野良猫 食情報研究所

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2025-11-07

[FAO]マリンバイオトキシンと有害藻類大発生モニタリングに関するFAO-IOC-IAEA合同専門家会合の要約報告書

Summary report of the Joint FAO-IOC-IAEA Expert Meeting on Marine Biotoxins and

Harmful Algal Bloom Monitoring

6–9 October 2025 – Rome, Italy 

SUMMARY AND CONCLUSIONS  Issued October 2025

https://openknowledge.fao.org/server/api/core/bitstreams/961e52f7-cfd3-43cc-81be-f81a51988a58/content

いくつかのデータと研究のギャップを同定した

  1. 現在の毒性等価係数 (TEFs)は動物での死亡がベースになっていて必ずしもヒトでの作用機序を反映していない
  2. アノトキシンのモニタリングデータが限られている
  3. 規制対象貝毒のシーフードへの蓄積のリスク評価が不十分でリスク管理戦略が欠けている
  4. 規制されていない毒素が世界中で軟体動物検体から検出されている
  5. 多数の毒素のヒト長期・反復暴露の正確なデータがない
  6. 迅速検査キットが限定的

(むしろわかっていることのほうが少ない)

 

[WHO]公告とコメント:WHO超加工食品ガイドライン開発グループ

Public notice and comment: WHO Guideline Development Group for ultra-processed foods

6 November 2025

締め切り2025年11月30日

背景

食事は、個人と集団の両方の健康と幸福に重要な役割を果たす。健康的で安全で持続可能な食事は、糖尿病、心疾患、脳卒中、がんなどの非感染性疾患だけでなく、あらゆる形態の栄養不良から守るのに役立つ。健康のモジュレーターとしての食品の加工レベルが現在大きな関心を集めているトピックである。

食品の加工は、食品を食べられるようにしたり、貯蔵性や安全性を高めたりするために行われることが多い、化学的または機械的な操作で、製粉(穀物、米、トウモロコシの)、塩漬けやキュアリングなどの基本的な加工は何千年もの間人類が実践してきた。しかし、新しい技術の開発に伴って方法と用途は大きく進化し、今日スーパーマーケットの棚に並ぶ多くの食品は、食品マトリックスが大きく変わる変化を遂げ、食品添加物やその他の工業物質を含む可能性がある。このような高度に加工された食品または「超加工」食品の摂取は、無数の健康への悪影響と関連づけられてきた。

現在入手可能なエビデンスを検討し、この重要なトピックについて切望されている根拠に基づいたグローバルガイダンスを提供するために、WHOは、超加工食品の摂取に関するガイドラインを作成するためのガイドライン開発グループ(GDG)に、幅広い関連専門知識と多様な視点を持つ世界中の専門家を集めた。専門家は、公募とWHO地域事務所およびその他の関連ネットワークを通じて特定された。GDGの構成は暫定的なもので、WHOガイドライン審査委員会によって検討および確認される。GDGの一員として選ばれた個人の名前と簡単な自己申告による経歴が、公表とコメント募集のために公開された。

 

暫定メンバー

Guideline Development Group for Ultra-Processed Foods

 

(UPFの定義の問題をスルーして「食品添加物やその他の工業物質を含むfood additives or other industrial substances」ことそのものが悪いと仄めかすこの文章自体が科学からかけ離れている。メンバーもCarlos Monteiro & Mathilde Touvier教授が入っていて、UPFで論文書いている人たちを集めたようなのでろくなものにならないと思う。Kevin Hall博士の肩書が独立コンサルタントになってる)

 

[WHO]イベント

公衆衛生のための食用油脂のビタミンAとD強化に関するWHOガイドライン発表

Launch of WHO guideline on fortification of edible oils and fats with vitamins A and D for public health

17 November 2025 バーチャル会議

栄養食品安全部(NFS)は、公衆衛生目的での食用油脂のビタミンAとD強化に関する新しいガイドラインを発表する。

 

[EFSA]意見等

酵素

Safety evaluation of the food enzyme lysozyme from hens' eggs

Safety evaluation of the food enzyme cellulase from the non‐genetically modified Aspergillus niger strain HBI‐AC01

