野良猫 食情報研究所

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2024-11-19

[EPA]EPAアメリカリサイクルデーにゴミを減らし資源を保存するための進歩を強調

EPA Highlights Progress Achieved to Reduce Waste and Conserve Resources on America Recycles Day | US EPA

November 15, 2024

11月15日はアメリカリサイクルデーで、EPAは国のリサイクル戦略の成果を強調する。

以下リサイクル関連情報

食品廃棄削減と食品ごみのコンポスト等含む

 

[RIVM]薬剤耐性と抗生物質政策に注目し続ける必要がある

Continued need to focus attention on antimicrobial resistance and antibiotics policy | RIVM

18-11-2024

抗菌剤耐性に関する研究によると、2023年のオランダの薬剤耐性菌の割合は、その前の年と同程度だった。しかし極めて高い耐性の細菌がみつかる頻度が増えている。従って薬剤耐性と、抗生物質の適切な使用に焦点を当てる必要性はまだある。

NethMap 2024. Consumption of antimicrobial agents and antimicrobial resistance among medically important bacteria in the Netherlands in 2023 | RIVM

報告書は英語

ヒトと動物両方での調査

 

[FDA]消費者向け情報:抗生物質をいつ使うか、使わないか知ろう

Know When and How to Use Antibiotics, and When to Skip Them | FDA

11/18/2024

 

[FAO]COP29:新しいFAOの解析は農業食料気候解決策に関連する国による寄与要因をマップし機会、ギャップ、リスクを同定した

COP29: New FAO analysis maps Nationally Determined Contributions, identifies opportunities, gaps and risks related to agrifood climate solutions

18/11/2024

食料不足と生物多様性の消失が気候関連リスクのトップに報告されている、88%の国の気候行動計画で強調されている

(気候変動による農作物の収穫への影響と、農業由来の温室効果ガス排出対策が不十分だということの両方が指摘されている。特に畜産。)

 

Codex

CCEXEC87/ Codex’s executive rounds off a busy year ahead of the 47th Commission meeting | CODEXALIMENTARIUS

18/11/2024

 

[WHO]イベント

危険な連携:利益相反が健康と政策をどう損なうか

Dangerous liaisons: How Conflicts of Interest Undermine Health and Policy

18 November 2024

利益相反は医療政策にとって大きな問題である。例えばWHOは欧州地域の全死亡の約25%がタバコ、アルコール、加工食品、化石燃料の4つの主要産業に関連すると推定している。こられの業界は、製品によって健康に影響するだけではなく、公衆衛生を著しく損なう利益誘導ビジネスモデルとマーケティングを継続している

(演者に「Ultra-Processed People」の著者 Chris van Tulleken博士が含まれる。

生活必需品をタバコと一緒にするなという批判はWHOには届かないらしい。)

 

論文

-連邦の警告にも関わらず、クラトムはいまだ全米で入手可能

Despite federal warnings, kratom still readil | EurekAlert!

18-Nov-2024

American Journal of Public Healthに発表されたミシシッピ大学の研究

約3/4のタバコや電子タバコ売店でクラトムを売っている

CDCのデータでは2016年と2017年の間に少なくとも91人がクラトムオーバードーズで死亡した。

(州によっては違法)

 

-世界の抗生物質使用量は2016年以降21%増加

Global antibiotic consumption has increased b | EurekAlert!

18-Nov-2024

高所得国では減少、中所得国では増加。PNAS

 

-若い人のすい臓がんの増加は過剰診断かもしれない

Rise in pancreatic cancer cases among young a | EurekAlert!

18-Nov-2024

Annals of Internal Medicine

がんの診断が増加しているのに死亡率に変化がない

 

その他

-どうすればエクソソームが単なる「アンチエイジング」ブーム以上のものになれるか

How exosomes could become more than just an “anti-aging” fad | MIT Technology Review

By Jessica Hamzelou  November 1, 2024

エクソソームが万能の美容、若返り、あらゆる病気の治療薬として宣伝されている

以下エクソソーム研究の現状

参考

細胞外小胞等の臨床応用に関するガイダンスについて | 日本再生医療学会

2024.4.30

(日本はへんな治療しているクリニック、ほぼ野放し)

 

-「EUの時代遅れのGMO規則を見直す時期だ」(インタビュー)

“It is time to review the EU’s outdated rules on GMOs” (Interview)

By European Scientist - 12.11.2024

フランス農業アカデミーのCatherine Regnault-Roger, Michel Thibier, および Alain Toppanとのインタビュー

(欧州で農業の科学をやるのは難しい)

 

-「国際カイロプラクター協会」はRobert F. Kennedy, Jr.の「保健福祉省長官」選定を祝福

The ‘International Chiropractors Association’ Congratulated Robert F. Kennedy, Jr. on His Selection as ‘Secretary of Health and Human Services’

18 November 2024

世界中の医療専門家がTrump政権によるRobert F. Kennedy, Jr.の選定にがっかりしているところ、「国際カイロプラクター協会」は目立った発表をした:

以下解説。

(ある意味リトマス紙)

2024-11-18

[EFSA]サッカリン:安全性閾値引き上げ

Saccharin: safety threshold increased | EFSA

15 November 2024

ADIを5から9mg/kg 体重/日 に引き上げ

これまでのADIは1995年にラットの試験で観察された膀胱がんの増加をもとに設定されていたが、この腫瘍は雄ラットに特有でヒトにはあてはまらないことについて科学的合意がある。またサッカリンにはDNA傷害性はなく、ヒトのがんリスクには関連しないと結論した。さらに消費者の暴露量は新しいADIより低く、健康リスクといはならない

Re‐evaluation of saccharin and its sodium, potassium and calcium salts (E 954) as food additives

15 November 2024

新しいADIは動物実験での体重の減少をエンドポイントに

ラットの8週間試験で観察されたサッカリンナトリウムのLOAEL 4500 mg/kg/d(餌の5%、サッカリン遊離イミド3420mg/日に相当)での体重の15%の減少を参照点に、デフォルトの不確実係数100にLOAELからNOAELへの係数2、慢性毒性のための係数2を加えた。

この試験(1994年)

Lack of Induction of Epithelial Cell Proliferation by Sodium Saccharin and Sodium L-Ascorbate in the Urinary Bladder of NCI-Black-Reiter (NBR) Male Rats - ScienceDirect

今は住友(化学?)

 

[EFSA]評価等

酵素

Safety evaluation of an extension of use of the food enzyme α‐amylase from the non‐genetically modified Bacillus amyloliquefaciens strain AE‐BAA

飼料添加物

Safety and efficacy of a feed additive consisting of an essential oil derived from the flowering stems of Salvia sclarea L. (clary sage oil) for use in all animal species (FEFANA asbl)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of ponceau 4R for its use in baits for freshwater fish (GIFAP)

農薬

Modification of the existing maximum residue levels for propamocarb in radishes (roots and small leaves)

・CropLifeヨーロッパとの臨時関係者会合

Ad hoc stakeholder meeting with CropLife Europe | EFSA

8 November 2024

農薬のリスク評価にEFSAのBayesian Benchmark Dose (BMD)モデルプラットホームを採用することに関する議論

野生生物への影響に関して

GMO

Assessment of soy leghemoglobin produced from genetically modified Komagataella phaffii, under Regulation (EC) No 1829/2003 (application EFSA‐GMO‐NL‐2019‐162)

食品添加物としての大豆レグヘモグロビンは評価済み。遺伝子組換えKomagataella phaffii MXY0541系統由来のレグヘモグロビンは提案される使用方法に従えば安全。遺伝子組換えが安全性の問題をひきおこすことはない。

 

[EU]欧州抗生物質啓発デーを前にコミッショナーからの声明

Statement ahead of European Antibiotic Awareness Day

Nov 15, 2024

11月18日は欧州抗生物質啓発デー

 

[EU]欧州委員会EUのワンヘルスアプローチについての科学的助言を受け取る

HEALTH AND FOOD SAFETY - Commission receives scientific advice on One Health approach in the EU

