[FAO]JECFAの101回会合の重要な結論と要約報告
28/10/2025
FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)は、2025年10月15日から21日までジュネーブで開催された第101回会合の要約報告書を発表した。この会議では無機および有機ヒ素種の安全上のリスクが評価された。
ヒ素は、第72回JECFA会議および以前のセッションで評価され、JECFAによる評価対象汚染物質の優先リストに載っている。
JECFA会議では、食品安全評価における新しいアプローチ方法論(NAM)の役割が増大していることも強調された
第101回JECFA会合の概要と結論は以下。
会議報告書の全文は、WHOテクニカルレポートシリーズNo.1061に掲載される。このセッションで委員会が検討したヒ素種に関する毒性および食事暴露のモノグラフはWHO食品添加物シリーズNo.92として発行される。
JECFA 101 要約報告
Microsoft Word - JECFA 101 summary report_ER#3_revision
Issued on 28 October 2025 Reissued on 30 October 2025
・無機ヒ素 (iAs)
虚血性心疾患のBMDL0.5 0.3μg/kg bw per dayをPODとする
肺がんのBMDL0.1 が1μg/kg bw per dayなので同程度の保護
飲料水の汚染レベルによってリスクの大きさは異なるものの、全ての地域でヒト健康への懸念になると結論されている
(以前はがんのBMDL0.5で3μg/kg bw per dayがPODだったので実質的に一桁引き下げた形)
・ジメチルアルシン酸(DMA^V)
POD は0.74 mg/kg bw per day 雌ラットの膀胱過形成
ヒト健康上の懸念となりそうにない。ただしDMA^IIIについては害が大きい可能性がある
・メチルアルソン酸(MMA^ V)
POD は0.53 mg/kg bw per day 雄マウスの糸球体腎症
ヒト健康上の懸念となりそうにない。ただしMMA^IIIについては害が大きい可能性がある
データが限られるためリスクキャラクタリゼーションできない
[IAEA]核融合エネルギー2025:監視すべき6つのグローバルトレンド
Fusion Energy in 2025: Six Global Trends to Watch
28 October 2025 Emma Midgley
IAEA World Fusion Outlook 2025 | IAEA
[EU]電子ニュース
科学委員会:公衆衛生と環境保護を強化する
Scientific Committees: enhancing public health and environmental protection
31 October 2025
2025年10月30-31日にSCHEERとSCCSが今後の化粧品成分の安全性に関する意見と能刺激装置に関連するリスクについての意見について議論した。これら委員会の意見は欧州委員会への科学的助言の基礎となり、革新的な科学をより良い規制と生活水準に結び付ける。また委員会は新たな環境問題が欧州の循環経済移行にどう影響するかについても検討した。
これらの意見は採択後意見募集のために公開される。
また総会は欧州銭器での化学物質評価方法を簡素化するための「一つの物質に一つの評価」アプローチを進める機会でもあった。これについてはSCCSとSCHEERの化学物質安全性評価に関する作業が2027年にECHAに移管される。
[EFSA]意見等
[HK]CFSは9月の食品安全報告を発表
Press Release - CFS announces food safety report for September
31 Oct 2025
約6600検体を調べ、6件以外は合格。
違反は乾燥ポルチーニと包装済みブラックグルーパー切り身の金属汚染物質基準超過、デザート2件と包装済みエビヌードルの保存料超過、チキンライスのサルモネラ。
[IARC]論文
-IARCモノグラフが評価した一部金属の発がん性:ヒ素、カドミウム、コバルト、アンチモンの評価の概要
Toxicol Appl Pharmacol. 2025 Nov:504:117506.
(天然に豊富に存在する元素類はまさにハザード評価だけでは役に立たない事例なのだが、他の機関が認めていない発がん性の特徴(KC)の合理化に勤しむ)
-喫煙関連健康リスクの知識と懸念:2021国際タバココントロール日本韓国調査の横断解析
Tianze Sun et al., Drug Alcohol Rev. 2025 Nov;44(7):2127-2137.
