[FDA]食品中マイクロプラスチックとナノプラスチック
Microplastics and Nanoplastics in Foods | FDA
07/24/2024
重要ポイント
・マイクロプラスチックやナノプラスチックが、主に環境から、食品供給に入っていることがいくつかの根拠で示唆されている
・現在の科学的根拠は、食品から検出された量のマイクロプラスチックやナノプラスチックがヒトの健康にリスクとなることを示していない。
・FDAは、食品中のマイクロプラスチックとナノプラスチックに関する研究を引き続き監視し、科学を進歩させ、食品の安全性を確保するために対処する。
プラスチックは、おもちゃ、家電製品、化粧品、医療器具、自動車部品、繊維、包装、建築・建設資材など、幅広い消費者製品や工業製品に使用されている。リサイクルまたは焼却されるプラスチックの量は限られ、ほとんどのプラスチックごみは埋め立て地や環境に蓄積される。プラスチック汚染は、陸から小川、内陸水路、海岸、海まで、環境全体でみつかる。ほとんどのプラスチックは生分解せず、環境中での風化により時間の経過とともに断片化してマイクロプラスチックやナノプラスチックと呼ばれる小さな粒子になる。
マイクロプラスチックやナノプラスチックは、主に食料が栽培または飼育されている環境汚染由来で、食品中に存在する可能性がある。プラスチック製の食品包装に含まれるマイクロプラスチックやナノプラスチックが食品や飲料に移行することを示す十分な科学的根拠はない。人々は、パーソナルケア製品の使用により、空気中、食品中、皮膚からの吸収によりマイクロプラスチックやナノプラスチックに暴露される可能性がある。
マイクロプラスチックやナノプラスチックには、サイズ、形状、色、ポリマーの種類、劣化状態、製造過程でプラスチックに含まれる化学添加物の有無など多様なものがある。マイクロプラスチックは非常に小さなプラスチック片で、一般的には少なくとも1つの次元で5ミリメートル未満のものである。マイクロプラスチックは、プラスチック製造に使用される樹脂ペレットのように、意図的にそのサイズに製造される場合と、環境に廃棄される大きなプラスチックからそのサイズに断片化する場合がある。ナノプラスチックはさらに小さく、通常は1μmまたはミクロン未満のサイズと考えられている。参考までに、人間の髪の毛の直径は約70ミクロンである。FDAは、参考としてこれらの大きさの説明をしているが、現在のところ、マイクロプラスチックやナノプラスチックの大きさに関する標準定義はない。この複雑で多様な特徴のため、これらの潜在的な影響を同定し、評価することが困難である。
環境由来のマイクロプラスチックやナノプラスチックが食品に存在するだけでは、健康上の懸念とならない限り、リスクを示すものではなく、FDAの規制に違反するものでもない。塩、魚介類、砂糖、ビール、ボトル入り飲料水、蜂蜜、牛乳、お茶など、いくつかの食品にマイクロプラスチックが存在することが多くの研究で報告されているが、現在の科学的根拠は、食品から検出された量のマイクロプラスチックやナノプラスチックがヒト健康にリスクとなることは示されていない。さらに、マイクロプラスチックやナノプラスチックを検出、定量、または特徴を評価する方法に標準化された方法がないため、多くの科学的研究は、多様な、疑問のある、および/または精度と特異性が限定的な方法を使っている。
FDAは、マイクロプラスチックとナノプラスチックの研究を引き続き監視する。FDAが科学的根拠に基づいて、包装された食品や飲料を含む食品中マイクロプラスチックまたはナノプラスチックがヒト健康に悪影響を与えると判断した場合、FDAは公衆衛生を保護するための規制措置をとる。
健康影響情報
科学的情報
規制情報
(略)
(特に、妥当性を検証した質の保証されている分析方法がないと評価や規制は困難なので以下の論文重要
現時点で食品中マイクロプラスチックが危険だ、避けるべきと言っている人には何を根拠にしているのか聞いてみるといい。)
[EPA]Biden-Harris政権はTSCA法の下、有害化学物質暴露から公衆衛生を守るために最新の対応
July 24, 2024
Biden-Harris政権による環境正義とがんを終わらせる努力を進めるため、EPAは5つの有害物質の評価を始める提案
以下の物質を優先物質とする提案
- 塩化ビニルVinyl Chloride (CASRN 75-01-4),
- アセトアルデヒドAcetaldehyde (CASRN 75-07-0),
- アクリロニトリルAcrylonitrile (CASRN 107-13-1),
- アニリンBenzenamine (CASRN 62-53-3),
- 4,4’-メチレンビス(2-クロロアニリン) 4,4’-methylene bis(2-chloroaniline) (MBOCA) (CASRN 101-14-4).