14/11/2024

欧州委員会は本日EUにおけるワンヘルスガバナンスについて科学助言機構(SAM)の根拠レビューと意見を公式に受け取った。

One Health governance in the European Union – Scientific Advice Mechanism

人間中心の健康観から脱却して全ての生き物の健康を考える、時に相いれないこともある

(欧州の価値観が正しいことを疑うことから始めてほしい。人間が自然を思いのままに蹂躙しているという万能感は自然災害が少ないから培われただけでは。)

 

[RIVM]オランダの家、職場、公共のアクセスがある建物のラドン。2022-2023測定キャンペーンの結果

Radon in Nederlandse woningen, op reguliere werkplekken en voor het publiek toegankelijke gebouwen. Resultaten meetcampagne 2022-2023 | RIVM

16-11-2024

本文オランダ語

他の欧州諸国よりラドン濃度は低いが2013-14より幾分高い。理由の一つはエネルギー危機により換気を減らしたこと

 

[FDA]病気の調査:Diamond Shruumzブランドチョコレートバー、コーン、グミ (2024年6月)

Investigation of Illnesses: Diamond Shruumz-Brand Chocolate Bars, Cones, & Gummies (June 2024) | FDA

November 15, 2024

事故後の対応に移行

10月31日時点でCDCの調査により合計約180人の病気が34州から報告されている。そのうち73人が入院、関連死の可能性が3人。

11月4日時点で22のDiamond Shruumzブランドグミの検査結果が判明している

 

[MPI]プレスリリース

-Plenty湾の一部に貝毒警告

Shellfish biotoxin warning for part of Bay of Plenty | NZ Government

Date: 18 November 2024

定期検査の結果麻痺性貝毒が安全基準の2倍以上

 

-違法に豚を殺して売ったオークランドの男性に$7,500の罰金

Auckland man who illegally killed and sold pigs fined $7,500 | NZ Government

18 November 2024

動物福祉法と動物製品法違反

 

-抗菌剤を有効にするのはチームワーク

Teamwork makes antimicrobials work | NZ Government

18 November 2024

抗菌剤啓発週間によせて

 

Mcgill OSS

-Kennedyのインチキ同盟はアメリカ人に嘘を与えたい

Kennedy’s Coalition of Quacks Wants to Feed America a Diet of Lies | Office for Science and Society - McGill University

Jonathan Jarry M.Sc. | 15 Nov 2024

ワシントンではウェルネスインフルエンサー逆張りが、Trumpのホワイトハウスでは疑似科学が、制度化オーディション中

アメリカがくしゃみをすると世界が風邪をひく。Trumpのホワイトハウスへの再びの君臨と反ワクチン活動家のRobert F Kennedy Jrの意見が通ることはそれ以上のことを約束する。それはワクチンで予防可能な病気が戻ってくることを告げるものであり、それは国境を超える。

反科学が大統領になるまであと数か月である。次期HHS長官に選ばれたRFK Jr.氏のもとに、反医療とウェルネス戦士たちが集結している。水晶玉やタロットカードも公衆衛生と科学への損害の範囲を予想できない。RFK Jr.のMAHAは何をするだろうか?

RFK Jr.は2019年にサモアを訪問した結果5700人を病気にし83人が死亡したはしかの流行の一因となった。

MAHAの羊飼いとして急上昇しているのがCaseyとCalley Meansの姉弟である。

Casey Means博士は医療過誤と薬が米国の死因の3位であると主張しCalley Meansはダイエタリーサプリメントや赤外線サウナなどの怪しげなウェルネス製品を販売している

外科医のMarty Makary博士は農薬が出生率低下の原因だと主張しJonathan Howard博士らとともにCOVIDミニマイザー(感染させて免疫を獲得方針)として知られる

食の安全は脅かされ健康格差は拡大し感染症は猛威を振るうだろう。

MAGAがカルトならMAHAはカーゴカルトである

「汝の食事を薬とせよ」は医学の父であるヒポクラテスによるとされる箴言であるが、実際のところヒポクラテスは食品と医薬品の違いを知っていた。私たちが松明を灯してカーゴ神の船を待つのなら、だれもそんなことは気にしないだろう。

(長い記事、一部のみ)

 

-動画

食品廃棄

Cup o'Joe-Wasting food

2024/11/15

 

オーストラリアのSkittlesについて

Show and Tell-My Austrian Skittles

2024/11/16

オーストラリアのSkittlesは天然色素でカナダのSkittlesは合成色素を使っている。色素はどちらも問題ではなくお菓子の食べすぎは栄養の問題。

 

THE LANCET Volume 404, Issue 10466

-Trump、健康、科学そして次の4年

Trump, health, science, and the next 4 years

THE LANCET Editorial Volume 404, Issue 10466 p1897 November 16, 2024

Trump政権特にRobert F Kennedy Jrへの懸念

米国のみならず世界に影響がある

 

-健康税:健康と医療財源のための失われた機会

Health taxes: missed opportunities for health and health-care financing

THE LANCET Comment Volume 404, Issue 10466p1905-1907November 16, 2024

Helen Clark et al.,

ブルームバーグ財団が支援した健康のための財政政策専門委員会による新しい報告書が、世界の政府が非伝染性疾患の負担増加に単純な解決法:たばこと酒と砂糖入り飲料への増税、を行わないために機会を失っていることを示した

健康のための財政政策専門委員会報告書

Task Force on Fiscal Policy for Health | Bloomberg Philanthropies

(タバコと酒を一緒にするだけではなくそこに砂糖入り飲料も入れることでタバコ税と同じくらい砂糖税にも効果があると示唆。当然そんなことはない。さらに同じようなやり方で課税対象を拡大。

超加工食品(UPF)/HFSSへの課税という報告ではUPFの定義の曖昧さへの批判を認めつつもUPF/HFSSとほぼ同義であるかのように記載。

TaxingUPF.pdf

ついでにCodexが基準を定めた食品添加物が健康に悪影響があると主張する人もいる、とわざわざ記載。P7 。一方食品中に明確な有害物質が含まれることは無視。こういう人たちがWHOやLancetの中枢で政策を作っていることに注意。)

 

-ブラジルが肥満差別対策法を検討

Brazil considers obesity discrimination law

World Report Volume 404, Issue 10466p1912-1913November 16, 2024

Tony Kirby

もし採択されたら、ブラジルは世界でも少ない、体重に基づく差別から明確に守る国になる

一部の活動家が信じているような、肥満を病気と認識することは差別ではない。肥満は個人の意思によるものではなく複雑な神経代謝疾患である。

 

その他

-コンシューマーラボ

製品レビュー グルテンフリー穀物レビュー(そば、キノア、ソルガム、キビ、テフ)

Gluten-Free Grains Reviews & Top Picks - ConsumerLab.com

November 14, 2024

調べた13検体の31%は汚染物質のために失格。主にカビや酵母。価格は品質と関係ない。

 

-RFK Jrがふさわしくない理由

Why RFK Jr is not Fit for Office - THE FIREBREAK

THE FIREBREAK Nov 18, 2024

 

-視点:RFK, Jrの栄養と農業提案はスターリンの1930年代のソ連のルイセンコ主義による科学否定の惨劇と共鳴する

Viewpoint: RFK, Jr.'s nutrition and farm proposals echo the disastrous science-rejectionist policies of Lysenkoism in Stalin's 1930s Soviet Union - Genetic Literacy Project

Jon Entine, Kevin Folta | November 15, 2024

 

-栄養研究の嘘を暴くための疫学者のガイド

An Epidemiologist’s Guide to Debunking Nutritional Research

Christopher Labos, MD, CM, MSc November 15, 2024

https://www.medscape.com/viewarticle/epidemiologists-guide-debunking-nutritional-research-2024a1000ktj?form=fpf