日本の現在喫煙者2956人、元喫煙者852人、韓国の現在喫煙者3776人、元喫煙者194人を対象にした調査の解析。喫煙リスクで最もよく知られていたのは肺がんで、最も少ないのは日本では不能、韓国では心疾患。現在喫煙者の日本人は韓国人喫煙者に比べて知識と懸念が少ない。この差はタバコ政策の違いを反映する可能性がある
Codex
03/11/2025
[FSANZ]食品基準通知
Notification Circular 366-25 | Food Standards Australia New Zealand
3 November 2025
栄養情報表示レビュー―予備的ポジションペーパーとウェビナー
11月10日にウェビナー、意見募集は11月30日まで
HSR preparatory work and NIP review | Food Standards Australia New Zealand
デザインやレイアウト、一食当たりや所要量あたりの表示方法、添加された糖、単位、など
[FDA]FDAは有毒キバナキョウチクトウが代用されているある種のサプリメントに警告
FDA Issues Warning About Certain Supplements Substituted with Toxic Yellow Oleander | FDA
November 3, 2025
2024年の警告に、対象製品追加
FDA Acts to Protect Children from Unapproved Fluoride Drug Products | FDA
October 31, 2025
子供向け経口フッ素処方薬の販売制限に対応する。
対象とする製品は、3歳以下の子供向けあるいは虫歯リスクの高い子供だけが対象であることを表示していない製品
科学的評価
Fluoride Ingestible Drug Products | FDA Scientific Evaluation | 10.31.2025
(本当にCDERの文書なのか疑うような書きぶり。一応リスクとして認めているのは過剰摂取によるフッ素症のみ。処方はもともと減少傾向で、特に小さい子供用はほんのわずか。)
Use of Orally Ingestible Unapproved Prescription Drug
HHSからも同じ内容の発表あり
FDA Acts to Protect Children from Unapproved Fluoride Drug Products | HHS.gov
October 31, 2025
McGill OSS
-なぜDr. JoeはCup of Joe(コーヒー)が好きなのか
Why Dr. Joe Likes His Cup of Joe | Office for Science and Society - McGill University
Joe Schwarcz PhD | 31 Oct 2025
以下コーヒーの健康影響の話
(個別の成分には「高濃度で有害」なものはたくさん含まれるし有害反応を経験する人もいるもののヒト観察研究では概ね悪影響は無いと結論されるもの。食の研究で常に参照すべき事例ではある)
-二重、二重の苦難とトラブル(シェイクスピアのマクベスの一節、魔女の呪文)
Double, Double Toil and Trouble | Office for Science and Society - McGill University
Joe Schwarcz PhD | 29 Oct 2025
ほうき、黒猫、魔女の先のとがった帽子ほどハロウィーンと密接に関係するものはない、そして魔法と科学の関係を調べるのに最適の時期
人間の本性として、災難が発生したら原因を探そうとする。現在多くの人が健康の悪さの原因として農薬、ワクチン、食品添加物、電磁波を非難している。かつてはそれは魔法だった。自然災害や病気は、悪魔と契約した魔女の呪文のせいだと考えられていた。今も昔も人々は自分が理解できないものを恐れる。そして彼らは魔術を理解していなかった。
魔女は実在した―少なくとも魔女のレッテルを張られた人たちは存在した。彼らは誰だったのだろうか?