Safety evaluation of the food enzyme endo‐1,4‐β‐xylanase from the non‐genetically modified Aspergillus luchuensis strain DP‐Azd103

GM

Assessment of genetically modified oilseed rape LBFLFK (application EFSA‐GMO‐DE‐2019‐157)

 

[HK]電子ニュース

E-News

6 Nov 2025

(1)2025年 議会総選挙

2025年12月6日は投票して

(2)2025年食品安全移動展示

https://www.cfs.gov.hk/english/whatsnew/whatsnew_act/whatsnew_act_roving_exhibition_2025.html

(3)CFS、9月の食品安全報告発表

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20251031_11928.html

(4)レストランでの鍋の安全性

https://www.cfs.gov.hk/english/press/20251031_11932.html

 

[DHSC]政府は増加する子供の肥満流行に取り組む

Government acts to tackle rising childhood obesity epidemic - GOV.UK

4 November 2025

政府は、子供の肥満問題の規模を明らかにする新たな数字を受けて、子供たちをより健康で活動的にするというコミットメントを強調する

・衝撃的な新しい小児肥満の数字は、これまでで最も健康な世代の子供を生み出すための予防措置が緊急に必要であることを強調する

・政府は「子供たちの不健康から目をそらすつもりはない」と、学校、遊び場、家庭での小児肥満を逆転させるための予防計画を推進する

・ジャンクフード広告の制限、無料の学校給食の拡大、全員無料朝食クラブなどの一連の対策で、より健康的な食生活と身体活動を推進する

2024-25のイングランドの公立学校での110万人以上の子供たちの身体測定の結果は、大部分が健康体重ではあるものの(4-5才の入学前75.4% 、10-11才の6年62.2%)、入学前の子供たちの10.5%、6年生の22.2%が肥満であることを示す。これは2006-2007年に始まった測定で、パンデミックを除き最も高い肥満率である。

データは以下から

National Child Measurement Programme (NCMP) annual report, academic year 2024 to 2025, England - GOV.UK

(子供の肥満は大人とは定義が少し違うので注意)

 

[NSW食品局]意見募集:オンラインで販売される食品の情報要件についての政策ガイドライン

Feedback sought: Policy guideline on information requirements for food sold online | NSW Food Authority

5 November 2025

2025年12月12日まで

Food Regulation Standing Committee Consultation: Policy guideline on information requirements for prepackaged food sold online - Australian Government Department of Health, Disability and Ageing - Citizen Space

 

論文

-米国の母親間での非公式母乳共有

Informal Human Milk Sharing Among US Mothers | Pediatrics | JAMA Network Open | JAMA Network

JAMA Netw Open Published Online: November 6, 2025

2025;8;(11):e2542036.

オンラインや個人のつてによる母乳の交換について

生後6か月以内に母親以外の母乳を与えたと報告した母親は9.4%

 

-食物アレルギーの率が低下している。RFK Jr.のワクチンのアルミが原因説に都合が悪い

Food Allergy Rates Are Falling. That’s a Problem for RFK Jr.’s Aluminum Vaccine Theory. – Mother Jones

Kiera Butler  October 29, 2025

医師が赤ちゃんをピーナッツから遠ざけるように言ったときのことを覚えている?

New York Timesが珍しく明るい公衆衛生ニュースを報道した。政府がピーナッツのようなアレルゲンへの早期暴露に関する助言を変更してから、命に係わる食物アレルギーの子供が急速に減っている。政府は長い間、アレルギーを予防しようとして赤ちゃんにアレルゲンを与えないよう両親に間違った助言をしてきた。

しかし2017年に大規模臨床試験の結果を受けて助言を変えた。それ以降食物アレルギーの子供が2015年の1.5%から2020年の0.9%に相当減ったとPediatricsに発表された新しい研究が発見した。

この結果はRFK Jr.にとっては困惑するものだろう。彼は子供のワクチンに含まれる微量のアルミニウムが食物アレルギーの原因だと主張してきた

(以下解説)

 

その論文

Guidelines for Early Food Introduction and Patterns of Food Allergy | Pediatrics | American Academy of Pediatrics

