[FSANZ]食品基準ニュース
Food safety and science in May (mailchi.mp)
・5月の食品安全と科学の記念日を祝おう
・食物アレルギー管理に協力
・6月20日FSANZ関係者フォーラム
・意見募集
等
[HK]CFSは3月の食品安全報告を発表
Press Release - CFS announces food safety report for March
April 30, 2024
3月は約4500の食品を検査し、18が違反だった
1000は微生物検査、3500は化学および放射能検査を行った。
1600検体は野菜果物、300が穀物、600が肉や家禽製品、700が乳・乳製品、500が水産製品、800がその他
違反だった18のうち2つは金属汚染物質、1つはエチレンオキシド、15は3種の氷菓の微生物汚染。
それとは別にCFSは日本から輸入される食品の放射能検査強化を継続し、毎営業日に以下のサイトに結果を報告している。
Situation Update of Radiation Tests on Food Imported from Japan (cfs.gov.hk)
[FSS]食品の価格上昇がスコットランドの財布に影響し続けている
Food-flation continuing to impact Scotland’s wallet | Food Standards Scotland
30 APRIL 2024
FSSの2019年から2022年の家庭用に購入された小売り食品と飲料のデータ解析によると、この間に購入した食品や飲料の量は同じ程度なのに使ったお金は13.4%増加した。さらに購入者は購入するものの1/5がまとめ買いで安くなるようなもので、塩・脂肪・砂糖が多いものになりやすい
[SFA]二つのシナモンパウダー製品と肌ぴりか水のリコール
sfa-media-release---recall-of-two-cinnamon-powder-products-and-hadapirika-mineral-water.pdf
30 April 2024
中国とインド産シナモンパウダーは鉛、肌ぴりか水(日本産)は臭素酸の基準超過
(これ
天然シリカ水 肌ぴりか水~北海道白老の飲む温泉~ (hadapirika-sui.com)
(過剰量の臭素酸を長期間摂取するとがんリスクが増加する可能性がある、とSFAは書いている)
[EU]農業食品偽装疑い月次報告
FFN monthly - European Commission (europa.eu)
2024年3月
0065adf6-9a58-452a-beec-09aaa95d9e8a_en (europa.eu)
3月は891のiRASFF通知から345件疑い
肉製品に種の違う動物のDNAとかベジタリアン用なのに動物DNAとか
サプリメントのヘルスクレーム、オリーブオイルの質の偽装、ヘキサヒドロカンナビノールなど。数としてはMRL違反が多い
[FSAI]トロパンアルカロイドの存在によりEcosana Copo Teff Bio(オーガニックテフフレーク)のリコール
TUESDAY, 30 APRIL 2024
スペイン産テフ(イネ科の穀物)
(粒が小さく色の違うものが混じっていて、農薬を使わない、を宣伝している雑穀。雑草の種が混じってもわからないだろう。いい加減この手のものにオーガニックはハイリスクだと認識すればいいのに)
[FSA]報告
-安全性評価:食品サプリメントを含む一連の食品カテゴリーに使うための新規食品としてのカンナビジオール(CBD)分離物
Date published: 30 April 2024
2021年2月にCannaray Brands Ltd社から新規食品としての認可申請があった。この新規食品は98%以上の純粋なCBDで、FSAはCBDについてはADIを10 mg/dとしている。妊娠および授乳中の女性や処方薬を使用している人、こどもは避けるべき、としている。こうした禁忌は新規食品にもあてはまる。
申請者は安全性についての十分な情報を提出し、提案されている使用条件で予想される摂取量は栄養上不利にならないと考えられた
(純度が高い。規格はしっかりしている。使用製品はサプリメント、ガム、飲料など。CBDの経口によるバイオアベイラビリティは低く、6-19%、食品のマトリクスに影響される可能性がある。安全性試験としてGLPによるOECDガイドラインに沿った遺伝毒性試験、90日試験が提供されている。)
-安全性評価:食品サプリメントに使うための新規食品としての合成カンナビジオール(CBD)
Date published: 30 April 2024
Chanelle McCoy CBD Ltd社が2021年1月に認可申請した。製品は98%以上の純度の合成CBD。規格の重金属等は上記の抽出物より小さい値。使用目的は18歳以上用サプリメント。安全性試験としてGLPによるOECDガイドラインに沿った遺伝毒性試験、90日試験が提供されている。↑とは別で、純度は高いものの自社製品で行っているようだ)
-安全性評価:食品サプリメントに使うための新規食品としてのカルシジオール
[EPA]Biden-Harris政権は塩化メチレンのほとんどの使用禁止を最終化し労働者と地域を致死的暴露から守る
April 30, 2024
