野良猫 食情報研究所

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2024-08-16

[FDA]FDAは次の段階の減塩対策を開始

FDA Starts Next Phase of Sodium Reduction Efforts | FDA

August 15, 2024

 

-FDAは減塩努力の一里塚を発表、ある種の食品のより低い目標を設定したガイダンス案を発表

FDA Announces Milestone in Sodium Reduction Efforts, Issues Draft Guidance with Lower Target Levels for Certain Foods | FDA

August 15, 2024

FDAはデータに基づく段階的減塩の第一段階である自主的減塩目標に続き第二段階のガイドライン案を発表した。2021年より前は消費者の平均ナトリウム摂取量はアメリカ人のための食事ガイドラインの2300 mg/dよりはるかに高い3400 mg/dだった。この案が最終化されれば2750 mg/dに20%減らす役に立つ。

2022年の予備的データによると、2021年に発行された自主的減塩目標を達成あるいはそれに近いのは約40%。

さらなる減塩対応として、FDAは塩の代用品の使用を認めるための規則の提案、消費者に塩の代用品であることを知らせるための「塩化カリウム」の代わりに「カリウム塩」を使うことのガイダンス発表などがある。

(醤油も減塩目標が設定されているのだけれど、これってレシピ通りの分量で作れば減塩されるはず、なのだけれど味見して物足りないから足すという使い方をするとそこまで減塩できないのではという疑問が。)

 

[FDA]FDAはAustrofoodに警告文書を発行し米国で販売されるシナモン製品の安全性を確保するためのしっかりした活動を継続する

FDA Issues Warning Letter to Austrofood and Continues Robust Activities to Ensure Safety of Cinnamon Products Sold in U.S. | FDA

August 15, 2024

昨年の秋からFDAは州当局と協力して有害量の鉛とカドミウムを含むためリコールされたアップルシナモンフルーツピューレの調査を開始している。リコール対象製品の製造業者であるAustrofoodはエクアドルの施設で問題の製品を製造していて、FDAはシナモンの汚染が経済的動機による異物混入であるとの仮説を立てている。8月9日にFDAはAustrofoodに対してヒト用食品のCGMP、ハザードアナリシス、リスクに基づいた予防管理規則違反であることを記載した警告文書を発行した。リコールの前にAustrofoodは予見可能なハザードとして知られているものについて適切なハザードアナリシスを行わなかった。シナモンの鉛は予防管理が必要なハザードであると同定すべきだった。

3月に業界向けに鉛はしばしばスパイスに環境由来及び意図的混入によって検出されることについて説明した。製造業者は適切にハザードを解析して予防対策をとることが求められる。

さらにFDAは議会に対して食品中の汚染物質についての法的拘束力のある基準を設定する権限を要請している。また企業に最終製品中の汚染物質を検査し記録を維持することを要求する権限も求めている。

(一部のみ。汚染物質への管理強化を求める内容で、日本はこの分野かなり弱いので要注意。HACCPの手引きのハザードの例に入れるよう言ったのだけれど無視された。基準がないから管理しなくていい、わけではない)

 

-FDAは鉛とクロム濃度の高いアップルシナモンフルーツピューレの製造業者に警告文書を発行

FDA Issues Warning Letter to Manufacturer of Apple Cinnamon Fruit Puree Products Containing Elevated Levels of Lead and Chromium | FDA

08/15/2024

 

[MHRA]伝統ハーブ登録されたハーブ医薬品

Herbal medicines granted a traditional herbal registration (THR) - GOV.UK (www.gov.uk)

Last updated 15 August 2024

更新

 

[HSA]湿気とカビ:借家の提供者向けの健康リスクの理解と対策

Damp and mould: understanding and addressing the health risks for rented housing providers - GOV.UK (www.gov.uk)

Published 7 September 2023 Last updated 15 August 2024

 

[ProMED]キャッサバ中毒―ナイジェリア:(ソコト)致死

Cassava poisoning - Nigeria: (SO) fatalities

2024-08-16

https://promedmail.org/promed-post/?id=8718190

Date: Mon 12 Aug 2024 Source: Nigeria World [edited]

ソコト州のRunjin Barmo村で7人家族がキャッサバの食事をした後死亡した。この村の4家庭で問題のキャッサバを使っていて他の家庭では病気の報告はない。原因を調査中。

(編集者が適切な調理をしなかった可能性を指摘。NOVA分類提唱者ってキャッサバ無視しているよね?)

