野良猫 食情報研究所

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2024-05-30

[NTP]テクニカルレポート

B6C3F1/Nマウスに経皮投与したトリクロサンの毒性およびがん原性試験

Toxicology and Carcinogenesis Study of Triclosan Administered Dermally to B6C3F1/N Mice

Abstract for TR-604 (nih.gov)

May 29, 2024

マウスに95%エタノールに溶解したトリクロサン1.25, 2.7, 5.8, or 12.5 mg/kg/dayを週7日2年間経皮投与。塗布部位の表皮過形成は観察されたが皮膚の新生物は観察されない。雄のマウスで二つの高用量群で肝細胞腺腫と肝細胞がんの合計の頻度が増加したことに基づき、発がん性についての幾分かの根拠があるsome evidence

雌では膵島腺腫の増加に基づき発がん性についての曖昧な根拠があるequivocal evidence

(トリクロサンの使用禁止理由は毒性ではなく薬剤耐性への懸念。)

 

[FAO]国際ジャガイモデー 5月30日

Home | International Day of Potato | Food and Agriculture Organization of the United Nations (fao.org)

Potatoes: So Familiar, So Much More to Learn (fao.org)

動画 | Facebook

 

[ANSES]薬剤耐性の統合的サーベイランスに向けて

Towards the integrated surveillance of antimicrobial resistance | Anses - Agence nationale de sécurité sanitaire de l’alimentation, de l’environnement et du travail

22/05/2024

薬剤耐性はヒトと動物の両方にとって大きな健康問題である。フランスでは、抗生物質の使用と耐性菌の分布は、一貫性がなく協調不十分な異なるサーベイランス計画で行われてきた。完了したばかりのSurv1Healthプロジェクトでは薬剤耐性サーベイランスの壁を取り除き「ワンヘルス」アプローチの一環としてより使いやすくするための方法を探った。

 

[EU]パブリックコメント募集

SCCS - Opinions - European Commission (europa.eu)

二酸化チタン(ナノ形態)の新しいコーティング

SCCS Opinion on new coating for Titanium Dioxide (nano form) - European Commission (europa.eu)

SCCS/1667/24 - 20 May 2024

締め切り2024年7月22日

(1)皮膚に使う化粧品製品用の6%水酸化アルミニウム・14%ミリストイルサルコシンナトリウム・10%ジメチコンの組み合わせでコートされた二酸化チタン(ナノ)は安全か?

不確実性が多く結論できない

(SCCS2013のナノサイズ25%まで、の範囲を逸脱する可能性が高いとみなされているようだ)

 

論文

-都市の川はどのくらい医薬品と違法薬物を含む?

To what extent are pharmaceutical and illicit | EurekAlert!

29-MAY-2024

Environmental Toxicology & Chemistryに発表された研究が2021年と2022年にHudson 川と East Riversの19か所で採取した水の処方薬と違法薬物を同定・定量した。

もっともよく見つかったのはメトプロロールとアテノロール(降圧薬)、ベンゾイルエクゴニン(コカイン代謝物)、メタンフェタミン、メサドンで60%以上の検体からみつかった。

 

-2024世界食品政策報告書は持続可能で健康な食事と栄養改善達成のために変革が緊急に必要だと強調

The 2024 Global Food Policy Report stresses u | EurekAlert!

29-MAY-2024

国際食料政策研究所International Food Policy Research Institute (IFPRI)が発表

Global food policy report 2024: Food systems for healthy diets and nutrition (cgiar.org)

(世界中の人が生鮮野菜果物がいつでも安価に入手できるようにするってどれだけのインフラが必要なのだろう?それが「グリーン」とは到底思えないのだが)

 

-シアトルの甘い飲料課税実施と子供のBMIの変化

Sweetened Beverage Tax Implementation and Change in Body Mass Index Among Children in Seattle | Nutrition, Obesity, Exercise | JAMA Network Open | JAMA Network

Jessica C. Jones-Smith et al.,

JAMA Netw Open. 2024;7(5):e2413644.

シアトルと近くの比較対象地域に住む6313人のコホート。課税実施で小さいながら有意なBMI低下が観察された

シアトルでは2018年1月1日から甘い飲料に1オンス当たり1.75セントの課税が実施された。BMIの変化の指標としてBMIp95(95パーセンタイルと比べたパーセンテージで表現するBMI

(シアトルと比較対象地域の子供の肥満率が9.3対15とずいぶん違うのだがそれはいいのか?)

 

-SMC NZ 少女の初潮が早まっている―専門家の反応

Girls are getting their periods earlier - Expert Reaction - Science Media Centre

Published: 30 May 2024

1950年から2005年に生まれた7万人以上のアメリカ人女性の新しい研究が、少女の初潮が早まり、定期的になるまでに長くかかるようになったことを示した。JAMA Network Openに発表された

iPhoneを持っている人の自己申告によるAppleがスポンサーになった研究。

 

その他

化学物質によるこの世の終わりが来る

The Coming Chemageddon - by David Zaruk - THE FIREBREAK

DAVID ZARUK MAY 29, 2024

私たちの世界はメディアが描くように化学物質で汚染されているのか?