残った工業用の使用にはより強い労働安全規則をもとめる
詳細は以下
Risk Management for Methylene Chloride | US EPA
[FTC]Razer, Inc.社は「N95グレード」とされるZephyrフェイスマスクの性能と有効性を誤表示したことによって110万ドル以上を払う
April 29, 2024
FTCのCOVID関連健康製品詐欺対策は続く
N95に認証されたことはないのにN95グレードと虚偽の宣伝をしていた
[EU]欧州委員会はフェイスブックとインスタグラムに対してデジタルサービス法による公式手続きを開始
Commission opens formal proceedings under DSA (europa.eu)
30 April 2024
Ursula von der Leyen委員長は、欧州市民を意図的誤情報の標的となることや第三国による操作から守る手段をつくったという
[EFSA]評価
・Pest risk assessment of African Leucinodes species for the European Union
・Plant Health Newsletter on Horizon Scanning–April 2024
・Risk assessment of Retithrips syriacus for the EU
論文
-データ不足が内分泌かく乱物質同定の課題
Data scarcity challenges identification of en | EurekAlert!
30-APR-2024
デンマーク工科大学がデンマーク環境庁の依頼で行った文献調査報告。
ある物質が、ヒトや環境に内分泌かく乱作用があるかどうかを判断するためのデータ、特に環境影響についての、が大きく不足している。
この研究は2018年の内分泌かく乱物質センター(CeHoS)の報告書をベースにしたもので、その報告では171物質を基本リストとしていた。今回基本リストは192物質に拡大し、そのうち97物質に焦点を絞った。文献調査対象にしたのは10物質。そして内分泌かく乱物質の兆候があったのは10物質中の9物質。しかしこれは初期スクリーニングであり、結論を出すにはさらなるデータが必要。
報告書本文
Prioritisation of Endocrine Disruptors for Regulation
Microsoft Word - Slutrapport - CeHoS projekt CeHoS-5.3_v2_Feb 2024_FINAL
10物質は
1,2,3-trihydroxybenzene
4,4'-methylenedianiline,
Chlorocresol,
Cyclohexapentylose,
Cyproconazole
Eugenol,
Kojic acid
Menthol,
Naphthenic acids
Phenol
(20年以上前からやっててデータが乏しいなら実はみんな興味がないのでは。メントールとかフェノールのようなものを「規制のための内分泌かく乱物質」に認定するとどうなるのだろう?)
-安価な春トリュフか高価なピエモンテトリュフか?
Inexpensive spring truffles or exquisite pied | EurekAlert!
30-APR-2024
極めて高価なピエモンテトリュフは見た目がより安価な春トリュフと似ているため偽装の対象にされやすい。この二つを見分ける化合物(フラン-2(5H)-オンとビス (メチルスルファニル)メタン)を使って客観的に区別する分析法を開発した。
Journal of Agricultural and Food Chemistry
-乳がん検診:US PSTFの助言
April 30, 2024
40-74才の女性は2年に一度のマンモグラフィでほどほどの総ベネフィット
75才以上と超音波やMRIでの追加の検診は乳腺密度に関係なくベネフィットと害のバランスを決める根拠が不十分
-賞味期限をやめるべき時?
Is it time to retire the best-before date? | EurekAlert!
30-APR-2024
食品がダメになるのを検出する、よりよい方法を発明した研究者が使われるために働く
Nature Reviews Bioengineeringに発表されたスマート包装についてのレビュー
-Natureワールドビュー
何故今日インドで科学をするのは難しいのか
Why doing science is difficult in India today (nature.com)
30 April 2024 By Yamini Aiyar
選挙が行われていて、インドの科学の未来がかかっている。新しい政府は研究と批判的思考を優先すべき
インドでは学問の自由はここ10年一貫して低下してきた。歴史的に、インドでは学問の自由は確かに完全ではなかったが、制限や誤用は増加している
その他
Climate crisis and Bangladesh's toxic tangle with arsenic | The Daily Star
Thu Mar 14, 2024
井戸水のヒ素汚染が悪化している
-上がるオリーブ油の価格:なぜ、いつまで続く?
