

Nov 15, 2024

11月18日は欧州抗生物質啓発デー

 

[EU]欧州委員会EUのワンヘルスアプローチについての科学的助言を受け取る

HEALTH AND FOOD SAFETY - Commission receives scientific advice on One Health approach in the EU

14/11/2024

欧州委員会は本日EUにおけるワンヘルスガバナンスについて科学助言機構(SAM)の根拠レビューと意見を公式に受け取った。

One Health governance in the European Union – Scientific Advice Mechanism

人間中心の健康観から脱却して全ての生き物の健康を考える、時に相いれないこともある

(欧州の価値観が正しいことを疑うことから始めてほしい。人間が自然を思いのままに蹂躙しているという万能感は自然災害が少ないから培われただけでは。)

 

[RIVM]オランダの家、職場、公共のアクセスがある建物のラドン。2022-2023測定キャンペーンの結果

Radon in Nederlandse woningen, op reguliere werkplekken en voor het publiek toegankelijke gebouwen. Resultaten meetcampagne 2022-2023 | RIVM

16-11-2024

本文オランダ語

他の欧州諸国よりラドン濃度は低いが2013-14より幾分高い。理由の一つはエネルギー危機により換気を減らしたこと

 

[FDA]病気の調査:Diamond Shruumzブランドチョコレートバー、コーン、グミ (2024年6月)

Investigation of Illnesses: Diamond Shruumz-Brand Chocolate Bars, Cones, & Gummies (June 2024) | FDA

November 15, 2024

事故後の対応に移行

10月31日時点でCDCの調査により合計約180人の病気が34州から報告されている。そのうち73人が入院、関連死の可能性が3人。

11月4日時点で22のDiamond Shruumzブランドグミの検査結果が判明している

 

[MPI]プレスリリース

-Plenty湾の一部に貝毒警告

Shellfish biotoxin warning for part of Bay of Plenty | NZ Government

Date: 18 November 2024

定期検査の結果麻痺性貝毒が安全基準の2倍以上

 

-違法に豚を殺して売ったオークランドの男性に$7,500の罰金

Auckland man who illegally killed and sold pigs fined $7,500 | NZ Government

18 November 2024

動物福祉法と動物製品法違反

 

-抗菌剤を有効にするのはチームワーク

Teamwork makes antimicrobials work | NZ Government

18 November 2024

抗菌剤啓発週間によせて

 

Mcgill OSS

-Kennedyのインチキ同盟はアメリカ人に嘘を与えたい

Kennedy’s Coalition of Quacks Wants to Feed America a Diet of Lies | Office for Science and Society - McGill University

Jonathan Jarry M.Sc. | 15 Nov 2024

ワシントンではウェルネスインフルエンサー逆張りが、Trumpのホワイトハウスでは疑似科学が、制度化オーディション中

アメリカがくしゃみをすると世界が風邪をひく。Trumpのホワイトハウスへの再びの君臨と反ワクチン活動家のRobert F Kennedy Jrの意見が通ることはそれ以上のことを約束する。それはワクチンで予防可能な病気が戻ってくることを告げるものであり、それは国境を超える。

反科学が大統領になるまであと数か月である。次期HHS長官に選ばれたRFK Jr.氏のもとに、反医療とウェルネス戦士たちが集結している。水晶玉やタロットカードも公衆衛生と科学への損害の範囲を予想できない。RFK Jr.のMAHAは何をするだろうか?

RFK Jr.は2019年にサモアを訪問した結果5700人を病気にし83人が死亡したはしかの流行の一因となった。

MAHAの羊飼いとして急上昇しているのがCaseyとCalley Meansの姉弟である。

Casey Means博士は医療過誤と薬が米国の死因の3位であると主張しCalley Meansはダイエタリーサプリメントや赤外線サウナなどの怪しげなウェルネス製品を販売している

外科医のMarty Makary博士は農薬が出生率低下の原因だと主張しJonathan Howard博士らとともにCOVIDミニマイザー(感染させて免疫を獲得方針)として知られる

食の安全は脅かされ健康格差は拡大し感染症は猛威を振るうだろう。

MAGAがカルトならMAHAはカーゴカルトである

「汝の食事を薬とせよ」は医学の父であるヒポクラテスによるとされる箴言であるが、実際のところヒポクラテスは食品と医薬品の違いを知っていた。私たちが松明を灯してカーゴ神の船を待つのなら、だれもそんなことは気にしないだろう。

(長い記事、一部のみ)

 

-動画

食品廃棄

Cup o'Joe-Wasting food

2024/11/15

 

オーストラリアのSkittlesについて

Show and Tell-My Austrian Skittles

2024/11/16

オーストラリアのSkittlesは天然色素でカナダのSkittlesは合成色素を使っている。色素はどちらも問題ではなくお菓子の食べすぎは栄養の問題。

 

THE LANCET Volume 404, Issue 10466

-Trump、健康、科学そして次の4年

Trump, health, science, and the next 4 years

THE LANCET Editorial Volume 404, Issue 10466 p1897 November 16, 2024

Trump政権特にRobert F Kennedy Jrへの懸念

米国のみならず世界に影響がある

 