(EPAのことだから、人体で代謝で生じるアセトアルデヒドのことは無視した評価と規制を提案するのでは)
[EFSA]評価
農薬
[WHO]世界的危機が深刻化する中、飢餓人口は3年連続で高止まり:国連報告書
24 July 2024
2023年は世界の11人に1人、アフリカでは5人に1人が飢餓に直面
SOFI報告書
The state of food security and nutrition in the world 2024 (who.int)
[FAO]食料不足を理解する
Understanding food insecurity (fao.org)
SOFI 2024の紹介
-世界は飢餓を減らした南米の成功を見るべき:FAOチーフエコノミスト
World must look to South America's success in reducing hunger: FAO Chief Economist
24/07/2024
Máximo Toreroのインタビュー
[IARC]WHO腫瘍分類第5版11巻発行:血液リンパ腫瘍
24 July 2024
印刷物として入手可能
論文
-新しい研究が農薬の難分解性「永遠の化合物」の警戒すべき増加を発見
New study finds alarming rise in persistent ‘ | EurekAlert!
24-JUL-2024
EWGがEHPに発表した「警鐘」報告
タイトルは永遠の農薬:増加する環境のPFAS汚染源
Forever Pesticides: A Growing Source of PFAS Contamination in the Environment
・米国の全ての農薬有効成分の14%がPFASである
・最も有害なPFASと考えられているPFOSとPFOAが一部の農薬製品から検出された
・農薬のPFAS成分が全国の川や小川から検出されている
(定義は-CF3あるいは-CF2-を含む化合物で名前にフル-がついているものが多い。当然すべてが「永遠に分解されない」わけではない。
一部の農薬製品から検出された、のは容器由来、ppbレベル。水系での農薬検出もppbレベル。これまで報告されていることをまとめただけで新しい情報は特にないがEPAがゼロトレランスなどというのでEWGは農薬の悪口をいう口実が増えてうれしそう。)
-ウエアラブル機器は健康不安を増やす可能性がある。健康への悪影響は?
Wearable devices can increase health anxiety. | EurekAlert!
24-JUL-2024
Journal of the American Heart Associationに発表された新しい研究。
心房細動の患者がウエアラブル機器を使うと症状への不安が増加し病院に行くことが増え医療費が増加する
-「遺伝子の間違った行動」は健康な人で広くみられる
'Gene misbehavior' widespread in healthy peop | EurekAlert!
24-JUL-2024
American Journal of Human Geneticsに発表された研究。4,568人の健康な人の血液を先進的RNA配列決定技術と全ゲノム配列決定で解析。個々の遺伝子の間違った発現(本来発現しないはずのところで発現している)は0.07%しかみられないものの、遺伝子が約19900あるため、個人レベルではほぼ全員―96%の人に何らかの間違った発現があることがわかった。ただしそれが必ずしも健康問題につながるわけではない
-Nature Volume 631 Issue 8022, 25 July 2024
表紙はごみを吐き出すAIのイメージ
AIを使ったコンテンツが増えれば増えるほどAIの教師データがAIで作られたものになり急速に崩壊していく様
(これまでの絵ではどんな立派なシステムでもごみデータを入れれば結果はごみ、だったのがAIのおかげでまともなデータがごみに変えられていく速度が劇的に速まった)
研究ハイライト
スイカはどうして甘く赤くなったのか
How the watermelon got its sweet taste and rosy hue
ゲノム解析はその複雑な由来を明らかにする
Nature Genetの論文
-Natureニュース
プラセボはどうして痛みを緩和する?マウスの脳がヒントを提供
How do placebos ease pain? Mouse brain study offers clues (nature.com)
By Miryam Naddaf 24 July 2024
Natureに発表された研究。痛みの知覚に関係する部分ではなく、運動や協調に関係する小脳と脳幹に活性
-新しい研究が哺乳類間トリインフルエンザ感染を確認
New study confirms mammal-to-mammal avian flu | EurekAlert!
