野良猫 食情報研究所

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2024-05-21

[HK]ニュースレター:食品安全焦点

Food Safety Focus (214th Issue, May 2024)

FSF214_2024_05_14.pdf (cfs.gov.hk)

 

-食卓の守護者:食品サーベイランス計画の重要な役割

Guardians of the Plate: The Vital Role of Food Surveillance Programme (cfs.gov.hk)

16 May 2024

香港の食品サーベイランスの説明

(リスクベースのサンプリング、と言っているけれど香港の場合基準値違反リスクであって実際の健康問題ではないし、放射性物質に至っては基準違反ですらない)

 

-豚のあご―食べても安全?

Pork Jowl - Safe to Eat? (cfs.gov.hk)

豚のあごは「豚の頭部と胴体をつなぐ部分」のことで、2024年3月に質の悪い豚のあごの使用に関する報道があった。それによると中国本土Fuyangで食品加工に使われているものに「たくさんのリンパ節、脂肪腫甲状腺」が含まれていたという。CFSはこの事件を3月19日に投稿20240319_1.pdf (cfs.gov.hk)し、香港で問題の製品の販売や輸入は確認されなかった

以下豚肉のコントロールについて

 

-未殺菌乳製品のリスク

Risk of Unpasteurised Dairy Products (cfs.gov.hk)

 

-サラダと食品安全

Risk of Unpasteurised Dairy Products (cfs.gov.hk)

 

[CDC]2023年薬物過剰使用死データに関してCDC医務主任Deb Houry博士からの声明

Statement from CDC Chief Medical Officer Dr. Deb Houry on 2023 Overdose Death Data

May 15, 2024

本日のデータは2023年12月からの12か月間の薬物過剰使用死が減少していることを示し、わが国にとって励みになるニュースである。しかしいまだに昨年の死亡は10万人以上であり努力を続けることを勧める。

 

CODEX

CCMAS43/ Report adoption goes well with recipes for soup and success | CODEXALIMENTARIUS (fao.org)

20/05/2024

 

[DWI]飲料水2023―イングランド―私有供給―年次報告発表

Drinking Water 2023 – England – Private Water Supply – Annual Report Published - Drinking Water Inspectorate (dwi.gov.uk)

15 May 2024

企業が関与しない水。通常田舎で、イングランドでは人口の約1.5%が使用

検体の5.3%が糞便汚染陽性

4.1%が味と臭いで不適

1.0%が濁りや色で不適

3.4%が鉄、マンガン、アルミニウム基準不適

 

[FSANZ]リコール情報

ワニの足製品

Australian Crocodile Traders - Crocodile Feet products | Food Standards Australia New Zealand

18 May 2024

異物(金属)が存在するため

(ワニの足って食べるんだ?爪と皮はどうするんだろう?)

 

論文

-イネゲノム研究の進歩が知見を提供し農業への応用を期待させる

Advances in rice genome research offer insigh | EurekAlert!

20-MAY-2024

オーストラリアの研究者がジャポニカ米の栽培品種日本晴れのゲノム配列解明に前進

 

-肥満の科学と患者の受けるケアに相当な差がある

Significant gaps between science of obesity a | EurekAlert!

20-MAY-2024

米国心臓協会の新しい科学的声明は肥満の科学を患者のケアにつなげるための障害を強調

声明のハイライト:

・米国成人の40%以上が肥満で劇的に増加し続けている。肥満の原因や治療法について専門家は多くを学んだのに臨床に適用されていない

・減量はライフスタイル変更、抗肥満薬、手術で治療できる

・医療費、保険、治療へのアクセス、健康的食品のコストなどが肥満の人のケアのギャップにつながる

・肥満ケアの包括的アプローチには根拠に基づいた治療、革新的技術、公共政策の改善、医療専門家との協力と教育、肥満の予防と治療の費用対効果についてのさらなるデータを含むべき

Implementation of Obesity Science Into Clinical Practice: A Scientific Statement From the American Heart Association | Circulation (ahajournals.org)

(肥満対策を医師が主導すると医薬品と手術をもっと増やせ、になるだろう。栄養士は比較的嫌うと思う。でも今まで成果がだせなかったので手遅れかも。アメリカでは。)

 

-研究が妊娠中のフッ素暴露と小さい子供の神経行動問題との関連を探る

Study explores association between fluoride e | EurekAlert!

