野良猫 食情報研究所

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2025-03-26

[BfR]良い細菌悪い細菌:微生物は我々の食品中で何ができるか

Good and bad bacteria: What microorganisms can do in our food - BfR

5.03.2025

4月1日から3日にベルリンで第19回食品微生物学会が開催される

 

[BfR]カフェインには健康リスクがある

Caffeine kick with health risks - BfR

25.03.2025

BfRサイエンスポッドキャスト「Risk」の新しいエピソード

ポッドキャストはドイツ語のみ)

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular - 334-25 | Food Standards Australia New Zealand

26 March 2025

新規申請と提案

・遺伝子組換えTrichoderma reesei系統由来新規アミノペプチダーゼ酵素の認可

認可―食品閣僚会議通知

・昆虫耐性トウモロコシ系統MZIR260由来食品

 

[FSA]研究と根拠

FSA Research and Evidence

 (一部)

Chemical Contaminants in Wild Caught Fish and Crustaceans – Northern Ireland.
天然魚と甲殻類の化学汚染物質―北アイルランド

Contaminants Monitoring Programme for Wild Caught Fish, Crustaceans and Cephalopods
天然魚と甲殻類と頭足類の汚染物質モニタリング

Developing a New Testing Methodology for Honey Authentication
ハチミツの真正性のための新しい検査法開発

Peanut Contamination of Mustard Ingredients: Awareness and Actions Taken by Those With a Peanut Allergy

マスタード成分のピーナッツ混入:ピーナッツアレルギーの人の周知度ととられた対策
Review of Methods for the Detection of Allergens in Novel Food Alternative Proteins
新規代用たんぱく質のアレルゲン検出法レビュー

Food and You 2: Wave 9
Food and You 2: Wave 9からの研究

Making Food Better Tracker Survey 2024
北アイルランドの「食品をより良くする」計画のための追跡調査

Consumer Insights Tracker (October 2024 – December 2024)

消費者意識調査.

Consumer Attitudes Towards Potential Divergence of Food Safety Regulations Within the UK
英国内での食品安全規制の相違の可能性についての消費者の態度

Consumer Views of Potential Regulatory Divergence in the Meat Sector

肉部門の規制のの相違の可能性についての消費者の見解

A Rapid Evidence Review on Consumer Responses to Cell-Cultivated Products

細胞培養製品への消費者対応についての迅速根拠レビュー

 

その他

-オーストラリア食品安全情報評議会

秋が始まり、恐ろしいタマゴテングタケに警告

foodsafety.asn.au Deadly deathcap mushroom warning issued as Autumn kicks in (17 March 2025) - foodsafety.asn.au

野生のキノコを採って食べることについて再び警告する。

昨年5月に98才のビクトリアの女性が自分の庭に生えていたタマゴテングタケを食べて死亡した。2022年の4月には小さい子供がタマゴテングタケを食べて入院している

2024年5月の事例は、アマトキシン中毒による多臓器不全であった。

Del Rossiは息子と同居していて家庭菜園のほかにタンポポやアザミのような野草も定期的に採集していた。4月にキノコが生えているのをみつけて試しに食べたところ特に悪影響はなかった。5月にさらにキノコが同じところに生えたので再び食べた。その夜彼女と息子は病気になって病院に行った。息子は回復したが彼女の状態は悪化して7日後に死亡した。

 

-Nature

減量のための断食が大流行:健康上の利益は?

Fasting for weight loss is all the rage: what are the health benefits?

25 March 2025 By Nic Fleming

間欠断食が認知機能を向上させ、がんを予防し、老化を遅らせるかもしれないと支持者が広がっている

ダイエットには流行り廃りがある。1970年にデンマークの心理学者が始めたセクシーパイナップルダイエットは普及しなかった。ケロッグは1日2回自社製品のシリアルを食事にするというスペシャルKダイエットをもはや推奨していない。より最近では血液型別ダイエット、酸性食品を避ける、ジャガイモダイエットなどが流行しては消えていった。

しかし間欠断食は10年以上前から人気を維持していてここ最近さらに人気が高まっている。

以下解説。概ねカロリー制限の影響と考えられている

 

-Natureコメント

微生物は炭素を捕獲しプラスチックを分解できる―なぜもっと使わない?

Microbes can capture carbon and degrade plastic — why aren’t we using them more?

