[EU]動画の記録 ウェビナー「健康を一目で:ヨーロッパ2024」
Video recording - Webinar “Health at a Glance: Europe 2024” (18 November 2024) - European Commission
21 November 2024
健康長寿の推進と労働力不足への対応の二つの優先項目に注目した「EUの健康状態」2024年版の紹介ウェビナーの記録
「EUの健康状態」報告については以下
Overview - European Commission
[EFSA]評価
飼料添加物
Plant Health Newsletter on Horizon Scanning–November 2024
[EPA]Biden-Harris政権はプラスチック汚染予防のための国の戦略を発表
Biden-Harris Administration Announces National Strategy to Prevent Plastic Pollution | US EPA
November 21, 2024
National Strategy to Prevent Plastic Pollution | US EPA
[EPA]EPAは地域への累積影響検討を進歩させる新しい枠組み案を発表
November 21, 2024
化学物質や非化学物質ストレッサーへの暴露とその健康やQOLへの結果の総合的累積影響を考えるための基本原則とツール
Interim Framework for Advancing Consideration of Cumulative Impacts | US EPA
[ProMED]食中毒 ベトナム(第32報):(DAK LAK)ヒキガエルの肉、致死
Foodborne illness - Viet Nam (32): (DC) toad meat, fatal
2024-11-21
https://promedmail.org/promed-post/?id=8720154
Date: Wed 20 Nov 2024 Source: Tuöi Tre [in Vietnamese, machine trans., edited]
2024年11月20日、Krong Pak地方 (Dak Lak)人民委員会リーダーがこの地域で二人の子供がヒキガエルの肉を食べてそのうち11才の子が死亡した悲劇がおこったと述べた。
11月19日の午後、両親が留守の間に11才の兄が5才の妹とヒキガエルを殺して食べて呼吸困難になった。救急室に運ばれたが兄は死亡した。
8月にもLam Dong県で焼いたヒキガエルの肉を食べて死亡した事故が起こっている
ヒキガエルには多くの毒が含まれる
Methanol poisoning - Laos: fatal
2024-11-21
https://promedmail.org/promed-post/?id=8720150
Date: Wed 20 Nov 2024 Source: Bangkok Post [edited]
オーストラリア人の若い女性2人が、ラオスのVang Viengのツーリストの町で汚染アルコールを飲んでタイの病院で重体。
彼らはVang Viengのバックパッカーホステルに滞在中で、ホステルのオーナーによると近くのバーに飲みに行っていた。
地元報道によると汚染アルコールで20代のデンマーク人女性2人が死亡し少なくとも10人が病気になっている。
[FDA]プレスリリース
-FDAはFSMA食品計画分析機関認証下でのカビ毒検査能力充足を発表
November 21, 2024
FDAはある種の輸入食品のオーナーや荷主に対して、2024年12月1日からはカビ毒検査を行う際にはLAAFによる認証検査機関を使うことが求められることについて再確認。詳細は以下
Laboratory Accreditation for Analyses of Foods (LAAF) Program & Final Rule | FDA
FDA Dashboards - Laboratory Accreditation for Analyses of Foods Program
-FDAは小売店と食品提供施設のアレルゲン表示ウェビナーを開催する
November 19, 2024
2024年12月18日に食品表示の概要とアレルゲン表示についてのウェビナーを開催
[WHO]出版物
-健康的加齢の10年を超えて:ベネフィットを生涯に拡大する。2022年6月9-10日のバーチャル会合報告書
20 November 2024
-ヒトゲノムデータの収集、アクセス、使用、共有のためのガイダンス
Guidance for human genome data collection, access, use and sharing
20 November 2024
Science Volume 386|Issue 6724|22 Nov 2024
-ニュースを一目で
News at a glance
・ロシアから科学者が減っている
・米国の次期政府機関リーダーについて
・Scientific Americanの編集長Laura Helmuthが大統領選挙でDonald Trumpが勝利したことに対してソーシャルメディアで罵りの言葉を書きTrump支持者を「ファシスト」と呼んで批判され、謝罪と投稿の削除後辞任。彼女はScientific Americanの政治化で一部から批判されていた。