―――

・私たちの海がプラスチックで窒息している

・グリホサートが、がん、パーキンソン病自閉症、COVID-19、肥満、先天異常の原因で、ミミズやミツバチや蝶を殺し、気候ストレス要因となっている

・永遠に化学物質がかつてないレベルで私たちの水に浸透している

・ナノプラスチックが脳血液関門に侵入する

・超加工食品は、単なる化学物質混合物

・土壌は、農薬のせいで枯渇している

――――

毎日のニュースは、化学物質、プラスチック、農薬が環境を破壊し、私たちの食べ物と水を汚染し、人間にこれまで以上に多くの病気と衰弱をもたしているという記事をますます多く配信している。人類は地獄に堕ちようとしているようなのに規制当局は誰も気にしていないようです。人類はChemageddon―化学物質によるこの世の終わりに向かって日々状況が悪化しているようだ。

いったい何が起きているのか?何十年にもわたるプロダクト・スチュワードシップ、企業の社会的責任、ESGを経て、業界は本当に悪化し、より無節操になり、責任感を失ってしまったのか?公的監視と透明性の義務があるのに、政府は本当に産業界の犬になり公衆衛生と環境を保護する能力がないのか?ケマゲドンは本当か?

私が20年前に化学業界で働いていた頃、年に3〜4回製品のリスクについて警鐘を鳴らす調査や学術論文が発表されていた。今や1日に3、4件である。20年前、活動家の要求は、製品の使用を規制するか、サイトをきれいにすることだった。今日求められているのは脱産業、脱成長、グリーン移行(再生可能エネルギーとアグロエコロジカルなフードシステム、地域限定で小規模な製造とグリーン輸送)である。

言い換えれば、メディアが書く記事は、科学的根拠に基づくものではなく、政治的な動機によるものである。その動機は、単に公衆衛生と環境を支持するだけでなく、はるかに大きなものになっている - 今日、これらのケマゲドン・キャンペーンは、ポスト資本主義、脱工業化された社会主義の楽園への革命と体制変革というより広範な目標のための恐怖戦線に過ぎない。

・事実はそこにない

これらの公然たる嘘が、どうしてこれほど簡単に、効果的に広がるのを許してきたのだろう?

 

黙示録の「5人の」騎士

過去20年間で、活動家が反資本主義、脱工業化の政治的野心に沿った現実を創造することを可能にした5つの重要な進化があった。

  1. メディアの変化

メディアや学術出版社が、インターネットによる資金獲得モデルの変化に対応するために変わった

  1. 財団の進化

財団が政策プロセスにおける主要なアクターとして浮上してきた。

現在、財団は化石燃料企業を訴えるために法律事務所に金を払い、報道機関がキャンペーン記事を掲載することを条件に報道機関に寄付している。政治的動機に基づく活動家グループは、現在、資金に無制限にアクセスでき、その使い道についてほとんど、あるいはまったく精査されていない。彼らは自分たちの研究に資金を提供し始めた。

  1. 分析技術の進歩

分析技術と検出ツールは進歩し、コストは低下した。今や人間の血液や尿中のあらゆる物質を1兆分の1のレベルで検出できる。研究を依頼した活動家は調査結果を誇大宣伝するが、そのような低レベルでの存在が害につながるという根拠はない。しかし、それは重要なことではない。検出の目的は、存在すべきない合成化学物質が私たちの体内に(たとえ一時的であっても)存在することを示すことである。それは、人々の恐怖と怒りを生み出すのに十分だから。

  4.活動家科学

科学者と利益団体(有機食品業界や不法行為法律事務所など)と協力しているNGOは、キャンペーンの目的を達成するための調査研究を設計し始めている。ポストと研究費が不足しているため、より政治的に活発な科学者は、NGOや財団が資金提供するキャンペーングループと協力して、はるかに良い待遇を見つけ始めている。

  1. ステークホルダー/市民参加

活動家は政策立案者が業界と不適切な関係があるかのように描くことに成功したので政策プロセスの多くから業界の意見を排除することに成功した。

 

絶え間なく警鐘が鳴らされ続けた20年—答えはない

(一部のみ。欧州の雰囲気を伝える記事)

 

-超加工食品税は販売にどう影響する?

How does ultra-processed food tax impact sales (foodnavigator.com)

By Flora Southey 29-May-2024

数か月前、世界初の超加工食品税と考えられるものが実現した。最も影響を受けたのはどのカテゴリーの食品?