15世紀から17世紀にかけて、世界を苦しみから救うという期待から、約20万人の罪のない人々が焼かれ、溺死、拷問されて死亡した。魔女を判定する奇妙なテストも考案された。魔女ハンターは魔女を見つけるとお金がもらえるので痛みを感じない「悪魔の印」を見つけるために刺してもいたくない突き刺す道具を発明した。「魔女の乳首」としていぼやニキビのある女性が火あぶりにされた。手足を縛られて水に投げ込まれたあとで浮き上がってきたら魔女とされた。沈んだら死んでしまうが。
16世紀初頭から18世紀末にかけて、オランダのOudewater市には、魔術の無罪証明書を提供する公式の計量所が実際に存在していた。正当な人間として認定されるために、ヨーロッパ中から男女がやって来た。全員が「正常体重」に判断されたので商売は繁盛した。
黒猫も魔女狩りの熱狂に巻き込まれた。黒猫が変装した魔女だとして殺され、ネズミの個体数を増やしペストを広めた。
シェイクスピアのマクベスの一節では魔女たちが「イモリの目やカエルの足」を煮詰めるが、実際にはおそらくベラドンナやマンドレイクだったのだろう。魔女が空を飛ぶのはこれら植物の幻覚による可能性がある
-オーガニックはクリーンを意味しない:野菜や果物を洗うことのほうがあなたが思うより重要な理由
Eva Kellner B.A.Sc. | 31 Oct 2025
たとえあなたが自宅で農薬を使わずに育てたとしても、農産物は良く洗うこと。
敵は微生物
その他
-SMC UK
不眠患者の長期メラトニンサプリメント使用と心不全の関連についての学会要旨への専門家の反応
November 3, 2025
米国心臓協会学術会議で発表された学会要旨が不眠患者の長期メラトニンサプリメント使用と心不全の頻度を調べた
SMCスペインから
睡眠障害のためのSEPAR 2025-2026コーディネーターで睡眠同盟コーディネーター、スペイン睡眠医学会長Carlos Egea
メラトニンについての理解は最近のレビューとメタ解析に基づき、ポジティブな影響があるというものである。今回のEkenedilichukwu Nnadi et al.の要旨は英国と米国のデータベースの記録をもとにした観察研究で限界がある。米国ではメラトニンは処方が必要ではないため医療記録には残らない。この知見はメラトニンが害のない治療法であるという認識に疑問を提示するが、明確な対照群のある前向き研究の必要性を示す。
-「食は医なり」は必ずしもうまくいかないトリッキーなビジネス
Food as Medicine Is a Tricky Business That Doesn’t Always Work - ConscienHealth
October 26, 2025
スローガンとして素晴らしい。人気になり支持を集めることができるので製品やアイディア、あるいは政策を売るためのツールとしては機能する。しかし精査されたり時間経過に耐えることはできない。
今週JAMA Internal Medicineに良い例が発表された。Nav Persaudらは糖尿病で食料不足の患者を対象に、健康的食品のバウチャー計画を試験した。これは古典的な治療薬としての食の介入である。しかし結果は、自己申告での野菜や果物の摂取量が増えたにも関わらず、糖尿病の管理には効果がなかった。
この結果を一般化することはできない。食品に医薬品のような効果を期待するのは難しいものの、それでも適切な栄養改善計画には大きな価値がある。健康にとって食は重要で、それは薬の代わりである必要はない。
「食は医なり」スローガンは、大きく異なるプログラムの支離滅裂な集まりをひとつにしてしまう。食べ物を広い意味での薬として一般化することは食が健康にとって重要であるという考えを損なうだけである
例にあげられた論文
なおFood Is Medicine (FIM)運動を率いているのはタフツ大学Food Is Medicine Instituteの所長Dariush Mozaffarian。食品添加物や加工食品を敵視する医者。
-RFK Jr.はタイレノールと自閉症の関連の根拠は「十分でない」と認める、31人に1人が診断されている
October 30, 2025
ホワイトハウスが妊婦や幼児にタイレノールの使用を思いとどまらせて一か月以上経った10月29日、RFK Jr.はタイレノールと自閉症の関連に十分な根拠はない、と述べた。このコメントはテキサス州の司法長官がタイレノールのメーカーをホワイトハウスの主張を繰り返して訴えた翌日に発表された
(以下経緯等)
-動物たんぱく質の過剰摂取からオメガ3不足まで:男性の食事はどうして的外れなのか
By Angela Dowden — Nov 03, 2025
平均的なアメリカ人男性に自分の食事の問題を尋ねると、おそらくハンバーガーの食べ過ぎやビールの飲みすぎという回答があるだろう。しかし不足しているものもある
アメリカ人男性は動物たんぱく質を推奨より多く摂取しているが、その性差は早くから明らかで4万人以上のアメリカ人の分析によると5才までに既に男の子のほうが女の子のほうより多く肉を食べている。この差は成人期に拡大し51-65才でピークに達する。このパターンがマグネシウムと食物繊維不足につながる。またたんぱく質の中では魚介類の摂取が少なくオメガ 3 脂肪酸が不足している
(以下略)