20-MAY-2024

JAMA Network Openに発表されたフロリダ大学の研究。2229組の母子で、妊娠第三期の母親の尿中フッ素を測定し、子供が3才になったときの行動評価との関連を調べた。

尿中フッ素濃度が0.68 mg/L増加することと3才の子供の神経行動問題の成績が臨床的あるいはボーダーラインになるオッズが2倍になることと関連する。

(水道水のフッ素添加は常に議論になっている。ただお茶にフッ素が多いこととどう調整するのか。フッ素危険と主張している人たちはお茶も危険と言っている。茶葉を食べる抹茶製品はさらに。)

 

その他

-私は虫が脳を食べることを心配すべきか?「脳の虫」の危険性についての事実を明確にする

Should I be worried about worms eating my brain? Setting the record straight on the dangers of 'brain worms' | Food Safety News

By Jonan Pilet on May 20, 2024

米国の大統領候補Robert F. Kennedy, Jr.が「虫が私の脳に入って一部を食べてそれから死んだ」と言ったのでメディアで騒動がおこり不安が広がっている

寄生虫の解説)

 

-ファッショナブルなナンセンス:臨床試験は環境影響評価をすべき、とNEJMがいう

Fashionable Nonsense: Clinical Trials Should Have Environmental Impact Analysis, NEJM Says | American Council on Science and Health (acsh.org)

By Alex Berezow, PhD — May 19, 2024

(最近医学雑誌で医療の二酸化炭素排出抑制を主張するのが流行しているのだが、大丈夫なのだろうか)

 

-環境NGOは時代遅れになったのか?

Have Environmental NGOs Become Obsolete? - by David Zaruk (thefirebreak.org)

MAY 20, 2024

時代は変わったが、狂信者は変わらない

捕鯨船を追いかけるグリーンピースの活動家の時代から、政府の気候関連移行戦略を指揮する今日のグリーンNGO連合まで、過去50年間、環境NGO政策論争を組み立て、メディアの物語を支配してきた。NGOは、自らを市民社会と社会正義の代弁者であり、産業の貪欲さと腐敗した制度から人類を守る細いグリーンラインであると自称していた...最近までは。

過去5年間のいくつかの出来事は、環境NGOの時代が終わり、その影響力が弱まり、人々の信頼が低下していることを示唆する。なにがおこった?

・Extinction RebellionやJust Stop Oilのような緩やかに組織されたグループは、NGO環境保護に実質的な影響を与えていないことへの不満から結成された。

ソーシャルメディアは、Just Stop Oilのような小さなニッチグループを迅速に形成し、行動を起こし、前進することを可能にした。

・Greta Thunbergのようなポピュリスト教祖は、自分たちの影響力を弱めるような運動やNGOには入らないと意識的に決断した。

・財団は、より資金が潤沢で、より政治的でなく、より効果的なキャンペーンを自ら指揮するようになった。

・ガーディアン紙やAP通信などの報道機関が、これまでNGOに寄付されていた一般市民や財団からの寄付に頼って、活動家のキャンペーンビジネスモデルを運営するようになった。

それで、NGOは時代の変化に適応できるのか?彼らは時代の新しいプレーヤーに従うべきか?彼らは自分の強み(ネットワーク、コミュニケーションスキル、政治経験など)をオルタナティブな運動を支援するために使うべきか?彼らはいかにして、これほどまでに、そしてあっという間にリーダーの地位から転落したのか?

自らの成功の犠牲者

1970年代、有毒廃棄物が住宅地に流出し、酸性雨、死んだ水路、制御不能な大気汚染がニュースを独占するなど、世界中の環境が現実にひどかった。しかし、その後の10年間で、政府は行動し、これらの環境問題は一掃された。NGOはさらなる制限を要求し続けたが、彼らのキャンペーンは、内分泌かく乱の可能性、低用量の化学物質混合物への曝露による影響の可能性、食品添加物や遺伝子組換え作物や農薬による未知のリスクなど、あまり明白でない、または現実的ではない問題に焦点を当てていた。そして、欧米の生活水準の引き下げに対する彼らの要求は厳しすぎた。環境活動家は、産業、資本主義、世界貿易に反対する政治的スペクトラムのうち左翼の小さな派閥になった。

しかし、過去10年間で、気候変動が主要な環境運動となり、NGOは再び表舞台に登場し政策の焦点となった。「気候危機」は、これらのグループが、産業、化石燃料、近代農業、化学、輸送、社会正義、世界貿易、国際金融に反対する行動を気候変動の傘の下にまとめることを可能にした。これらのNGOは、資金と政治的支援で再び資金潤沢になり、絶頂期を迎え、傲慢にも、エネルギー、農業、輸送、ビジネスで、持続可能な移行であると彼らが信じるものを要求する機会をつかんだ。

しかし、そのような贅沢な代替案を買う余裕もなく、恐怖キャンペーンに賛同することもできない人々に、こうした気候変動対策を押し付けることは、NGOを再び政治的枯れ井戸に置くことになった。一方、さらに左寄りの人々は待つつもりはなく、Extinction RebellionやJust Stop Oilのような、典型的なNGOとは異なる組織化されていないポピュリスト運動を開始した。