Pediatrics (2025) 156 (5): e2024070516

 

関連する論文とコメント

Pediatric Clinician Adherence to Peanut Allergy Prevention Guidelines: A Randomized Trial | Pediatrics | American Academy of Pediatrics

Encouraging Trends in Peanut Allergy Prevention: Real-World Impact of Prevention Guidelines | Pediatrics | American Academy of Pediatrics

(今まで避けるように助言してきたのを積極的に与えることには抵抗があるので変更は十分いきわたっていない。その中での成果なのでまだ改善が期待できる。こういう成果はどんどん報道して抵抗感をなくすのがいい)

 

何故ピーナッツバターが子供のメニューに復活したのか

New data: Early peanut feeding is cutting kids’ food allergies | Vox

by Bryan Walsh Nov 3, 2025,

医師たちは如何にして子供の食物アレルギーを止める方法を学んだのか

(有料記事)

 

その他

-アメリカの肥満率が低下している

Obesity Rate Declining in U.S.

October 28, 2025

減量目的でのGLP-1注射の使用が2024年初めから2倍以上になった

Gallup 全国健康福祉インデックスによると、2022年には米国成人の肥満が39.9%だったのが2025年には37.0%と統計的に意味のある減少を示した。

GLP-1注射の使用は2024年2月に5.8%だったのが12.4%に増加。

薬を使っている人の肥満減少率が高い

 

-私が機能性医学を去ったわけ

Why I turned my back on functional medicine....

Amy Hollenkamp, MS, RD Nov 05, 2025

https://substack.com/home/post/p-177468989

私は過敏性腸症候群IBS)と診断された1か月後に機能性医学の話を聞いた。普通の消化管専門医にみてもらうために3か月待たなければならず、説明が不足していて薬の副作用も気になったために普通の医療に失望して代替手段を探した。

私はビジネスアナリストで、直感的な答えが欲しく、私の好奇心と不安は「病気の根本原因を治療し、パーソナライズされた患者体験を通じて健康な機能を回復します」という機能性医学の宣伝にぴったりはまった。しかし実際に提供された助言は私の病状を悪化させ、栄養失調になり、たくさんのお金を使うことだった。

機能性医学は以下のように主張する

・砂糖はコカインと同じくらい中毒性があるので絶対に食べない

・農薬は有害で病気になるのでオーガニックだけを買って

・腸を癒すにはグルテンフリー、乳製品フリーで

・シードオイルは有毒なので完全に避ける

多くの場合、この助言で状況は悪化する。食事のことを考えるのに多くの時間とお金をついやし、精神的に負担が増える

機能性医学は言葉は素晴らしいが実際は全く素晴らしくない

 

-Believer MeatsがUSDAの認可を得て培養チキン生産へ

Believer Meats wins USDA approval, clearing way for cultivated chicken production

James R. Hood, Nov 6, 2025

イスラエルの企業が卵の細胞から肉を育てる

・USDAが大規模培養肉工場に初めての査察認可を発行した

・Believer Meatsは米国で培養肉を売れる5つ目のスタートアップで、米国以外の会社としては初

ノースカロライナの施設では毎年12000トンの培養チキンを生産する予定

 

-フードノイズの科学と政治

The Science and Politics of Food Noise | American Council on Science and Health

By Chuck Dinerstein, MD, MBA — Nov 05, 2025

何を食べるか、どこで入手するかを決め、その選択が健康や文化的にどうかを考えるのは日常生活の一部である。しかし、食べ物についての考えが絶え間なく、押し付けがましく、疲れるようになると、それらは背景のハム音から精神的な負荷に変わる―それを一部の人たちがフードノイズと呼ぶ。

フードノイズとは、個人が望ましくないおよび/または不快であると認識する、社会的精神的または身体的に個人に害を及ぼす可能性のある、食べ物についての持続的な考えを指す。

(以下「フードノイズ」周辺の解説。商業的に推進する人たちもいて使い捨てられる流行語で終わるのかどうか)

 

-公衆衛生長官事務所の機能不全医学

Dis-Functional Medicine in the Surgeon General's office

Steven Salzberg Nov 03, 2025

そもそも機能性医学とは?

