野良猫 食情報研究所

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2025-08-05

[BfR]食品中過塩素酸

Perchlorate in food - BfR

17/07/2025

FAQ

 

[WHO]出版物

鉛暴露:主要な公衆衛生上の懸念:健康的環境により病気を予防する、第4版

Exposure to lead: a major public health concern: preventing disease through healthy environments, 4th ed

21 July 2025

最新の疾病負担情報で更新

 

[USDA]偉大なるアメリカのファーマーズマーケットの期間に、Rollins長官は不健康な食品をSNAPから排除する

During the Great American Farmers Market, Secretary Rollins Removes Unhealthy Food from SNAP | Home

August 4, 2025

アイオワ州ウェストバージニア州知事とSNAPで購入できる食品の定義を修正する新しい権利放棄に署名。

低所得者向けの支援で炭酸飲料を買えなくするだけ。支援そのものを削減しているので炭酸飲料どころか他の食品の購入も減るだろうと予想されている中でのパフォーマンス。食べられなくなるほどに貧困がすすめば痩せると?)

 

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular - 352-25 | Food Standards Australia New Zealand

5 August 2025

新規申請と提案

・基準改定

評価開始

・加工助剤としてのGM B. licheniformis 由来キシラナーゼおよびアルファアミラーゼ

など

 

 

論文

Natureニュース

超加工食品を食べることは減量を困難にする

Eating ultra-processed foods could make it harder to lose weight

04 August 2025 By Katie Kavanagh

試験ではダイエットへの食品の加工度の違いの影響を調べた

Nature Medicineに8月4日に発表された研究が英国の食事助言におけるUPFの影響に焦点をあてていないことを強調する。

University College Londonの肥満研究者でこの論文の主著者であるSamuel Dickenはこの研究を行った動機は国の食事助言と日常生活のギャップに対応することだという。

UPFに関連する食事と肥満の問題は社会経済的不平等に関連し、人々が不健康な食生活になるのは健康的であろうとしないからではなく食環境が脆弱だからだという。

この研究では55人の成人で英国食事ガイドラインに従った食事のUPFの影響を調べた。参加者は8週間加工が最小限の食品(MPF)を食べ、4週間の間隔(この間は通常の食事)をあけて8週間UPFを食べる。どちらもEatwellガイドに従う。どちらの食事も参加者の自宅に届けられるが食べる量や時間は選べる。

その結果、参加者はどちらの食事でも体重とBMIが減少した。ただUPFでは0.88kgだがMPFでは1.84kgと約2倍減った

 

Ultraprocessed or minimally processed diets following healthy dietary guidelines on weight and cardiometabolic health: a randomized, crossover trial | Nature Medicine

オープンアクセス

(参加者ほぼ女性で平均BMI 32.72

体重約90kgで8週の間に体重1kg程度の違いって誤差のようなもの

BMI 32を維持する食事が「国の食事ガイドライン通り」なわけないので、ガイドラインが悪いというのは違うのでは)

 

SMC UK

健康的食事ガイドラインに従った超及び最小限に加工された食品の無作為化クロスオーバー試験と減量への専門家の反応

expert reaction to randomised crossover trial of ultra- vs minimally-processed foods that follow healthy diet guidelines, and weight loss | Science Media Centre

August 4, 2025

Nature Medicineに発表された無作為化クロスオーバー試験が超対最小限加工食品を調べた

Oxford大学栄養士で食事と肥満と行動科学准教授Dimitrios Koutoukidis博士

この研究では参加者は超加工食品あるいは最小限加工食品の多い食事をし、どちらも有意に減量した。しかし研究者らはもともとUPF群が体重が増えると予想していた。研究者らはUPF群の体重減の理由を想定していないが、全ての食品が無料ですぐ食べられるものになったせいで食品への意識が高くなった可能性がある。

ほとんどの健康指標で両群に差はなかった。トリグリセリドは最小限加工の群で下がっていたがLDLコレステロールはUPF群でより下がった。このことは加工が健康にとっては重要ではない可能性を示す。

Oxford大学ヒト代謝名誉教授Keith Frayn教授

加工の少ないほうが超加工に比較して減量に役立つことは驚きではない。補遺データからはUPFは遊離の糖が多いが脂肪はそれほど多くはなかった。またたんぱく質が少なく塩が多く、健康的ではない。驚くべき知見の一つはUPFのほうが食物繊維の摂取量が多いことだ。それは政府のガイドラインに従うように選択されたからである。この研究はUPFが健康的食生活に役立つものではないことを確認するものの、加工そのものが何かをしているという考えは支持しない。

Oxford大学栄養科学者で健康行動チーム准教授Nerys Astbury教授

この研究の知見は解釈に注意が必要である。

残念ながら方法論に重大な欠陥がある。クロスオーバーデザインは通常の臨床試験より参加者が少なくて済むが、食事や運動などの変化への人体の適応には時間がかかるのでこのような短期間の比較では順番による影響などが知見の妥当性を低下させる。Dickenらは順番の影響を検討し、実際明確な影響が観察されている。多くの比較が行われているが偽陽性と多重比較の問題がある。