-オープンアクセス雑誌elifeは議論の多い出版モデルのためインパクトファクターを失う
Open-access journal elife will lose its ‘impact factor’ over controversial publishing model
Jeffrey Brainard
Web of Science データベースを運営しているClarivateが発表。2023年1月に採択したelifeの出版モデル―パブリックピアレビューを行うが受理や却下などの最終決定をしない―がピアレビューの基準を満たさないと結論。
この雑誌は論文の著者に2500ドルの支払いを求め、それが収入源。eLifeはコメントできないとしているが先月Web of Scienceにインデックスされなくなったときに投稿が減る可能性を述べていた
(善意を前提にしたシステムはハッキングに弱い)
-特集 ブルーの色合い
Shades of blue
By Ignacio Amigo 840-845
長寿者の天国とされるブルーゾーンが世界的ブランドになっている。しかしその根拠は信頼できない科学であると懐疑者は考える
長寿の秘訣を持っているとされるブルーゾーンは書籍やダイエット法、Netflixの動画シリーズ、巨万の富を得る企業などの稼ぎのネタになっている。しかしみんなが信じているわけではない。
ブルーゾーンの成り立ちとその根拠、ビジネス、そしてブルーゾーンの嘘を暴いた科学者のイグノーベル賞受賞など
特許を巡ってブルーゾーンの提唱者は袂を分かち、今や二つの「公式」ブルーゾーンがある
(日本政府が沖縄の宣伝のためにこのビジネスに加担した様子。現在沖縄が特別長寿ではないことは日本人は知ってるはずなので、いまだにブルーゾーンを宣伝している人は学者ではなくビジネス。)
-政治的提唱者としての科学者
Scientists as political advocates
BY Agustín Fuentes
科学と政治については古くから議論がある。科学は政治的中立性を示すべき、実際には巻き込まれているので不可能、といった議論が長く続いてきた。しかし反科学的政治組織やイデオロギーの数と悪影響が急増するに従って「科学が政治的であるべきか否か」の問題が無意味になりつつある。現在の政治の現状と科学への攻撃の拡大を考えると、科学者は科学を支持することをより効果的に力強く声高に主張しなければならない時代になっている。
しかし科学界の多くはこの種の科学擁護活動に躊躇してきたため、積極的に発言する化学者に制度的財政的支援をしてこなかった。次期政権で増大するだろう反科学の攻撃に対して「傍観者であり続ける」ことは有害である。
(政治的、というのは特定の政党を支持するということではなくて、疑似科学にはノーということも含めて正当な科学が大事なのだということを広めることを指す。ちなみにScientific Americanの編集長の場合は特定党派への肩入れであって全く科学推進ではなかった)
-クロラミンのジレンマ
The chloramine dilemma
Daniel L. McCurry pp. 851-852
何十年にもわたる飲料水殺菌の謎はおそらく有毒な驚きで終わる
公共飲料水の化学殺菌は20世紀最大の公衆衛生の成果の一つである。先進国では深刻な水由来疾患による死亡は稀になった。米国では無機のクロラミン(主にNH2Clと NHCl2)殺菌が広く使われている。これらは塩素より殺菌力は弱いがハロゲン化消毒副生成物の濃度が低い。しかしクロラミンは塩素と違って水の消毒系の中で分解していき、そのうちの一つが長い間同定されていなかった。それが今週のScienceでFaireyらによってクロロニトラミドアニオンであると報告され、驚くことに安定でおそらく有毒。
世界中で最もよく使われている水の消毒剤は安価で有効な塩素である。1974年に飲料水中に塩素化消毒副生成物が発見されたことからEPAが規制を行い代わりの消毒剤が求められた。その結果クロラミンの使用が増えた。しかし欧州などでは米国と異なるアプローチがとられた。
クロラミン殺菌の採用後、クロラミンの化学が進歩した。その結果クロラミン処理した水のクロラミン種の濃度予測速度論モデル開発につながったが、クロラミン分解後の窒素の質量バランスが不完全なままだった。約5-10%の窒素の説明ができず、「未同定産物」として何十年にもわたって構造決定が試みられてきた。このパズルをFaireyらが解いた。
(略)
この知見は公共水のクロラミン処理についての再評価の引き金をひくかもしれない。塩素をクロラミンに変えたことで意図せぬ帰結につながったことは他にもある。クロラミン処理は鉛の溶出につながり、ニトロソアミンのような窒素含有消毒副生成物を生じ、特有の臭いの原因となる。塩素より揮発性が高く消毒能力が減ることでレジオネラのような病原体の増殖を許す。
クロロニトラミドアニオンが有毒かどうかに関わらず、その発見は水研究やエンジニアに振り返りの機会となろう
Chloronitramide anion is a decomposition product of inorganic chloramines
Julian L. Fairey et al., pp. 882-887
(アメリカ以外で消毒副生成物が心配だからとクロラミンにしてるところってあるのだろうか?)