あるいはディナーパーティーで賢そうに見せる方法

  • 食前酒:因果の逆転の教訓

アルコールが心臓に良いとか少し太っていた方が良いとか

  • 前菜:RCTの重要性

魚油やビタミンDが期待されていたのにメリットはみられなかった

  • メイン:絶対リスクと相対リスク

相対リスクを絶対リスクに換算するとほんのわずかになる

  • デザート:資金

チョコレート(カカオ豆抽出物)に関する最大規模のRCTであるCOSMOS研究が発表されなんの利益も示されなかったがチョコレートが健康に良いという説はチョコレート企業がお金を出した研究で宣伝され続けている

最後に

研究は映画と同じで全てが素晴らしいわけではなく中にはひどいものもある。特に食品についての医学ニュースは、批判的に吟味すべき

 

-SMC UK

Trump氏がRFK Jrを保健省長官に選んだことへの専門家の反応

expert reaction to Trump picking RFK Jr as health secretary | Science Media Centre

November 15, 2024

Donald Trump がRobert F. Kennedy Jrを保健長官に指名したことへの科学者のコメント

LSHTM小児感染症と免疫教授Beate Kampmann教授

健康政策に必要なのは意見ではなく根拠である。RFKの指名は根拠に基づく保健政策の否定でありこれまでの進歩が失われるだろう。

Oxford大学ワクチングループ長Sir Andrew Pollard FMedSci FRS教授

現時点で指名が確認されるかはわからないが、そうなったらワクチンに関する疑わしい主張が展開され一部の人にとっては致死的な帰結となろう。

King’s College London精神科Regius教授Sir Simon Wessely FRS教授

Liverpool大学感染症動物生態科学講師Krishanthi Subramaniam博士

Surrey大学健康医学部名誉教授Johnjoe McFadden教授

Great Ormond Streetこども病院小児科相談医David Elliman博士

(びっくりした、心配だ、特にワクチン拒否の帰結はすぐにでも出るので、という一致した意見)

2024-11-15

[RIVM]多くは将来のパンデミックやその他の災害に備えたくない

Majority unwilling to make preparations for future pandemic or other disaster | RIVM

14-11-2024

RIVMの研究によると、オランダの人々は災害への備えをしていない。さらにグループインタビューによると大多数は備えたくない。

理由の一つは未来を予想することはできない、だから準備できないというもの。また不安を伴うネガティブなことを考えたくない。一部はCOVID-19パンデミックの負の経験による。そして新たなパンデミックやその他の災害に備えることは政府の仕事だと感じている。

報告書本文オランダ語

 

[ProMED]中毒 タイ:(バンコクアンモニア、氷製造工場

Poisoning - Thailand: (BM) ammonia, ice-making plant

2024-11-15

https://promedmail.org/promed-post/?id=8720026

Date: Wed 13 Nov 2024 17:13 ICT Source: Bangkok Post [edited]

2024年11月13日、氷製造工場のアンモニア流出後、Muang地区の18人が病気になり住民が避難し学校は閉鎖された。

従業員がガスの容器をチェックしようとして金属の物体が落ちてアンモニアのパイプが破壊されたという

 

[EPA]EPAはゴム製品に使用される化学物質からサケを守るために規則案事前通知を発表

EPA Issues Advance Notice of Proposed Rulemaking to Protect Salmon from Chemical Used in Rubber Products | US EPA

November 14, 2024

EPAは部族からの請願に応えて、有害物質規制法(TSCA)に基づくプロセスをすすめる

N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン (6PPD)とその代謝物6PPDキノンについて

先住民Yurok 族, Port Gamble S’Klallam 族 および Puyallup族から2023年8月に請願が出されていた。

(タイヤの添加剤。マイクロプラスチック関連でよく言及される。水棲生物に毒性が高い)

 

[EPA]Biden-Harris政権は地域をPFAS汚染から守るために前例のない進歩

Biden-Harris Administration Makes Unprecedented Progress to Protect Communities from PFAS Pollution | US EPA

November 14, 2024

第3回EPAの年次進行状況報告書発表

EPA's PFAS Strategic Roadmap: Three Years of Progress

November 2024

 

[FSA]ピーナッツ汚染のあるマスタード成分についての調査が終わりに近づきアレルギー助言解除

Allergy advice lifted as investigation into mustard ingredients contaminated with peanuts draws to a close | Food Standards Agency

14 November 2024

調査により全ての問題ある製品は販売されなくなったため予防的助言は解除

ピーナッツアレルギーのある人はアレルギー警告の対象となっている製品を避け続けること。

 

[FSA]改革されたシステムが高い食品基準確保に役立つ

A reformed system can help ensure high food standards, says FSA chair. | Food Standards Agency

14 November 2024

FSA長官Susan Jebb教授がFSAのフードシステム規制方法は将来の課題に見合うよう進化したという

11月13日のCity UniversityのFood Thinkersセミナーでスピーチした

内容は以下

FSA Chair's speech to City University's Food Thinkers seminar | Food Standards Agency

 

[EU]健康を一目で:欧州

Health at a Glance: Europe - European Commission

隔年報告書発表

Health at a Glance: Europe 2022 - European Commission

2022年の報告書ではCOVID‑19パンデミックの若い世代への悪影響を予防する対策の必要性を強調

 

[EFSA]評価

農薬

Peer review of the pesticide risk assessment of the active substance fenoxaprop‐P‐ethyl

飼料添加物

Assessment of the modification of the authorisation of the feed additive consisting of Saccharomyces cerevisiae CNCM I‐1077 for lambs and its extension of use to all ruminants and camelids reared for milk production/suckling/reproduction, all minor …

酵素

Safety evaluation of the food enzyme glucan‐1,4‐α‐glucosidase from the non‐genetically modified Aspergillus niger strain DP‐Azh100

 

[WHO]ウェビナーシリーズ 2025とそれ以降のための進歩を加速する:保健、食品、社会保護システムでの強い対応で栄養を改善する

Webinar series - Accelerating Progress for 2025 and Beyond: Improving nutrition through bold action in health, food and social protection systems

18 – 21 November 2024

WHO, UNICEF, SUN Movementによるウェビナーシリーズ

(栄養目標に関しては日本は既に達成しているのであまり関係ないけれど)

 

[FAO]出版物

アグロインダストリー対アグロエコロジー

Agro-industry versus agroecology?

2050年のインドのアンドラプラデシの二つのマクロ経済的シナリオ

2020年時点で人口5300万人農家930万人のインド南部のアンドラプラデシ州における2050年にアグロエコロジーに完全移行するマクロ経済シナリオ

主著者フランス人

1960年代からのインドの発展に貢献してきた農薬や肥料や技術革新に支えられて生産性を向上させてきた農業を工業的農業 Industrial Agriculture (IA)とよび、それをAgroecology (AE)に完全に転換するべきと主張するテキスト

AEでは農業従事者が労働人口の30%は必要なので失業が減る、IAだと30%が失業しているとか

(農業以外の産業は発展しないらしい。農業労働を自然環境と深く結びついた健康な状況と考えているらしい。炎天下で草取り、のような農作業したことないだろ?安く使われている季節労働者の生活が理想だと?オーガニック、ケミカルフリー、ロボットフリーの宣伝で高値で農産物が売れるから儲かる、とか書いてあってFAOがこんなお花畑でいいのか)

 

Nature & Science

-Natureニュース

CRISPRが甘くて大きなトマトをつくる

CRISPR builds a big tomato that’s actually sweet

By Max Kozlov

糖の生産をコントロールするたった二つの遺伝子を削除することでよりジューシーな実ができる。Natureに発表

ニュース&ビューズ

トマトの改良が大きくて甘い果実をつくるスイートスポットを当てる

Tomato engineering hits the sweet spot to make big sugar-rich fruit

13 November 2024

論文はオープンアクセス

Releasing a sugar brake generates sweeter tomato without yield penalty | Nature

Zhang, J., Lyu, H., Chen, J. et al.. Nature (2024).

