野良猫 食情報研究所

uneyamaが運営する食品情報サイトです

2024-10-02

[RIVM]環境中のマイクロプラスチックの主な由来はタイヤの浸食、プラスチックごみ、工業用プラスチック粒子

Main sources of microplastics in the environment are tyre erosion, plastic waste and industrial plastic granules | RIVM

01-10-2024

RIVMの研究の結果。

グラフあり。圧倒的タイヤ。

報告書本文英語

Emission of Microplastics to Water, Soil, and Air. What can we do about it? | RIVM

Material Flow Analysis (MFA)によるモデル計算

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular - 310-24 | Food Standards Australia New Zealand

2 October 2024

食品閣僚会議通知

・一般へのケータリングのための食品安全計画

 

[MPI]ヒ素濃度が高いため海藻製品リコール

Seaweed products recalled due to elevated arsenic levels | NZ Government (mpi.govt.nz)

01 October 2024

ニュージーランド食品安全はヒ素濃度が高いためTokyo Foodsによる海藻製品のリコールに協力している。

「これらの製品の懸念はあなたを病気にする濃度の無機ヒ素を含む可能性があることである」とVincent Arbuckle副長官は言う。「それらは食べてはならない」。「購入した店舗に戻して返金してもらうか捨てるように」

対象製品は以下(PDF、写真あり、普通に日本で販売されている製品、和興商会の米ひじき米ひじきと長ひじき、ヤマナカフーズの海藻百選芽かぶ、イチビキのひじき煮)

Point of sale - Seaweed (mpi.govt.nz)

これらの製品は天然に無機ヒ素濃度が高いヒジキを含む。ヒジキは寿司や海苔巻きには使われていない。通常乾燥した形態で販売され食べる前に水戻しして調理する。

無機ヒ素への高用量暴露は食べて1時間以内で吐き気、嘔吐、下痢などの原因となりうる。

いつものようにニュージーランド食品安全は輸入業者のTokyo Foodsと協力して原因を究明し再発を予防する。

ニュージーランドで販売されている食品の大部分は安全だが、時々問題はおこりうる。我々のリコール警告に注意してあなたと家族を守ってほしい。

 

(だからヒジキは輸出してはダメなのに。しかし問題なのは長期影響のがんであってさすがに急性毒性はないだろう)

 

[WHO]出版物

-細胞ベースの食品の食品安全面:発表ウェビナー報告書

Food safety aspects of cell-based food: report of the publication launch webinar, 7 April 2023 (who.int)

30 September 2024

FAO/WHOは2023年4月に「細胞ベースの食品の食品安全面」と題する報告の発表ウェビナーを開催した。その際の発表やパネルディスカッションの報告書

(市販前の安全性の評価が大事なことはほぼ合意されていて、そのために多くの国では新規食品規制の枠組みを使う。なければ作るしかない)

 

-近東地域の文脈での細胞ベースの食品:2023年9月21日イタリアでのCCNE11のサイドイベントについての報告

Cell-based food in the context of the Near East region: report on the side event to the 11th session of the FAO/WHO Coordinating Committee for the Near East (CCNE11), Rome, Italy, 21 September 2023

30 September 2024

イスラエルで培養肉企業が販売を開始しようとしている中でのイスラエルが参加しない中東イベント。)

 

[EFSA]新規食品の舵取り:EFSAの更新ガイダンスが安全性評価について意味すること

Navigating Novel Foods: what EFSA’s updated guidance means for safety assessments | EFSA (europa.eu)

30 September 2024

EFSAの栄養と食品イノベーションユニットの科学担当官Ermolaos Ververisが最近の新規食品申請ガイダンス更新について紹介する。

EFSAは何を依頼されたか?

欧州委員会はEFSAに、EUで新規食品を販売するための申請書を準備し提出する方法に関するガイダンスを更新するよう依頼した。この更新計画は、次の 2 つの主要文書からなる。

第一に、は、申請者が提供しなければならない科学情報の概要を示す科的学ガイダンス。

次に、EFSAの受付サポートチームが処理する申請プロセスを明確にした管理ガイダンス。

これらの更新は、2025年2月以降に欧州委員会に提出されるすべての新規食品申請に適用される。

 

なぜガイダンスが更新された?

これらの更新は、新規食品に関するEUの法的枠組みの変更と、食品研究とイノベーションの最近の進歩を反映するために行われた。新規食品業界は急速に進化しており、安全性評価がそれに追いつくことが重要である。新しい食品の用途はますます多様化していて、今回の更新ではこのことも考慮している。

また、2018年の新規食品規制発効以来、新規食品申請評価で多くのことを学んだ。この経験が、定義とデータ要件の明確化に役立ち、申請者はより質の高い申請ができるようになり、その結果、リスク評価プロセスがより効率的になるはずである。

全体として、新しいガイダンスでは、特に過去6年間に不足に気がついた科学的な要件について、より詳細な情報を提供している。

 

申請者はどのような情報を提供する必要がるか?

