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食品安全情報blog暫定後継サイトです

2024-05-06

[FDA]FDAは農業用水の安全性強化のための画期的最終規則を発表

FDA Publishes Landmark Final Rule to Enhance the Safety of Agricultural Water | FDA

May 2, 2024

FDAは農産物の安全性を強化するための重要なステップとなる農業用水最終規則を発表した。

この最終規則は2015年の農産物安全性規則でのスプラウト以外のカバーされた農産物の収穫前のある種農業用水要件に置き換わる。

農家は毎年収穫前の農業用水の評価を行い、意味のある変化があった場合には予想されるあるいは合理的に予見できるハザードを同定することが要求される。

これらの改定要件は最近のいくつかの農産物関連アウトブレイクの調査の知見や科学、関係者からの多様な意見を反映している。

 

[DEFRA]意見募集:難分解性有機汚染物質(POP)2024として提案された物質のリスク管理評価案

Call for comments: draft risk management evaluation of a substance proposed as a persistent organic pollutant (POP) 2024 - GOV.UK (www.gov.uk)

Last updated 4 May 2024

クロルピリホスについて。意見募集期間終了

 

[IARC]腎臓がんゲノムの変異原性物質暴露の地理的多様性

Geographic variation of mutagenic exposures in kidney cancer genomes – IARC (who.int)

2 May 2024

IARCと関係機関の研究者らが、腎臓がんの突然変異シグナルを同定したところ、複数の、地理的に多様な、まだ発見されていない突然変異物質への暴露が示唆された。Natureに発表された。

研究者らは962人の淡明細胞型腎細胞がん患者の組織の遺伝子を解析した。検体は腎臓がん発生率の異なる11か国から得た。検討の結果、研究チームは日本の患者の70%以上から未知の突然変異原による突然変異の兆候を検出したがほかの国では2%未満であった。またすべての国で未知の原因による突然変異の兆候があるが、腎臓がんの発症率が高い国でよりよく見られることも発見した。

ルーマニアセルビア、タイの突然変異はアリストロキア酸化合物暴露が原因である可能性が高い。しかしこれらの変異に影響されている人々の範囲と割合はこれまで予想されていたよりはるかに大きい。

淡明細胞型腎細胞がんのリスク要因には喫煙、肥満、高血圧がある。これまでに同定された喫煙の遺伝子兆候はこの研究でも見つかったが、肥満と高血圧に特異的な突然変異兆候はなかった。したがってこれらは遺伝子突然変異とは異なるやりかたでがんの原因となることが示唆される。

Geographic variation of mutagenic exposures in kidney cancer genomes | Nature

日本からはがん研究センターが参加

(日本特異的な発がん物質って何だろう?それこそサプリに含まれる物質とかだったり?)

 

[ProMED]塩素ガス暴露―イラク(SULAYMANIYAH)致死

Chlorine gas exposure - Iraq: (SL) fatal

2024-05-04

https://promedmail.org/promed-post/?id=8716303

Date: Fri 3 May 2024 Source: Rudaw [in Kurdish, trans. Mod.NS, abridged, edited]

Raperin独立政権は 2024年5月3日、Khasa水プロジェクトでの塩素ガス漏れで警官1人死亡ほかに一人呼吸困難という

 

[ProMED]キャッサバ中毒―ベネズエラ:(ANZOATEGUI)致死

Cassava poisoning - Venezuela: (AN) fatal

2024-05-02

https://promedmail.org/promed-post/?id=8716266

Date: Tue 30 Apr 2024 Source: El Aragüeño [in Spanish, machine trans., edited]

2024年4月29日、9才の少女と6才の妹が昼にビターキャッサバを食べ、妹が死亡。姉のほうは回復し味が嫌いだからたくさん食べられなかったが妹は食べ続けたと主張した

 

[ProMED]アルコール中毒―イラン(第二報):(FARS)偽アルコール、致死

Alcohol poisoning - Iran (02): (FS) counterfeit alcohol, fatal

2024-05-02

https://promedmail.org/promed-post/?id=8716259

Date: Mon 29 Apr 2024 Source: Iran Wire [edited]

アルコール飲料を飲んで何人かが病気になった事件との関連でShiraz当局が3人を逮捕した。皮膚科医1人が死亡、28人が中毒。飲んだのは、あるニュースによると「シールされたウイスキー」別のニュースでは「標準的でない手作り」飲料とされている。

イランでのアルコール中毒死の正確な数は不明である。2023年6月の法医学部長の報告では前年の死者は644.