 

-Science Volume 386|Issue 6723|15 Nov 2024

・エディトリアル

科学は赤でも青でもない

Science is neither red nor blue

Marcia McNutt(NAS会長) p. 707

米国大統領選挙のずっと前から、私は科学がアメリカ社会を引き裂く政治的分断の犠牲になることを心配してきた。

科学コミュニティは政策助言にあたって、背景となる価値観が必ずしも共有されていない場合にコンセンサスがあると強調するのは役に立たないことをもっとよく理解する必要がある。

(一部のみ。欧州の科学者よりは冷静。特定の動物がかわいいとか自然や手作りが一番とかは価値判断であって科学ではない。)

 

・ニュースを一目で

News at a glance

生命医学研究は再現できない

1630人の生命医学研究者への調査で、880回他の研究者の実験を再現しようとして724回失敗したことがわかった。約1/4は自分の実験も再現できない。先週PLOS Biologyに発表。

・Trumpは公衆衛生を毀損するか?

次期大統領がRobert F. Kennedy Jr.を好き勝手させることに対してLawrence Gostinが「私の生涯で科学と公衆衛生にとって最悪の日」と言っている。

インタビューは以下

How much power do Trump and Kennedy have to reshape health agencies? | Science | AAAS

 

他科学と保健政策に関する論考

Research advocates see ‘no good news for science’

BY Jeffrey Mervis 14 Nov 2024: 712-713

Trump won. Is NIH in for a major shake-up?

BY Jocelyn Kaiser 14 Nov 2024: 713-714

‘America first’ could affect health worldwide

BY Gretchen Vogel 14 Nov 2024: 715

 

ポリシーフォーラム

動物実験を減らすための代替法の進歩

Advancing alternative methods to reduce animal testing

Chad P. Nelson et al., pp. 724-726

FDAからの現状の報告

 

SMC UK

-2026年末までに全粒でない小麦粉に葉酸強化義務化の政府発表への専門家の反応

expert reaction to govt announcement that non-wholemeal wheat flour must be fortified with folic acid from the end of 2026 | Science Media Centre

November 14, 2024

University College London予防医学教授で葉酸欠乏が神経管欠損の主要因であることを示した研究を行ったSir Nicholas Wald RS FMedSci教授

毎年200症例の先天異常を予防する小麦粉への強化という英国政府による決定は良い知らせである。しかしより高濃度で全ての小麦粉とコメへの強化で800例が予防できる。

スコットランド女王の看護研究所前副所長Jonathan Sher博士

英国では穀物への強化はずっと必要だった。政府の提案は臆病で非科学的で、多くの害が予防できない。新しい労働党政権が「チェンジ」を提唱しているのに前政権の不適切なプロトコールをそのまま進めた。

Imperial College London新生児医学教授Neena Modi教授

ついに強化することは歓迎する。しかし全粒でない小麦粉に限定することで米を食べる女性などが不利になる。

 

-大麻使用が染色体を傷害し、がんリスクを高め、子供に害を与えるという論文への専門家の反応

expert reaction to paper on cannabis use causing chromosomal damage, increasing cancer risk, and harming offspring | Science Media Centre

November 14, 2024

Addiction Biologyに発表されたコメンタリーが大麻使用が染色体を傷害しがんリスクを高めることを調べた

Queensland大学若者の薬物乱用全国センター名誉教授Wayne Hall教授

Hulse と Reeceによるこの論文は、推測のコメントである。系統的レビューではない。自分たちの研究に基づいて、大麻使用でいろいろなタイプのがんや先天異常がおこると疑問のある主張をしている。

 

大麻の使用は染色体を傷害し、がんリスクを高め、子供に害を与える

Cannabis use can cause chromosomal damage, in | EurekAlert!

14-Nov-2024

Addiction Biologyに発表された研究

 

その他

-ズッキーニで死ぬ?

Can zucchini kill you? - Polish Archives of Internal Medicine

Babeta Čápková1, Ilja Ryšavý, Dominika Mívaltová

DOI: 10.20452/pamw.16872

Published online: October 30, 2024

ポーランドのズッキーニ中毒の症例報告

ひどく苦いズッキーニを食べた54歳女性 ククルビタシンによる腸壁の浮腫、下痢、脱水で集中治療を受ける

 

-RFK Jr. がHHS長官になることは科学と公衆衛生にとって最悪

RFK Jr. as HHS Secretary will be catastrophic for science & public health.

Dr. Andrea Love Nov 15, 2024

科学と公衆衛生への信頼棄損に40年を使ってきたこの人物がHHS長官になったら、本当に元に戻れないかも

ごめん、今日は米国と地球にとって暗黒の日

今日、2024年11月14日、トランプ政権はRFK Jr.を次期HHS長官に指名した。

以下RFK Jr.のこれまでの言動。

ワクチンを否定し水道水のフッ素添加を止めさせ有機農業を推進し農薬を悪者にしインチキサプリメント代替医療法を推進し・・

これを止めるには上院での確認を阻止するしかない。上院議員に彼の危険性を伝えて。

 

-SMC NZ

世界のプラスチックごみは2050年までに倍増、研究が言う―専門家の反応

Global plastic waste to double by 2050, study says - Expert Reaction - Science Media Centre

15 November 2024

新しいモデル研究が、これまで通りなら世界のプラスチックごみは今世紀半ばまでに倍増するだろうという。しかし政策のミックスで90%減らせる。

Scienceに発表された。

専門家のコメント略

プレスリリース

Scienceに発表された新しい研究は、たった4つの世界政策で2050年までのプラスチックごみの90%以上と関連する二酸化炭素排出30%を削減できることを発見

New study in Science finds that just four glo | EurekAlert!

14-Nov-2024

論文

Pathways to reduce global plastic waste mismanagement and greenhouse gas emissions by 2050 | Science

 

-デマが二期目のDonald Trump政権を可能にし、それはあらゆるところの民主主義の危機

Disinformation enabled Donald Trump’s second term and is a crisis for democracies everywhere | The BMJ

BMJ 2024;387:q2485  Martin McKee et al.,

(Trump勝利は主にオンラインのデマと陰謀論のせいなので厳しく規制しろとの主張。)

2024-11-14

[HK]上海ガニの季節の食品サーベイランスプロジェクトの結果は全て合格

Press Release - Test results of seasonal food surveillance project on hairy crabs all satisfactory

November 13, 2024

2024年1月から2024年10月まで、101検体のカニの残留動物用医薬品、金属汚染物質、合成ホルモン、色素、残留農薬ダイオキシンおよびダイオキシン様PCBを検査し、全て合格だった

 

[DHSC]小麦粉の葉酸強化で先天異常予防

Birth defects prevented by fortifying flour with folic acid - GOV.UK

14 November 2024

本日導入される新しい規制で製粉業者は全粒粉でない小麦粉に2026年末から葉酸強化を要求する

これにより毎年約200例の神経管欠損が予防される。

小麦粉には既にカルシウム、ナイアシンチアミン、鉄が強化されている。それに葉酸が加わる

 

[DHSC]タバコと電子タバコ法案2024

The Tobacco and Vapes Bill 2024

13 November 2024

2024年11月5日に下院に導入されたタバコと電子タバコ法案に関する情報

ファクトシートと影響評価掲載

 

[COT]母親の食事中のラズベリーリーフティーの健康影響の可能性についての声明

Raspberry leaf tea statement_cleared_FINAL Acc V SO.pdf

Introduction and Background - Raspberry leaf tea | Committee on Toxicity

要約

Raspberrry leaf lay summary_FINAL Acc V SO.pdf

13 November 2024

妊娠中のハーブサプリメントについて、MHRAの規制対象である伝統ハーブ医薬品以外でよく使われているものとして、陣痛を促進し陣痛期間を短くする目的で使われるラズベリーリーフティーを評価対象とした。ラズベリーリーフ製品には妊娠していない女性の生理痛向けに登録されている伝統ハーブ医薬品もある。

ラズベリーリーフはお茶、錠剤、チンキなどの形態でオーストラリアの最近の調査では妊娠女性の38%、英国では2007-2008年の研究で妊娠女性の24%が使用を報告した。

ラズベリーリーフ抽出物の子宮あるいはその他平滑筋への影響を調べた研究は1940年代からあるがその結果はばらばらで、収縮するから弛緩するまである。有効成分もメカニズムも不明。汚染物質に関するデータも限られる。