The rising price of olive oil: What’s causing it and how long will it last? (foodnavigator.com)
30-Apr-2024 By Donna Eastlake
近年のオリーブ油の価格上昇について
地中海地域での気温の上昇と干ばつ、これは少なくとも近い将来は続く
イタリア南部では2013年以降既にピアス病で深刻な打撃を受けている
エネルギーと燃料価格の上昇により生産コストも上がっている
消費者は代用品に切り替える可能性がある
-いわゆる代替医療の偽の診断―パート3
The fake diagnoses of so-called alternative medicine – PART 3 (edzardernst.com)
Monday 29 April 2024
これまで第1部と2部では、以下のいわゆる代替医療(SCAM)診断について議論した:
・副腎疲労
・カンジダ過敏症
・慢性自家中毒
・慢性ライム病
今回はさらに3つ加える。
・リーキーガット症候群
・神経衰弱Neurasthenia
-欧州中での気候の不安定への懸念が農家に圧力を与えゲノム編集規制改正要求を強める
Nazimi Açıkgöz | April 30, 2024
2019年12月に発表された欧州グリーンディールの梃入れによってEUは2050年までに世界初の気候ニュートラル大陸になることを目指した。昨年は今後有機栄養を推進する一連の決定をした。パッケージされた政策には2030年までに化学農薬を50%削減、肥料は最低20%削減、有機農業面積は25%に、有機水産養殖を増やす、などが含まれた。
しかし約3年たち、戦争と気候イベントが提案された政策の変更を迫る。ポーランド、スペイン、ハンガリーは「農場から食卓まで」規制の変更を求めている。
EU域内の食料安全保障と食品安全が脅かされているわけではないが、EUは厳しい時期を過ごしている。高いインフレ率、COVID-19、ロシアとウクライナの戦争が負の影響を与えた。農薬や肥料の使用削減や有機農業推進、生物多様性保護は農家にとって新たな負担となり、一方でEU規制に従わない安価な農産物が域外から入ってくることにEU農家の怒りが沸騰し、フランスでは文字通り、パリに侵攻した。農家は気候規制とグリーンディールに抗議しているが、ゲノム編集の革新を妨げている規制にも懸念する
-スライムゲート3.4.1:パラコートの脚本と悪い活動家科学
SlimeGate 3.4.1: The Paraquat Playbook and Bad Activist Science – The Risk-Monger
Posted by RISKMONGER on APRIL 30, 2024
Martin Wells:姿を変える人、事実を捻じ曲げる人、都合のいいものだけを選ぶ人
最近の裁判所の決定は、Cornell大学の教授であるMartin Wellsがパーキンソン病とパラコート暴露を関連付けようとして行った深刻な方法論的、事実的、研究の完全性における不一致を同定しただけではなく、他者を食い物にする不法弁護士(Predatorts)がどのようにして信頼できる事実としての関連がなくても何千人もの原告を管理して大規模な広域係属訴訟(MDL)をおこしているのかも明らかにした。弁護士は、信頼できる研究や根拠がなくても、法廷に必要な文書を作り出す科学者を見つけることができる。
Predatortsは企業に対する訴訟を起こすときに実際の根拠にはほとんど価値を見出さない。彼らは砂の上の城を築き、事実や正義には敬意がなく怒りと恐れで企業からの和解を強請り取る。今月、イリノイのある判事が科学者にカードをテーブルに置くよう要求したところ、その手はばかばかしいものだった。
Martin Wellsはコーネル大学の統計学教授で、パラコートの職業暴露がパーキンソン病の原因だと主張していた。WellsはSyngenta とChevronを訴えていた裁判の原告側の証人で、疫学的根拠がパラコートとパーキンソン病の因果関係を支持し、彼のメタ解析によるとパーキンソン病リスクが3倍近くになるという結論を出させようとした。
裁判所はWellsの根拠を評価した
(以下いかにひどいかの説明)
Martin Wellsがやったことは科学ではなく、彼にお金を払った不法弁護士からのパラコートとパーキンソン病に関連があることを示せという業務を行った。
これまで無数のグリホサート裁判で見てきたように、多くの場合裁判所は基本的な科学の原則や事実や根拠を完全に無視する。だから今回もそうなると思ったのだろう。しかし賞賛すべきRosenstengel判事はそうしなかった