(編集注でShiraz市はイラン南西部のワインが有名なFārs地方の首都で、ワインはイランの法律により禁止されている、と説明されている。違法なのに有名なんだ)

 

[HSA]HSA警告:3製品にステロイドを含む強力な医薬品成分;2人の消費者が有害影響を経験

HSA Alert: Three Products Found With Potent Medicinal Ingredients, Including Steroids; Two Consumers Experienced Adverse Effects

3 May 2024

‘Skinny Lolita’にはシブトラミン、‘Xtreme Candy’にはN-デスメチルタダラフィル、「表示のないカプセル」にはアモキシシリン、クロルフェニラミン、ジクロフェナック、デキサメタゾンプレドニゾロンシルデナフィルが含まれる

50代の女性が「表示のないカプセル」を頭痛の治療目的で3-4か月使用してクッシング症候群になった

添付ファイルに製品の写真あり

HSAはオンラインで健康製品を購入することのリスクについての短い動画を作っている

以下から

102C背景37 (youtube.com)

(音楽と画像怖い。)

 

[MFDS]フタル酸暴露レベル、健康への有害影響の懸念なし

4.29 (報道資料)

https://www.mfds.go.kr/brd/m_99/view.do?seq=48223

DEP, DBP, BBP, DEHP, DNOP, DIDP, DINPの7種について

 

[WHO]世界食品安全デー

World Food Safety Day 2024 (who.int)

7 June 2024

あと一か月

今年のテーマは「予期せぬことに備えよ」

 

[WHO]出版物

-電子タバコ

Electronic cigarettes (E-cigarettes) (who.int)

5 May 2024

電子タバコの害を説明したパンフレット

重要メッセージ

1.電子タバコの使用は急速に拡大している、特に子供や若者に

2.電子タバコには人々の健康に有害な物質が含まれる、時にタバコの煙より高濃度で

3.電子タバコは集団レベルで禁煙に有効であることは示されておらず、ニコチン依存につながる可能性がある

4.加盟国はタバコ規制の包括的アプローチとして電子タバコの禁止あるいは規制を検討すべき

(ニコチンパッチは集団レベルで禁煙に有効なことが証明されている、わけではない。煙に含まれる発がん物質はタバコのほうが多いのは単なる事実。禁煙のツールとしても認めないという強い意志を感じるが、「科学」ではない)

 

-WHO世界伝統医療センターへようこそ

Welcome to the WHO Global Traditional Medicine Centre

1 May 2024

インド政府の支援を受けてWHOが2022年に設立したGTMCのパンフレット

グジャラート州Jamnagarにある

(アーユルベーダなどの効果の立証されていないインド伝統医療にお墨付きを与える機能を果たしている代物。まともな医療の普及の阻害要因としか思えないのだが)

 

[CCDC]CCDC Weekly Vol. 6. No. 18 May 3, 2024

aba9649d-ffff-4565-a3e4-4c9e70ba4990.pdf (chinacdc.cn)

労働力人口の野菜果物摂取傾向―中国、2010-2018

2010年の418.6g/日から2018年の491,8g/日に増加

他食中毒関連3報

 

[ANSES]食品の動物の福祉表示を開発するのにどのような科学的基準が使える?

