論文
-肝毒性の可能性がある6つの植物製品への米国成人の暴露
Alisa Likhitsup et al., JAMA Netw Open. 2024;7(8):e2425822.
全国を代表する9685人の調査のデータ。肝毒性の可能性のある6つのサプリメントの使用は、ターメリックが最も多く、次いで緑茶、アシュワガンダ、ガルシニアカンボジア、ベニコウジ、ブラックコホシュの順。植物製品の使用者は有意に高齢、教育レベルが高い、関節炎のある人が多い。
このNHANESコホートでは、平均年齢47.5 (0.5)才、51.8%が女性。全体としてのハーブダイエタリーサプリメント使用率は57.6%。今回対象にした6植物については4.7%。ターメリック236、緑茶92、アシュワガンダ28、ガルシニア20、ベニコウジ20、ブラックコホシュ19。
これら製品への規制監視がないことを考慮すると、医師はこうした製品に由来する有害事象に注意すべきである。
-未殺菌のミルクは飲まないこと。では未殺菌ミルクで作ったチーズは?
Don't drink raw milk. But what about raw milk | EurekAlert!
5-Aug-2024
ACS動画シリーズ
Here’s How to Make Raw Milk Safe (Pasteurization) (youtube.com)
殺菌大事 温度と時間の解説
チーズは沼 乾燥とエイジングで細菌を減らせるが完ぺきではない
SMC UK
NHSスープとシェイクダイエットと2型糖尿病寛解への専門家の反応
expert reaction to NHS soups & shakes diet and type 2 diabetes remission | Science Media Centre
August 5, 2024
The Lancet Diabetes & Endocrinologyに発表された研究が2型糖尿病寛解目的でのNHSスープとシェイク食事療法を調べた
Dundee大学医学部2型糖尿病専門家Calum Sutherland教授
Valhabji博士らの仕事はNHSが提供した食事置き換え療法が有効だったことを確認した。体重減少が最も大きかった人が最も健康上の利益があった。この前に行われた小規模臨床試験より減少幅は小さかったがそれでも印象に残る結果である。再発しないようモニタリングの継続は必要だが、たとえ数年であっても寛解は長期的な健康改善に寄与する。
Oxford大学食事と肥満准教授Nerys Astbury博士
この新しい結果は先に報告された低カロリー総食事代用計画(TDR)の知見を再現する。新しい知見はNHSのスケールでルーチンの医療として達成できることを示す。寛解がどのくらい続くかはわからないが、減量に大きな利益があることはわかっている。
(医療としてダイエット食品を処方しようとしている)
SMC NZ
NZは乳児用調整粉乳の共同基準には参加しない
NZ opts out of joint standard for infant formula - Expert Reaction - Science Media Centre
06 August 2024
政府は、乳児用調整粉乳に関する、厳しい表示要件を含む新しいトランスタスマン基準には署名しない
新しい基準では粉ミルクの缶の前面に、追加されたと考えられるベネフィットを表示できなくなる。NZは今後5年で独自の基準をつくる
SMCは専門家にコメントを求めた
Auckland大学Liggins研究所研究員Mariana Muelbert博士
これは間違った方向への一歩で酪農業界のロビー活動に屈したものだ
その他
-「魔法の銀」COVID-19治療薬を売り医師に変装した「現代のニセ薬セールスマン」、裁判所で自己弁護した後何年も留置所へ
Fake doctor with 'Miracle' cure for COVID-19 sent to prison (lawandcrime.com)
Matt NahamJul 31st, 2024
ユタ州のCedar Hillsは2012年から2020年の間に免許のある医師と偽って数百万ドルを稼ぎ、詐欺罪で3年の実刑。特にコロナで大儲けした
Rebecca Crosby Jul 31, 2024
反ワクチンでケムトレイルを信じている映画監督Robby Starbuckの紹介(?)記事
主流メディアが彼の陰謀論や過激な信念に言及しない
(ソーシャルメディアの多数のフォロワーを使ってLGBTQ親和性の高い活動をした企業に圧力をかけてやめさせている人)
-AAPへの小児科医のレター
A Pediatrician's Letter to the AAP - by Nicole Keller (thefirebreak.org)
Nicole Keller Aug 05, 2024
米国小児科学会の、保護者にオーガニック食品を選ぶよう勧めるレポートに対して、小児科学会の会員のNicole Keller博士からエディターと著者に対して問題点を指摘するレターを送った。それへの回答は無視だったので、レターとそれぞれからの回答を公開する。
(長い文書)
-体重が減るとがんになるのではないが現代の疫学は歓迎する
Losing Weight Can't Cause Cancer But Welcome To Modern Epidemiology | Science 2.0 (science20.com)
By Hank Campbell | March 6th 2024
世紀が変わり、科学コミュニティはかつて賞賛した分野を批判的に見るようになった;疫学である。彼らは科学者ではなく関連を探す。面白そうなら科学者がそれをフォローアップする。かつて喫煙とがんの関連を示したとき、データは圧倒的で包括的だった。
しかし1980年代以降、ハーバード大学公衆衛生院が主導して食事記録だけから食品や化学物質と病気や長寿に関する奇妙な関連を主張し始め、今や疫学者は「漬物とチューインガムががんの原因」のようなことを常に主張するようになった。科学者はそれが事実ではないと知っているし一般の人々もばかげていると考えているが、NIEHSの職員が10年前のオバマ政権の時に疫学における関連こそが最高の権威であり生物学者や毒性学者はどうしてその統計的関連が見られるのかの理由を説明するだけが仕事だと主張し始めた。そのような雰囲気の中では、疫学者が減量ががんの原因だと言い始めるのは時間の問題だった。
Cancer Diagnoses After Recent Weight Loss
Qiao-Li Wang, et al.,JAMA. 2024;331(4):318-328.
もちろんそんなことはない。
著者らは157474人の参加者のうち15809件のがんを発見した-高齢なので驚きではない。科学者が当惑したのはプレスリリースで、直近で体重が10%以上減った人の10万「人年」あたりのがんが1362で体重が減っていない人の869より多いという。「人年」という単位を使うと実際より大きく感じる。こんなことがずっと続いている。
注:問題は、全ての疫学者が悪いわけではなく、疫学が、他の学術分野同様、自分たちで悪い人物を指摘しないことである。
また疫学研究では原因だとは言っていないことも知っている。しかしメディアは原因であるかのように報道する。疫学者は単なる探索研究であっても懸念を表明し対策を要求する。それは資源の無駄につながる