昨年コロンビアが世界初と考えられるUPF税を導入した。11月1日発効したこの法は、ある種の食品に10%の税をかけ、2024年には15%、2025年には20%に増やす。この税はすでにUPFの販売に影響を与えている。Kantarによると2023年末までに、2021年に比較して5%の摂取低下だった。

コロンビアのUPFの分類はNOVAシステムではなく、超加工「ジャンクフード」製品が課税対象である。それは砂糖、ナトリウム、飽和脂肪が閾値を超えている、添加物と食品由来物質から作られた食べられる製品と定義されている。ナトリウムの閾値は1kcalあたり1mg以上および/または100gあたり300 mg以上。遊離の糖については総エネルギーの10%以上、飽和脂肪については総エネルギーの10%以上。砂糖を加えた乳製品、ソーセージやコールドカット肉製品、お菓子、朝食シリアル、缶詰フルーツ野菜、調味料などが該当する。伝統的コロンビア料理は(砂糖や塩が多くても)除外されている。

課税が発効した2023年の2か月の間に、消費者の「不健康な」UPFへの支出は2021年比で14%増加し、一方で量は5%減少した。最も大きく減ったのは液体茶、フレーバーミルク、チョコレートである。消費者は課税対象の商品を購入するために、超加工でない健康的食品の購入を減らす可能性もある

 

食品安全情報(化学物質)No. 11/ 2024(2024. 05. 29)

https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202411c.pdf

目次

【FAO】
1.    新たな食料源及び生産システムの安全性を検証する新しいレビュー
2.    第34回FAO欧州地域会議が開幕、農業食料システムの回復力強化に焦点
3.    FAO、AIとデジタル革命が世界の農業食料システムを変革する可能性を強調
4.    Codex
【EC】
1.食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【ECHA】
1.    ECHA、殺生物剤に関する意見募集を合理化
【EFSA】
1.    FoodEx2メンテナンス2023
2.    Rheum palmatum L.、Rheum officinale Baill.とその交配種、Rhamnus purshiana DC.、Rhamnus frangula L. 及び Cassia senna L.の製剤の安全性に関する追加の科学的データに関する科学的意見
3.    食品酵素関連
4.    食品接触物質関連
5.    農薬関連
6.    香料グループ評価
7.    飼料添加物関連
【FSA】
1.    超加工食品
2.    ステークホルダーの回答の概要:様々な規制製品の認可申請に関する協議(2024年春)
3.    食品衛生格付け方式、表示の監査及び事業調査2022:テクニカルレポート
【FSS】
1.    2023年スコットランドの外食部門における「Food on the go(店外飲食食品)」のカロリー量の分析
【COT】
1.    母親の食事に含まれる鉛のリスクの可能性に関するCOT声明:要約
2.    COT会合:2024年5月21日
BfR
1.    食品中の天然毒素:多くの人々が健康リスクを認識していない
2.    水生毒素:藻類の毒素がヒトの健康に与える影響
3.    リスクコミュニケーション:パンデミックからの教訓
【RIVM】
1.    飲料水源を保護するための対策の評価
【ANSES】
1.    食品用の動物福祉の表示を開発するためにどのような科学的基準を用いることができるか?
【CAFIA】
1.    CAFIAは外国産アテモヤ・トンプソンの果実(ロット重量2.64トン)から基準値を超える6種類の農薬を検出した(基準値の7倍の農薬もあり)
FDA
1.    FDAはタラ粉の市販後評価について情報を更新する
2.    ダイエタリーサプリメント成分及びその他の物質に関する情報
3.    レストラン及び食品小売店の監督に責任をもつ州及び準州政府当局によるFDA Food Codeの採用
4.    警告文書
5.    リコール情報
【NTP】
1.    ICCVAM 公開フォーラム 2024年5月
EPA
1.    EPA、飲料水の水質に関する国民の認識を向上させる最終規則を発表
2.    EPAニューメキシコ州環境局がPFASおよびその他の新興汚染物質の検出と対策に1,890万ドルを受領すると発表
【USDA】
1.    USDA、新プログラムとパートナーシップで生産者のオーガニック生産への移行を緩和、オーガニック市場の創出と拡大のための投資を発表
2.    バイデン-ハリス政権は、何百万人もの子供たちの飢餓に対処し、健康的な食生活を改善するための新しい夏季栄養プログラムを開始
【Health Canada】
1.    ヒトバイオモニタリングリソース
2.    エフェドリン又はプソイドエフェドリンを含む特定のナチュラルヘルス製品の販売に関する暫定命令
3.    臭素化植物油(BVO)をその他の使用が認められている食品添加物の許可リストから削除するという提案
4.    助言
【FSANZ】
1.    食品基準通知
2.    リコール情報
【香港政府ニュース】
1.    ニュースレター
2.    プレスリリース
3.    違反情報
【MFDS】
1.    日本産輸入食品の放射能検査の結果
2.    フタル酸エステルの人体暴露水準、有害影響の懸念はない
3.    農家の手作り加工食品、直取引売場で手軽に購入できる道が開かれる
4.    泡除去用食品添加物を疾病治療剤と偽った業者など10カ所を摘発・措置
5.    家庭の月に備え健康機能食品の製造・販売業者を点検、5カ所摘発、オンライン上の不当広告89件を摘発・措置
6.    食薬処、オンライン中古取引プラットフォーム会社と共に違法製品の個人取引を根絶
7.    国民の不便解消のために健康機能食品の個人間取引モデル事業を実施
8.    食薬処、ハーブ類の残留農薬基準整備のための現場訪問
SFA
1.    シンガポール食品統計2023
2.    プレスリリース
【その他】
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