What scientific criteria can be used to develop animal welfare labelling for food products? | Anses - Agence nationale de sécurité sanitaire de l’alimentation, de l’environnement et du travail

02/05/2024

肉、乳製品、卵のような食品を作るのにつかわれる動物の飼育条件についての消費者の懸念が高まっている。ANSESは動物由来食品の、動物の福祉に関する表示のガイドラインを発表した。この提案を実施することで現在と将来の表示システムが調和できるだろう。主な特徴は、福祉の評価は飼育条件だけではなく直接動物を測定して得られた科学的指標であるということである。また食用動物自身だけではなくその親の飼育条件も考慮している

福祉レベルをAからEの5段階で分類する

(評価書はフランス語なので何を指標としているのかわからない。イラストには魚もあるので魚も対象らしい)

 

[ANSES]子どもの事故による中毒の最もよくある深刻な原因は?

What are the most common causes of serious cases of accidental poisoning in children? | Anses - Agence nationale de sécurité sanitaire de l’alimentation, de l’environnement et du travail

24/04/2024

洗濯洗剤(液体洗剤パック)、医薬品、一酸化炭素

他に大麻ボタン電池

2014-2020年の中毒事例のレビューの結果。

 

[ヘルスカナダ]保健大臣からのメッセージ―食物アレルギーとセリアック病啓発月間

Message from the Minister of Health - Food Allergy and Celiac Disease Awareness Months - Canada.ca

May 2, 2024

カナダでは300万人以上が食物アレルギー、40万人近くがセリアック病である。5月は食物アレルギーとセリアック病啓発月間である。

 

論文

-私たちは赤肉が気候に悪いことを心配しているのか、単に好きなだけ食べているのか?

Do we care that red meat is bad for the climate, or do we just eat what we want? (sciencenorway.no)

Elise Kjørstad Monday 15. April 2024

ノルウェー人は気候影響が重要であると信じていても肉の摂取量を減らしていない、新しいノルウェー研究の研究者が言う

Ecological Economicsに発表されたノルウェー人の研究。2019、2020、2021年にノルウェー人を代表するサンプルで気候変動への食事の影響への意識などを調査した。肉の摂取量はこの3年間でほとんど変わらず、気候への懸念は変動があった。

デンマークでの先の研究でも同様であった。社会的転換点はまだ先だろう。

 

-フィンランドの食品製造施設の経済状態と食品管理査察成績の関連

Association between the financial situation of food production establishments and food control inspection grades in Finland - ScienceDirect

Katri Kiviniemi et al.,

Food Control Volume 160, June 2024, 110370

繰り返す食品規則違反と食品事業の収益の悪さに関連がある

(みもふたもない)

 

-Natureコメント

男女比較は生命医学研究において強力―なくすな

Male–female comparisons are powerful in biomedical research — don’t abandon them (nature.com)

01 May 2024 By Arthur P. Arnold et al.,

性別を二つにわけた研究が単純化しすぎだと糾弾されているが、それらを一切なくしてしまうことは生命医学において長く無視されてきた分野の進歩を妨げるだろう

臨床試験動物実験では女性や雌動物が無視あるいは排除されてきた。米国では1993年に議会がNIH再活性化法を成立させて女性や人種・民族を臨床試験に含めるガイドラインができるまでは特にそうだった。2009年までに、生物学の10の分野のレビューによると、ヒト試験の60%以上で両性が参加しているが、動物実験では雌雄両方を使っているのは26%しかない。この長く続くバランスの悪さを是正するためにNIHは2016年に追加のガイドラインを作成した。少なくとも基礎研究で女性を含めることについて、これは有効だった。

これにはまだ改善の余地がある中で、性とジェンダーをめぐる社会の変化と研究方針の衝突が、この初期の成果を脅かそうとしている。性差に関する研究に対して多様な批判が寄せられるようになった。

(以下活動家が生物学的性差を否定しようとすることへの反論。)

 

我々は研究における性とジェンダーを探るためのより微妙なアプローチが必要

We need more-nuanced approaches to exploring sex and gender in research (nature.com)