ヒト試験はオーストリアで行われた2つが報告されていて影響は見られていないが、英国での推定摂取量はこの試験で用いられた用量より4倍位以上高い。

妊娠中に医薬品や化学物質にばく露された女性の妊娠アウトカムについてのデータを集めている英国奇形情報サービス(UKTIS)にはラズベリーリーフ摂取による有害影響の報告は、使用頻度の多さにもかかわらず極めて少ない。

COTは全体として妊娠中のラズベリーリーフの使用に関連するリスクは低いと結論したがその不確実性は高い。

COTはラズベリーリーフの有毒成分の経口による生物学的利用能が低いためにヒト健康への有害影響が少ないように見える理由の一つだろうと考える。もし生物学的利用能を高めるような製品が将来販売されるようになれば別途安全性評価が必要であろう。

 

[ASA]ASA裁定

-Supreme CBD Ltd - ASA | CAP

13 November 2024

Supreme CBD の社長であるAnthony FowlerがXで自社のCBD製品について健康に良いことを示唆する投稿をした。これが広告基準違反との申立てがあった。Anthony Fowler氏は個人のアカウントで個人的感想を述べただけだと主張するが、自分の会社の製品なので広告とみなされ、広告基準を守る必要がある。

 

論文

-The Lancet:8億人以上の成人が糖尿病で、半分以上が治療を受けていない、世界研究が示唆

The Lancet: Over 800 million adults living wi | EurekAlert!

13-Nov-2024

世界の成人の糖尿病有病率は1990年から2022年までの間に約7%から約14%に二倍になっった。最も大きく増えたのは低から中所得国

 

-英国のプラスチック包装の使用の研究が、家庭でのリサイクルではなく広範な汚染リスクのあるwishcycle(リサイクルできないものをリサイクル用のゴミ箱に入れる)を発見した

Research into UK’s use of plastic packaging f | EurekAlert!

13-Nov-2024

英国の地域によってごみ収集のやり方が異なることもあり、混乱させずに効果的にリサイクルを推進する仕組みが必要、等Lancaster大学の人々の生活中のプラスチック包装(PPiPL)プロジェクトからの報告

 

-Nature Volume 635 Issue 8038, 14 November 2024

エディトリアル

科学者は勇気と団結をもってTrump大統領の責任を問わなければならない

Scientists must hold President Trump to account with courage and unity

多くの人がこの結果を後退とみなしているが、研究者は勇気と粘り強さと団結で新政権に取り組むべき

ワールドビュー

私たちがデジタル世界では皆実験用ラットである理由

研究者はオンライン実験のための倫理基準を確立する必要がある

 

その他

-いわゆる代替療法の害

The Harm of So-Called Alternative Medicine | Skeptical Inquirer

Edzard Ernst

From: Volume 48, No. 6 November/December 2024

オーディオあり

・治療による害

カイロの手技による身体への害、ハーブによるたくさんの有害事象など

・診断技術による害

妥当性のない診断により適切な治療を受けることの妨げになる、健康な人を病気と診断することによって意味のない治療や不安による害を被る

代替医療ラクティショナーによる害

通常患者を食い物にする

代替医療業界による害

世界的に代替医療産業は莫大な儲けを生む、それは消費者への経済的被害である。絶滅危惧種を絶滅に追いやっている

・質の悪い代替医療研究による害

膨大な質の悪い論文が学術文献を汚染している

イデオロギーによる害

陰謀論や間違った考え方を売ることで社会的害悪をもたらしている

 

-RFK Jr.とMAHAアジェンダは食品安全に影響する可能性

RFK Jr. and the Make America Healthy Again agenda could impact food safety | Food Safety News

By Dan Flynn on November 13, 2024

RFK Jr.がHHS長官になる可能性がある。あるいは農務省長官になるかもしれない。

FDA長官のDr. Robert Califfは退任する。

時期Trump政権はRFK Jr.と“Make America Healthy Again”アジェンダの推進になるだろうことは事実である。その真の意味は完全に明らかではない。

(職員や予算を減らすという話が出ているが具体的にどうなるのかはわからない)

 

-Kraft Heinzは全国学校給食計画からLunchables撤退

Kraft Heinz pulls Lunchables from National School Lunch Program | Food Safety News

November 13, 2024

コンシューマー・レポートがLunchablesや同様のランチキットには比較的高濃度のナトリウム、鉛、カドミウムが含まれると報告し、ミールキットの需要がKraft Heinz社の予想目標を下回ったことを受けての決定。

9月にConsumer ReportsとMore Perfect Unionは、農務省に対して約50,000人の請願署名を届けて、学校給食プログラムからLunchablesを削除するよう求めていた。

USDAは「Turkey & Cheddar Cracker Stackers」と「Extra Cheesy Pizza」の2つのランチキットを約3,000万人の子供たちに提供することを許可していた。要件を満たすためにKraft Heinzは給食向けの製品を市販のものより全粒粉とタンパク質を多くする必要があった。

 

食品安全情報(化学物質)No. 23/ 2024(2024. 11. 13)

https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202423c.html

目次

【WHO】

1.          国際がん研究機関(IARC)

2.          出版物

【FAO】

1.          FAO JECFAモノグラフの新巻:特定の動物用医薬品の残留物の評価

2.          FAOが新しい4つのベターコースイニシアチブを開始

3.          Codex

【EC】

1.          食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【ECHA】

1.          ECHAの統合規制戦略は目標を達成-高生産量化学物質のスクリーニング

【EFSA】

1.          リスク評価におけるオミクスと関連するバイオインフォマティクスアプローチの適用に関する行動ロードマップの作成

2.          ビタミンと必須ミネラルの耐容上限摂取量の設定と適用のためのガイダンス

3.          EFSAの包括的食品摂取量データベースを用いた栄養摂取量推定値に非常に影響のある、摂取頻度の低い食品を考慮することの課題:プレフォームドビタミンAの例

4.          食品及び飼料のリスク評価における(新規)タンパク質のためのin vitro毒性試験アプローチの特定

5.          B‐リスクの開発

6.          食品添加物関連

7.          遺伝子組換え関連

8.          農薬関連

【Europol】

1.          9,100万ユーロ相当の偽造及び規格外の食品が欧州全域の作戦で押収される

【FSA】

1.          食品と環境中の放射能(RIFE)報告書2023

2.          利害関係者の回答の概要:飼料添加物及び特定栄養目的(PARNUT)の飼料の認可申請に関する協議(2024年秋)

3.          リスク評価

4.          消費者調査(2024年7月~2024年9月)

5.          リコール情報

【COT】

1.          二酸化チタンのin vitro及びin vivo遺伝毒性に関するCOMの評価に関する声明

2.          COT会合:2024年10月21日

BfR

1.          高濃度カフェインパウダーは少量でも重篤な中毒を引き起こす可能性がある 予想外の過剰摂取も簡単に起こりうる

2.          15種類のパー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)混合物の単回経口投与後のキネティクス-男性のボランティアにおけるパイロット研究

3.          PFAS:全ての「forever chemicals(永遠の化学物質)」が体内に残留するわけではない

4.          BfR消費者モニター:ドイツ人の大半は「睡眠ホルモン」メラトニンを知っているが、多くは疑いを抱いている

5.          雑食主義者、ビーガン、厳格なローフード食者における加熱による食品汚染物質への内部暴露:2-及び3-モノクロロプロパンジオール(尿中排泄物)とグリシドール(ヘモグロビン付加物N-2,3-ジヒドロキシプロピル-Val)への暴露のバイオマーカー

【ANSES】

1.          どの作業工程に職業がんのリスクがあるのか?