 

Science Volume 385|Issue 6710|16 Aug 2024

表紙は2021年7月11日のUEFA Euro 2020チャンピオンシップ決勝戦の観客。

イングランドウェールズでのデジタル接触追跡が普通でない多数の感染を検出した。スタジアムの観客だけではなく家庭やパブにサポーターが集まったことによる。

-ニュースを一目で

News at a glance

・今週Nature Medicineに発表された論文によると、2023年に欧州35か国で暑さのために死亡した人は47000人以上。

EPAが健康上の懸念から除草剤DCPAをブロック

・23andMeは医薬品開発をやめる

・アフリカCDCはMpoxに警告

 

-特集 混乱状態(困った水)

グランドキャニオンの象徴的場所でのウラン採鉱が部族の唯一の水源を脅かす可能性がある

 

-展望 40億人が安全な水を欠く

Four billion people lack safe water

708-709

低から中所得国の安全な飲料水の使用マップ

Mapping safe drinking water use in low- and middle-income countries

By Esther E. Greenwood, Thomas Lauber, Johan van den Hoogen, et al.•Science•16 Aug 2024

Natureニュースでの紹介

「許容できない」:驚く44億人が安全な飲料水がない、研究が発見

‘Unacceptable’: a staggering 4.4 billion people lack safe drinking water, study finds (nature.com)

15 August 2024

新しい推定はこれまでの数字の二倍で、どちらが正しいのか疑問を生じデータの穴を強調する

Scienceに本日発表された新しい推定は世界人口の半分以上が安全でない水を飲んでいることを示唆する

 

-書評 どこに戻る?

To what do we return?

719  Sarah Boon

Sophie Yeo著「Nature’s Ghosts」の書評

ジャーナリストSophie Yeoが時代を超えて変わる地球の風景について考えさせる。

12万5000年前からネアンデルタール人が光景を変えてきた地球には戻るべき「手つかずの原野」などというものはない。自然の回復と言ったとき、何を指すのか?

歴史生態学者George Peterkenは三つのアプローチを示唆している。(i) “present-natural現在のナチュラル” 人類が重要な影響を及ぼす前にもどす(ii) “futurenatural,未来ナチュラル” ヒトの介入なしに自然にまかせる; (iii) “originalnatural原始ナチュラル,”数千年前の光景を再創造する

 

-レター

タコを野生のままにするため米国タコ法支持

Support US OCTOPUS Act to keep octopuses wild

721-722 Jennifer Jacquet以下100人ほど

タコの商業養殖は福祉要件を満たさず持続不可能で不必要である。現在タコの商業養殖場は存在しないがスペインのシーフード企業が計画している。3月に米国ワシントン州がタコ養殖を禁止した。同様の規制がカリフォルニアとはハワイで導入されている。米国議会はタコの養殖禁止と養殖されたタコの輸入禁止法を作るべきである。

(イルカ・クジラの次はタコが頭がいいので守るべきと。そのうちタコ焼きが標的にされそう)

 

その他

-コンシューマーラボ

製品レビュー:ヒマワリの種とバター

Sunflower Seeds and Butters Review & Top Picks - ConsumerLab.com

August 15, 2024

ほとんどのヒマワリの種とバターから高濃度の毒素が検出された

カドミウムが多かった。最大量は一回分当たり20.8 microgで、カリフォルニアの警告表示の基準4.1 microgよりはるかに多い。おそらく土壌由来。

 