01 May 2024 By Stacey A. Ritz & Lorraine Greaves

今日のジェンダーアイデンティティをめぐる社会政治的緊張のため、一部の科学者は性とジェンダーについての疑問を調べたがらない。しかし彼らは学び複雑性を包含すべきだ

(研究において便宜上どこかで線を引くというのは普通にやっていることなので性とジェンダーについてだけ気を遣えと言われたら避けたくなるのは当然のような。例えばアンケートで食べる量の上位1/4とかで線を引く、とやると研究ごとに「多い」の量がかなり違う。それで一般の人が誤解することはあるが、研究そのものが不適切だなどと怒られたりしない。結果の解釈が単純化しすぎ、というのはほぼすべての研究でよくあるがそれで差別主義者だから大学から追い出すべきなどと言われることはない)

 

-前立腺がんUKがTRANSFORM試験を開始

Prostate Cancer UK launches the TRANSFORM trial

Talha Burki

THE LANCET WORLD REPORT| VOLUME 403, ISSUE 10438, P1738, MAY 04, 2024

TRANSFORM試験は数万人の男性で最も効果的な前立腺がん検診を同定する努力である

英国での現在の前立腺がんの診断経路は男性が総合診療医に行き、そこでPSA検査次いでMRIスキャンとなる。欧州前立腺がん検診無作為化試験はPSAを使った検診は前立腺がんの死亡率を20%減らすものの過剰診断の高いリスクを伴うと結論している。前立腺がんUKの解析によると、1万人の男性を検診すると、17人の命が救われるが、315人が臨床的に意味のないがんと診断され、不安や不快、手術、そして治療による失禁や不能に直面する。2020年の最新レビューで英国検診委員会はPSAを使った全国的検診は勧めないとした。

 

[SMC NZ]ADHDの薬の10倍増はまだ不十分―専門家の反応

Tenfold increase in ADHD medications still insufficient - Expert Reaction - Science Media Centre

03 May 2024

新しいニュージーランドの研究が2006年から2022年の間に成人に処方されたADHDの薬の量が10倍になったことを示すが、この状態の人の多くがいまだ治療を受けていない

この研究の著者は現在の治療ギャップは精神保健労働力不足が原因で、民間の医療にかかる資源がない人が影響を受けていることを示唆

(どのくらいの人がADHDなのか数字が出てこない)

 

McGill OSS

-肉のみ食にかみつく

Taking a Bite Out of the Carnivore Diet | Office for Science and Society - McGill University

Elliot Durkee | 3 May 2024

肉食動物食Carnivore Dietは動物由来食品のみを食べる極端な食事法である

肉食を提唱するJoe Roganは数百万人のリスナーをもつ。直感的に健康に悪そうだが人気学者Jordan Petersonなどが保証する。しかし科学は彼らの主張を支持するか?

(以下解説。ケトジェニックダイエットが一定の支持を得ている状況にあることがうかがえる)

 

-食事中の脂肪についての板挟み

Quandary About Fats in the Diet | Office for Science and Society - McGill University

Joe Schwarcz PhD | 1 May 2024

心疾患リスクを減らすための念仏は食事中の飽和脂肪を不飽和脂肪に置き換えること、である。それほど単純なら。

人体は地上で最も複雑な機械で、機能を果たすには多様な化学物質と燃料がいる。この場合必要なものは食品からとる。しかし食品は信じがたいほど複雑で、単純な食事であっても数百の化合物からなる。食品のような複雑なものが人体のような複雑なものに入ったときに何が起こるかを簡単に予想できると考えるのはばかげたことである。生きた身体は遺伝子や性別、年齢、健康状態などが異なることを考えれば特に。なのに単純な栄養助言が常にでてくる!