【CAFIA】

1.          検査した関節用フードサプリメントの4分の1が、実際の成分について消費者を欺いていた

FDA

1.          FDAヒト用食品プログラム:2025年会計年度優先措置

2.          FDAは2022年Food Codeの補足を発表する

3.          食品包装及び食品接触用途におけるフタル酸エステル類に関するFDAの最新情報

4.          FDAはスコンブロトキシン(ヒスタミン)を産生する魚及び水産物に関するコンプライアンスポリシーガイドの最終版を発表する

5.          FDAはナトリウム削減の次の段階の取り組みを開始する

6.          高濃度の鉛により、更に多くの粉末シナモン製品がFDAの公衆衛生警告に追加される

7.          FDAはヒト用食品のリスト(輸出リスト)形式での輸出認証の経験について一般からの意見を募集する

8.          公示

9.          警告文書

10.      リコール情報

EPA

1.          EPAが農薬ダクタールの取り消しを最終決定

2.          EPAが新規除草剤有効成分グルホシネート-Pを登録

3.          EPAは鉛塗料粉塵への暴露から子供を守る基準を強化

4.          EPAが農薬と絶滅危惧種の教育資料ツールボックスを発表

【Health Canada】

1.          2023-2024カナダ保健省持続可能な開発戦略報告書

2.          新規食品情報

3.          修正通知

4.          リコール情報

【CFIA】

1.          カナダのフードサプライを安全に保つためにCFIAが行っている6つのこと

【FSANZ】

1.          食品基準通知

【香港政府ニュース】

1.          食品警告

2.          違反情報

3.          リコール情報

【MFDS】

1.          日本産輸入食品の放射能検査の結果

2.          「記憶力改善」、「集中力向上」効果を標榜する海外直輸入食品の購入に注意してください

3.          子供・青少年給食施設など衛生点検の結果、20カ所・摘発

4.          K-Foodの海外進出のために、食薬処がAからZまで助けます

5.          K‐鶏肉製品をEUに輸出する輸出経路を案内するナビゲーションを用意

SFA

1.          調理油の再利用

【その他】

           食品安全関係情報(食品安全委員会)から

           ProMED-mail 1件

別 添

BfR

1.          ナノマテリアル:微粒子が多様な特性を仲介する

2024-11-13

[EU]SCCS パブリックコメント募集のための予備的意見

SCCS - Opinions - European Commission

メトキシ桂皮酸エチルヘキシル

SCCS - Opinion on Ethylhexyl Methoxycinnamate (EHMC) (CAS No. 5466-77-3/83834-59-7, EC No. 226-775-7/629-661-9) - European Commission

12 November 2024

内分泌かく乱物質の可能性、遺伝毒性を排除するにはデータが不十分、なので安全性について結論できない

(紫外線吸収剤として広く使われている、らしいのだが)

 

[EFSA]評価

GM

Assessment of genetically modified maize DP51291 (application GMFF‐2021‐0071)

酵素

Safety evaluation of the food enzyme α‐amylase from the non‐genetically modified Bacillus amyloliquefaciens strain AE‐BAA

 

[UKHSA]ダイオキシン:健康影響、事故管理、毒性

Dioxins: health effects, incident management and toxicology - GOV.UK

Updated 12 November 2024

インシデント管理文書の内容更新

(TEQの話ではなかった)

 

[FAO]新しい国連報告書:亜酸化窒素の排出増加が1.5℃への道筋とオゾン層とヒト健康を脅かしている

New UN report: Rise in nitrous oxide emissions endangers pathway to 1.5°C, the ozone layer, and human health

12/11/2024

国連世界亜酸化窒素評価が、N2O排出緩和のための緊急行動の必要性を明らかにした

N2Oは肥料やたい肥の使用のような農業によって主に排出される。また脱炭素のためにアンモニアを燃料に使うような新しい技術のリスクの可能性も紹介

Global Nitrous Oxide Assessment

2024-11

窒素管理のために、土壌の窒素測定、施肥のコントロール、不耕起、カバークロップ、畜産慣行の改善などをあげている

 

[USDA]APHISは遺伝子工学で作られたあるいは改変された生物の移動の追加の例外についての最終通知を発表

APHIS Announces Final Notice on Additional Exemptions for the Movement of Organisms Modified or Produced Through Genetic Engineering | Animal and Plant Health Inspection Service

November 12, 2024

通常の交配で作ることができる改変であるため7 CFR part 340規制の例外となる植物の改変について最終通知を発表した。2023年11月に発表した提案に対して寄せられた約6500のコメントを検討し、含まれる改変数を1から12に増やした。

 

[SOT]新興毒性学についてのSOT FDA会議:食品と成分の安全性の課題

SOT FDA Colloquia—Society of Toxicology

2024年12月3日

パーおよびポリフルオロアルキル化合物のハザード同定と暴露評価における新しい概念

FDA従業員向け科学情報提供ウェビナーだが一般にも無料公開

(スピーカー5人全員女性)

 

論文

-誤魔化しを解読する:デマ対策の心理学

Decoding Deception: The Psychology of Combati | EurekAlert!

12-Nov-2024

PNASがPulitzer Centerの支援により短い動画を作った

Decoding Deception: The Psychology of Combating Misinformation | Multimedia | PNAS

 

-妊娠中や妊娠後にパーソナルケア用品を使うことは有害化合物への暴露を増やす可能性がある

Using personal care products during and after | EurekAlert!

12-Nov-2024

Environment Internationalに発表されたBrown大学の研究者らによる調査。マニキュア、化粧、染髪の使用が血中や母乳中のPFAS濃度の増加と関連する

 

-ルーマニア科学ジャーナリストが力を合わせて新しい報道ハンドブックを作った

Romania’s science journalists join forces on | EurekAlert!

12-Nov-2024

バルカン科学ジャーナリストネットワークと欧州科学ジャーナリスト連盟が新しい科学報道ガイドを作った、今回はルーマニアで。20人以上のルーマニアのジャーナリストとコンテンツクリエーターが科学報道の複雑な世界を航行するための138ページの文書を作った。

ルーマニア語

 

-韓国有害事象報告システムに2012年から2021年に報告されたハーブ医薬品に関連する有害事象

Adverse events associated with herbal medicine products reported in the Korea Adverse Event Reporting System from 2012 to 2021 - PubMed

Yujin Choi , Hyeun-Kyoo Shin, Front Pharmacol. 2024 Oct 21:15:1378208.

84製品に関して1054症例の有害事象が報告されていた。

臓器別で最も多かったのは消化管、次いで皮膚、皮下組織。症状としては下痢、じんましん、かゆみ、発疹、腹部不快感。最も多く報告された製品はBangpungtongseong-san(防風痛聖散?) (297 cases), Kyeongok-go (瓊玉膏?)(144 cases), および Eunkyo-san (108 cases)

 

その他

ゴールデンライスは毎年数万人の命を救える

Golden rice could save hundreds of thousands of lives every year – The Irish Times

William Reville Thu Nov 07 2024

この遺伝子組換え作物についての根拠は圧倒的である:それは危険はなく命を救う可能性がある

ゴールデンライスの安全性は明確であるが、反GMG活動家が導入を阻止している

データに基づかない、感情的な、ドグマに基づいた反対運動は止めるべき

 

2024-11-12

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular - 317-24 | Food Standards Australia New Zealand

12 November 2024

二回目の意見募集

新規食品としての培養うずら

2024年12月24日まで

 

[USDA]PDP2023年次報告

PDP 2023 Annual Summary

November 2024

2023年は9つの州の支援でサンプリングと検査を行った

99%以上の検体がEPAのトレランス以下、38.8%は残留物不検出だった。

総検体数9832のうちトレランス超過は48検体で、そのうち国産が7、輸入が39、残り2は不明だった。トレランスが設定されていない物質の検出は198で、そのうち72が国産、125が輸入、残り1は不明だった。

総検査数は280万と膨大なので結果は農薬ごとの分布で示す

なおデータは以下から検索できる

Pesticide Data Program | Agricultural Marketing Service

 

(EWGのインチキ報告を読む前にここを読むべき)

 

論文

-パンデミック期の飲酒増加は持続している

Pandemic-era increase in alcohol use persists | EurekAlert!

11-Nov-2024

COVID-19パンデミック中にアメリカ成人の大量飲酒が20%以上増加し、その後2年継続している。Annals of Internal Medicine.