24-JUL-2024
Nature。鳥から乳牛に感染したトリインフルエンザが乳牛から乳牛、および乳牛から猫とアライグマに感染したことを確認。猫とアライグマは感染牛の乳を飲んで感染した可能性が高い
その他
-小さいことで汗をかくな
Don’t Sweat the Small Stuff - by Richard Williams (substack.com)
RICHARD WILLIAMS MAR 07, 2024
用量(マイナス修復)が毒かどうかを決める
人生のほぼすべての場面で、私たちは「小さなことに汗を流す」べきかどうか決めなければならない。ほとんどの人は、役に立たない報告で私たちを細かく管理しようとする上司に出くわし、どうして彼らがもっと良いことをしないのか疑問に思ったことがあるだろう。企業は、すべてを止めるには費用がかかりすぎるため、少量の万引きを許可する必要がある。私たちは、より大きな害に集中できるように、小さな不快を無視することを学ぶ。現在の例の一つは、いわゆる「永遠の化学物質」の規制である。
化学物質規制は、「小さな問題」に関して最も厄介な問題の1つを抱えているところだ。現在、EPAは飲料水中のPFOS/PFOAの規制を開始しており、それは60年前に環境規制が始まって以来最大の財政影響となる規制になるだろう。EPAの最大許容レベルは5ppm (スイミングプールに5滴のようなもの)。 これは、オーストラリア/ニュージーランドが設定した量の100,000分の1以下で、他のすべての国より低い。PFAS化合物には800〜12,000種類あり、それらを規制するためのコストは数兆ドルに達する可能性が高い。がんと血中PFAS化合物濃度の間にあるのは因果関係ではなくせいぜい関連で、血中PFAS濃度は時間とともに低下してきた。「永遠の化学物質」と呼んでいるものの、PFOAの(ヒトでの)半減期は2年未満である。
化学物質の暴露量をどんどん下げていくと、用量が非常に低く、有害影響がない点に到達する。これは「閾値」のひとつの定義である。その主な理由は、私たちがレジリエンス(回復力)を持ち、生き残り、繁栄するために、そのように進化してきた。実際、少量の毒への暴露は、すべての生命にとって不可欠だった。人体中の細胞ひとつひとつが、 私たち自身の代謝と環境の両方から、毎日何万ものDNA傷害を受けていて、それらは修復されなければならない。
例えば、航空法でいう「適切な安全マージンで公衆衛生を保護するために必要である」量かもしれないとただ言うだけでは役に立たない。また、法的な概念であるde minimis non curat lex(法律は些細なことには関心がない)でもない。
私たちが日々、小さなものを選択するのと同様、毒物学(毒)の規制もまた、トレードオフを伴う選択を強いる。
あまりにも小さすぎて心配するかどうかわからないものについて考える方法の1つは、「機会費用」という経済学の概念である。それは、ある1つの選択をするときに放棄する別の選択のベネフィットである。小さなもの、例えば例外的な低用量に対処することを選択した場合に失われる3つのベネフィットは以下である。
- リソース—政府のリソースを原子力エネルギー規制の改訂に費やす方がよいかもしれない。
- 富—政府が小さなリスクに対処するために消費者の富を大量に使うとき、消費者が自分の生活におけるリスクに対処するために使った方が、その資源はより有効な可能性がある。より健康的な食事やジムでの運動への支出は、動物に高用量を投与した場合のみがんを引き起こすごくわずかな量の食品添加物を排除するよりも健康に役立つ可能性がある。
- リスク—リスクが非常に低いものを何かに交換すると、より危険なものになる可能性がある。ごくわずかな量の一部の農薬を規制すると、果物や野菜の価格が上昇し、それらの消費量が減少し、リスクが高まる。
この問題に取り組むより良い方法は、「利益よりも害を及ぼす可能性が高いほど低いレベルには規制しない」ことである。私たちは、政府のリソースがより大きな害に使われること、民間の資源がより大きなリスクを減らせるようにすることができ、そうでなければリスクの代替によってより大きな害を引き起こす。
小さな、時には存在しないリスクを規制するために採用される予防措置は、害を及ぼす可能性がある。これは、実際の害の原因である可能性が低い少量の化学物質に注目して病気の他の原因が無視されている裁判の事例で見られる。
私たちは、小さなものに汗をかいたり、規制したり、訴訟を起こしたりすべきではない、それは全体として害になる可能性が高すぎる。
-何故BBCはいわゆる代替療法(SCAM:詐欺)に関して人々を間違った方向に誘導するのか
24 July 2024
BBCはこれまで何度もSCAMについて人々をミスリードしてきたが、最近はアシュワガンダの記事で繰り返している。特に安全性の問題を軽視している、と指摘
-DNAのガイドによる食事法:事実と虚構を区別しよう
By Mauro Proença — Jul 24, 2024
近年栄養学は進歩したものの、最も効果的食事法については学術分野の中でも議論が続いている。どんな食事法でもあなたの好みにあって長く続けられるものなら効果がある
事象専門家が、特にソーシャルメディアで、あれがいいこれがだめと様々な食事法を主張し続ける。この記事では遺伝子検査に基づく食事法のナンセンスをとりあげる
減量のためなら、遺伝子検査と特別な食事に高いお金を払わなくても、単純にカロリー制限で効果がある
食品安全情報(化学物質)No. 15/ 2024(2024. 07. 24)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202415c.pdf
目次
【WHO】
1. 出版物
2. 国際がん研究機関(IARC)
【FAO】
1. 世界会議は、食料不足、栄養不良、貧困に取り組む漁業及び養殖業の重要な役割に焦点を当てる
2. 概略報告書:農業食品料システムにおける環境阻害抑制剤の食品安全への影響に関するウェビナー
3. 気候リスクは世界の海洋における魚類バイオマスに影響を及ぼすとFAO報告書が予測
4. Codex
【EC】
1. 食品中の麦角菌核および麦角アルカロイドの最大基準値の引き下げの適用日に関する規則(EU)2023/915の改正
2. SCCS(消費者安全に関する科学委員会)
3. 加盟国が農業食料チェーン上でどのように不正行為と闘っているかご存知ですか? 欧州委員会の新しい報告書がそのヒントを与えてくれる
4. 食品廃棄の削減:科学はどのように役立つか?