その他
The ‘Bavarian Homeopathy Study’ has been Aborted
Thursday 21 November 2024
2019年に投稿した記事で説明したように、バイエルン州政府は大規模ホメオパシー研究にゴーサインを出していた。
この研究はホメオパシーによってヒトや動物の抗生物質使用が減るかどうかを明らかにすることを目的とした。議員が賛成したために投票で決められたが、このプロジェクトについては物議を醸した。
このプロジェクトが意味のある結果を出せなかったことについてThe FRANKFURTER ALLGEMEINE(新聞)が詳細に報道した。
ミュンヘン工科大学で二重盲検プラセボ対照RCTによって尿路感染症を繰り返す女性120人がプラセボまたはホメオパシーを投与されることになっていた。エンドポイントは感染の発生頻度と抗生物質の必要性だった。その結果はずっと前に出るはずだった。しかし主任研究者の腎臓専門医Lutz Rendersは妥当な期間内に必要な被験者を集められず、研究は中止されたと発表した。ミュンヘン工科大学の倫理委員会はこの研究の承認は「非常に困難」だったと述べている。何もしないものと何もしないものを比べることはできないことについて激しく議論した。委員はホメオパシーには効果がないことを全員が合意している。偽陽性の結果が出るリスクを可能な限り低くすることを決定した。
ホメオパシーについて試験が必要だという考えは時折ドイツ政府を悩ませる。その最後のイニシアチブは第三帝国時代に終わっている。いつになったら政治家たちはホメオパシーについての議論が完全に終わっていてこれ以上お金を無駄にする必要はないことを理解するのだろうか?
(コメントによると80万ユーロ使ったらしい)
-SMC UK
ラオスでのメタノール中毒による死亡をうけて、メタノールのヒト健康影響についての専門家の反応
November 21, 2024
ラオスでメタノール中毒により数人が死亡した件で科学者がメタノールの健康影響についてコメント
Queen Mary University of London (QMUL)病理学名誉教授Sir Colin Berry教授
メタノールは一世紀以上前からヒトの視覚神経毒素であることが知られていて急性メタノール中毒の臨床症状はよく記録されている。メタノールを含む製品にはフロントガラスウォッシャー液、ガスライン不凍液、キャブレタークリーナー、複写機液、香水、食品用燃料その他燃料類がある。
メタノールは摂取後ホルムアルデヒド、ギ酸へと代謝されそれらすべてが毒性がある。
急性影響への感受性は個人差があり、わずか4mLでの失明も報告されている
Newcastle大学上級講師Christopher Morris博士
Leeds大学環境毒性学教授(名誉)Alastair Hay教授
RMIT大学化学教授Oliver Jones教授
(略。欧州からの旅行客だったので注目されているようだ。身近にある明確な有害物質について、何度も情報提供する必要があるのかもしれない)