(ヘビードリンク群が特異的に増加)

 

-研究:高齢の前立腺がん患者がますます過剰に治療されている

Study: Older adult prostate cancer patients a | EurekAlert!

11-Nov-2024

治療によるベネフィットがないだろう患者の相当な割合が手術や放射線治療を受けている JAMA Internal Medicine.

 

その他

-二回目のTrump政権下のEPA:いいこと、悪いこと、ひどいこと

EPA Under a Second Trump Presidency: The Good, Bad, and Ugly | McGlinchey Stafford PLLC

November 6, 2024  Michael R. Blumenthal

歴史的文脈:Trumpの環境政策

2017-2021年の間にEPAは相当な改革と予算削減、規制の後退に直面した

2回目はそれが継続あるいは強化される可能性がある

気候変動政策は国際合意からの離脱、気候緩和対策の減少

汚染物質やエネルギー関連では規制緩和が予想される

(とりあえず無駄に厳しいPFAS基準の履行どうするのかな)

2024-11-11

[EFSA]意見等

酵素

Safety evaluation of the food enzyme α‐amylase from the non‐genetically modified Bacillus amyloliquefaciens strain UN‐01

農薬

・原因か嘘か:発達神経毒性における脳重量と体重の比

Causation or Canard: Use of Brain Weight to Body Weight Ratios in Developmental Neurotoxicity

DNT試験における脳重量の変化を体重当たりで換算することによって影響はないと判断するのは適切ではない

飼料添加物

Efficacy of the feed additives consisting of Enterococcus faecium ATCC 53519 and E. faecium ATCC 55593 as silage additives for all animal species (FEFANA asbl)

Safety of a feed additive consisting of vitamin B2/riboflavin produced with Eremothecium ashbyi CCTCCM 2019833 for all animal species (Hubei Guangji Pharmaceutical Co., Ltd)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of Bacillus subtilis DSM 33862 and Lentilactobacillus buchneri DSM 12856 as a silage additive for all animal species (Lactosan GmbH & Co.KG)

 

[EU]化学物質安全性評価における動物実験―段階的廃止のための欧州委員会のロードマップ

Animal testing in chemical safety assessments – Commission roadmap to phase it out

2024年9月17日から10月15日まで根拠の要請が行われて91件のフィードバックがあった。それらが読める

(現時点で代替法が十分だと思っているところは活動家団体以外はほぼない模様。)

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular - 316-24 | Food Standards Australia New Zealand

11 November 2024

新規申請と提案

GM大腸菌BL21により産生された酵素を使った酵素転換で生産したステビオール配糖体

 

[FDA]FDAは8つのGeneralスヌース(無煙タバコ)製品にリスク削減クレームで販売する認可を更新

FDA Renews Authorization for 8 General Snus Products to be Marketed with Reduced Risk Claim | FDA

November 7, 2024

FDAはSwedish Match USA, Inc.社の8つのGeneralスヌース製品の修飾リスク許可命令更新を発表した。2019年から認められていた「タバコの代わりにGeneralスヌースうを使うことでがん、心疾患、脳卒中肺気腫、慢性気管支炎リスクを下げる」という修飾リスククレームで販売を」継続できる。2032年11月7日まで。

 

[DEFRA]英国化学物質規制に新しいアプローチ方法論(NAMs)を採用することについての助言

有害物質助言委員会(HSAC)

Recommendations for the Adoption of New Approach Methodologies (NAMs) in UK Chemical Regulation

November 2024 Version: 1

2012年にHSACがNAMsについての意見、伝統的動物実験を置き換えるほど十分に発達していない、を作成してから10年が経ち、更新した。

HSACは科学の進歩に従ってNAMsを化学物質安全性評価に徐々に取り入れるための枠組みの中でNAMSの基準を設定するよう提案

重要な助言には以下を含む

・化学物質の作用機序の理解に基づくNAMsの、技術に依存しない定義の採択

・グループ分けや優先順位づけから始めて、規制枠組みに徐々に検討されるNAMsの基準設定。

・ハザード評価での知見の確実性が増加するにつれて広範な規制上のNAMsの採用を利用する漸進的規制枠組みの採用。NAMsは既に化学物質のより高次の試験を行う優先化合物の分類支援に使用できる可能性がある

・技術改善を確実にするために英国にNAMsの開発と妥当性評価のための卓説センターと参照ラボを作る

・UK REACHの化学物質登録者に物質の作用機序を示唆するNAMsデータを提供することのインセンティブを与える

 

[FAO]不健康な食生活が世界の農業食料システムに毎年8兆ドルの隠されたコストを駆動する

Unhealthy dietary patterns drive $8 trillion in annual hidden costs of global agrifood systems

08/11/2024

世界の隠されたコストの約70%が非伝染性疾患に関連した健康影響、特により工業化された農業食料システムでは。

FAOの156か国の精細化研究で、世界の農業食料システムの隠されたコストは毎年約12兆ドルで、そのうち約70%の8.1兆ドルが不健康な食生活による非伝染性疾患に関連する

SOFA2024は2023年版をもとに食料生産と流通、消費に関連する完全なコストとベネフィットを明らかにするために真のコストを使って詳細に解析した。

世界の隠されたコストは健康影響が主で次いで環境上のコストで、中流上層と高所得国での工業化された農業食料システムでより多い。

健康影響を検討するために、13の食事リスク要因を同定した。全粒穀物、野菜、果物の摂取不足、塩、赤肉、加工肉の摂りすぎ、を含み各種農業食料システムで大きく異なる

この報告では農業食料システムを6つの異なるグループに分類した。

(日本は欧米先進国と一緒の「工業的」に分類。日本と米国が食事由来慢性疾患で同じわけないのだが塩と加工肉の摂りすぎを「加工食品と添加物の多い食事」にひとまとめにすることで同じにしている。ここでいう添加物additivesとは塩と砂糖とトランス脂肪のことらしい。なお理想的とされるパターンはEAT-Lancet)

The State of Food and Agriculture 2024

インタラクティブウェブサイト

The State of Food and Agriculture 2024

報告書

 

[WHO]イベント

動物由来食品の最適摂取に関する第一回WHO専門家会合

First WHO expert meeting on optimal intake of animal-source foods

11 – 15 November 2024

リスクベネフィット評価や環境影響を考慮した評価を行う

参加専門家のリスト

Informal Meeting on Neonatal VAS

(NOVAの推進者Maria Laura da Costa Louzadaは入ってるけど日本人はみあたらない)

 

Mcgill OSS

-リノール酸は悪役でもスーパーヒーローでもない

Linoleic Acid Is Neither Villain Nor Superhero | Office for Science and Society - McGill University

Jonathan Jarry M.Sc. | 8 Nov 2024

種子油によくあるオメガ6脂肪酸は矛盾する結果の研究が多くあり、我々の食べる食品を研究することの難しさを明らかにしている

Dr. Joe Mercolaが「代謝毒」「現代の食生活の中で最も悪い毒素」と呼びDr. Josh Axeがオーガニック由来なら健康な脳の機能を増強しし免疫系を強化し心血管系疾患リスクを減らすと主張するリノール酸を知っている?MercolaもAxeも信頼できる情報源ではない。

リノール酸は私たちの食事中で最も一般的なものであるが、その最適な摂取量を把握することはMercolaやAxeの言うことよりはるかに難しい。

脂肪摂取量の劇的変化

過去100年間で、北米の脂肪消費量は劇的に変化した。かつてはラードやバターのような動物性脂肪が食事を支配していた。1800年代に綿実油が食用になり、その後植物油やショートニングが広く使われるようになり、1909年から1999年にかけて、アメリカ人のこれらの不飽和脂肪の消費量は20倍に増加した。そのうちのトランス脂肪酸と呼ばれるものは心疾患リスクの増加に関連するため最終的に禁止された。一方オメガ6多価不飽和脂肪酸の一種であるリノール酸は健康に良いとされ、現在のアメリカ人は毎日平均12-17gのリノール酸を摂取していてこれは1日のエネルギー必要量の6%に相当する。