5. 査察報告書
6. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)
【EFSA】
1. EFSAの科学的評価に使用する疫学研究由来の根拠の評価と統合に関する科学委員会のガイダンス
2. 食品酵素関連
3. 遺伝子組換え関連
4. 農薬関連
5. 食品接触物質関連
【FSA】
1. リスク評価
2. FSA理事会 - 2024年6月:議題とペーパー
3. FSAの最新の消費者調査によると、食品価格が依然として消費者にとって最大の懸念事項である
4. アシュワガンダ
【DWI】
1. 飲料水2023
【BfR】
1. 動物由来食品に含まれるPFASの最大基準値の遵守は、飼料がカギとなる
2. 消費者健康保護ヒト研究センター
3. PFASとは一体何なのか?
4. より健康的なバーベキュー:食中毒や健康に有害な物質の生成を避ける方法
5. 若い世代の詳細調査
【RIVM】
1. フッ素系ガスを含むPFAS排出のリスク-REACH規制案の根拠のまとめ
2. RIVM:ムクナプルリエンスを含むサプリメントを使用する際は注意すること
3. 2023年、降雨量により適用除外の農場の地下水の硝酸塩が減少
【CAFIA】
1. CAFIA、農薬が残留した輸入唐辛子1.135トンを押収
【FDA】
1. FDAとFTCは、デルタ-8 THC模倣食品を違法に販売する企業から消費者を保護する共同の取組みを継続する
2. シーフード関連天然毒素及びスコンブロイド魚中毒に関する調査疾患及びアウトブレイク表の更新
3. 公示
4. 警告文書
5. リコール情報
【EPA】
1. EPAはいくつかのクロルピリホス製品に対する最終的な中止命令と既存在庫条項の更新を発表
2. EPAはより多くの州、部族及び準州が魚類中のPFASへの暴露を削減できるよう科学的根拠に基づく新たな勧告を発表
3. EPA、水中の農薬濃度を推定するより使いやすい計算ツールを発表
【CDC】
1. Diamond Shruumzブランドのチョコレートバー、コーン、グミの摂取に関連する重篤な疾患の可能性について
【USDA】
1. USDA、栄養ハブネットワーク構築に450万ドルを投資
【NIH】
1. ODS更新情報:最新のダイエタリーサプリメント科学の発展
【Health Canada】
1. スクラロースの使用範囲を拡大するための許可甘味料リストの修正通知
【CFIA】
1. 外国産の肉、魚介類、砂糖/糖蜜に含まれる有害金属 – 2021年4月1日~2022年1月31日
2. 表示されていないアレルゲン及びグルテン – 2021年4月1日~2022年1月31日
【NZMH】
1. ナチュラルヘルス製品規制への国際的アプローチ
【香港政府ニュース】
1. 違反情報
2. リコール情報
【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 「オメプラゾール」、国内搬入阻止原料・成分の新規指定
3. チーズの小分け・販売許可など食品衛生法施行規則の改正・公布
4. 輸入パン類に対する検査命令の施行
5. チョコレート、混合飲料など消費期限の参考値を追加提供
6. 「韓国-スペイン水産物衛生約定」締結で輸入水産物の安全確保
7. 食薬処、動物用医薬品安全性評価の結果、国際的に認定される
8. 食薬処、現場に基づく食品栄養情報の活用支援に本格的に乗り出す
9. 暑い夏、野生キノコの摂取に注意!
【SFA】
1. 昆虫規制の枠組み
2. プレスリリース