例えば心疾患リスクを下げるには、肉や乳製品、ココナツのような熱帯オイル中の飽和脂肪を種子油のような不飽和脂肪に置き換えるように言われてきた。

私がこの話をしようと思ったのはナイジェリアの研究者らが昆虫の栄養を調べて、飽和脂肪より不飽和脂肪が多いから昆虫を食べることが「心臓に健康的」であることを示唆している研究を見たからである。西洋の食事にとって昆虫は選択肢にはないためこの研究は現実的にはあまり意味はない。しかし不飽和脂肪が天使で飽和脂肪が悪魔であるかのように書くことはあまりにも単純化しすぎである。例えば欧州9か国での大規模研究では食事中の飽和脂肪と心疾患に強い関連は見られていない。飽和脂肪を不飽和脂肪に置き換えても心疾患の頻度は減らなかった。しかし飽和脂肪の由来を考えると話は変わって、肉やバター由来の飽和脂肪は心疾患リスクを増やし、ヨーグルトやチーズ由来の飽和脂肪は心疾患を減らしていたのである。

長い間、飽和脂肪を植物由来の不飽和脂肪に置き換えることが標準的助言だった。しかし飽和脂肪をリノール酸の多い植物油に置き換えると、総コレステロールとLDLコレステロールが下がるにも関わらず心疾患リスクが上がったのである!これは驚きであった。一方魚に含まれるようなオメガ3脂肪酸は心臓に保護的であった。

さてここで昆虫に戻ろう。昆虫に多いのはリノール酸であるため、昆虫を食べると心疾患リスクが減るだろうという想定はおそらく間違いだろう。食事と心疾患の関連は恐ろしいほど複雑であるが、最近ますます増えている加工食品中の多価不飽和脂肪酸を「健康的」とラベリングするのは、すべての飽和脂肪を「不健康」とみなすのと同様見当違いだろう。

複雑な話を解きほぐすには、特定の栄養素ではなく食品について話したほうがいいだろう

(以下普通の食事助言)

 

-自白剤(Truth Serum)の真実

The Truth About Truth Serum | Office for Science and Society - McGill University

Joe Schwarcz PhD | 3 May 2024

「Truth Serum」としてスコポラミンが使われたというのは極めて疑わしいが、それが機能や行動を変えることは事実

1961年の映画「ナバロンの要塞」は多くがフィクションだが一部事実に基づく。ドイツにつかまったメンバーがスコポラミンを含む「自白剤」を注射された後に尋問されたことだ。スコポラミンは実際に戦争時に両陣営で情報を得るために使われた、その有効性については疑問だが。

以下天然物スコポラミンの歴史

動画

Scopolamine's uses and misuses | The Right Chemistry (youtube.com)

 

その他

-環境からAIまで:食品飲料業界の破壊的力

Environment to AI: Disruptive forces in the food and beverage industry (foodnavigator.com)

By Donna Eastlake 03-May-2024

過去10年に経済、環境、政治、技術の風景は劇的に変わった。それらは食品飲料業界にどう影響するか?

価格の上昇、極端な気候による作物の収穫の安定性確保、ウクライナの戦争、AIは当然、健康ブーム

 

-農薬とパーキンソン病:遺伝子ルーレットを回す?

Pesticides and Parkinson's Disease: Playing Genetic Roulette? | American Council on Science and Health (acsh.org)

By Chuck Dinerstein, MD, MBA — May 3, 2024

パーキンソン病には深い物語があるかもしれない。最近の研究はパーキンソン病と農薬暴露の関連を探り、ライソゾームの遺伝的性質と環境中有害物質の相互作用が病気につながる可能性について光をあてる

(最近のパラコートが原因でパーキンソン病になったとの集団訴訟との関連でNatureのパーキンソン病特集の記事を紹介する。)

 

-AからZ(亜鉛)まで-私たちが消費するものの化学

From A to Zinc: The Chemistry of What We Consume — The Unbiased Science Podcast (unbiasedscipod.com)

May 1

世界的に有名な化学者で科学コミュニケーターのJoe Schwarcz博士が質問に答える!まず最初にスーパーフードという概念、バランスの取れた食の必要性について議論する。またビタミンCが風邪を治すという信念の由来であるLinus Pauling博士と根拠について、ベンゼンの毒性とだからといって日焼け止めを捨てる必要はないこと、を話す。Dr. Joeは根拠に基づいた医療の重要性を強調し、まともな科学研究とインチキを区別する必要性を話す。