方法論に限界はあるが知見の全体は示唆に富む。減量への影響が最も注目される。著者らはMPFのほうが多く減ったと強調しているが、事実はどちらでも体重が減った。これはUPFが肥満の原因であるという主張を否定する根拠となる。

Aberdeen大学Rowett研究所栄養肥満疾患テーマリーダーAlex Johnstone教授

この研究は歓迎される

英国心臓財団栄養部長Tracy Parker

この研究はこれまでのUPF研究より現実世界に近い。限界は規模の小ささ、参加者のほとんどが女性、参加者がどれだけきちんと従ったのかがわからないことなど

UPFを完全になくすのは現実的ではないが生鮮食品や手作りを増やすことは利益になるだろう

Reading大学栄養と食品科学教授Gunter Kuhnle教授

これはよくできた詳細な研究で、UPFの現実の根拠に貢献する。結果はUPFのほうが最小限加工食品よりエネルギー摂取量が多くなるというこれまでの研究を確認する

この研究の限界は超加工食品と加工食品の直接比較がないことである。

最も興味深い結果は最小限加工でも超加工でも体重が減っていることだ。それはUPFだと体重が増えるという主張とは矛盾する。この研究は食事ガイドラインに従っていれば超加工だろうとそうでなかろうと体重に悪影響は無いことを示した。この結果からUCLのプレスリリースの超加工食品は健康に悪いという主張を導くのは困難である。

まとめると、この研究は栄養と食品科学者の概ねのコンセンサスである、超加工が本質的に不健康なのではなく健康的でバランスの取れた食生活の一部になりうる、を確認する

Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授

この研究は先のHallらや HamanoらのRCTより人数が多くより現実的であるが重要な限界はある。

以下プレスリリースの内容含め長い批判

 

その他

-子供のころの懐かしい食品の例

A case for childhood comfort food - by Oona Hanson

Oona Hanson Aug 01, 2025

恐怖扇動は忘れて、この塩辛いパッケージを良さを楽しもう

このエッセイは上気道感染でものが飲み込みにくくなり全身に合併症が出て手術を受けて書いている。

なのでお気に入りの、安心できる食べ物に依存している。私にとってはそれは暖かく、風味豊かで食べやすく、なじみのあるものである。バタートースト、マカロニ&チーズ、インスタントラーメンなど。肉体的にも精神的にも体調が悪いときは、安心感を得る必要がある。それらが今はUPFとして健康に悪いと非難されている

私たちは毎日、マイクを振り回すウェルネスインフルエンサーや医療専門家からの恐ろしい見出しや相反する栄養アドバイスに襲われている。子供たちに食事を与えることに対する不安はかつてないほど高まっているが、その「解決策」は実行がかつてないほど難しくなっている。あらゆる食べ物を原料から手作りしないといけないらしい。それは介護者の燃え尽き症候群と家族の緊張のレシピだ。

(一部のみ)

 

-真の毒は必ずしも化学物質ではない

The Real Poison Isn’t Always the Chemical

https://substack.com/home/post/p-169664041

Brian H Mathison PhD Aug 02, 2025

ゴールディングの「蠅の王」から

恐怖は有害なので「パニック用量dose of panic」のような考え方を導入するのはどうだろうか?高用量の急性の恐怖は身体に明確な影響を与える。慢性の小用量暴露は不安、不信、疲労のような遅延影響がある。

意味のある警告と有害な量との差は驚くほど小さいだろう。

正当な懸念はあるしより安全な技術や生活を求めるのは当然である。しかし怖いから全部まとめて拒否、のようになると進歩が阻害される。恐怖が正当なものか幻影なのかを見分け、賢く対応するシステムを構築することこそが真の仕事である。

 

-視点:ネオニコチノイド殺虫剤へのフランスの科学に後ろ向きな見解は葉物野菜や果物に深刻な破壊をもたらすだろう

Viewpoint: France’s scientifically backward view on an alleged bee-killing neonicotinoid pesticide will ensure serious destruction of leafy vegetables and fruits - Genetic Literacy Project

Géraldine Woessner | Le Point | August 4, 2025

(フランスの記事の英訳)

フランスでアセタミプリドが禁止され(ただし緊急時には使える)、代替手段のないテンサイ栽培は既に壊滅的な影響を受け、今後ヘーゼルナッツが生産できなくなるだろう。そしてアセタミプリドを使っている国からの輸入に頼ることになる。

 

-有名人は今やみんなライム病?

Do all celebrities have Lyme disease now?

Dr. Andrea Love Aug 05, 2025

ネタバレ:ビバリーヒルズのダニが原因ではない、それは詐欺的な診断、健康詐欺、有名人による疑似科学

先週メディアが有名人のライム病との長い闘病を告白したという記事であふれた。Justin Timberlakeが神経痛と疲労に悩まされていてそれがライム病と診断されたという。有名人はライム病の罹患率が異常に高い。

(以下ライム病の原因となるダニが住んでいない地域でのライム病の「多発」について。)