-超加工食品税がほぼ不可能で効果がない理由

How an ultra-processed food tax will affect manufacturers (foodnavigator.com)

15-Aug-2024 By Nicholas Robinson

最近の英国の消費者調査によると多くの英国人がジャンクフードと超加工食品に課税を望んでいる。それが肥満対策になると信じている。

英国人だけではない、EUの消費者もUPFが肥満やその他の病気増加の原因であると信じている。それで税が導入されたら製造業者にどう影響するだろう?そして消費者は痩せるのか?

何がUPFか定義がわからないので課税は難しい。

仮に望ましくない成分の量をもとに課税するとして、デンマークが2011年に飽和脂肪に課税を導入したがあらゆる実行上の問題に直面して2012年に廃止された。

少しだけ情報がある状態は情報がないより危険な場合がある。

 

-科学は無視して計画を進めよ

Ignore Science, Advance an Agenda - THE FIREBREAK

THE FIREBREAK Aug 15, 2024

米国小児科学会心臓部のスキャンダル

編集者からのイントロ

米国小児科学会(AAP)が科学的根拠を無視してGMOは健康リスクがありオーガニック食品を選ぶように保護者に薦める報告を出版して公式ガイダンスとした。FIREBREAKはその件についていくつかの記事を発表している。Kevin Folta博士もこの件についてAAPの編集者Lewis Firstに連絡したところFolta博士のコメントを出版すると約束した。Folta博士はコメントを送ったが約束は無視された。Lewis Firstの逸脱行為はこれが最初ではなく、全ての批判を無視している。

ここにFolta博士が送ったコメントを掲載する。

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招待コメント

親愛なるPediatrics読者の皆様、

Abramsらによる論文は、誤った情報がどのように広がるかの驚くべき例である -信頼できる情報源からでさえ。 Pediatricsは尊敬されている雑誌であり、それに掲載された論文がある技術を危険だと示唆していれば、医師や一般の人々は注目する。それはいい。しかし、そのメッセージが何万もの研究、規制当局による承認、50年にわたる使用から築かれた科学的なコンセンサスに反するのであれば、事態を混乱させ、科学を伝える私たちへの信頼を失墜させる。さらに悪いことに、科学的な議論をリードする必要がある雑誌であるPediatricsの信頼を損なう。

一人の編集者、査読者、科学著者として、私はこの報告と広範な科学的コンセンサスとの断絶にショックを受けた。この記事は学術的な厳密さを欠いており、脱落が多く、証拠を正しく伝えるのではなく物語を作ろうとしている。この報告には多くの問題があるが、最も目立つ問題は以下:

1.中核となる前提が間違っている。グリホサートが食事または職業暴露でがんの原因となるという直接的な証拠はない。IARC、WHOの他の機関、および数十の国際規制当局は、この結論を支持している。このことがレビューには記載されていない。

2.引用バイアス。引用された根拠は、Zhang et al., 2019のメタアナリシス由来で、その論文では希少な血液がんの家族でリスクが比較的わずかに増加することを示している。この研究は全く異なるデータセットを比較して、最も高い暴露と時点でのみ関連性を見つけたものだと批判されている(Kabat et al., 2021)。Abramsらはまた、遺伝子組換え作物(「GMO」)は安全ではないと常に誤った主張を続けている著者によるたった一つの論文を引用している(Hillbeck et al.,2016)。数十年にわたる54,000人の農薬使用者を対象とした最大の研究では、非ホジキンリンパ腫との関連は示されていないが、著者は不思議なことにそれは引用しない(Andriotti et al., 2018)。

3.限界の省略。引用された研究論文は、研究の重大な限界について明示しているのに、著者はグリホサートの危険性の決定的な証拠としてその研究を引用している。

4.ハザードとリスクの混同。著者は、検出=リスクと絶えず混同している。有害かどうかは用量により、分析化学技術は生理学的意味がある量より桁違いに低い濃度を検出できる。