EFSAの科学的なガイダンスでは、新規食品を説明および同定する方法と、製造プロセス、組成、仕様、および提案される用途の詳細について説明している。

申請者はまた、食品の予想される消費量、使用歴、および人体が食品をどのように処理するか、毒性学、栄養、アレルゲンの可能性などの安全性データに関する情報を提供する必要がある。

管理ガイダンスは、申請の準備と提出の具体的な手順を概説することにより、これを補完する。

 

この更新により、評価プロセスが迅速になる?

各リスク評価の完了期限は9か月だが、申請者からさらに情報が必要な場合は、プロセスが一時停止される。更新されたガイダンスは、要件をより明確にし情報の欠落の可能性を減らすことで、申請プロセスを迅速化するのに役立つはずである。

とはいえ、常に徹底的であることが最優先される。消費者の安全が我々の最優先事項であり、評価に必要な時間は、提出されたデータの複雑さと質によって異なる。最終的な承認と販売の規則は欧州委員会EUの各国当局が扱う。

 

関係者はどのように関与したか?

今回の更新ではパブリックコメントを募集し、学界、消費者団体、産業界、NGO、一般市民など、幅広い関係者から合計700件以上のコメントを受け取った。すべての意見はEFSAの回答とともに、ガイダンス文書の付属書として公開されている。

また、2023年5月には食品研究の現在のトレンドについて科学コロキウムを開催し、リスク評価方法が有効であることを確保している。ガイダンスが公開されたので、ワークショップ、学会、その他のイベントで発表する予定。最新情報はEFSAから。

 

このガイダンスは細胞培養由来の食品を対象としているか?

はい、このガイダンスは、細胞培養由来の食品や食品成分を含む、すべての新規食品申請に適用される。

 

この更新により、動物実験は減るか?

我々の目標は、動物実験を段階的に廃止するというEUの広範な戦略に沿って動物実験を最小限に抑えることである。申請者には、可能な限り検証済みの代替方法を使用することを薦めている。動物実験が必要な場合は、EUの基準に準拠する必要があり、申請者はin vivo実験の前にまず徹底的な文献レビューを行う必要がある。

 

これにより、消費者はどう保護される?

EUは、世界で最も高い食品安全基準を持っている。EFSAの役割は、提案された用途で食べた場合に新規食品が安全であることを確実にすることである。評価が完了したら、欧州委員会EU各国の当局が、ラベル要件を含む承認と販売に関する決定をする。我々の目標は、市場に出回っているすべての新規食品が安全で栄養的に不利にならないことを保証することである。

 

ガイダンス

新しい微量栄養素源

Guidance on scientific principles and data requirements for the safety and relative bioavailability assessment of new micronutrient sources

新規食品申請

Guidance on the scientific requirements for an application for authorisation of a novel food in the context of Regulation (EU) 2015/2283

第三国の伝統食品申請

Guidance on the scientific requirements for a notification and application for authorisation of traditional foods from third countries in the context of Regulation (EU) 2015/2283

 

[FDA]FDAは新しいヒト食品計画で合理化された苦情処理を導入

FDA Introduces Streamlined Complaint Process in New Human Foods Program | FDA

October 1, 2024

本日FDAのヒト食品計画は、内部告発を含む苦情処理のための新しい合理的アプローチを発表した。これによりFDAの規制対象製品に関連する問題を検出して対応する能力を向上させる。苦情には病気、怪我、アレルギーその他健康問題、あるいは食品・ダイエタリーサプリメント・化粧品の品質や安全性の欠陥などが含まれる。今後以下のオンライン報告フォームを使用して苦情を提出できる

・食品とダイエタリーサプリメント

Safety Reporting Portal (hhs.gov)

・化粧品

MedWatch Online Voluntary Reporting Form (fda.gov)

 

なお10月1日からFDAは近代史上最大の組織再編が発効。

詳細は以下

FDA Modernization Efforts for Establishing a Unified Human Foods Program, New Model for Field Operations and More | FDA

Implementation occurred on Oct. 1, 2024

 

論文

-おそらくグレードの低い前立腺がんを「がん」と呼ぶべきではない

Maybe we shouldn’t even call low-grade prosta | EurekAlert!

