[ProMED]食中毒-ベトナム(第20報):(LAM DONG)ヒキガエル肉、致死
Foodborne illness - Viet Nam (20): (LD) toad meat, fatal
2024-08-23 08
https://promedmail.org/promed-post/?id=8718318
Date: Wed 21 Aug 2024 Source: VN Express [in Vietnamese, machine trans., edited]
Bao Lam地方で焼いたヒキガエルを食べて42才の男性死亡、その5才の息子入院。
2024年8月20日に、タケノコとりに森に入ってカエルを捕まえて焼いて米と一緒に食べた。数時間後に死亡、子供が気を失っているのを地元の人が見つけて病院に運ばれた。
医師は子供の心臓がカエル肉中毒によって心拍異常だという。徐々に回復。村によると犠牲者の家族は貧しく土地をもたず、学校に行っている子供が5人いる。
ヒキガエルには毒がある
[IAEA]食品偽装とは何で核科学はどうやってそれを検出できる?
What Is Food Fraud, and How Can Nuclear Science Detect It? | IAEA
19 Aug 2024 Mariia Platonova
世界中で偽装食品の販売は儲かる違法行為で、世界的な規模は年に400億ドルとも推定されている。消費者にとっては購入する食品の安全性と品質が保証されていることが重要である。ある種のブランドの商品は質の高さで有名でプレミアム価格がつき、それが偽装の標的になる。対策は困難であるが途上国では偽装を検出する技術がないことが問題を悪化させる。
安定同位体比は偽装検出方法の一つである
IAEAは技術支援している
図や動画など。first published on 7 June 2023.
[EFSA]評価等
・PFASの免疫毒性を探るためにNAMSを使うEFSAのプロジェクト
EFSA Project on the use of NAMs to explore the immunotoxicity of PFAS
23 August 2024
疫学研究で観察されたPFASのワクチン接種後の抗体産生現象の作用メカニズムを探るプロジェクト
ヒト培養細胞と計算モデル
(培養細胞にµg/mLレベルの濃度で加えて遺伝子発現がどうこうという実験で証明された!みたいに言われても。既に禁止されているPFOAやPFASが予防接種したあとの感染を増やすと計算で予想されてもそれを現実に確認する機会はないし。)
論文
-マスクするかしないか:いまだそれが問題だ
To mask or not to mask: That is still the que | EurekAlert!
23-Aug-2024
BMJのエディトリアル。公共の場所でのサージカルマスクの使用について議論。
・マスクについての混合した根拠が公衆衛生専門家がマスクのガイドラインを作るのを困難にしている
・マスクのメリットとマスク義務化に意味がある場合
・誰がいつマスクをすべきか
・将来、より危険な変異が出てきたりパンデミックがおこったらどうなるか
・最近ニューヨークのNassau郡で署名されたようなマスク禁止の医療への影響
マスクの作用は複雑で、根拠はミックスしていて微妙なためリーダーシップはいまだに困難である
関連
成人の自己申告呼吸器症状に対する公共の場所でのサージカルフェイスマスクの使用の個人保護作用:実用的無作為化優越性試験
BMJ 2024;386:e078918
フェイスマスクを巡る極端に分かれた議論が建設的話し合いを阻害している
The polarised discourse around face masks is hindering constructive debate | The BMJ
BMJ 2024;386:q1661
私たちは公衆衛生と社会介入の研究の知見について、オープンで微妙な議論を必要とする
ソーシャルメディアでの専門家の分断、お互いが自分たちが正しいと思っていてきつい言葉を使い時に個人攻撃になる状況を憂う
マスクについては「マスクはおそらく役に立つだろうが、covid-19の感染拡大を減らすのにどれだけ重要かはわからない」が主流だろう
-LANCETセミナー
急性肝不全
Acute liver failure
Seminar| Volume 404, ISSUE 10454, P789-802, August 24, 2024
急性肝不全は肝臓の既往症がないのに肝機能の急速な悪化、血液凝固障害、肝性脳症が特徴の、命に係わる疾患である。原因は世界中で多様で、成人でのよくある原因は薬物、ウイルス、ハーブ及びダイエタリーサプリメント、自己免疫性肝炎などを含む。
(以下略。ダイエタリーサプリメントはよくある原因であることに注目)
心気症、医学の祝宴におけるゴースト
Hypochondria, the ghost at medicine's feast
THE LANCET Volume 404, ISSUE 10454, P739, August 24, 2024
Catherine Belling
Caroline Crampton著「ガラスの人体:心気症の歴史A Body Made of Glass: A History of Hypochondria」の書評
著者は若い時にホジキンリンパ腫と診断されて治療できたもののフォローアップが続き、あらゆる症状を死の恐怖と捉えてしまう中で自身の心気症の悪化を経験している。心気症は既に正式な診断名ではないが医学の歴史上はリアルな病気だった。そして心気症の人は実際に死亡率が高い。
(過剰診断の害の話とも関連。医学は不安の影響をまだうまく扱えない)
Mcgill OSS
-オゾン療法の主張は識別検査に合格しない
Joe Schwarcz PhD | 23 Aug 2024
水の処理や医療機器の殺菌用のオゾンの有用性はよく知られているが、病気の治療法としては異論が多い
1800年代から始まるオゾンの歴史
動画
Ozone fact and fiction | The Right Chemistry (youtube.com)
(スカンクが家の地下室に入り込んで臭くなったときに消臭できるらしい。)
-果物のワックスについての詩的ワックスがけ
Waxing Lyrical About Fruit Wax | Office for Science and Society - McGill University
Joe Schwarcz PhD | 21 Aug 2024
私たちは車と床にワックスをかける。果物と野菜は?