自らのかたくなさに溺れる

環境活動家を駆り立てる情熱には、破壊の種も含まれている。あらゆるものをナチュラルなものに、人工物による革新や企業投資に反対するグリーンイデオロギーへの彼らのコミットメントは、彼らに妥協を許さなかった。NGOのキャンペーンは、現実主義的リアリズムが必要とされる問題に対して、政治的理想主義に執拗に固執した。環境保護活動家は、ロシアのウクライナ侵攻後、エネルギーコストが急騰していた時期に、ドイツの最後の2基の原子炉を閉鎖することを主張した。欧州の農業技術制限のため、農民は生計を立てることができなかった。2024年、世界中の市民が再び街頭に繰り出したが、気候変動対策を呼びかけるのではなく、厳しい環境活動家の政策が情け容赦なく実施されていることに抗議した。

コスト、実際の環境への影響、公共の利益を考慮せずに、電気自動車、再生可能エネルギー有機食品への移行をあまりにも厳しく急ぎすぎて、環境NGOは世論とは対立するようになった。彼らはもはや、自分たちが市民社会を代表していると主張することはできず、むしろイデオロギーに凝り固まった金持ちエリートである。昨年、特にヨーロッパでは、グリーン活動家のアジェンダに反対する政治的反応が見られ、提案されたグリーン政策のほとんどすべてが拒否された。

NGOにとってかわるもの

こうした行き過ぎを踏まえて、NGOに代わるオルタナティブな組織が、より強い発言力を持ち始め、NGOが不要なものになったことを示している。

ソーシャルメディアの行動グループ: Extinction Rebellionのようなアドホック・グループの急速な台頭は、リーダーシップがほとんどないソーシャルメディア・グループを中心にメッセージやキャンペーンを効果的に組織できることを実証した。最盛期には、たった1年で、世界中の何百万人もの人々が気候変動キャンペーンに行動を起こすよう動機付けた。ジョージ・フロイドの死後、Black Lives Matter運動は、組織や構造をほとんど持たずに、大衆の行動主義と怒りを動機づける同じ能力を示した。

基金(財団): The FirebreakのFoundation Capitalism(財団資本主義)シリーズでは、財団が活動家グループへの資金提供から、キャンペーン自体を直接組織することへの移行を検証してきた。New Venture Fund (NVF) (Arabella Advisorsが運営)のような財団のコンサルタントは、登録団体を設立することなく「非営利の起業家」を促進する手段として「財政的スポンサーシップ」アプローチを説明している。簡単に言えば、NGOを増やす必要はない。このシリーズでは、NVFが非登録のフロントファンドである「説明責任、レジリエンス、適応のための集団行動基金(CAF)」を設立し、気候不法法律事務所であるSher Edlingを通じてキャンペーンを実施するために7つの大規模な財団から1,000万ドル以上を提供する方法も紹介した。この新たな形態の「特別目的運動体」には、どのNGOも関与していなかった。(詳細は別記事)

・市民集会:ヨーロッパ、カナダ、日本の国や地方自治体は、特定の政策について限定的な規模で決定したり助言したりするために、市民パネルや集会を実験的に実施している。Friends of the Earthのような活動家グループは、この取り組みを推進してきたが、彼らは物語をコントロールし自分たちの政策を推し進める能力を失いつつある。

・メディア:報道機関は、NGOがキャンペーンを行うのと同じ方法で調査シリーズを制作し始めている。最近のFirebreakの分析では、ガーディアン紙やAP通信などのグループが、テーマ記事(つまりキャンペーン材料)を制作するために財団から多額の寄付を受け取っていることが実証された。ジャーナリストは今や活動家であり、編集者を指揮する利益団体から資金提供を受けている。Bloomberg Philanthropiesは、化学物質、ニコチン製品、食品による健康問題を調査する調査報道グループThe Examinationを設立した。昨年発足し、膨大な数の経験豊富なジャーナリストを雇用している。その財政的スポンサーはRockefeller Philanthropy Advisorsだが、活動家の運動グループらしきものの背後にいくつの財団があるのかは不明だ。明らかなのは、NGOに使われていた資金が、メディアに影響を与えようとして使われているということだ。

では、環境NGOは今後どのような役割を果たすのか?NGOの概念が常に広く定義されてきたことを考えると(市民社会組織、非営利団体、奉仕クラブ、宗教団体など)、これらのNGOは何らかの形で存在し続けるだろうが、その影響力はもはや大きくなく、彼らのキャンペーンはもはや信頼されず、政策プロセスにおける彼らの役割はもはや必要なくなるだろう。

さらば古き戦士たちよ。