(動画をここから見ることができる)

本はアマゾンから購入できる

 

-長生きを淹れる:コーヒーの健康ベネフィット

Brewing Longevity: Coffee's Health Benefits - Dirt to Dinner (dirt-to-dinner.com)

By Hayley Philip May 1, 2024

最近の研究がコーヒーに含まれるトリゴネリンの健康上の利点に光をあてた。

(以下コーヒーについてのいろいろな説の紹介)

基本

日々のコーヒー摂取は筋肉の健康と加齢のある種の影響を緩和する自然な方法になるかもしれない。コーヒーについてだけではなく、あらゆる食品についてたくさんの神話と事実が存在する。食品の情報については信頼できる情報源を探すこと。

 

-低ヒスタミンダイエット:新しいウォッチすべき流行?

Low-histamine diet: Is this the new food trend to watch? (foodnavigator.com)

02-May-2024 By Donna Eastlake

ヒスタミン不耐症/肥満細胞活性化症候群がおなかの調子の悪さと関連するという説がある

それでヒスタミンの多い食品を避けるという食事法が提唱されている

ヒスタミンが多いとされるのは加工肉、年代物のチーズ、豆、かんきつ類、発酵食品。ほか酵母麦芽抽出物、クミンやマスタード、パプリカ、唐辛子、胡椒のようなハーブやスパイス、コーヒー、ワイン、ビール、サイダー。

さらにヒスタミンそのものは含まないがヒスタミンを放出させる食品もあり、ナッツやチョコレートがそうだという。

(胡散臭い話。実際にヒスタミン中毒を起こしている魚には注意しないんだ?)

 

[ScienceInsider]一度は食事の革新と持て囃された遺伝子組換えゴールデンライスへのフィリピンの裁判所の判断の意味

What a Philippine court ruling means for transgenic Golden Rice, once hailed as a dietary breakthrough | Science | AAAS

3 MAY 2024 BYDENNIS NORMILE

途上国のビタミンA欠乏対策として作られた植物が激しい反対に直面

ゴールデンライスがその期待を叶えようとしていた。何十年も前に研究者がビタミンA欠乏対策として作出したGM品種であるが、20年以上も活動家が反対していて実験室と試験栽培に閉じ込められてきた。

しかし2021年にフィリピン政府が地元用にアジト条件を調整したゴールデンライスの品種Malusog Riceの商用販売を認めた。農家は2022年に少量栽培をはじめ、担当者は8年以内に家庭のビタミンAの需要を満たすための10%になることを期待した。

しかし4月17日にフィリピンの控訴裁判所が認可を取り消し、計画が中断された。グリーンピースやその他団体が訴えた裁判で、裁判所がゴールデンライスの安全性に科学的コンセンサスがなく商用栽培されるべきでないと結論した。裁判所は科学者がヒトと環境に安全だと合意するまで、政府にいわゆる予防原則を要求した。また裁判所は政府がゴールデンライスの栽培と消費の安全性を監視するメカニズムを設立していないとしたため、温室や戸外での試験も阻止する。

この決定はフィリピンやその他の地域でのゴールデンライスにとって破滅的である、と水死連邦技術研究所で開発を担当した植物バイオテクノロジー専門家Ingo Potrykusはいう。

一方グリーンピース東南アジアの活動家Wilhelmina Pelegrinaは快哉を叫ぶ。

フィリピンLos Baños大学の政治科学者Antonio Contrerasは裁判所の判断は「予防原則の誤解」に基づくと信じる。

裁判所は「単純に両陣営から反対の根拠が提出されたから」科学的コンセンサスがないと判断した。裁判所は相反する根拠の妥当性を評価すべきだった、とフィリピンのコンサルティング弁護士Aldrich Fitz Dyはいう。政府は再検討を要求するだろうが裁判所がそれを受け入れるとは思わない。最高裁への上告も可能だがそれには少なくとも2年はかかるだろう。

この決定は現在開発中の亜鉛や鉄を強化したコメや害虫耐性茄子にも影響する。そしてフィリピン以外にも影響するだろう。

ゴールデンライスはフィリピン以外にバングラデシュでも栽培間近だったが、栽培検討は2017年からずっとレビューされている。

(DENNIS NORMILEの拠点が日本に戻っている。中国でなにか感じたのかな?)