1-Oct-2024

Journal of the National Cancer Instituteの新しい論文は、ある種の初期の前立腺の変化を医師が「がん」と呼ぶのをやめることで患者に利益があるだろうことを示す。

When is prostate cancer really cancer? | JNCI: Journal of the National Cancer Institute | Oxford Academic (oup.com)

(過剰診断の害の問題。甲状腺がんも同じで、検査の目的ががんによる死亡を減らすこと、なのにがんを検出すること、になってしまっている現状が、高感度検査法の開発で事態を悪化させている)

 

-新しい本がインチキがん治療薬Krebiozenの歴史を探る

New book explores the history of the phony ca | EurekAlert!

1-Oct-2024

新しい本の紹介

イリノイ大学ジャーナリズム名誉教授Matthew C. Ehrlich著

“Krebiozen の嘘:謎のがんの薬が如何にして組織的医学を揺さぶったかThe Krebiozen Hoax: How a Mysterious Cancer Drug Shook Organized Medicine,”

(胡散臭い研究者が有名な科学者を騙して大発見したと発表させた騒動はSTAP細胞騒動を思い出させる)

 

その他

-編集者からの手紙:「アメリカを再び健康に」が流行しているかもしれない

Letter from the Editor: 'Make America Healthy Again' may be catching on | Food Safety News

By Dan Flynn on October 1, 2024

私はこの国の首都でおこっているいくつかの奇妙な出来事を聞いた。誰もが合意する超党派の会議が開催され注目されているという。

これはRobert F Kennedy Jr.が民主党からトランプ陣営に持ち込んだ「アメリカを再び健康に」と関連する。現在検討されているのは加工食品があらゆる病気の原因であるというものだ。

予算委員会の保健小委員会は「より健康的なアメリカへの投資:慢性疾患の予防と治療」に関する公聴会を開催したがそこでの証言は超加工食品が病気に関連するという食品業界にとってかなり厳しいものだった。さらに共和党のRon Johnson上院議員はRFK Jr.から話を聞く円卓会議を開催した。

「Make America Healthy Again(MAHA)」には、超党派の支持者がいるようだ。しかし政治がどこへ向かうかは今後だろう。食品業界はまだ大きな対応はしていない

(一部のみ、反ワクチン活動家が食品をカモフラージュに主流に食い込もうとしている、みたいな。食品は疑似科学の入り口になりやすい)

 

-究極の皮肉。有機農業がEUのグリーンウォッシング規則案から除外

The ultimate irony. Organic farming exempt from planned EU greenwashing rules (scienceforsustainableagriculture.com)

Dr Derrick Wilkinson & Daniel Pearsall

August 2024

「グリーンウォッシング」の最大の要因がオーガニック部門なのに、EUが提案しているグリーンクレーム指令が有機製品を対象外にしていることは究極の皮肉である。幸いEU規則は英国には適用されない。人々は自由意志で有機製品を選ぶことができるが、その環境影響については誤解させられるべきではない。

欧州グリーンディールイニシアチブの一環として提案されたグリーンクレーム指令は、環境に関する強調表示を規制することでグリーンウォッシング対策をすることである。2020年の調査で環境クレームの53.3%が曖昧または誤解を招くものであること、クレームの40%が根拠のないものであることがわかったからである。

スーパーマーケットには、より「自然」、「環境に優しい」、「低炭素」、「持続可能」と宣伝する製品が文字通りあふれている。消費者は、地球が直面している環境と食料安全保障の課題にますます注意を払い、より持続可能な選択を行うことで自分たちの役割を果たしたいと考えている。したがって、消費者が食品の選択による環境への影響について、意味のある根拠に基づいた情報を得ることが非常に重要である。

しかしこの新しい法律を作るにあたって、欧州委員会は最も頻繁にグリーンウォッシングをしているオーガニック部門を対象外にするという不可解な決定をした。

それは究極の皮肉である。

有機農業は同じ量の食料を生産するのに非有機農業よりもはるかに多くの土地と天然資源を消費するため、有機農業の「プラスの」環境影響を巡る科学的根拠には大きな異議が唱えられている。従って有機農業をグリーンクレーム指令の範囲から免除するという決定は、それ自体が間違いなくグリーンウォッシングと解釈できる。

(以下詳細略)

 

-MindBodyGreen:ウェルネスワンストップショップか勧誘か

MindBodyGreen: Your One-Stop Shop for Wellness, or Woo? | American Council on Science and Health (acsh.org)

By Katie Suleta, DHSc, MPH — Oct 01, 2024

MindBodyGreenは流行のサプリメント、ミステリアスな教祖、星占いと同じくらいの科学的根拠がある助言のよりどりみどりを提供している。NFLクォーターバックやスーパーモデルが健康助言を提供する集団では、ライフスタイル向上のための買い物をしているのか騙されているのかを見分けるのは難しい。

以下MindBodyGreenのビジネスについて。

WELQみたいな、玉石混交の記事を配信している。日本でもWELQ騒動後もネットのインチキ記事は相変わらず。動画がひどい)