ほとんどの野菜や果物は天然のワックスに薄く覆われている。これによって水分の損失を防ぎ菌類の定着を阻害する。木からもぎ採ったばかりのリンゴに天然のワックスを確認できる。汚れや微生物、残留農薬を除去するためにリンゴを洗うと保護ワックスが失われ、それに対処するために各種ワックスが開発された。蜜蝋、カルナバ蝋、シェラック、酸化ポリエチレンなどである。もしあなたが「ワックス恐怖症」なら果物の皮をむけばいい。ワックスが怖くて果物の皮をむく人もいれば皮には栄養素があるといって皮をむくなと助言する人もいる。実際には残留農薬より微生物を除去するために皮をむくのが現実的に意味がある可能性がある。
一部の人はワックスに含まれるモルホリンが、発がん物質であるニトロソモルホリンに変換される可能性があるから危険だと主張する。モルホリンはワックスを均一にいきわたらせるために使われる乳化剤で、典型的にはワックス溶液の3-4重量%使われる。モルホリンは揮発性なので一部は蒸発し、果実に残る量は百万分の1gレベルである。ワックスは難消化性なので体内に吸収される量はさらに少なく、ニトロソ化される量はもっと少ないだろう。さらに体内でニトロソ化されるのはモルホリンだけではない。肉や魚に含まれる多数のアミンがニトロソ化される。発がん物質はどこにでもあり、避けることはできない。だからワックスがかかっているリンゴは楽しもう。
-動画
アルコールについて知っておきべきこと
Cup o'Joe-What We Should Know About Alcohol (youtube.com)
食事についての標準的助言は「なんでもほどほどに」である。これは一般的にはあてはまるがアルコールについてはもはやそうではないようだ。たとえ少量でもアルコールは健康に悪い。アルコールに安全な量はない。
その他
-ドイツ栄養学会食事助言
Eat and drink well - recommendations of the German Nutrition Society (DGE)
2024
・飲み物は水
・カラフルな野菜や果物をたっぷり
・豆とナッツを定期的にとる
・全粒穀物を好む
・植物油を選ぶ
・毎日幾分かの乳製品を
・魚を週に1-2食分
・肉とソーセージは少なければ少ないほどいい
・甘いもの、しょっぱいもの、油っこいものは避ける
・食事を楽しんで
・よく動き体重に気を付けて
背景
2024年3月に新しい食品ベースの食事ガイドラインを発表したが、ここで初めて持続可能性を取り入れた。情報はドイツ語
(ドイツなのにビールとソーセージを否定)
-栄養士向けニュースレターから
栄養士の暗黒面;Jonathan Stea博士に注目
栄養士の二つの道
・科学と根拠に基づいた実践
・サプリメントやデトックスキット、マイクロバイオーム検査や食品過敏症検査を売る
Jonathan Stea博士の新著“科学に注意:あなたのメンタルヘルスをウェルネス業界から守るMIND THE SCIENCE: SAVING YOUR MENTAL HEALTH FROM THE WELLNESS INDUSTRY” の紹介
Jonathan Stea博士はカルガリー大学心理学部の特任助教でこれまで心理学分野の疑似科学に対応してきた。臨床心理学の分野で多くの患者が疑似科学的デマによって苦しめられていることを見てきた。
著者のページ
Home | Dr. Jonathan N. Stea | Mind the Science Author (jonathanstea.com)
(二つの道はそれほど明確に分かれているわけではないだろう。栄養士でありがちなのは「野菜果物350g必要なのに300gしかとれていない!サプリメントで補充しなくちゃ」といった「善意から」なのではないかな)