 

-スイスが作物バイオテクノロジー禁止をやめることを検討しているため、」有機農家や環境NGOが改革反対キャンペーンを活発化させている

As Switzerland mulls ending ban on crop biotechnology, organic farmers and environmental NGOs intensify campaign against reform - Genetic Literacy Project

Cyril Pinto | BaZ | May 3, 2024

(ドイツ語記事からの一部翻訳)

来年末には遺伝子組換え植物がスイスで認められるため、有機農家と遺伝子組換え反対活動家が協力してこれを阻止しようとして運動を開始した。

世論調査で遺伝子組換え食品が危険だと回答する人は70%を超えている

 

-バーモントは農業への過剰規制でリーダーシップを示すのをやめるべき

Vermont Should Stop Showing Leadership In Overruling Scientists On Farming | Science 2.0 (science20.com)

By Hank Campbell | May 1st 2024

科学に基づいて規制上の助言を行うバーモント農業革新委員会(AIB)が、ネオニコチノイドを禁止する根拠はないと述べ、それはバーモント農業食料市場省に合意されたにも関わらず、バーモント上院がネオニコチノイドを禁止する法案H706を成立させた。あとは州知事が署名するかどうかである。

科学者が何度もトウモロコシは風媒花でミツバチの餌ではないと政治家に説明したにも関わらず、バーモント民主党はトウモロコシのネオニコチノイド種子処理がミツバチの脅威だと主張している。ネオニコチノイドを禁止することはむしろ害のほうが大きいだろう。

 

-塩化メチレン禁止にどれくらい意味がある?

How Significant is the Methylene Chloride Ban? | American Council on Science and Health (acsh.org)

By Susan Goldhaber MPH — May 6, 2024

4月30日にEPAが「ヒト健康に不当なリスクunreasonable risk」となるとして塩化メチレンの多くの使用を禁止した。これはEPAが先に塩化メチレンは不当なリスクとはならないと結論していたことと異なる。どうして同じデータからEPAが二つの反対の結論に達したのか?

塩化メチレンは工業用や塗料の剥離剤や溶剤として広く使われていて2016-2019年の間の総生産量は1から5億ポンドである。新しい規則についてMichael Regan EPA長官は「労働者保護を強化」と言っている。しかしこの規則には相当な例外があり、禁止の影響に疑問がある。

TSCA

2020年のEPAの評価では塩化メチレンは不当なリスクとはならないと結論した。EPAは新しい規則でその評価を見直したが、使ったデータは同じで、リスク評価のプロセスのいくつかの側面を変更した。

・2020年評価では個々の使用条件をもとにリスクを決めた。2022年はそれら個別の条件を「化合物全体アプローチ」として合計した

・2020年評価では、EPAは個人保護具(PPE)は常に提供され使用されると想定したが今回はPPEを使わないと想定した。理由は一部の労働者が決まりを守らないから。

こうした想定の変更によってEPAのリスクは「反転」して塩化メチレンは不当なリスクとなることになった。

健康影響

塩化メチレンの有害影響は中枢神経系影響であるがそれらは換気されていない部屋で高濃度の塩化メチレンに暴露された保護されていない個人に対して、である。

例外

今回の規則の例外は多数あり、「ほとんどすべての禁止」かどうかは疑問である

 

-フロリダが初の州での培養肉禁止へ

Florida first to ban lab-grown meat in state | Food Safety News

By Dan Flynn on May 4, 2024

昨日、Ron DeSantisフロリダ知事がいわゆる「培養肉」の製造と販売を違法にする法案に署名した