研究者たちはこの変遷が健康に与える影響を知りたい。

リノール酸の懸念の一つでMercolaが恐怖を煽る項目の一つは、リノール酸が炎症を促進する可能性があることである。炎症は正常なプロセスで、組織の治癒や有害微生物から身を守るのに有用である。しかし慢性的で過度の炎症は有害である。リノール酸は体内で炎症関連物質に代謝されるためにリノール酸の過剰摂取が慢性炎症を誘発するという理論上のリスクがある。しかしこの推測はデータによる裏付けがない。2012年のレビューで食事へのリノール酸の追加は血中炎症マーカー濃度を増加させる根拠は見つからなかった。リノール酸が炎症関連分子に代謝される可能性があるからといって代謝されるとは限らない。代謝経路が既に飽和しているかもしれない。一方リノール酸のような脂肪酸が心血管系に良いという主張もある。

これらの重要な健康問題に対する確実性の欠如の理由は、世界中の栄養科学で見られるものと同じである。私たちはリノール酸そのものを食べているのではなく、リノール酸などの脂肪を含む、未調理と高温に加熱された油の両方を消費する。私たちは健康に悪影響を及ぼすリスクを増減させるさまざまな分子を摂取していて、食生活は年々変化する。観察研究はたくさんありるが、因果関係を証明することはできない。一方参加者に特定の食事を強制する臨床試験は実施が困難である。これらの複雑さが、曖昧さを生む。

科学者たちは、リノール酸の日常的な摂取量目標をまだ知らない。

その一方でこの100年にわたるリノール酸の消費量の増加が変わってきた可能性がある。現在、多くの種子油はリノール酸含有量を減らすために改変され代わりにオメガ9一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸をより多く含んでいる。たとえば、高オレイン酸ひまわり油は、オレイン酸リノール酸ほど酸化しにくいため、保存安定性が高いという利点もる。これらの油が普及するにつれて、人々のリノール酸消費量は減少する。

重要メッセージ

-リノール酸はナッツや植物油に含まれるオメガ6脂肪酸で、西洋では過去100年間で消費量が劇的に増加した

- リノール酸が慢性炎症を引き起こさず、心臓や血管の健康に良いという十分な根拠がある

- リノール酸が私たちの健康に及ぼす影響の全容はまだわかっておらず、科学者たちは私たちの食事に最適な量がどのくらいかについて意見が一致していないが、一般的な推奨は、2,000カロリーの食事でリノール酸から100〜200カロリーであり、これは米国の平均消費量と一致している

(一部のみ)

 

-Nutrafol;抜け毛の聖杯か高額サプリメントか?流行中の脱毛サプリメントの論争

Nutrafol; A Holy Grail for Hair Loss or an Overpriced Supplement? | Office for Science and Society - McGill University

Daniela Padres | 8 Nov 2024

最近Nutraceutical Wellnessの急成長サプリメント、Nutrafolについて。

いくつかの製品があるが全てミネラル、ビタミン、天然物で構成されている。例えばNutrafol Womenには、アシュワガンダ、マリンコラーゲン、トコトリエノール、クルクミン、ノコギリヤシ、昆布、レスベラトロール、つくし、ケラチン、アミノ酸、黒胡椒、トウガラシ、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビオチン、亜鉛、セレン、ヒアルロン酸などが含まれている。問題はこの混合物が機能するかどうかだが、6か月のRCTなど二つが報告されている。これらの研究の参加者のベースラインの栄養状態が考慮されていないため結果の一般化は難しい。有効性を判断するのはもっと多くの試験と妥当性検証が必要である

 

-動画

紙コップに含まれる紙以外のもの

Cup o'Joe-There is more to paper cups than paper

2024/11/09

紙コップがリサイクルできない理由

 

論文

-健康を求心力として維持するために、我々は健康に関する誤情報と意図的デマに取り組むリソースをつぎ込まなければならない

To keep health as a unifying force, we must put resources into tackling health misinformation and disinformation

Jessamy Bagenal et al.,

THE LANCET Comment Volume 404, Issue 10465 p1792-1794 November 09, 2024

近年健康がこれまでになく分断されていてもはや求心力ではなく分断圧になっているのではと疑問が提示されている。その原因の一つはデマである。

最近の現代医学の大きな傾向は状況を悪化させる。一つはソーシャルメディアの興隆と寿命延長の停滞が高所得国で同時に起こっている。二つ目は長期管理の必要な慢性疾患への取り組みは主流医学では苦闘し費用の高さが不確実性を増している。三つ目は差別の歴史からの不信の遺産。その結果患者がウェルネス業界のような別の情報源を求める

 

-日焼けベッドへのアクセスと使用が特定地域での悪性黒色腫の率の高さを駆動している

Tanning bed access and usage are driving high | EurekAlert!

7-Nov-2024

Journal of Investigative Dermatologyに発表されたニューイングランドでの空間疫学研究。

日焼けベッドのある施設へのアクセスが良いことと悪性黒色腫の率の増加に有意な関連がある。

 

その他

-10の検査室が10頭のBandhavgarhの象を殺したカビを同定する

10 labs to identify fungus that killed 10 Bandhavgarh elephants | Bhopal News - Times of India

P Naveen / TNN / Updated: Nov 7, 2024,

インドのBandhavgarhトラ保護区で10頭の野生の象がKodu作物のカビ毒で死んだ。毒性の専門家は死因を確認したが、その毒素を作ったカビがまだ同定されていない。インド中の専門家がその真菌が新たな脅威かどうかを知るために協力して分析している

死体の臓器や消化管の内容物から各種毒素や重金属を調べ、農薬や重金属は検出されなかったが全てのプール検体からシクロピアゾン酸を100ppb以上検出した。正確な量を調べるためのさらなる検査が行われている。

象が食べたKoduはBandhavgarhの内側の土地7エーカーにわたって広がっていた。調査官は異常な増殖に気が付いたが農薬はみつかっておらず、農家も使っていない

 

-「さらに4年のカオス」か「歴史的チャンス」か?食品と農業団体のTrump勝利への反応

Food & ag organizations respond to Trump victory

November 7, 2024 Elaine Watson

詳細は不明なので不確実性は残る

各団体のコメント紹介

(畜産業界が民主党政権でひどい目にあってきたのが共和党になって喜んでいるようだ)

 

-林業従事者や農家は、健康や科学へのデマにも対抗したい

Foresters and farmers want to combat health and science disinformation too

Dr. Andrea Love Nov 09, 2024

オレゴン州食料とシェルター年次会合での発表から

私は選挙の結果と、トランプ氏に近い一部の人たち(例えば、RFK Jr.、マーク・ハイマン、ミーンズの兄弟)に権力が与えられたことの意味について書くつもりだ。私は現在オレゴン州食料とシェルター年次会合の招待講演のためにオレゴンにいる。この会議は地元の農家、林業者、州政府の役人、規制当局、科学者、および農業と天然資源に関係するその他の人々が集まる会議で、民主党員と共和党員が同じ部屋で話し合いをする。そこでの私の発表と、フィードバックや議論の一部も共有したい。

オレゴン州の農家と林業従事者は、科学デマの影響を受けている

デマを拡散しているのはVani Hariのようなインフルエンサーや、RFK Jr.のような訴訟で金儲けをするペテン師、Moms Across America、Environmental Working Groupなどの反科学活動家団体。

・農薬や現代の農業ツールに関する恐怖に基づくメッセージは有害

オレゴン州ではオーガニック食品のほうが優れているという間違った信念が実害を及ぼしている (ブルーベリー農園を例に有機農業による、合成農薬より毒性の高い硫酸銅の使用と収量減についての解説)

・反バイオテクノロジーのレトリックは農家や林業従事者に有害

・グリホサートは他のどんな代用品より農家と地球にとって安全

・RFK Jr.はグリホサートと農業バイオテクノロジーを悪魔化し、利益を得た

・農家や林業従事者は多くが共和党員だが次期政権でRFK Jr.を心配している

・それは農家が望んでいることではない。そして健康を増進したい人々の望みでもない

(RFK Jr.がどうなるかは党派に関わらず注目されている)