25 March 2025 By Rino Rappuoli et al.,

(バイオセーフティのほうが化学物質管理より難しいと思うけれど。)

 

-消費者は選択的科学に注意

Consumer Beware of Selective Science | American Council on Science and Health

By Susan Goldhaber MPH — Mar 25, 2025

恐怖は売れる。水道水に毒が入っていると警告するような劇的な記事はクリックされやすい。それは恣意的に選択した科学に基づき、特定の製品を売り込む。しかしBritaを買う前に、その情報をチェックすることには意味がある

Delishに掲載されたライフスタイル記事は「科学者が水道水とがんの恐ろしい関連を発見した。水道水を飲む前にこの記事を読んで」という。そしてその問題を解決するために、水道水を沸騰させるか水ろ過装置を使えと言う。この記事は長年の科学が既に解決した問題、トリハロメタンについて疑義を提示する。

以下記事の引用した科学についての解説。

圧倒的に多くの信頼できる論文が問題ないことを報告していてもそれは無視して、ごく少数の問題があるという論文だけを読者に提示して恐怖を煽る手法。

 

-次世代NOVA分類を作るNovo Nordiskプロジェクトに関してのSusanne Bügel教授へのオープンレター

Open-Letter-to-Prof.-Susanne-Bugel-Regarding-the-Novo-Nordisk-Project-to-Create-a-New-Generation-of-the-Nova-Classification.pdf

São Paulo, 26 February 2025

NOVA分類の提唱者であるCarlos A. Monteiro名誉教授からの、BMJが調整してNovo Nordisk財団が資金提供したプロジェクトの計画している2025年6月16-17日の新世代NOVA分類を作ろうというワークショップへの抗議文書

(NOVAの欠点を指摘するような研究者は許さないという意思を感じる。ワークショップへの参加も拒否。NOVAは自分のものなのでNOVA 2.0のような使い方は認めない。さらに超加工食品という用語もNOVAと関連しているので使うな、とのこと。)

 

-SMC UK

チューインガム中に検出されたマイクロプラスチックの数を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at the number of microplastics found in chewing gum | Science Media Centre

March 25, 2025

米国化学会春季大会で発表されたプレプリントがチューインガム中のマイクロプラスチックを調べた。

Heriot-Watt大学Ted Henry教授

この報告は天然と合成のチューインガムに平均gあたり約100のマイクロプラスチックが含まれていて、それらの平均サイズは45-80マイクロメートルだという。この量は< 30マイクログラムのマイクロプラスチックの重さで、毎日ヒトが飲み込んでいるだろう他のボトル入り飲料水や食品などより幾分多い。

屋内での呼吸のほうがより多くのマイクロプラスチック暴露源である。

ヒトが暴露されているマイクロプラスチック粒子は、ヒトが毎日ばく露されている同じように小さな天然の粒子の総量のごく一部であることを認識するのが重要である。そして人体はそれらの粒子が蓄積して悪影響を及ぼさないようにすることが上手である。

この研究で使われた方法に関しては、どのくらいコントロールされていたかは不明である。マイクロプラスチックは実験室を含む至る所にあるので偽陽性やミスを減らすために相当なコントロールが必要である。このような研究全てに、独立した妥当性評価が必要である。

RMIT大学化学教授Oliver Jones教授

これは興味深いプレプリントだがピアレビューはまだで、追加の情報も入手できない。

チューインガムがマイクロプラスチックの摂取源になる可能性は新しいものではないが、これは初めて定量を試みた研究である。

興味深い知見は、合成と天然のガムの両方から極めて類似したマイクロプラスチックが検出されていることで、それはあるはずのない天然ガムに本当にマイクロプラスチックが含まれるか、ガムと関係ない共通のマイクロプラスチック源があるか、あるいは測定の間違いか、になる。

問題の可能性の一つはNile Redという色素を使っていることで、これはよく使われるもののこの色素が染めるのは広範な天然及び合成粒子で、さらに一部の生体分子は蛍光を発するため、染色されたプラスチックと見間違える。プレプリントからはこうした要因をどうコントロールしたのかは不明である。仮に数値が正しいとしても、ガム1g当たりの量は極めて少なく、我々の腸を問題なく通り過ぎるだろう。

簡単に言うと、マイクロプラスチックは注視対象ではあるが、チューインガムを止める必要があるとは思わない―でも咬み終わったらゴミ箱に捨てること。

 

-ウエスバージニア知事は食用色素禁止法に署名

West Virginia governor signs food dye ban into law | Food Safety News

March 26, 2025

3月24日にPatrick Morrisey知事がHouse Bill 2354に署名し、特定の合成色素と保存料を禁止した。この法案はRobert F. Kennedy Jr.によるMAHAムーブメントに触発されたもので、8月1日から学校給食で7つの色素を禁止し、2028年1月1日に州内で販売されている他の全ての食品と医薬品に拡大する。

禁止するのは赤色3号、赤色40号、黄色5号、黄色6号、青色1号、青色2号、緑色3号、そして保存料のBHA。立法者はこれらの健康リスクの根拠が多数あり、成人の41%が肥満で全米一の糖尿病有病率の駆動原因となっているという。これらを取り除くことで子供たちを守れるという。

企業は反対しているが賛同者は代用の天然物があるという。