-健康税:健康と医療財源のための失われた機会

Health taxes: missed opportunities for health and health-care financing

THE LANCET Comment Volume 404, Issue 10466p1905-1907November 16, 2024

Helen Clark et al.,

ブルームバーグ財団が支援した健康のための財政政策専門委員会による新しい報告書が、世界の政府が非伝染性疾患の負担増加に単純な解決法:たばこと酒と砂糖入り飲料への増税、を行わないために機会を失っていることを示した

健康のための財政政策専門委員会報告書

Task Force on Fiscal Policy for Health | Bloomberg Philanthropies

(タバコと酒を一緒にするだけではなくそこに砂糖入り飲料も入れることでタバコ税と同じくらい砂糖税にも効果があると示唆。当然そんなことはない。さらに同じようなやり方で課税対象を拡大。

超加工食品(UPF)/HFSSへの課税という報告ではUPFの定義の曖昧さへの批判を認めつつもUPF/HFSSとほぼ同義であるかのように記載。

TaxingUPF.pdf

ついでにCodexが基準を定めた食品添加物が健康に悪影響があると主張する人もいる、とわざわざ記載。P7 。一方食品中に明確な有害物質が含まれることは無視。こういう人たちがWHOやLancetの中枢で政策を作っていることに注意。)

 

-ブラジルが肥満差別対策法を検討

Brazil considers obesity discrimination law

World Report Volume 404, Issue 10466p1912-1913November 16, 2024

Tony Kirby

もし採択されたら、ブラジルは世界でも少ない、体重に基づく差別から明確に守る国になる

一部の活動家が信じているような、肥満を病気と認識することは差別ではない。肥満は個人の意思によるものではなく複雑な神経代謝疾患である。

 

その他

-コンシューマーラボ

製品レビュー グルテンフリー穀物レビュー(そば、キノア、ソルガム、キビ、テフ)

Gluten-Free Grains Reviews & Top Picks - ConsumerLab.com

November 14, 2024

調べた13検体の31%は汚染物質のために失格。主にカビや酵母。価格は品質と関係ない。

 

-RFK Jrがふさわしくない理由

Why RFK Jr is not Fit for Office - THE FIREBREAK

THE FIREBREAK Nov 18, 2024

 

-視点:RFK, Jrの栄養と農業提案はスターリンの1930年代のソ連のルイセンコ主義による科学否定の惨劇と共鳴する

Viewpoint: RFK, Jr.'s nutrition and farm proposals echo the disastrous science-rejectionist policies of Lysenkoism in Stalin's 1930s Soviet Union - Genetic Literacy Project

Jon Entine, Kevin Folta | November 15, 2024

 

-栄養研究の嘘を暴くための疫学者のガイド

An Epidemiologist’s Guide to Debunking Nutritional Research

Christopher Labos, MD, CM, MSc November 15, 2024

https://www.medscape.com/viewarticle/epidemiologists-guide-debunking-nutritional-research-2024a1000ktj?form=fpf

あるいはディナーパーティーで賢そうに見せる方法

  • 食前酒:因果の逆転の教訓

アルコールが心臓に良いとか少し太っていた方が良いとか

  • 前菜:RCTの重要性

魚油やビタミンDが期待されていたのにメリットはみられなかった

  • メイン:絶対リスクと相対リスク

相対リスクを絶対リスクに換算するとほんのわずかになる

  • デザート:資金

チョコレート(カカオ豆抽出物)に関する最大規模のRCTであるCOSMOS研究が発表されなんの利益も示されなかったがチョコレートが健康に良いという説はチョコレート企業がお金を出した研究で宣伝され続けている

最後に

研究は映画と同じで全てが素晴らしいわけではなく中にはひどいものもある。特に食品についての医学ニュースは、批判的に吟味すべき

 

-SMC UK

Trump氏がRFK Jrを保健省長官に選んだことへの専門家の反応

expert reaction to Trump picking RFK Jr as health secretary | Science Media Centre

November 15, 2024

Donald Trump がRobert F. Kennedy Jrを保健長官に指名したことへの科学者のコメント

LSHTM小児感染症と免疫教授Beate Kampmann教授

健康政策に必要なのは意見ではなく根拠である。RFKの指名は根拠に基づく保健政策の否定でありこれまでの進歩が失われるだろう。

Oxford大学ワクチングループ長Sir Andrew Pollard FMedSci FRS教授

現時点で指名が確認されるかはわからないが、そうなったらワクチンに関する疑わしい主張が展開され一部の人にとっては致死的な帰結となろう。

King’s College London精神科Regius教授Sir Simon Wessely FRS教授

Liverpool大学感染症動物生態科学講師Krishanthi Subramaniam博士

Surrey大学健康医学部名誉教授Johnjoe McFadden教授

Great Ormond Streetこども病院小児科相談医David Elliman博士

(びっくりした、心配だ、特にワクチン拒否の帰結はすぐにでも出るので、という一致した意見)