次の公衆衛生長官は自称「機能性医学」医師Casey Means氏になるようだ。彼女はスタンフォード大学医学部を卒業したにもかかわらず、医療行為をする免許を持っていないため、「医師」もカッコつきにすべきかも。

「機能性医学」は多くの人が知らないので、彼女が水を濁す前に明確にしておこう。「機能性医学」は全く医学ではない。

機能性医学の前身は、「ホリスティック医学」という用語が普及した少なくとも 1980 年代初頭にまで遡る。これは健康とウェルネスのために人全体を治療すると宣伝された。しかし「ホリスティック」が、ハーブティー、ビタミン、瞑想、その他の非医療的介入に多額の費用を請求できるさまざまなヒーラーの使う単なるマーケティング用語であることが知れ渡ったために人気を失った。その代わりに代替医療が使われた。約10年の流行期を経て代替医療の人気が衰えると今度は補完医療になった。これはかなりうまくいった。しかし効果のないゴミであることは事実なので新しい名前が必要になり統合医療が使われるようになった。そして最新版の「機能性医学」である。

医療には一種類しかない。その治療に効果があればそれは医療である。代替的、統合的、全体的、補完的、または機能的とは呼ばない

 

-マグネシウム:この「魔法のミネラル」が本当に睡眠に役立つのか?

Magnesium: Can this "miracle mineral" really help us sleep?

25 October 2025 Ruth Clegg

流行の流行り廃りの早いサプリメントの世界で、現在流行しているのがマグネシウムである。何百万人もの人たちがあらゆる理由でマグネシウムサプリメントを摂っている。

賢いマーケティングは、人々が投資したいと思っている分野、睡眠、消化、メンタルヘルスを狙った。しかしサプリメントが必要かどうかはわからない。

マグネシウムサプリメントが効果を発揮するためにはまずマグネシウムが不足していることが必要だ。しかし骨や組織に膨大な量が貯蔵されているためそれは簡単には検査できない。

(長い記事)

 

-伝統医療とその科学、健康の公平、持続可能性への寄与

Traditional medicine and its contributions to science, health equity and sustainability

06 November 2025  Edzard Ernst

WHO紀要が「伝統医療」特集号を発表した。私が注目に値すると思ったのはそのエディトリアルである。以下抜粋。

(略)

これにはコメントが必要である。

「根拠に基づく伝統的、補完的、統合的医療の貢献を促進する」というWHOの目標は一見賞賛に値するようだが、「エビデンスに基づく」なら、それは定義上、EBMエビデンスに基づく医療)である。したがって、WHOの世界伝統医療戦略2025-2034の前提全体が意味をなさない。

「伝統医療は世界中の何十億もの人々にとって主要な、または好ましいケアである」という事実は、必ずしも「臨床的効果がある」ことを意味しない。おそらく、何十億もの人々が効果的な治療法を買う余裕がないため、暗黒時代の時代遅れの医学に頼らざるを得ないことを意味する。これは決してチャンスではなく、この非人道的な状況を改善することが我々の課題である。

片頭痛には鍼治療が推奨されている」という事実は、証拠によって裏付けられていないことを考えればスキャンダルに相当する。

「世界の健康研究資金の1%が伝統医療に充てられている」という事実は、一見すると不公平に見えるかもしれない。しかし、世界の健康研究資金は年間2,000億米ドルなので、1%は20億ドルに相当し、このお金で十分な調査を行うことができると私は提案する。この分野はお粗末な疑似研究に資金を浪費する傾向がある。なぜWHOはそのことを指摘せず、「伝統医療」の名のもとに行われている疑似科学を阻止するための措置を講じないのか?彼らは、「バランスを取り戻すことが科学的で、権利に基づいて、持続可能であるために不可欠である」という攻撃的なイデオロギー的決まり文句が期待に応えるものだと本当に考えているのか?

WHOへの私の勧告は、重要かつシンプルである:「伝統医療」(他のテーマでも)に関する有意義な記事、文書、または戦略を作成したいなら、偏った支持者にそのタスクを依頼するのではなく、十分な情報を持つ批判的思考者を複数入れること。