5.論理的誤謬。著者は、作物や除草剤の膨大な研究がリスクとベネフィットを十分に説明されているのに、無視して「より多くの研究が必要」であると終わりのない議論を主張する。

 

これらは、この報告の問題点のほんの一部である。多くの独立した科学者や医師がオンラインでこの研究を批判していて、多数の分析が利用可能である。意図を知ることは不可能だが、使用されている言語とメッセージは、有機作物の広報のようである。

私たちは、遺伝子工学とそれに関連する化学が許容できないリスクを伴う可能性があるという考えに対して常にオープンである。しかし、その結論はコンセンサスにつながる根拠に基づくものであり、偏った物語でリスクを創り出すように厳選された根拠に基づくものではない。

著者らはTalking Biotech Podcastでいつでも私と議論できる。

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Firebreakの編集から追記

AAPの報告が引用しているZhang et al.,の論文は最近カリフォルニアの裁判所で判事が「ジャンクサイエンス」として証拠から排除された。

AAPの政治的バイアスへの批判が高まる中、Folta博士と小児科医でAAPメンバーのDr Nicole Kellerがウェビナーを開催した。AAP報告の著者も招いたが返事はなかった。

疑問は残り、Firebreakは報道を続ける

 

-たんぱく質の摂りすぎは体に悪い?

Can too much protein hurt us? - Dirt to Dinner (dirt-to-dinner.com)

By Hillary Kaufman August 15, 2024

たんぱく質が筋肉を作り組織を修復しお腹を満たすのに必須のマクロ栄養素であることは否定できない。しかしあらゆるものにプロテインを加えていて、摂りすぎについては考えている?

基本

たんぱく質を十分とることが健康にとって重要ではあるものの、余分に摂っても利益が追加されることはなく、害のある可能性もある。最善の食事法はあなたが長く続けられて気分がよく全体としての健康目標を支援するものである。

 

-スクープ:情報筋によるとJ&Jはタルク和解への支持を表明しそう

Exclusive: J&J near disclosing support for talc settlement, sources say | Reuters

By Mike Spector August 15, 2024

J&Jはベビーパウダーががんの原因になったと主張する数万件の訴訟を解決するための64億8000万ドルの提案について、今後数日で広範囲に支持する準備をしているという

(法律上のテクニカルな部分はよくわからないがJ&Jはベビーパウダーは安全だという立場)

 

-英国の企業が昆虫養殖を話題にしようと努力している

British firms strive to create a buzz around insect farming | Food & drink industry | The Guardian

Jack Simpson Sat 3 Aug 2024

ハエや幼虫由来たんぱく質が、ヒト食用というより鶏の飼料用が多いが、急増している。しかし業界を悩ませているのはEU離脱後の規則の混乱

ブラックソルジャーフライを養殖しているEntocycleは現在従業員32人

 

-栄養成分表には複雑な歴史がある―歴史家が食品を情報に翻訳することの科学と政治を説明する

Nutrition Facts labels have a complicated legacy – a historian explains the science and politics of translating food into information (theconversation.com)

Xaq Frohlich  July 16, 2024

米国では1994年以降全ての包装済み食品の背面に栄養成分表が記載されていて、最近は消費者への透明性の象徴となっている。よく見るものではあるがその遺産は複雑である。

栄養成分表の最も明白な目的は消費者に食品の栄養上の性質を知ってもらうことである。しかし表示はそれ以上のことをしてきた。それはアメリカ人の多様なニーズにこたえるため、食品をどうやって栄養に翻訳するかの広範な政治的技術的事情を抱える。

“% Daily Values(一日の所要量に対する割合)”はどこから?

どうして2000カロリー?

誰がサービングサイズを決めている?

名称の意味は?

事実を計算する新しい方法

栄養成分表の遺産